『荒野/On the Wild Side』制作中によく読んでた本
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『荒野/On the Wild Side』制作中によく読んでた本

更新:2020.11.30 作成:2016.10.18

「何を読んだからこうなった」とか「あの本のおかげで正社員になれた」とかそういうことってあるのかもしれないし、あるんだろう。でもこと音楽制作に関しては人それぞれいろんなタイプがいるだろうけど僕個人は「何を見てできた」というようなことがあまりない。見たもの聞いたものにインスパイアされたり、要素の一つになったりはもちろんするけれど、それよりその引っかかったもの(自分の場合大体が違和感だけど)、それを自分の中でいかに上手に発酵させていくかの方が大事な気がする。

下岡晃プロフィール画像
バンド「Analogfish」Vo/Gt
下岡晃
Analogfishのヴォーカル、ギター、コンポーザー。アートレーベル「m社」を主宰し、音楽のみならず、日々、創作を繰り返すアーティスト。2015年9月にAnalogfishの最新アルバム『Almost A Rainbow』がリリースされた。2016年、毎回ゲストを1組迎えるシリーズライブが始動。10月にはアコースティック・セルフカバーアルバム『town meeting / Analogfish Acoustic Edition』をリリース。 Analogfish Presents 「VS」シリーズ 第三弾 10月22日(土)新代田FEVER(w/ KETTLES) town meeting tour 2016 「EXTRA」 10月30日(日)仙台 PARK SQUARE http://www.analogfish.com/
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なので、意識的にではないけれど制作に入ると本とか映画とかに触れなくなる。というよりうるさく感じて自然に手に取らなくなる。あくまで自分の場合。だから「これに影響されてアルバムできました」というほどのことは基本的にないのだけど、1枚だけ『荒野/On the Wild Side』というアルバムを制作しながらよく本を読んでたことがあって、そのことをふと思い出したので書いてみます。

誰か喜ぶ人いるのかな。

風の谷のナウシカ

著者
宮崎 駿
出版日
アニメしか見たことなかったけれど何故か突然読みたくなって、当時付き合ってた彼女に誕生日に買ってもらった。それからしばらくナウシカづけでした。アニメの後にこんな長いストーリーが続いてるなんて知らないし、ニュースで見たり自分が暮らしたりするなかで、どうしようもなく気になってしまう事柄が落とし込まれていて「読んだらなんか答えがわかるんじゃないか」くらいの勢いで読んでました。内容は説明できないのでとにかく読んでほしい。理想の女性の一人。

アンダーグラウンド

著者
村上 春樹
出版日
1999-02-03
地下鉄サリン事件で被害者とひとくくりにされていた人たちが1人の人間として丁寧にインタビューされ描かれている本編も素晴らしいけれど、僕がよく読んでいたのはあとがき「目じるしのない悪夢」でした。この中ではその後よく語られるようになるクロードサーキット(システム)の話なんかが出てきます。そして、この本は阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が起きた1995年の日本が閉じ込められていて、アルバムを制作していた2011年の東日本大震災前後の自分とリンクしたのだと思う。村上春樹好きも嫌いも一度は読んでほしい本。

モモ

著者
ミヒャエル・エンデ
出版日
2005-06-16
物心ついた頃にはもう家の本棚にあった。姉が読んでいたのを覚えている。僕は怖くて読めなかった。住んでた場所の市民文化会館で子供向けの劇団が上演していてそれは面白かったな。早く読めばよかったと後悔しました。僕はもう半分「灰色」なんだけど、いつも「灰色じゃなくいられたらな」と思ってる。

うさぎ

うさぎ!

2011年04月01日
小沢健二
小澤昔ばなし研究所
僕のアイドル、小沢健二。彼が本を書いてると知った時に「なんで?」と思った。「音楽やってよ」と思ったけれど、友人が貸してくれた本を読んで目からうろこが落ちた。

これは音楽にしにくい。

暮らしていくなかで感じる違和感一つ一つに答えや理由を求めていくことはなかなかできない。戦争のこと、資源のこと、不平等や、幸せについて。たとえ時間があってもだ。

でも確実にその違和感は僕の中に沈殿してだんだん肺を満たしていく。だけれど「オザケン」はラブリーを歌っていた頃と同じ身軽さで違和感の森を冒険している。そのことに勇気をもらう。

以上が「荒野/On the Wild Side」というアルバムを制作中によく読んでた本です。
誰かの琴線に触れることを祈って。