5分でわかる大化の改新!内容、目的、「乙巳の変」をわかりやすく解説

更新:2017.9.30 作成:2017.9.30

聖徳太子の没後、蘇我氏の横暴な振る舞いに拍車が掛かり世は乱れていきますが、聖徳太子の描いた天皇中心の国家を築くために若者たちが立ちあがります。蘇我氏討伐から始まる大化の改新は豪族の支配する時代の終焉を意味しました。

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大化の改新とは。主な内容を紹介

学校では「虫殺しの大化の改新」の語呂合わせで、西暦645年の出来事として習ったかもしれません。これは、蘇我氏が滅んだ「乙巳の変(いっしのへん)」を始まりとして見ているのですが、孝徳天皇の「改新の詔(みことのり)」が発布されたのは翌年のことなので、646年を大化の改新の始まりとする見方もあります。

「大化」は日本で最初の元号になりました。それまでは時の天皇の名前をとり「◯◯天皇◯◯◯年」としていました。天皇がその時代の名前をつけるというのは、この時からはじまったのです。 

大化の改新は天皇中心の国家をつくるための政治改革ですが、主な内容は4つになります。 

1:公地公民制

豪族の領地(田畑や民も含む)を全て天皇のものとして定めた制度です。「人民と土地は天皇に帰属する」という考えで、律令制の基本となる政策です。豪族の支配から解放した後に班田収受の法に基づき貴、族や民衆に田畑を分配しました。 

2:班田収受の法

戸籍や計帳をつくり、それに基づき政府から許可を受けた貴族や民衆に田畑を分け与えました。収獲には税金が掛かる仕組みで、当時の中国のやり方に習ったといわれています。

3:国郡里制度

全国の各地域を「国」、「群」、「里」で整理する方針を進めました。約60国を選定し、そこからさらに国を群へ、群を里へと分け、それぞれの土地に国司、郡司、里長を置いて収めさせます。実際に成立するのは701年頃ですが、政策は段階的に進められていました。

4:租庸調(そようちょう) 

税の徴収に関する政策ですが、当時は現物納税になり、米や塩などの食料、絹、麻といった繊維製品などを納めていました。

租は田畑の税で一段につき収獲量の3〜10%を主に米で納めます。しかし、税収としては不安定だったため、種もみを貸し付ける制度も行い利子も取っていました。庸は21歳以上の男性に課せられた税になり米や塩で納め、調は17〜20歳の男性に課せられた税で繊維製品を主に納めていました。 

その他の改革としては、墓に対して規制した薄葬令、男女や交通に対しての習俗の改革、氏族の役職に関する世襲廃止や能力により評価される官僚制の実施など幅広い内容で行なわれました。改革は難題が多く、なかなか思うように進まなかった様子が『日本書記』にも書かれています。

乙巳の変とは。豪族の時代の終焉、蘇我氏がついに滅亡。

「乙巳の変」とは、主に蘇我入鹿(そがのいるか)が暗殺された出来事を指します。

飛鳥時代は聖徳太子の采配により、何とか皇族と豪族との調和を保っていました。しかし、聖徳太子の死後豪族たちは猛威を振るいだし、聖徳太子の息子である山背大兄王(やましろのおおえのおう)も命を落とします。 

藤原氏の祖である中臣鎌足(なかとみのかまたり)は中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と手を組み、蘇我入鹿を皇極天皇の目の前で討ち取るのでした。中大兄皇子らは入鹿の父・蘇我蝦夷(そがのえみし)とも対峙しますが、蝦夷の自害により蘇我家はついに滅亡します。 

この後、中大兄皇子と中臣鎌足たちによる大化の改新が進められていくのです。

大化の改新の目的は?国家予算を確保して日本を一つに。

大化の改新の目的は天皇による中央集権国家をつくることでした。天皇に貢献したものに氏姓を与えるという氏姓制度はありましたが、国を治めるという程の力はなく、豪族は自由に各地を支配していたのです。そのせいで国がまとまらずに荒れていたため、日本を一つにする必要がありました。

乙巳の変から大化の改新までを、単なる「皇族と豪族との勢力争い」とする考え方もありますが、日本を一つにするという聖徳太子の構想が根底になっていたので、律令制の国づくりが大きな目的であったともいえます。

公地や国税など、現代にも通じる制度の原点が大化の改新から始まっており、古代日本の国家もまずは財源の確保をしようとしていますので、国を治めるのにまずは費用が掛かるという点では、今も昔も変わらないようです。

大化の改新と明治維新を結ぶものは?

大化の改新と明治維新の2つの政治改革を検証し、そこにある大きな繋がりについて分析した本です。

名門氏族の藤原氏や平家、源の武士政権が誕生したのは大化の改新があったからであり、この一件が日本史においていかに重要であったかがわかる内容となっています。本書は英文で綴られたものを翻訳したものですが、オリジナルの英文も同時収録されています。

著者
朝河 貫一
出版日

朝河史学の原点ともいえる、読みごたえ充分な力作です。 

1200年以上もの時間差のある大化の改新と明治維新を「天皇」という共通点で結ぶことで、日本という国の歴史を明確に示してくれます。 

作者がいう「日本史における二つの革命」が、日本の国としての方向を決定した出来事としていかに重要であったかを知ることができるでしょう。

大化の改新の裏に隠された真実を追う

大化の改新や乙巳の変の定説に真っ向から挑んだ作品です。古事記と日本書記を元に歴史の裏側を見つめ、古代日本史の真実を探ろうと試みます。 

たとえば「英雄」と語られる中大兄皇子が、実は民衆からは不人気だったという説や、悪役として暗殺された蘇我氏が「聖徳太子の意思を継ぐ後継者」の役割を持っていたために滅ぼされたなど、衝撃の内容が連続します。

著者
関 裕二
出版日

歴史の楽しみや面白みの一つは「逆説や異説を読むことにある」ともいえますが、本書にはまさにその面白みがあり、斬新な着眼点で読み手の視野を広げてくれます。 

中大兄皇子が天智天皇になるまでの経緯を見ていると、そこには策略や陰謀を感じさせることも多く、今までの定説だけが真実であるとは思えないところもでてくるでしょう。

読者が持っていたこれまでの認識を覆されてしまうかもしれません。

正義とは何かを問う蘇我入鹿が主役の歴史ロマン

乙巳の変の敵役である蘇我入鹿の壮絶な物語です。皇帝になり国を治め、最高の権力を得てみたいという野望を抱き、時の女帝に迫ります。 

作者は小説ならではの蘇我入鹿像をつくり、豪快でありながら、繊細な一面も合わせて持った男の悲しき生きざまを描きました。

正統派な主人公格の中臣鎌子、女性としての皇極天皇と、母を守ろうとする中大兄皇子など登場人物も魅力的です。 

著者
黒岩 重吾
出版日
1985-04-25

歴史上では悪役の立場である蘇我入鹿が主人公の物語です。作者の著作には悪を題材にしたものも多いのですが、そこにはきちんとしたテーマと問いが隠されています。

世間からは大悪党といわれても、そこに男の美学や哲学があり、その根底にあるものをしっかり描いた部分が本作の見どころです。 

ダークヒーローとしての蘇我入鹿は、見事な脚色により、読み手を物語に引き込んでくれます。まるで映画のような世界観を持った歴史ロマン小説です。 

「乙巳の変」から大化の改新を探る。クーデターの裏側にあるものは何か

「乙巳の変」の真実を探求した本書は、今までの歴史の資料では中大兄皇子側に偏り過ぎていて、蘇我氏を悪者にしている傾向があると指摘しています。『日本書紀』も当時の政府によって編集されているのであれば、事実と異なることを書いてある可能性があると作者は考えているのです。

乙巳の変を中心に検証しているところが本書の特徴で、このクーデターの主謀者は誰かということや、真の目的はどこにあったのかなどにテーマを絞って検証しています。

著者
遠山 美都男
出版日

定説では「横暴な蘇我家を皇族が倒すことで、新しい時代に向かっていく」と語られる乙巳の変ですが、この内容は当時の政府の都合のよい物語として捏造されたものではないか、と歴史家の間で話題になることがあるそうです。

資料ばかりに頼らず、歴史的な背景や主要人物たちの背負っているものに目を向け、事実を推測していくというのも歴史を知る手段の一つであると教えてくれる内容となっています。

賛否両論ある作品ですが、作者の着眼点は斬新で、読者に新しい発見をさせてくれるでしょう。

大化の改新は、バラバラでまとまりのない日本を天皇を中心に統治しようとした大革命でした。特に税の制度に注目してみると、国家も財源を確保するために知恵を絞っている様子が伺え、また戸籍が早くもこの頃に登場しているのを見ると、現代の日本の基盤がここで作られたことも伺えます。

大化の改新の本を読むことで古代日本の世界に足を踏み入れてみましょう。