くりくりの目とちょろっと出る舌の愛くるしさで人気沸騰中のヘビ。ペットとして飼ってみたいと考えている方も多いでしょう。今回は、飼い方を簡単に説明するとともに、おすすめの関連本についてまとめました。初心者の方もマニアの方も必見です!
準備するもの
どんなケージを選べばよいか?
彼らはよく脱走します。ケージが入手困難な場合は水槽でも代用可能ですが、爬虫類専用のケージなど、脱走しにくくなっているものがおすすめです。
体が長いので、大きいケージが必要なのでは?と思う方もいるかもしれませんが、実は彼らはそこまで運動を必要としないので、全長の半分ほどの長さがあれば十分といわれています。成長したらどのくらいの大きさになるかを考えたうえで購入するようにしましょう。
適温はどのくらい?
低温を嫌いますので、ヒーターは必須です。種類ごとに最適な温度がありますので、できれば温度計もあわせて購入しましょう。
サーモスタットだと、ヒーターと温度計の両方の機能を兼ね備えています。タイマー機能がついたものを使えば、とても便利ですね。
水入れはただの水飲み場ではない!?
水入れ、というと水飲み場のようなイメージがあるかもしれません。
しかし、ヘビは脱皮前に皮を柔らかくする際にも水入れを使います。そのため、とぐろを巻いてもすっぽり入れるくらいの大きさの浅い容器を用意しましょう。
乾燥しがちな時期には霧吹きでケージ内を湿らせられるように、霧吹きがあるとなおよいかもしれません。
最適な床材は?
床材にはさまざまな種類があります。木のチップや新聞紙が床材の代表例です。何を使ってもよいですが、新聞紙が経済的にも、掃除の手間を考えてもおすすめです。
種類によっても地面に潜るものなど、好みが異なりますので、最適な環境を整えてあげましょう。
隠れ家を忘れないで!
忘れられがちだけれども重要なのが木やシェルター。
彼らはとても神経質な動物です。隠れられる場所がないとストレスがかかってしまいます。種類に応じて、木やシェルターを用意してあげてください。
ヘビの餌
彼らはこれらの餌を丸呑みします。種類によって主食が異なるので、飼おうとしている種類が何を食べるのか、事前に確認をするようにしましょう。
一般的には、冷凍のマウスだと保存がきくのでおすすめです。冷凍マウスを与える際にはぬるま湯で解凍してから丸ごと与えましょう。
他の餌でもヘビの胴くらいの太さの餌であれば、消化することができます。
餌の頻度
生後2年くらいまでは週2回、その後は週1回あげるようにしてください。
ペットとして飼いやすいヘビはたくさんいますが、今回はそのなかでも特におすすめの4種類を紹介します。
コーンスネーク
アカダイショウと言われたほうが馴染みのある方もいらっしゃるかもしれません。
おとなしくて飼いやすいという点で、初心者におすすめの種類です。
野生の個体は赤いですが、ペットとしては赤に加えて黒、黄色、そして、色素がないため皮膚が白く目が赤いアルビノがいます。色や個体によって値段にはばらつきがあります。
ボールニシキヘビ
別名ボールパイソン。びっくりするとボールのように丸くなることから、このように呼ばれています。
ニシキヘビのなかでは小型の方で、成長しても2m程度。ニシキヘビの登竜門として人気です。
タマゴヘビ
卵しか食べないことから、このような名前がついています。冷凍でも餌にネズミをあげるは嫌!という方におすすめの種類です。卵を丸ごと食べ、殻だけ吐き出す特殊な食べ方をします。
最大でも1m程度と小柄で、餌の頻度も月に1回程度と、他の種類に比べて少なくて済みます。
セイブシシバナヘビ
顔立ちが他の種類とは異なり、イノシシの鼻のような特徴があります。
唾液に毒が含まれているので、餌を食べる際に誤って手を噛まれてしまうと、噛まれた部分が腫れてしまうことがあります。
成長しても40〜80cmで、メスのほうが大きく、オスだと最大でも66cm程度となります。
種類を検討する際の注意点
ヘビと一口に言ってもたくさんの種類があり、なかには国内での飼育が禁じられているものもあります。国内のペットショップで売っている個体は日本で飼育が許可された種類であることがほとんどですが、購入の際には、飼育が許可されている種類か、必ず確かめるようにしてください。
ヘビが幸せに暮らすために
彼らは音や臭いのトラブルが少なく、飼いやすい動物だといわれます。ですが、ストレスに弱く、繊細な一面ももちあわせています。彼らが健康的な生活を送り、10〜15年の寿命をまっとうするまで責任をもって飼えるか、よく考えてから購入するようにしてください。世話が難しくなったからといって、途中で捨ててしまうのはもってのほかです。
また、ヘビは脱走の名人です。脱走してしまったら、故意ではないにしても、自然界に放してしまうことになります。
一度脱走してしまったら、彼らは非常に見つけにくいです。脱走に関しても細心の注意を払うようにしましょう。
人がヘビの被害に遭わないために
ケージから出てしまうと、飼い主が被害に遭うこともあるので注意してください。過去には、飼い主が絞殺されそうになった事故もあります。
飼育する際には、ヘビも人も気持ちよく過ごせるような環境づくりが重要です。
- 著者
- 出版日
- 2015-01-23
これから飼いたい、まだ飼う予定はないけれども興味があるという人におすすめの入門書。3年間で気づいたら20匹以上も飼っていたという著者がヘビの基本について可愛らしくまとめています。
本書の特徴は何といっても、豊富な写真とかわいらしいイラストでしょう。写真やイラストを眺めているだけで、ほっこりした気持ちになれます。
これから飼育することを検討されている方のため、飼いやすい小型の種類に関する情報を中心に、飼育の際のノウハウが分かりやすくまとめられています。
彼らの生態にまつわる豆知識もたくさん載っているので、飼育予定がない人にもおすすめです。読んでいるだけで楽しめる一冊になっています。
- 著者
- 内山 りゅう
- 出版日
- 2009-02-01
ヘビの日常をお子様と一緒に学びたい人に、ぜひとも手にとっていただきたいのが本書です。
水中写真家である内山りゅうが、孵化、脱皮、食事などの日常風景を写真で紹介しています。
作者のヘビへの愛情に溢れた一冊になっていますので、「怖くて嫌い」と思っているお子様もこの本を読めば、恐怖心が和らぎ、彼らに対して興味をもってもらえるかもしれません。
- 著者
- 吉野 裕子
- 出版日
- 1999-05-10
日本の蛇信仰について分析しているのが本書。
彼らの生態を分析することによって、なぜヘビが古代日本において信仰の対象となったのかについて、日本民族学の立場から分析をしています。
日本人がヘビとどう関わってきたのかという歴史を知りたい人にはおすすめしたい一冊です。読み終わったあとには、彼らに対する見方が変わるかもしれません。
いかがでしたでしょうか?今回は飼い方からおすすめ本まで、人気沸騰中のヘビに関する話題をご紹介しました。最後までお読みいただきありがとうございます。