円谷英二にまつわる6つの逸話!「特撮の神様」を知るおすすめ本も紹介

更新:2017.9.26

日本の特撮映画を代表する人と言えば「特撮の神様」、円谷英二。円谷プロから生み出された作品は、「ゴジラ」、「ウルトラマン」、「モスラ」など多くの視聴者に夢を与えました。そんな彼の人柄のわかる逸話と、おすすめ関連本を紹介します。

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特撮映画の神様・円谷英二

円谷英二は日本を代表する特撮監督です。『ウルトラマン』や『ゴジラ』など数多くの傑作特撮映画を発表し、子どもたちに夢を与え続けました。映像業界では「特撮の神様」と尊敬されています。

 

東宝映画を根本から支え続けた円谷は、数多くのスタッフに愛され、映画からTVまで、実にたくさんの映像作品を手がけています。子ども向けの特撮映画が中心ですが、戦争に関する映像を世に送り出したことでも有名です。

円谷が亡くなったあと、東宝映画は作品制作の中止を余儀なくされるほどの大打撃を受けました。彼の存在によって発足した特殊技術課は、彼の死とともに幕を閉じたのです。

 

円谷英二にまつわる6つの逸話!

1:異常なほどに研究熱心だった

円谷英二はフィルムの研究に対する執着心が凄かったそうです。映画『キングコング』が発表されると、そのフィルムを独自に取り寄せ、一コマずつ観察して研究したのだとか。また、「キングギドラ」を完成させる前には神社に訪れ、3時間以上にわたって狛犬の観察をしたといいます。

映像に対する強いこだわりが感じられる逸話です。

2:部下なし課長だった!?

今や大企業となった東宝が出来た当初、円谷英二は「特殊技術課」という課を、自身の活躍の場として設立してもらいました。しかし、あまりに先進的なことを志したため部下はおらず、1人課長に就任されたそうです。

3:リアルすぎる映像が本物と間違われる

1942年に発表された映画『ハワイ・マレー沖海戦』で、特殊技術担当として参加した円谷英二。しかしあまりにリアルな映像を作ったため、本物の実録映像だと思い込んだGHQに押収されそうになりました。円谷の才能が伝わる誤解です。

4:人柄がよく、愛されていた

映像のクオリティに対しては常に厳しい眼差しを持ち、妥協も許さなかった円谷英二でしたが、その人当たりのよさでスタッフたちからは「オヤジさん」の愛称で親しまれたそうです。「優しくて、面倒見のよい人であった」と、当時共に働いたスタッフたちは振り返っています。

5:子ども思いの作風

円谷英二が手掛ける作品は、ウルトラマンやゴジラなどどれをとっても「子どもが安心して楽しめること」を主軸にしていました。そのため、過度な暴力や流血などの残虐シーンは極力避け、子どもたちに悪影響を与えないよう注力していました。

6:敬虔なカトリック教徒

円谷英二は妻の勧めでカトリック教に入信してから、一家でその教えを守りぬきました。戦争に対して違和感を覚え、子どもを大切にしていた円谷らしいエピソードです。

円谷英二の人柄が読み取れる孫の著書

円谷英二は自身の映像制作をおこなう拠点として「円谷プロダクション」を設立しました。

円谷プロダクションはウルトラマンをはじめとした有名作品を次々と発表し、日本を牽引する特殊映像会社となります。初代社長である円谷は、その才能を惜しみなく円谷プロダクションで発揮しました。

しかし、彼には苦手な分野もあったのです。

著者
円谷 英明
出版日
2013-06-18

円谷プロダクションが映像業界に与えたインパクトや功績は計り知れないものですが、孫であり円谷プロダクション社長を継いだ円谷英明は、経営難があったと暴露しました。

円谷英二は強い作品へのこだわりがあり、そのクオリティのためならば予算も時間も度外視で作品をつくる傾向がありました。また、優秀なスタッフに対する囲い込みなどの戦略もなかったため、人の流れが激しかったそうです。

ビジネススキルとクリエイターとしての才能はまったく違うということ、そして円谷がどんな思いで仕事をしていたのかということが如実に伝わる一冊です。

有名になる前から円谷英二が書き記した文章の全て

本書は円谷英二によるエッセイ集です。その数は膨大なもので、戦前のカメラマン時代から彼が思い描いていたさまざまなビジョン、哲学が詰まったものとなっています。

エッセイだけでなく、対談やインタビューで残した円谷の言葉も記録されているところが魅力です。また、座談会などで交わされた細かい言葉にも注目されています。

円谷英二という人を読むという意味でいうと、最も情報量の多い一冊といえるでしょう。

著者
円谷 英二
出版日
2010-12-01

円谷英二の全てと言っても過言ではない、大変重量感のある随筆評論集成。

著者本人はもちろんですが、この本の編集者である竹内博の活躍も大変評価されるべきものです。竹内は円谷プロで働いていた時期もありました。円谷を心から尊敬したうえで、彼の言葉は後世に残すべき格言だと信じ、本書を編集したそうです。円谷英二の歴史を通して、日本の特撮映画の歴史をも学ぶことのできる貴重な本です。

多くの業界人が語る、彼の映像作品の魅力とは

円谷英二は、どのように特撮映画を撮影していたのでしょうか?また、どんな心意気で映像を作っていたのでしょうか。

あらゆる円谷英二の映像世界を描くテーマについて、映像業界の著名な人物たちがあますところなく語ります。円谷と直接仕事をともにしていたメンバーだからこそ語れる秘話が満載です。

著者
出版日

円谷英二の仕事がいかに壮大な夢を持っていたか、そして彼の才能がいかに素晴らしいものであったのかが伝わってくる作品です。映像技術者としての円谷や、彼が手がけた作品など、円谷作品に関するトピックをさまざまな方向から切り取っています。

特に、作品解説の詳細さが本書の見どころです。本書を読んでから映画作品を見ることで、円谷英二の世界観をさらに深く楽しむことができるでしょう。「モスラ」や「ゴジラ」など、特定のキャラクターが好きという方にも必読です。

円谷英二の仕事論を格言で学ぶ一冊

円谷英二が映像作品をつくるにあたって発してきた言葉を、周辺にいたスタッフや業界人たちが振り返り、一冊にまとめました。

円谷の情熱ある作品作りや、仕事に対する創意工夫の姿勢などがリアルに伝わってくる名言集となっています。

著者
右田 昌万
出版日
2011-04-08

円谷英二が徹底的に作品に取り組み、映像というものに対してあくなき挑戦をしていることがわかりやすくまとまっています。映像業界を目指す方にはぜひ読んでほしい一冊です。

円谷に関わったたくさんの人から聞いた逸話や名言が、読みやすい文体でコンパクトにまとめられているので、読書が苦手な方でも読みやすいでしょう。

巻末にある、円谷英二の孫・円谷昌弘との対談も大変興味深いものとなっていますので、ぜひチェックしてみてください。

円谷英二の人生そのものをまとめた一冊

タイトルに「映画」とありますが、円谷英二の仕事に焦点をあてたものではなく、まさに彼の人生そのものを振り返るといった一冊です。

円谷英二に関して残っていた全ての資料をギュッと詰め込んでいるのが魅力。たとえば、彼の幼少期の通信簿やデッサンなど、彼の原点ともいえる記録の全てが掲載されています。

彼の一生涯が集まった傑作といえるでしょう。

著者
円谷 一
出版日

写真や資料などが中心となっており、カラーページなども含まれた大判となっています。生誕100年を記念して作られた超豪華本です。

資料だけでなく、映画監督や俳優などの業界人からの寄稿文もたくさん掲載されており、また、円谷一族から見た円谷英二に関するエッセイも読むことができます。

円谷本人や、彼の作品に興味を持ちはじめたという方は、まずはこの本を読んで彼の人生を知ることをおすすめします。彼の映像作品を裏付けるものの秘密や、映画に対する彼の信念を知ることができるでしょう。

日本の特撮映画業界を牽引してきた円谷英二を知ることのできる本をご紹介しました。映像業界に生きる人たちも、彼に興味がある人も、ウルトラマンやゴジラのファンの皆様も、ぜひ読んでみてください。円谷英二という人の人柄と、映像にかける熱い想いに胸打たれるでしょう。

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