5分でわかる本能寺の変!黒幕説など、謎多き事件の真相をわかりやすく解説

更新:2017.10.6

戦国時代、圧倒的な力の差で天下を駆け抜けた織田信長ですが、「本能寺の変」で突然の死を迎えます。日本史のなかでも謎の多い事件であり、疑惑と矛盾は今でも解明されていません。この記事では「本能寺の変」の概要と背景、黒幕説、秀吉の「中国大返し」などを解説したうえで、おすすめの関連本を紹介していきます。

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「本能寺の変」とは。明智光秀の謀反で織田信長が討ち死に

西暦1582年6月21日、京都の本能寺が炎に包まれ、天下人である織田信長がその人生を終えました。家臣である明智光秀の謀反により、寝込みを襲われ、寺の周りを囲まれた信長は為す術がないのを悟り、自害したとされています。この事件を「本能寺の変」といいます。

嫡男で家督を譲られていた織田信忠も本能寺に向かいますが、途中の二条新御所で明智軍と戦い、信長と同じく最後は自害したため、織田の政権は終焉を迎えるのです。 

信長を討ち取った光秀は、岡山の高松城から驚きの早さで京都に駆けつけた豊臣秀吉によって捕らえられ生涯を終え、わずか13日間ですが天下人となったので、世間からは「三日天下」と呼ばれました。

「本能寺の変」はなぜ起きた?明智光秀の単独犯?黒幕がいた?

「本能寺の変」の真相については、いまだ解明されておらず、そのためか諸説が山のようにあります。ここではそのなかでも有名な「光秀単独犯説」と「黒幕存在説」を紹介しましょう。


光秀単独犯説

2014年に岡山の林原美術館が所蔵する『石谷家文書』から重要な書状が見つかり、「四国説」として話題になりました。

土佐の長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)から光秀の家臣である斎藤利三(さいとうとしぞう)に宛てたもので、内容は四国攻めに苦悩している元親の思いが書かれており、光秀はこの書状に心を動かされ、四国攻めを回避するために「本能寺の変」を決起したという見方が出てきたのです。

光秀の単独犯による説にはこの「四国説」のように光秀の感情によるものが多く出てきます。野望説は光秀が自ら天下取りの野心をもち続けていて遂に実行したという説であり、突発説は計画性はなかったが長年の野心が一気に爆発して事に至ったのではないかと言われているものです。

怨恨説では、信長との数々の確執が溜まり、個人的に怨みをもって行動したと見られており、信長が光秀を人前で幾度となく屈辱し、時には暴力まで振るっていたという文献が多数残っています。 

例えば甲州征伐を終えた後の諏訪の法華寺で光秀の言葉に反応した信長はお前は何も役に立っていないとして、寺の欄干に光秀の頭を押し付けて激怒したとか(祖父物語)、家康をもてなす役目だった光秀の家を訪ねた信長は魚の腐ったような匂いを嗅いだとして、いきなり役目を解任した(川角太閤記)などの話は有名です。 

黒幕存在説

光秀はただ踊らされていただけで、実は黒幕がいるのではないかという見方であり、容疑者はたくさんいますが中には光秀の冤罪説まで飛び出します。

豊臣秀吉、徳川家康、斎藤利三、森蘭丸、長宗我部元親、足利義昭といった疑いだしたらきりのない面々から、朝廷、イエズス会といった組織的な黒幕説まで様々です。 

足利義昭の説では、信長が朝廷に征夷大将軍の地位を願い出れば実現する可能性もあるとみて、かつて主従関係にあった光秀に信長を討たせたと言われています。

朝廷の説では、何かと口を出してくる信長に対し、両者の間には常に緊張感が絶えなかったので光秀に主君殺しを命じたと見ており、光秀も朝廷が後押しするならという気持ちで踏み切ったのではないかと推測されています。 

キリスト教のイエズス会の説では、信長とイエズス会は資金提供の面でも親密な関係でしたが、信長が会の方針に逆らい自らを神格化したことで暗殺されたとする一説です。

「本能寺の変」にて織田信長を殺した本当の犯人は、果たして誰なのか。その謎は、現代になっても解明されていないミステリーなのです。

豊臣秀吉の大移動!「本能寺の変」後の「中国大返し」とは

織田信長が本能寺で討たれたとき、豊臣秀吉は岡山県の高松城にいて、毛利氏の配下だった清水宗治との戦いの最中でした。 

毛利側に送った光秀の書状を持った間者を秀吉側が捕らえたことで、信長の死を知る秀吉。一度は悲しみに泣き崩れたと言われていますが、黒田官兵衛の言葉に我に返ります。 

ついに、天下取りの時がやってきたのです……。

高松城の水攻めで勝利は間近でしたが、様子を見ている毛利軍が信長の死を知れれば、一気に攻め込んでくる危険性もありので、早急に清水宗治を切腹させ、毛利との和睦を即効でまとめます。信長の死の報を聞いてから、わずか3日(4日説もあり)で決着をつけて、光秀討伐のために京へと向かいます。

途中、秀吉の居城である姫路城により、束の間の休息を取り、体制を立て直したあと、光秀に追いつき無事に信長の仇を討つのでした。これが、天下分け目の天王山といわれる「山崎の戦い」です。

岡山から京都までの距離は約200km。高松城を出発した時の兵の数は約20,000人位はいたと伝えられています。

こうして、秀吉はわずか10日あまりで大軍を率い、ついには天下取りを果たすのでした。この秀吉軍の驚異的なスピードによる中国地方から近畿への大移動を「中国大返し」と呼びます。

明智光秀の子孫が書いた、「本能寺の変」の全貌

2015年3月の発売から1年4カ月で27万部の売上記録を残したベストセラー作品です。

明智家の行末を案ずる光秀は織田信長の四国征伐により、さらなる苦悩を強いられていきますが、信長の策略の中にひとつの機会を見出していくことで光秀の人生は大きく変わっていくのでした。 

背後に隠された事実と全てを操る謎の男。その正体がわかる時、「本能寺の変」の全貌が明らかにされていきます。

著者
明智 憲三郎
出版日
2013-12-03

本作では「本能寺の変」や明智光秀に関する定説の検証から始まり、反乱の動機や隠された謀略を解明、さらには信長、光秀、秀吉、家康の各々の企てについて探求していきます。 

本作は明智光秀の視点から「本能寺の変」の謎に迫る一冊になっており、作者は光秀の子である於寉丸(おづるまる)の子孫にあたります。かなり売れた本で、世間の感想は賛否両論ではありましたが、話題になっただけの事はあると思える内容の一冊です。
 

「本能寺の変」の真相に迫る!黒幕説に挑んだ一冊

信長の死は隠れた黒幕の謀略によるものという、たくさんの諸説に対して疑問を投げかけており「本能寺の変」の真実について公平な立場から書かれています。 

足利義昭、豊臣秀吉、徳川家康、本願寺、イエズス会、朝廷などの有名な黒幕説に対し、客観的な視点で関与の証拠について検証していきます。新たな諸説を立てるというよりも 諸説に関しての分析というスタイルで書かれた本です。

著者
["鈴木 眞哉", "藤本 正行"]
出版日

諸説よりも定説を尊重して「本能寺の変」を書いていますので、諸説を支持する人たちには違和感もあるかと思われますが、定説をしっかり理解したい人には、とてもわかりやすい内容になっており、「本能寺の変」の基本知識から書かれている作品です。
 

そのとき何が起きたのか?運命の日に焦点を絞った本

「本能寺の変」は織田信長がまさかの油断をして明智光秀の奇襲により討ち取られるというのが定説ですが、ひとりを暗殺するのに、13,000もの兵が本当に必要だったのか、そして、それ程の大軍の動きに信長が気づかないのは不自然ではないかなど、定説に潜んでいる謎は数多く存在します。

そして、暗躍するもうひとりの叛逆者とはいったい誰なのか。「本能寺の変」には知られていない本当の謎が隠れており、本書ではその謎の人物の正体を追い求めていきます。

著者
円堂 晃
出版日
2005-05-01

作者は「本能寺の変」が起きた当日に着眼していて、焦点をある程度絞りながら考察しているため、伝えたいことがわかりやすく書かれています。

歴史上の文献をそのまま鵜呑みにせずに矛盾点などを挙げながら信長の死の謎を推測をしていますので、定説で納得していた事が実は不自然だったと気づかされるような内容です。特に事件直前に信長がどうして大きな茶会を開いたのかという節は、作者の鋭い視点を存分に活かしたものになっています。

「本能寺の変」を17のテーマで解説!

日本史上でもっとも謎に満ちた「本能寺の変」の真相が選び抜かれた17のテーマで書かれています。 

最新の研究でわかってきた信長の死の真相や光秀の隠された諸事情、噂された黒幕は本当に存在し、それが何を意味していたのかなど核心に迫るほどに深まる謎の数々。

信長の狙いは天皇大権だった、明智光秀に知られざる女性の影、黒幕はイエズス会なのか、など単に犯人探しでは終わらない、さまざまな諸説が読める衝撃の一冊です。 
 

著者
出版日
2012-05-07

本書は17人の有識者によって書かれたものを編集していますので、多種多様な見方で信長、光秀などの人物と事件の内容を考察しています。話題になった四国説についてもきちんと説明されており、ひとつの内容が明確にまとまっていますので読みやすくわかりやすくなっています。

また、光秀が信長を自害に追い込んだという定説的な事柄についても、きちんと触れていますので単に諸説の面白さだけを追いかけていない基本も押さえた内容になっています。

「本能寺の変」を描いた、小説のような歴史本

「本能寺の変」の様々な諸説に否定的な立場をとりながら、定説を裏付ける根拠として光秀の心理的な面に焦点を当てていきます。 光秀の視点から語られていく戦国時代の謀反事件の実態を史料をもとに文学的表現を取り入れながら劇的に書いている作品です。

作者は諸説に関しては決定的な証拠がない分、さまざまな推論が可能としており、本作については事件の解明が難しい「本能寺の変」なだけに出来るだけ確実な資料を扱い、自らの想像力でまとめ上げたものとしています。

著者
上田 滋
出版日
2012-06-23

歴史書と歴史小説の両方の良いところを活かした新しい試みによる作品であり、信長、秀吉、そして光秀の壮絶な三者の心理描写が見どころです。 忠実を追いかけながらも、固くなり過ぎず、読みやすさにも配慮した作者の独特な手法で書き上げられています。

織田信長、豊臣秀吉、明智光秀の人物像をしっかりと見つめる所から書かれており、そこから本能寺の変の本質に迫っていくので、しっかりとした読み応えのある内容になっています。

ミステリー小説で犯人を推理しながら読むと、被害者を殺して誰が一番得をするかなどを考えることがありますが、信長の場合、得をする人や動機のある人が多過ぎてしまい、それだけに真実が見えなくなってしまいます。「本能寺の変」の書籍を読みながら、日本史に実在した極上のミステリーを楽しんでみませんか。

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