カエルの飼い方を紹介!餌は何をあげる?飼育しやすい種類は?

更新:2021.12.11

小さい頃、外でカエルを捕まえて遊んだ思い出を持つ人も多いのではないでしょうか?つぶらな瞳がとても可愛らしいですよね。カエルをモチーフにしたキャラクターも多く存在し、比較的身近な生物と言えそうです。今回は基本的な飼い方と、彼らについてもっと知るための本を紹介します。

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カエルの飼い方、基本をおさえよう

捕まえられる場所

田んぼやその周辺で捕まえることができます。アマガエルなどは春から初夏にかけての繁殖期はおもに田んぼに生息しています。ほかの種類も田んぼの周辺の林や草地、宅地などで捕まえることができるでしょう。

おもな捕まえ方として、①手でそっとすくう方法、②餌などをカエルの目の前で揺らして、カエルが餌に気を取られている間に網で捕まえる方法、この2つがあります。カエルが水の中で泳いでいる場合は、傷つけないためにも手でそっとすくう方法がおすすめです。

準備するもの

飼う際には、次のものを用意しましょう。

 

  • 深めの水槽
     
  • 蓋(通気性のよいもの)
     
  • 土や草
     
  • 砂利や石
     
  • 植木鉢
     
  • 霧吹き
     

 

ポイントは自然界で生息している環境に近いものを水槽でもつくってあげることです。彼らは土の中に潜ったり、植物の陰に隠れたりするので、水槽のなかでもできる限り居心地よく過ごせる環境づくりが大切です。それでは、どのような環境がよいのかみていきましょう。

環境の整え方

深めの水槽に用意した土を敷きます。この土は小まめに水で湿らせておくとよいでしょう。湿らせるための水も、彼らは水道水の塩素を嫌うので、カルキ抜きをした水を使います。汲み置きした水を外で1日ほど置いておくことで、カルキを抜くことができます。

土を敷いて基本的な飼育環境が整ったら、植物や砂利、植木鉢などを水槽の中に入れましょう。主に陸地で生活するアマガエルなどは土を平らに敷き詰めても問題ありません。トノサマガエルなどの水中で生活する種類なら、土を斜めに敷いて低い部分に池を作ってあげるとよいでしょう。植木鉢に水を溜めて低い部分に置いても、容器を用意して池を作ってもどちらでも対応できます。

飲み水を与える必要はありませんが、皮膚呼吸をおこなうため体は常に湿らせておかなければいけません。霧吹きに水を入れて小まめに吹きかけてあげましょう。この際も水道水をそのままかけるのではなく、汲み置きしてカルキを抜いた水を使うようにしてください。

複数個体を水槽の中に入れると、共食いしてしまうことがあります。なるべくひとつの水槽で1匹だけ飼育するようにしましょう。

カエルの餌は何をあげたらいいの?

コオロギ、バッタ、アブラムシ、ミミズ、クモ、ハエ、イモムシなどの生きた虫を食べます。生きた虫を捕まえるのが難しい場合は、ペットショップなどで売っているミルワーム、イトミミズ、サシなどでも代用できます。

彼らは動いているものしか口にしません。そのため、生きていてまだ動いている虫を水槽に入れるか、餌を糸につけて飼い主が目の前で揺らして食べさせてあげなければいけません。餌を目の前で揺らすと飛びついてくるので、そのようにして餌やりをしてあげれば大丈夫です。

ペットショップなどでは、餌が水槽から飛んでいかないように、あらかじめ足を取ったハエやコオロギも売られています。生きた虫をあげるのが難しい場合は、肉やカメの人工飼料などを与えることも可能です。カメの餌をあげる際は水でふやかしてからあげるとカエルが食べやすくなるでしょう。

餌やりの頻度は1日1回程度です。コオロギの場合は1匹、ハエの場合は3匹ほどあげましょう。あまり餌をやりすぎると太ってしまうこともありますし、反対に成長期はあまり餌を食べなくなります。

ミルワームなどをあげすぎると、栄養が偏ってしまうため注意が必要です。もし体調が心配な場合はペットショップでカエル用のビタミン剤などを購入することもできます。

生きた虫やペットショップで買える餌などをうまく組み合わせて体調管理をしっかりしていきましょう。そうすれば約10年生きていることができます。

飼育しやすいカエルの種類を紹介

ここではペットとして適している種類を紹介していきます。

アマガエル

捕まえやすく、人気のカエルのひとつです。皮膚から微量の毒を出しているため、素手で触ったら必ず手をよく洗いましょう。また、アマガエルは人に触られると弱ってしまいます。彼らにとっても飼い主にとっても、あまり触れない方が得策です。 

繁殖期は田んぼで過ごしますが、それ以外は田んぼの近くの木の上で生活しています。そのため水槽に植物に入れて、木登りができる環境を整えてあげることが大切です。

よく知られている緑色のアマガエルは「ニホンアマガエル」と呼ばれる国産の種類です。

ツノガエル

アマガエルとは対照的に、土に潜って生活することが多い種類です。目の上に角のような出っ張りがあることからこの名前で呼ばれています。

あまり動かないので小さめの水槽でも飼育することができます。成長期はほとんど餌を食べません。1週間に1度程度の餌やりでもすくすく成長するため、成長期にほとんど餌を食べなくても、心配はいりません。

ヒキガエル

食欲旺盛でたくさん餌を食べます。ツノガエルと同様に土を掘って隠れる習性があります。飼い主ができる工夫としては、あまり土を固めずにふんわり置いてあげると、穴を掘りやすくなります。後ろ足でバックするように穴を掘っていきますので、その可愛らしい姿を見ることができればラッキーです。

イエアメガエル

木に登る習性があります。木登りができるように観葉植物などを水槽に入れてあげるとよいでしょう。川辺などに生えている草や、落ちている小枝なども一緒に入れてあげると、生息環境に近くなります。

見た目の可愛さから人気のある種類です。人懐っこい性格で、慣れてくれば飼い主の手の上に乗ってくれることもあります。ただカエルにとって人の体温は高すぎるので、あまり長時間は乗せないようにしてください。

 

カエルのことをもっと知りたい!おすすめ本3冊を厳選紹介

ここからはカエルについて深く知ることが出来るおすすめ本3冊を紹介します。

 

カエル好きは読んで損なし!

ペットとしても人気の種類を160種以上取り扱った解説書です。カエルの結石摘出手術までおこなう獣医である作者が、多くの人に彼らについて理解してほしいという願いを込めて書いた1冊です。

著者
["田向 健一", "松橋 利光"]
出版日

本書では、カエルを樹上棲、水棲、半水棲、地上棲に分けて丁寧に解説しています。また、彼らが安全で健康的に暮らすために必要な最低限の飼育条件をシンプルに伝えています。本のあちらこちらに作者のカエルへの愛情が込められていて、読んでいる私たちまで彼らが愛おしく思えるような内容です。

掲載されている写真も魅力的です。大きな瞳でカメラをじっと見つめる姿や、つい手を伸ばして触れたくなるような艶々と光る体など、まるで目の前に彼らがいるような気分にさせてくれる臨場感あふれる写真ばかりです。文章だけでなく、写真からも情報を得られる図鑑的な要素も楽しめます。

病気の予防法や対処法、体の仕組みや管理の仕方まで書かれた充実した内容なので、これから飼おうと考えている人にもおすすめです。この本を読めば飼いたくなること間違いなしでしょう。

 

この1冊で日本のカエルはバッチリ!

日本のカエル全種類を網羅したハンディサイズの図鑑です。写真は原寸大なので、生態を細かい部分まで観察することができます。

カエルだけでなく、サンショウウオやイモリまで紹介しており、盛りだくさんの内容です。

著者
奥山 風太郎
出版日
2015-06-12

カエルの祖先は一体どこから来たの?トノサマガエルの秘密って何?こんな疑問にも答えてくれる本書。

日本に生息する種類について詳細に知ることができるだけでなく、豆知識も豊富に掲載されているため、楽しく観察しながら学ぶことができます。

面白いのはニホンアマガエル。彼らは敵から身を守るために体の色を周囲の風景の色と一致させる習性があります。木の上にいるときは濃い茶色、コンクリートの上にいるときは灰色……というように体の色をカメレオンのように変化させることができるのです。これが文字だけでなく写真でも確かめられるので、読者はその面白さに大興奮してしまうこと間違いなしでしょう。

作者の観察や経験がふんだんに活かされた解説は読みごたえたっぷりです。その観察眼の鋭さから作者のカエルへの愛を、きっと感じとることができるでしょう。あなたも本書を読んで彼らの生態を研究してみませんか?

 

こんなキュートなカエルは見たことない!

作者の黒川宇吉はカエルのイラストやグッズを多く製作するイラストレーターです。

本書は、作者が大学の卒業制作で描いたイラストをまとめて書籍化したもので、オリジナリティーが溢れるイラスト集です。

著者
黒川宇吉
出版日
2016-12-17

本書で描かれているのは擬人化したカエル。ポーズを決めたり、フラメンコを踊ったり、奇想天外なアイデアで彼らの可愛らしさを存分に引き出しています。

面白いのは、動き自体は擬人化された動きなのに、カエルの体自体は鳥肌が立つほどリアルなところでしょう。ザラザラとした皮膚、ひんやり冷たい感触、ヌメヌメとした頭など、見るものすべてがリアルに描かれているのです。

生態に関する豆知識もしっかり掲載しています。それに加え、彼らの周りの風景も描き込まれており、アート作品としても楽しめます。卒業制作とは思えないハイクオリティです。

本棚から取り出しては何度も眺めたい1冊です。彼らのユニークな姿に心奪われてしまうこと間違いなしでしょう。

 

いかがでしたか?今回は飼い方の基本と、彼らについて知ることのできるおすすめ本3冊を紹介しました。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

また、オタマジャクシの飼育に関する記事もありますので、こちらもぜひご覧ください。

オタマジャクシの飼い方を紹介!エサは何をあげる?

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昔はよく田んぼで見かけたオタマジャクシ。最近では白いオタマジャクシが話題になることもありました。成長するとカエルになることは知っていても、その成長過程はとても不思議なものです。そこで今回は、60種類もの水辺の生き物など、不思議な生物の知識を深められるおすすめの本を紹介します。

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