だんだん寒くなって参りました。皆さんいかがお過ごしでしょうか? 私は11月30日発売のアルバム、『辛夷其ノ壱』のレコーディングなどで毎日充実しています。最近、久しぶりに会う友人が多く、話を聞いていると、それぞれ色々なことがあるんだなあ、と改めて実感しました。そこで今回は「もうイヤだ!」と思った時に読みたい本を集めてみました。私自身落ち込んだ時は1人で部屋にこもって本を読むとが多いのですが、そんなときに手にとって読んだら、読み終わる頃にはイやなことも忘れてしまうような本を選びました。
- 著者
- 【矢崎節夫】 【玄侑宗久】 【片岡鶴太郎】 【里中満智子】 【荒了寛】
- 出版日
- 2002-09-30
もともと自分からこの本を手に取ったわけではなく、私の部屋の本棚に、まるで私の本かのように置いてあり、なんとなく読んでみました。私自身、詩についての知識があったわけではなく、そしてそれは今も同じなのですが、この本の繊細な表現、言葉や文字の選び方など、すべてが美しくそれと同時に少しさみしいような切ないような……。それでいて温もりを感じるような不思議な感覚に酔いしれてしまいます。
力強く私たちの背中を押す言葉、優しく私たちに語りかける言葉、どれも私たちの心の中で「気持ち」「思い」に変えて頑張る原動力となる一冊です。
- 著者
- 朝井 リョウ
- 出版日
- 2014-04-10
私は今、高校生ですが、この本は大学生の男女を中心に物語が繰り広げられていきます。最初はただの短編小説かと思いきや物語が進むにつれ、少しずつ繋がっていき一つになっていき結末まで目が離せない展開になっています。そして単純に、大学っていいなあ、と感じます(笑)。
分かりやすいキャラをした人物が多いのですが、いい意味で、普通で人間臭くて、リアリティがあります。読んでいくうちに、その現実にありそうな小さな出来事の一つひとつに意識が吸い込まれていきます。
薄っぺらい言葉に隠された大きな熱い思いに、人間そう簡単には気付けないのだと思い、心がすっと軽くなり、そして自分の秘めた想いを誰かに伝えたくなる。そんな小説となっているのではないかと思います。
- 著者
- 小畑 友紀
- 出版日
- 2002-10-26
いわゆる少女マンガで、小説が好きな方だと苦手とされる方も少なくないのではないでしょうか。私自身、このマンガに出会った当時は少女マンガというものはそこまで得意でなく、なんとなく小説ばかりを読んで過ごしていました。ですが、ふらりと立ち寄った本屋で適当に暇を潰そう、と思い手に取ったのがこの本でした。マンガを読んで初めて涙して、こんなに切なく幸せな物語があったのかと、私にとっては軽いカルチャーショックでした。
仲間、家族、恋人、まわりの人を思いやり、時には思い詰め、自分の気持ちに正直になったり、はたまた嘘をついたり。人の気持ちってこんなにも純粋で、まっすぐで、きれいなものなんだと思える一冊でした。マンガということもあり、サクサクと読めるという点でも、定期的に読みたい。そう思える大好きなマンガです。