フクロウの飼育方法をご紹介!本当に飼えるの?餌は何をあげる?

更新:2021.11.10

図鑑やテレビなどでしか見ることのなかったフクロウ。実はきちんと手続きをすればペットとして飼うことができるのです。フクロウと同じ屋根の下で暮らす生活はどんなものなのでしょうか?今回は飼育方法を簡単に解説します。

ブックカルテ リンク

フクロウを飼育する前に注意しておきたいこと

まず飼う前に覚えておきたいのは、正式な手続きを経て輸入したフクロウ、またはそれらを繁殖した個体以外は飼えないということです。つまり日本産の飼育は禁止されており、捕獲も法律違反となっています。

これらの条約を定めているのは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」。英語名の頭文字を取って「CITES」や、条約が結ばれた地名にちなんで「ワシントン条約」とも呼ばれています。

これは希少な野生動物の国際的な取引を規制する条約で、フクロウはこのワシントン条約にその取引の規制が定められています。基本的に日本のペットショップで売られている個体はワシントン条約の規制をクリアしたものですので、正式に店で購入する場合はあまり気にする必要はありません。

また、彼らは鋭い爪とくちばしを持つ猛禽類です。犬などのように人間に慣れるようなことはあまりありません。ストレスが溜まると人を襲うこともあるので、小さな子供のいる家庭で飼う際は必ず部屋で放し飼いにするのではなく、カゴの中で飼育するようにしてください。

フクロウの飼育の基本

フクロウはカゴの中で飼うこともできますし、部屋で放し飼いにして飼うこともできます。ただ基本的に彼らは人になつく生き物ではありませんので、放し飼いをする場合は注意が必要です。個体や種類にもよりますが、大きな音や振動は苦手なので覚えておくとよいでしょう。

カゴで飼う場合は小型の個体でも大きめのカゴで飼うのがおすすめ。小さすぎるとストレスが溜まってしまうからです。体長に合わせて、彼らが快適に暮らせる環境をつくってあげましょう。

カゴの中に入れるもの

 

  • 止まり木
     
  • 目隠し坂
     
  • 餌皿
     

 

止まり木はさまざまな形のものを数種類準備して、遊べる環境を整えてあげます。

目隠し坂は隠れることができるように、身体が隠れるぐらいの大きさのものを選ぶとよいでしょう。

最後に餌皿は餌を置くのに使いますので、ペットショップでペット用のものを購入するのがおすすめです。

カゴは実際の環境に近くなるよう、なるべく高いところに置くようにします。飼う時には体重計や温度計、湿度計なども準備しましょう。これは彼らの体調管理をするのに必要で、常にその個体にあった温度や湿度を保つように注意します。
 

トイレのしつけなどは覚えるまでに時間がかかったり、覚えられなかったりする場合がありますので、ペット用の消臭グッズも用意しておくとよいでしょう。ペットショップなどには動物に無害な消臭グッズがありますので、それらを使用すると部屋のにおい問題にも対応できます。

爪の手入れ

爪の手入れですが、自宅でおこなう場合はペット用の爪切りややすりでケアをすることになります。しかし彼らはあまり人間になれないことも多く、突然攻撃されることもありますので、獣医やトリマーに頼んだ方がベターです。プロに頼んでも1回数千円で爪のケアをしてもらえます。

2つの飼育タイプ

フクロウの飼育には「観察型飼育」と「交流型飼育」の2種類があります。観察型飼育は彼らと一定の距離を保ち、観察をメインにした飼い方。交流型飼育は犬や猫のように彼らとの交流をもち、ふれ合いを求める飼い方です。まずは観察型飼育で生活を始めて、それから交流型飼育にシフトしていってもよいかもしれません。

ただ、もともと犬や猫のように簡単に交流ができる生き物ではありませんので、ストレスにならないようふれ合い方には注意が必要です。

餌は何をあげるの?

餌はラット、ヒヨコ、ウズラ、コオロギなどです。新鮮な生肉を好みますので、飼い主自らがさばいて餌を与えなければいけません。スーパーに売っている生肉は血抜きをしているものも多いです。フクロウは生肉の血からビタミンやミネラルを摂取しますので、スーパーの肉だと栄養不足になってしまう可能性があります。

これらの餌を取り扱っているペットショップもありますので、さばくのが難しいと感じている方は購入してもよいかもしれません。

餌はカゴの中の餌皿に置いておきます。餌やりの頻度は1日1、2回。体重の15%~20%の量で大丈夫です。フクロウ用に健康を維持するサプリメントなどもありますので、必要であれば取り入れてもよいでしょう。

人気のある種類

シロフクロウ

ハリーポッターの映画に出演したフクロウとして知られ、イギリスなどで人気の種類です。しかし人になつかない性格で飼育が難しく、あまり流通していないため、価格も30〜40万円と高めです。

メンフクロウ

ヨーロッパや北アフリカに生息する種類で人の生活圏に比較的近いところで生活しています。繁殖が他の種に比べて容易なため、価格も10〜20万円とフクロウのなかでは比較的安いです。性格はおっとりしていて、なついてくれる個体も多いようです。

アフリカオオコノハズク

ケニアなどに生息している種類。大きな目と白と灰色の毛色が特徴です。敵と遭遇すると体を細め、ストレスがたまると身体を広げます。鳴き声にも特徴があり、体長は20cmほどで小型です。

コキンメフクロウ

小型の種類で、体長20cmほど。こげ茶と白色が混ざった羽毛をしています。性格は臆病で、はじめは人に強い警戒心を示します。

フクロウの基本情報はこれでバッチリ!

これから飼おうとしている方や、すでに飼っているけれど、さらに詳しく知ってみたい方に向けて書かれたのが本書です。

フクロウの種類、飼育環境、生態など基本をしっかりおさえることができる内容となっています。

著者
藤井 智之
出版日
2015-08-03

本書の前半部分はフクロウの種類を紹介した図鑑形式。ほとんどの種類を網羅しているので、さまざまな種類について知ることができます。写真はほとんどフルカラー。眺めているだけで愛らしい彼らの姿に心癒されることでしょう。

後半部分は飼育の際に必要な実践的な知識について書かれています。餌の入手方法や捌く際に必要な道具、その捌き方まで、フクロウを飼う際に必至となる情報もしっかり掲載されています。

また、病気になった際のフンの状態なども紹介。可愛い姿を眺めるだけでなく、現実的にフクロウと暮らしていくためのヒントも掲載されています。  

この一冊で基本的なことが全てカバーできるでしょう。飼いたいと思っている方は、その楽しさから難しさまで知ることができますし、すでに飼っている方も見落としていた部分を発見できるかもしれません。

ぽーがもたらす幸せな時間

本書は作家の苅谷夏子によるエッセイです。

フクロウカフェで出会ったふわふわの赤ちゃんに衝撃を受け、フクロウの「ぽー」を飼いはじめます。そんなぽーとの日々の悲喜こもごもを綴った一冊です。

著者
苅谷 夏子
出版日
2017-04-20

餌は何をあげたらよいのか?そもそも普通の家で飼えるの?といった、フクロウを飼ったことのない読者の素朴な疑問に答える内容になっています。

また、飼育するまでの気持ちの変化や、ぽーのフン対策に奮闘する姿などが、ありのまま綴られていますので、飼っている方は「分かる、分かる」と頷きたくなる場面もたくさんあるでしょう。

さらに最大の魅力は作者の表現力。まるでフクロウのぽーが目の前で羽ばたいたり、私たちをじっと見つめたり、寄り添ってきたりするかのような、リアルな様子を思い浮かべることができます。挿絵のイラストもとても可愛らしいので、いつの間にか読者もぽーの虜になっていること間違いなしでしょう。

フクロウとの等身大の日々を綴ったハートフルエッセイ。楽しみながら彼らのいる生活について知ることができます。ぽーが運んでくれる幸せな時間を、ぜひあなたも感じてみてください。

こんなフクロウ見たことある?

自然のなかで暮らす彼らの、ありのままの姿を撮影した写真集です。およそ50種類のフクロウの自然のなかで生きる姿が収録されています。北極圏からアフリカまで、さまざまな種類の豊かな表情を楽しむことができるでしょう。

著者
出版日
2014-06-20

アナホリフクロウ、スピックスコノハズク、シロフクロウ。彼らの大自然のなかでの生活は一体どんなものなのでしょうか?

あくびをする姿や、寄り添う姿など、普通は到底見ることが叶わないような彼らの姿を本書では見ることができます。雄大な自然の美しい風景に溶け込んでおり、彼らの美しさはページを捲る手を止めてじっと見入ってしまうほどです。

写真のアングルもバリエーションがあり読者を楽しませてくれます。自然のなかだからこそ見られる、人間に対して挑むような視線など、私たちが知っている可愛い姿以外の顔も収録されています。本書の写真は絶妙な瞬間でシャッターが押されており、彼らの魅力を一瞬たりとも逃さず捉えているのです。

巻末には収録されている種類の基本情報が掲載されています。興味のある種類を見つけたら調べてみるとよいでしょう。フクロウを詳しく知らない方が本書を手に取ったら、彼らの魅力に取り憑かれてしまうこと間違いなしです。

いかがでしたでしょうか?今回はフクロウの飼育方法についてご紹介し、関連する本を3冊ご紹介しました。最後までお読み頂きありがとうございます。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る