漫画『サトラレ』が無料!泣ける名言を最終巻まで紹介【ネタバレ注意】

更新:2017.10.8

考えていることが他人につつ抜けになる奇病『サトラレ』。自分がサトラレであることを知らずに生きている人物や、知ってしまったがゆえに孤島で暮らす人物など、さまざまなサトラレたちの人生、気持ちを丁寧に描いた群像劇です。 映画化や連続ドラマ化もされ、2018年には原作の設定を引き継いだ『サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~』も発刊された、人気が今もなおつづく作品です。この記事では作品の魅力と全巻の見所をご紹介。ネタバレを含みますので気になる方はスマホのアプリで無料で読むのもおすすめです。

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目次

漫画『サトラレ』が面白い!魅力、名言を全巻ネタバレ紹介!【スマホアプリで無料】

 

『サトラレ』は口に出さなくても思ったことが周囲約50mにつつ抜けになってしまう謎の奇病にかかった人たちを描いた群像劇です。もちろん、この病気はフィクションなのでご安心を。映画化に続いてテレビドラマ化もされた人気作品です。

もし、自分の考えていることが人に知られてしまったら?その時、どんなことが起こるでしょうか。あるいは愛する人の心の声がすべて聞こえてしまったら、それでもその人のことを愛し続けていけるのでしょうか。

 

サトラレ

2001年02月23日
佐藤マコト
講談社

当時、この漫画の影響なのか、自分はサトラレだと本気で思ってしまう人たちが現実にもあらわれました。作中にも、サトラレではないのに自分をサトラレだと思い悩む「サトラレノイローゼ」の人物が登場します。

架空の病気にもかかわらず私たちの実生活にまで影響してしまうのは、考えていることが人に知られてしまったら、という「もしも」の話が、単純でありながらあまりにも強烈なショックを引き起こすからにほかなりません。

それでは『サトラレ』の紹介とともに、私たちがこの作品から学びとれるものについて、考えていきましょう。

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タイトルの意味とは?【あらすじ】

『サトラレ』に登場する「サトラレ」という言葉には2つの意味があります。ひとつは「先天性R型脳梁変成症」という病気そのものの通称。これは思ったことが周囲に思念波として伝わってしまうという、架空の病気です。そしてもうひとつの意味は、その病気にかかっている人のことを指します。

サトラレと呼ばれる人たちは、1千万人に1人の確率で生まれてくるとされていて、例外なく何らかの分野の天才です。

最初のサトラレが周りの人たちにからかわれる生活に耐えられず自殺してしまったことから、国家はサトラレ保護法を制定して、「サトラレ対策委員会」を設立しました。これは、サトラレが自分をサトラレだと気づかずに生活できるよう、こっそりサポートするものです。

そのため、自分がサトラレだと自覚することなく、何人かのサトラレがこの日本で生活しています。

そんな彼らの生きる姿を描いたのが『サトラレ』という漫画です。

この記事では本作の魅力と、全巻から選りすぐりのエピソードからの名言をご紹介します!『サトラレ』の名言1:「一人ぼっちは本当ーにさみしいから」【1巻ネタバレ注意】

漫画『サトラレ』の魅力をネタバレ紹介:嘘と優しさの違いを考えさせられる

漫画『サトラレ』の魅力をネタバレ紹介:嘘と優しさの違いを考えさせられる
出典:『サトラレ』1巻

サトラレ対策委員会とはどういうものなのでしょう。

基本的には、ひとりのサトラレに対して数人のチームを組み、気づかれないように警護します。周囲の人たちも、近くにサトラレがいるということはわかりますが、サトラレに「あなたはサトラレです」などと言ってしまうと厳しい罰が科せられるため、そしらぬ顔をしてやり過ごします。

基本的にはサトラレの希望を叶えるために動こうとするのですが、恋愛や進路など、困難は絶えません。

ここでは、里見健一というサトラレを中心に見てみましょう。
 

サトラレたちは考えていることが他人に伝わってしまうため、基本的に嘘をつくことができません。そのため、守秘義務のある職業はふさわしくないのです。

けれど、サトラレ対策委員会の働きにより、自分がサトラレだとは気づいていない多くのサトラレたちは、その天才性ゆえ、ふさわしくない進路を希望してしまう場合があります。

里見健一の夢は、医者になることでした。

天才が情熱をもって医者になりたいと勉強しているので、サトラレ対策委員会は困惑しつつも妨害することはできず、彼は医者として病院に勤務することになりました。周囲は研究医の道を進めますが、里見本人は臨床医が夢です。

指導医は里見について、ナースにこう言います。「告知というデリケートな問題をサトラレに任せるのは無理だ」と。さらに、本人に伝えることはまだしも、第三者にまで伝わってしまうことが問題だ、と続けます。そのため里見は病院で、確実に治る患者のみを担当させられているのです。

里見の両親は早くに亡くなり、彼は祖母に育てられました。里見は祖母が大好きでしたが、ある日、彼の務める病院の検査で、祖母の体に異常が見つかります。

指導医の厚情により里見が主治医となって執刀しますが、手遅れでした。もう手術をしても助からないと判断したのです。

「終わったよ。もう問題ない」(『サトラレ』1巻より引用)

里見は医者として初めて嘘をつきます。しかし「ごめん だめだった」という心の声も祖母には伝わってしまいました。祖母は笑って「ありがとうよ」と答えます。

祖母が亡くなってから1年後、患者のなかから「里見先生にお願いしたい」と望む人たちが増えていきます。指導医は、人の心が見えないことの方が現在では人の心を苦しめているのかもしれないと考えました。

誰もが本心を隠して生きている世界では、誰を信じていいのかわかりません。けれどサトラレは、知らないうちに心をさらけ出して生きています。

もし自分だったらサトラレの医者を求めるでしょうか。悪いこともわかってしまいますし、第三者にも伝わってしまうのに。けれど、患者がなぜ里見の診療を求めるのか、その理由はラストのコマの、里見の心の声で明らかになります。

嘘をつくことができないサトラレ。そんな虚構の存在が、かえって嘘にまみれた現実の世界について考えさせられてしまいます。

また別の話では、サトラレ対策委員である夫婦の、プロポーズの時のことが語られます。「君のことが世界で1番好きなんだ結婚してくれ」と男が言いますが、女の方は、彼が別の女性を好きなことを知っていたのです。でも、ウソでもそんなことを言ってくれたのがうれしかったから、結婚したのだと彼女は語ります。

夫は考えました。

「人はサトラレとは違い100%の真実の中では生きられません」
「ウソをつけるのは人間に与えられた偉大な能力です」(『サトラレ』3巻より引用)

人をいたわる嘘、知られてはいけないからこそ隠す優しい嘘、そんなものだってあります。それは『サトラレ』にもたびたび出てくるテーマでもあります。嘘が悪とは限らないのです。

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漫画『サトラレ』の魅力をネタバレ紹介:名言が沁みる!

 

『サトラレ』は群像劇ですが、メインの人物がいます。第1話に登場する、西山幸夫というサトラレです。

最初は大学院生ですが、すでに学会の注目を集める量子物理学の天才。サトラレたちはみんな、なにかの天才です。

物語が進むにつれ、彼は就職し、結婚し、子供が生まれます。そして、彼が担当する核融合発電実用化の研究がストーリーを大きく動かしていくことになるのです。

ここでは、彼の名言を少しご紹介します。

第1話の話し手は、小松というサトラレ対策委員会の女性です。彼女の警護の対象が西山幸夫。同じ大学院の2年生という設定で、自然な形で近くにいることができます。サトラレに対しては、国の要請もあり、大学などの各機関が最大限に協力している様子がわかります。

さて、西山は恋に悩んでいます。相手は川上めぐみという同じ大学に通っている可愛い女子。思い悩むあまり研究がおろそかになっているあたりは、奥手な理系男子らしく描かれています。めぐみも、西山がIQ200以上と聞いて尊敬しており、それを鼻にかけていないところもすてきだと思っています。

 

著者
佐藤 マコト
出版日
2002-01-21

 

ここまでは、まだ普通の漫画でもありそうなラブコメディのようです。けれど、彼はサトラレです。

恋人同士の秘密が周囲にすべてバレてしまううえ、いつも見張られているサトラレは、その恋人にとっても耐え難いもの。めぐみは西山の気持ちに応えるつもりはないのでした。しかし、西山自身が野球観戦に誘う程度にしかアプローチしてこないため、はっきりふることもできずにいます。

そこでサトラレ対策委員会は、彼に早めに失恋させようと会議で決めてしまいます。めぐみに偽者の恋人を設定して、西山に紹介させようというのです。

恋人役を吟味する会議の席で、小松は西山のことを考えます。そして、「待ってください!」と立ち上がり、こう叫びました。

「誰にだって生きる権利があるように」
「告白しようかどうしようか悩んでそして……」
「キズつく権利だってあるはずです」(『サトラレ』1巻より引用)

失恋はつらいです。傷つく体験です。でも、それを最小限にしようと周囲が勝手にお膳立てしてしまうのは違うと彼女は思ったのです。

告白できない思いや失恋の痛みは、人であってもサトラレであっても変わりません。傷つくことも権利だというセリフには、ハッとさせられます。心の痛みもまた、自分自身を確立するための糧となっているのだと気づかされます。

しかしその会議で小松の意見がとおることはなく、西山と小松、めぐみと偽者の恋人の4人でドライブに行くことになりました。しかし、デートは順調にはいきません。何が起こったのかは実際に読んでいただくとして、西山は気がついてしまうのです、小松が笑うとけっこうかわいい、ということに……。

第1話では、サトラレというちょっと変わった人を主役にしたラブコメという感じですが、深いセリフがあるところが人気の理由なのでしょう。

 

漫画『サトラレ』の魅力をネタバレ紹介:様々な人物の人生に共感する

 

もうひとりサトラレをご紹介します。

14歳の中学生、大槻翔。彼が抱いている感情は怒りです。

友人がいじめの被害者となり、校舎の3階から飛び降りるよう強要されて入院してしまいました。

翔はいじめの加害者への復讐を決意しています。サトラレ対策委員会は、翔と加害者を離さなければとあわてますが、教師は今こそ自制する力を養う時だと、そうさせません。翔の友人を傷つけた相手への怒りは義憤となり、さらには殺意へと変わり、捕まることまで覚悟するようになります。

ついには教師も同意して2人を会わせないようにするのですが、翔は学校内で相手を見つけてしまいました。ナイフを持って追いますが、教師が体を張って止めます。

その教師の行動が彼に自制を教えたのでしょう。翔の殺意は消滅しました。そういうことも、サトラレは知られてしまうのです。

 

著者
佐藤 マコト
出版日
2002-07-03

 

このエピソードはこれで終わりではなく、今後のストーリーにも関係する、ある危惧が語られます。

それは、サトラレの強烈な思念が、他の人間に及ぼす影響です。あまりにも強い感情を思念として受け取ってしまう周囲の人間が、その感情に引きずられかねないのです。

これは現実にもあることではないでしょうか。もちろんサトラレの思念ではありませんが、人を扇動するような強いメッセージに触れて行動を起こす人間は、昔も今も世界中にいます。民衆の怒りが引き起こしたフランス革命などはその代表的なものといえるでしょう。

さて、巻が進むにつれて、翔は高校に進学。ボクサーを目指したり、恋をしたりもします。揺れる感情のなかで彼が成長していく様子も丁寧に描かれていきます。

サトラレも、もっている感情は普通の人間と変わりません。翔をはじめ、さまざまなサトラレたちは人を愛し、友を傷つけられて怒り、肉親を亡くして哀しみます。そんな彼らの姿に、読者も自分の体験を重ねて共感することができるのです。

 

漫画『サトラレ』の魅力をネタバレ紹介:人間、社会というものを考えさせられる

最後にご紹介するサトラレは、白木重文。自分がサトラレだと自覚しているサトラレです。

サトラレ対策委員会ができる前に生まれ、病名もないころに育ったため、小学生のころから「ウソつき」と呼ばれ、辛い思いをして過ごしてきました。

彼の体験はサトラレ保護法の草案作りに役立てられましたが、彼は「頭の中をのぞかれてそれを自覚して生きていくのはもう耐えられない」と思い詰めていました。そこでサトラレ対策委員会は、彼に無人島を与えたのです。

サトラレの西山と、彼とつきあっている小松は、サトラレ対策委員会の指示でこの島を訪れます。

小松はその島で白木に見つかり、西山と引き離されて2人きりになってしまいました。彼女は怯えますが、白木に「私は白木重文」「日本で確認された2番目のサトラレだ」と名乗られ、「少しの間 話がしたかっただけなんだ」という思念を受け取ることでやっと落ち着きます。

白木は自分の生い立ちを語り、この島に16年いる、と独白します。どうやらネットで株のディーラーをやっており、人と会わなくても商いができるそう。彼は金融関係の天才なのかもしれません。

けれど小松に寂しくないかと聞かれると、

「ああ」
「人は一人では生きられないからね」
「だけど」
「やはりそれでも人と会うのは怖い」(『サトラレ』1巻より引用)

とつぶやきます。

彼はネットのやりとりのみで会社を経営しているため、社会と隔絶しているわけではありません。テレビ電話もあるので時にはそれを使って外部の人と話すこともあるのでしょう。

白木と小松が出会った翌日、小松は無人島にある白木の家を訪れました。しかし、白木はその場にはいません。彼はテレビ電話で話しかけてきて、自分の複雑な思いを打ち明けるのです。

女性である小松に対して性的なことを考えてしまいそうなこと、それを取り繕って隠そうとするだろうこと、サトラレだからそれはみじめで滑稽だということ……そして、照れくさそうな顔でこう続けるのです。

「だから会えない」
「けれど……会いたい」
「一人ぼっちは」
「本当──にさみしいから」(『サトラレ』1巻より引用)

会社を経営して莫大な利益をあげていても、彼には喜びを共有する相手がいません。たったひとり、無人島で16年も生活しているのです。

 

著者
佐藤 マコト
出版日
2003-03-18

また別の話では、白木は同級生であった片桐と会って話す機会を持ちます。もちろん互いもサトラレ対策委員会も了承の上での会談でした。

片桐の娘、片桐りんがサトラレなので助言を求めに来たのでした。

片桐りんは高校を出たばかりの女子。自分がサトラレだとは知らないまま、明るく素直に育っています。片桐は、そんな娘にサトラレを告知しようか迷っていて、白木に相談をしに来たのでした。

最初は普通に話もしていた白木でしたが、前に島に来た小松のことを思い出すと、自分の孤独を痛切に感じるのです。

後悔はないと思いながらも、両親や二度と会えない人たちのことを連想すると、寂しいという思念でいっぱいになってしまいます。それは片桐が漠然と考えていた以上の衝撃でした。

白木は、孤独とはこういうことなんだ、りん君をこんな目に遭わせたくない、と言葉と思念の両方で伝えます。

社会とは、人との関わりです。ネットがあってもテレビ電話があっても、無人島で暮らす白木は社会とは離れているのです。

りんを社会から切り離してはいけないと、自分の孤独を言葉よりもはっきり伝えられるサトラレの能力を使って、白木は片桐に教えたのでした。
 

そして話が進むと、りんはその天才性をコンピュータープログラムに発揮し、船に積むGPSナビゲーターを開発していたことがわかります。彼女は人のためになる仕事をしたいと考えていたのです。

片桐は白木の言葉を思い出します。「りん自身が社会を必要としていると」「だがそれだけじゃない」「この社会全体が娘(りん)を必要としていた」と、彼は知るのです。

社会は人が集まって作られるものです。私たちは同質な相手だけを社会の構成員として求めて、異質な人間を排除してはいないでしょうか。

社会と関わりたくても関わることができないのは、サトラレだけではなく、私たちの身近にもいるかもしれません。そして、そういう人たちを、本当は社会も必要としているのかもしれません。

そんなことまでを考えさせられてしまうところが、『サトラレ』の何よりの魅力です。

 

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漫画『サトラレ』の魅力をネタバレ紹介:「人」について考えさせられる

 

サトラレは思ったこと考えたことが周囲に念として伝わってしまう不思議な人間。頭脳は極めて優秀であり、国は発展のために莫大なお金をかけて彼らを保護しています。国が用意した監視員たちによって、サトラレは自分の正体に気づくことなく、日常を過ごしています。

ただ、彼らの周りの人間は様々な苦悩を抱えて生きていかなければなりません。サトラレであることを本人に伝えるのは法律で禁止されているため、一生そのことを隠し通す義務があります。

1巻でサトラレとして登場したのは、6歳の少年、野口浩。気性の荒い小学1年生の彼は、「こいつぶっ飛ばしてやろうか」などの声が周囲のクラスメイトに伝わってしまい、なかなか友達が出来ませんでした。

 

著者
佐藤 マコト
出版日
2003-09-22

 

そんな少年のお母さんは、彼を育てる上で様々な苦労を抱えています。ケーキを作ってあげたものの、「このケーキをママに投げたら泣くかな?」と息子から顔面に投げつけられてしまったり、息子と一緒に歩いているだけで周囲の反応が気になり、笑い声を聞くたびに「息子を笑われている」と感じたりしています。様々な苦悩を抱えた結果、お母さんはどんな時でも作り笑いしかできなくなってしまいました。 

サトラレの家族や恋人など、様々な人が現れますが、周囲からの目を気にして生きなければならなかったり、本当のことを伝えてあげられない歯がゆさをかかえたりと、複雑な思いを胸に彼らは生きています。それでも、サトラレに精一杯の愛情を注ぐ登場人物たち。彼らの姿には、強く心を打たれます。 

サトラレの家族や恋人など、様々な人が現れますが、周囲からの目を気にして生きなければならなかったり、本当のことを伝えてあげられない歯がゆさをかかえたりと、複雑な思いを胸に彼らは生きています。それでも、サトラレに精一杯の愛情を注ぐ登場人物たち。彼らの姿には、強く心を打たれます。

いつも一緒にいる家族や恋人について、深く考えさせられる作品です。

 

漫画『サトラレ』の魅力をネタバレ紹介:自分もそうかもと思わされるリアルさ

 

自らの思ったことが周りに伝わってしまう人間、サトラレ。彼らは自分の思念が他の人に伝わってしまうことを最後まで知らずに人生を終えます。

そのため、もしかして私はサトラレ……?と勘違いをしてしまう人が作中に現れ始めました。3巻で登場したのは美大生の男の子。彼は自分をサトラレだと勘違いしていることを除けば、極めて普通の人間です。しかし、自分をサトラレだと認識し、周りの人たちは誰も事実を教えてはくれないと思い込みノイローゼにかかってしまいました。結局、彼は本物のサトラレと出会い、普通の社会に戻ることになります。

 

著者
佐藤 マコト
出版日
2004-03-23

 

滑稽なように思えますが、自分自身がサトラレである可能性は決して0ではありません。あなたの側にいてくれる人は国の調査委員会で、あなたの考えていることはいつも筒抜けになっていて、周りの人間は笑いをこらえながらあなたの心の声を聞いている、そんな可能性もあります。

もしかして私もサトラレ?と思わず読者にも考えさせるような本作。ぜひこの世界観にどっぷりと、はまってみてください。 

 

名言1:「一人ぼっちは本当ーにさみしいから」【1巻ネタバレ注意】

群像劇ではあるものの、本作のメインの人物である西山。彼を警護していた小松は、徐々に彼に惹かれ、サトラレではあるものの彼と付き合うことに決めました。

そんなふたりはデートをしても体を重ねてもそのことが筒抜け。それを加味し、小松の仕事が無事終了したご褒美を兼ねて、ふたりは無人島への旅行を許されました。

そこはサトラレ対策委員会所有の島で、委員の研修や実習に使われるのですが、今回のようにサトラレのために利用してもらうことも考えられた場所。

警備の安全上とプライバシー保護のため、一般人は立ち入り禁止の、本当のプライベートな空間です。

著者
佐藤 マコト
出版日

しかしそんな島には何やら怪しい男がおり、小松がひとりになるタイミングを見計らってふたりを監視していました。そして彼が仕掛けた落とし穴にハマり、はぐれる西山と小松。

落とし穴に落ちて気絶していた小松に近づいてきたのは、サトラレの男でした。彼は白木重文。日本で2番目に確認されたサトラレでした。

彼はサトラレという病名もなく、もちろん保護法もなかったころの人物。対策委員会の初期の草案作りに携わっていました。そこで最初に確認されたサトラレが自殺したものの、自分は死ぬのが怖い、でもこのまま生きていくこともできない、どうすればいいのだ、と悲痛な訴えを述べるのでした。

そんな彼に委員会はこの島を与えたます。

そこから彼はネット環境で株のディーラーをして生活費を稼いでいたのですが、完全な孤独に耐えきれず、小松と少しでもいいから話をしたいと罠を張ったのでした。

サトラレ同士が対面すれば自分がサトラレだと知ってしまうため、西山とは会えない彼は、西山が近づいてきたところで別れます。

しかしその前に白木は、明日もう一度だけ会ってくれないか、とひとこと言うのです。

そのあと、白木は嬉しそうに明日着るものを選び、ワインを用意します。しかしその途中で、ふたりがセックスしていることを西山の思念から知ってしまい、どうしようもない気持ちになるのでした。

翌日、小松が彼の住んでいる小屋に行くと彼の姿はなく、テレビの映像が再生されます。そこでワインをすすめ、少し緊張した様子で雑談をする白木。しかし彼は途中でもうやめようと言い、「私は今 妬んでいる」と本心を切り出しました。

「彼に嫉妬している 抑えようにも抑えられない
カジキマグロの話をしながら君の裸を思い浮かべている
いくら出せば君を抱けるか考えている
…………最悪だ
でも誤解してもらいたくない
君達の幸せを望んでいるのも確かなんだ
彼に対しても同じ者同士 特別な思いもある
そして必死になればなるほど サトラレだから それはみじめで滑稽だ
だから会えない けれど……会いたい
一人ぼっちは本当ーにさみしいから
失礼 飲み過ぎたようだ」(『サトラレ』1巻より引用 中略あり)

自覚してしまったサトラレには相手をただ思うこともできない。だから映像でしか相手と話せない。白木の切ない思いが伝わってきます。

建前が通じないあけすけな気持ちを知られれば生きていくことはかなり難しいでしょう。酔いすぎることすら彼には許されていないのです。

1番目に発見されたサトラレが自殺してしまったことも悲劇ですが、2番目に発見され、孤独に生き続けている白木もまた、悲劇の人なのです。

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名言2:「その時感じた私の気持ちも全部本物」【2巻ネタバレ注意】

2巻では、サトラレで唯一の妻帯者である星野勝美という男性が紹介されます。

分かってて付き合ったとはいえ、小松はサトラレの西山と付き合うことに気まずい思いをしていました。そして母親からかかってきた電話でお見合いをすすめられ、付き合っている人はいないと嘘を着いた時に、西山とのこれからを考えて不安になっるのでした。

そんな中、委員会ではローテーションで警護対象のサトラレにつく委員を変えるのですが、今回の小松の対象者は、今の彼女の疑問にうってつけの星野になります。

著者
佐藤 マコト
出版日
2002-01-21

そして小松は星野の妻・静恵から話を聞くこと機会を得ました。

星野と静恵はもともとサトラレと付き合ってもいいという人物だけを集めた合コンのようなもので出会いました。結婚の覚悟はなかったものの、ずるずるとそうなったと明るく語る彼女。

そんな彼女を見て小松は、プライベートなことまで話すぎる人だ、サトラレを夫にしていることで割りきっているのだろうか、と疑問に思います。しかしそんな静恵にも何やら秘密はあるようで、彼女は何やら住んでいるのとは別のマンションを所有しているようなのでした……。

そんな中、星野夫妻はもうすぐ結婚記念日。プレゼントは何がいいだろうかと考えながら、星野は今まで一度も妻を喜ばせたことがないので今回は王道に攻めようと考えます。

もちろんそれは筒抜けなのですが、彼が眠りにつきながらバラの花束がいいかと考えた時、静恵は何やら驚いたのような表情をしました。

そして当日、照れながら花束を渡す星野。静恵は涙を流すのですが、それは嬉しさからではなく、何とバラの花アレルギーだったからなのでした。

咳き込みながらその場にうずくまる彼女。星野はまたやってしまった、10年も一緒だったのに気づかなかったなんて……と途方にくれます。

悪いけど外に捨てさせてもらうわね、と言う妻にどうしようもない表情になる星野。しかし翌日、彼が出社した後に彼女はそのバラを持ってどこかへ行こうとします。

原則的に対象者のプライバシーには関わらないようにする委員ですが、小松は咳き込み、涙を流しながらそのバラを持とうとする彼女に手を貸します。そんな彼女に連れていかれたのは彼女が以前ひとりで入っていったマンションでした。

そこは毎月支給される政府手当で家賃を払っているという場所で、ガラスケースに入ったさまざまな物が置かれています。

実はそれらは今まで星野が彼女にあげた結婚記念日のプレゼント。実は彼女はもらったプレゼントを毎年コメントとともにビデオで撮っていたのでした。

白木の後、3番目にサトラレだと判明した星野。彼の代から対策が整ってきてどうにかこれまで来れたものの、何かのはずみで明日にでもそれに気づいてしまうかもしれない、と静恵は静かに語ります。

「当たり前に感じていた自分を取り囲む世界の全てが
本当は彼を欺くために演出されたニセモノだという事に
だけど10年間 あの人からの贈り物は全部本物だし
その時感じた私の気持ちも全部本物
もしもの時にそれを伝えたくてね
ここは二人の思い出を物的証拠として取っとくための部屋」
(『サトラレ』2巻より引用 中略あり)

星野がバラを渡そうと決めた時もそれに気づいていながら、普通の夫婦のようないがみ合いやすれ違いをすることを選んだ静恵。敏感で頭のいい彼に気づかれないよう、普通の人生を送れるよう配慮していたのでした。

サトラレとしての恋愛の難しさを感じさせられる彼女の言葉。小松はあんなすごい奥さんがついていれば、感の鋭い星野も幸せに暮らせるだろうと考えます。

そして、それよりもにぶい西山となら、自分でもなんとかやっていけるだろうと。

静恵の明るさ、覚悟を見ていると読者までも気を引き締められます。凛として、理解しないふりをすることを選んだ彼女の生き方は、星野への深い愛を感じさせられるものです。

名言3:「私が自殺した事にしてほしいの」【3巻ネタバレ注意】

3巻ではついに最初のサトラレのエピソードが明かされます。それは1960年代後半のこと。国光ひろみという青年があけぼの荘というアパートに一人暮らしを始めました。

彼が荷ほどきをしている時に、「いやだな……」「こんなボロアパートに越してくるなんて物好きね」という声が聞こえてきます。

自分がノイローゼになったかと救急車を呼ぼうとしているところに、その下に住んでいる椎名由紀という女性が、それは自分が聞かせているのだと説明しにきました。

自分が生まれつきそういう病気だということ、名前だけ告げると彼女はすぐに自室に戻ってしまいます。

最初は驚いた国光でしたが彼女が毎日辛い思いをしながらも、天文学を勉強するために大学に通っていることを知り、ひそかに彼女を尊敬するようになりました。

著者
佐藤 マコト
出版日
2002-07-03

しかしある日、学生運動に参加していた彼が火災ビンを作っていることに気づいた椎名。彼女ににビクついた姿を見られ、国光はぶっそうな物を作っているのに覚悟は無いんですね、と言われてしまいます。

それを聞いて自分の覚悟のなさを自覚した国光はわざと骨折し、運動を辞退。彼女のために今住んでいるアパートからも引っ越そうと考えます。出来ることから始めようと、3日以内に出ていくことを伝えながらも、彼女に優しさを見せるようになります。

そんな時、椎名が醤油をきらしているということを聞いた彼は、骨折している自分の代わりに部屋からそれを取ってきてほしいと頼みました。

しかしその子は国光の部屋にある火災ビンを醤油を間違えて持っていこうとし、椎名の「危ない」という思念に驚いてそれを落としてしまいます。

彼の代わりに走ってその子を助けにいく椎名。燃え盛る炎の中にガソリンのカンがあることに気づき、その子がひとりで下りられることを確認したあとにそのカンを外に投げます。

爆発はまぬがれたものの、窓が割れて新鮮な空気を吸収した炎は燃え盛り、椎名の逃げ道がなくなってしまいました。

しかし彼女は助けに来ようとする国光に自分はもう助からないから、最後に聞いてほしいことがある、と言うのでした。

「本当は毎日朝が怖かった
いつもくじけそうだった 小さい頃からずっと
でもむかしから星をながめるのが好きだった
天文学で難しい数式を勉強していても
宇宙の構造を解き明かすと思うと心がわくわくした
だからずっと大学にかよい続けたの
自分のような人間はこれからも生まれ続ける……そんな気がするの
だからお願い
私が自殺した事にしてほしいの
他の国でも私のような人間が見つかっていて
その人たちはみんなすばらしい業績をのこしているらしいの
だけどふつうに暮らしていると心をのぞかれる辛さからいずれそれに押しつぶされる
彼達がのこす業績を国がのぞむなら その死から彼達を守る必要があると伝えてほしいの
生きのびて彼達を救って
お願い……私みたいな人間がふつうに暮らせる世の中に……して」
(『サトラレ』3巻より引用 中略あり)

彼女が自殺したことを皮切りに始まったサトラレ対策。国光はそれから歳を重ね、その夢を見事達成し、局長とになっていました。

今の不安定とはいえ、何とかバランスをとって生きていくことができているこの世界をつくっているのはこんなエピソードがあったのですね。

国光と椎名しか知らない、本当のサトラレ保護法制定のきっかけです。

そして3巻では西山と小松が結婚し、妊娠してからのエピソードも収録。子供もサトラレでる可能性が高いということから、切ない決断をしなければならなくなった小松の様子もぜひお確かめください。ちなみに今後、この記事では小松のことは旧姓のまま呼ばせていただきます。

名言4:「西山君と光はもう出会う事は出来ません」【4巻ネタバレ注意】

4巻ではついに西山と小松の子供がサトラレかどうかが判明します。3巻で妊娠した小松はサトラレ同士が出会うことを避けるため、もし赤ん坊がサトラレだった時のことを考えて西山と別れる三段をつけていました。

しかし彼女に学生時代片思いしており、現在は対策委員会で働いている二ノ宮の計らいによって小松の子供と彼の子供を西山に会う時だけ取り替えるという案で落ち着きました。小松の産む子供がサトラレでなければそうする必要などないのですが、どうなるのでしょうか。

著者
佐藤 マコト
出版日
2003-03-18

そしていよいよ小松が出産し、無事に元気な女の子を産みます。委員会が光と西山のことを考えて彼を北海道の研究所に飛ばしたことで、赤ん坊・光とふたりきりという寂しい状況とはいえ小松は幸せな日々を過ごします。

しかし北海道にいる西山に会いにいく途中で、小松はトンネル事故に遭ってしまいました。トンネルの出口付近で岩盤が崩れ、確実な二次災害の可能性のために、救急隊も助けに行くことができません。

つまり自力で避難できない人は確実に死に近づいているのです。そんな中、追突車両が燃えだします。

その大きな音に驚いた光は、強い思念波でその不安を訴えました。

そう、やはり光はサトラレだったのです。

この早い時期に、しかもかなりの協力な思念波を飛ばす光。ショックを受ける小松でしたが、だからこそ出来ることがあると決意するのです。

トンネルでは煙と砂埃で前が見えないながらも必死に出口を探す人々がいました。歩いていく人々の背後から、ある思念波が伝わってきます。

それは求めているものが、一番安心できる、安全な場所がそこにあるという思いでした。反対方向に歩いていた人々も、光の発する声なき声に救われ、出口へと向かいます。

小松は光の思念波を使って被害を最小限にしたのでした。そしてその後、彼女は二ノ宮にこう話します。

「どんなにつらい現実の中にいたとしても
私が微笑んで抱きしめてあげるだけで
この子はあんなにも安らいでくれる
西山君と光はもう出会う事は出来ません
でも その現実を知っているのは家族で私一人」(『サトラレ』4巻より引用)

そしてそのあとに西山に電話をかけ、ふたりとも無事だが今回は行けなくなったと伝えます。「会いたかったね」と言う小松に、西山は「また今度ゆっくり会おう」と言います。

小松は泣きながら「そうだね」と返しますが、本当の光に会える日はもう来ないのです。

小松も、二ノ宮も複雑な思いを抱えての今回の決断。光と、彼女と取り替えられた幸子が今後どのように成長していくのかが楽しみであり、切なくもありますね。

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名言5:「普通の夫婦もサトラレ夫婦とは別の苦労があるのね」【5巻ネタバレ注意】

宇宙研究所で働いていた星野が、ロケット点火時の事故によって意識不明の重体になってしまいました。その後3週間で容体は安定したものの、彼が目覚めることはありませんでした。

しかし思念がまったく現れないことから意識がないと思われていた星野でしたが、実は意識があり、周囲が話していることを理解していました。

そう、彼は事故時の何らかの影響でサトラレの能力を失っていたのです。

その中で星野はついに自分がサトラレだと知ってしまいました。

著者
佐藤 マコト
出版日
2003-09-22

秒単位の自分の観察などを知って自暴自棄になる彼でしたが、それを分かっていながら12年間笑顔でついてきてくれた静恵だけは信じられると思い、気を取り直します。

しかしこの病院の持ち主であり、主治医である男はサトラレを憎んでおり、彼の点滴に副作用としてうつ状態を引き起こす物質を混入させ、彼を自殺に追い込もうとしていました。

さらに星野の心の支えである静恵との間に亀裂をつくり、見事自殺にまで追い込むことに成功します。

しかし途中で彼の研究をすることですべてのサトラレを普通の人間に戻す、つまり消し去ることができるのだと思い当たり、彼を止めることにしました。そして自分の研究に付き合うよう要請し、星野はそれを承諾します。

そして星野と静恵は誤解を解かれ、再び夫婦として歩み始めるのです。

「普通の夫婦もサトラレ夫婦とは別の苦労があるのね」
「ああ これから気をつけないとな」(『サトラレ』5巻より引用)

果たして星野の事例がそのほかのサトラレを普通の人間に戻す鍵となるのでしょうか。だとすれば、西山も本当の我が子である光に会うことも期待できそうですね。

名言6:「それも一つの才能さ」【6巻ネタバレ注意】

6巻では新しい存在「サトレズ」が登場します。それは里見健一というサトラレと学校を同じくする東上という少年のエピソードから明らかになったもの。里見はすでに天才医師として何回かエピソードで登場している人物です。

東上はサトラレの声が聞こえず、里見にサトラレと気づかれそうだと周囲をヒヤヒヤさせる危うい接触をしていました。そして本心が分からないことから里見が隠れて助けようとしていたタヌキに、逆にひどいことをしているのだと誤解して彼から奪うのでした。

著者
佐藤 マコト
出版日
2004-03-23

思念で助けたいという気持ちを理解している対策委員からは考えられない行動でしたが、東上には聞こえないので仕方ありません。

しかし彼の声が聞こえないものの、里見の必死な様子にやっと東上もタヌキを助けようとしていることを悟るのです。

そしてそのあと東上は、サトレズとしてからかわれながらも、対策委員のひとりにこう言われます。

「それも一つの才能さ」(『サトラレ』6巻より引用)

そしてこの言葉が実感される出来事が、この過去エピソードのあとに紹介されます。サトレズとしての価値は、サトラレがいたからこそですが、目立たないものの、自分の短所と思っていた部分が役立ったことの喜びを感じる東上の様子にはほっこりさせらます。

名言7:「オレ達の子供のために」【7巻ネタバレ注意】

世紀の大発見を成し遂げたものの、それをよく思わない人物から狙われる可能性があるということで研究からはずされた西山。それにショックを受けた彼は小松と光に発作的に会いに行こうとします。もちろん委員がつきっきりなので、その連絡が小松にいくのですが。

彼女は今、光と一緒に田舎町に住んでいます。ヒカルの思念範囲は現在1kmにも及び、街で暮らせば常に周辺に迷惑がかかるため、リスクの少ない場所に住んでいたのでした。

そして今回西山がやってくるということで急遽二ノ宮が光を連れ出します。幸子ははしかにかかっているのでこちらには来られず、小松はふたりきりでショックを受ける西山と出かけることになりました。

著者
佐藤 マコト
出版日
2004-08-23

どうにか小松の励ましで研究をはずされて落ち込んでいた西山も持ち直しましたが、その途中で花畑で蜂に刺された光の思念が飛んできてしまうのです。

そこから不安を感じた西山は、小松の制止も振り切ってそこへ向かおうとします。しかし彼を止めようとする小松が足を滑らせ、崖から落ちそうに。それをどうにか救い、小松は身近な人をまず大事にせねば、と考え直します。

これでふたりが会うことを防げてひと安心かと思いきや、小松を救えてよかったという西山の強い思念が遠くにいる光にまで伝わってしまいました。そしてその思念に驚いた光が発した「ひかり いたいよ」というさらに強い思念をついに西山が感じ取ってしまうのです。

そして遠くにいながらも、お互いが強い思念で交流し、西山は光がサトラレであること、そしてその親であり今会話をした自分もサトラレであることを知ってしまうのでした。

そして西山はこう言って小松に背を向けます……。

「離れなきゃな オレ達の子供のために」(『サトラレ』7巻より引用)

いよいよ終盤にかけて物語が佳境に入ってきました。何やら西山たちを狙う怪しいアメリカ人たちの姿も描かれ、ますます結末が気になる展開です。果たして西山たちはどうなるのか、謎のアメリカ人たちの目的は何なのか。最終巻8巻へと続いていきます。

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名言8:「ボクがやらなきゃいけないんだ」【8巻ネタバレ注意】

アメリカ人たちの正体が実は西山の研究によってビジネスを阻害されることを危ぶんだメジャーが放った刺客だということが分かりました。彼らは西山のことを殺そうとわざわざ日本にやってきた人物たちです。

その頃西山は委員会の配慮で思念の及ぶ半径に誰もいない状況にしてもらい、ひとりで考える時間をもらいます。

著者
佐藤 マコト
出版日
2005-02-23

考え続ける彼のもとに小松がやってきました。そして西山と小松はこんな会話をします。()内は心の声です。

「光は知っちゃったんだよな かわいそうに
(つらい人生が待っているだな 絶望的に)」

「だったらあなたが光に希望を見せてあげて」

「希望か
サトラレとして 父親として
光のためにも 示さなきゃな
ボクがやらなきゃいけないんだ」
(『サトラレ』8巻より引用)

そして決意を持って光と向き合うことにするのですが……。

この他にも最終巻となる8巻では光のその後や、彼女をある方法で救う白木の動き、サトラレとして市議会に立候補した男のエピソード、里見がサトラレと気づくのか、というエピソードなどが描かれています。

西山のエピソードは最終回までの展開は涙なくして読めないもの。これからたくさんの困難があるであろう光を見守りたくなる内容です。

そして本作は一時休載したあとに『サトラレneo』に続いてきます。8巻にも及ぶ西山のストーリーはどんな形で締めくくられるのか。ぜひご自身の目でその様子を見届けてください。

漫画『サトラレ』に描かれる人の心の真の姿を無料で覗いてみよう!

著者
佐藤 マコト
出版日

ドラマ化、映画化されたことでも話題になり、人に心を悟られてしまうという斬新な設定で人気になった本作。原作漫画は主人公が多数いることによって、さまざまな「サトラレ」の生き方を見ることができます。

メディアミックス作品ではひとりの主人公が悩んで成長する姿が描かれていましたが、原作ではそんなサトラレが数多く存在し、それぞれの筒抜けな生き方、そんな彼らが不自由なく生きていけるようサポートする周囲の様子が描かれ、多面的にその病について考えることができるのです。

時にドタバタ、時にしんみり。人の心の善なることを信じてみたくなるような泣ける作品です。

さまざまなサトラレの生き方から、人の心というものについて考えてみてはいかがでしょうか?漫画原作はスマホアプリから無料で読むこともできるので、そちらからこの不思議で考えさせられる世界を覗いてみるのもいいかもしれません。

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ご紹介した他にも、サトラレの小学生や、政治家などが登場します。サトラレではない人たちの中にはサトラレを敵視する人物も現れて、ストーリーは思いもかけない方向へと進んでいくのです。また、この15年後を描いた『サトラレneo』もあるので、ぜひそちらもチェックしてみてください。