理系の研究室の実験用動物としてよく知られているものといえばモルモットですよね。しかし、実はネズミの中でも性格が温和で飼育しやすいため、ペットとしても人気があるのはご存知でしょうか。今回は、モルモットの飼育方法や注意点などをご紹介します。
モルモットを飼育するには、以下のような準備物が必要です。
【準備するもの】
【ケージについて】
モルモットの飼育には、ケージが好ましいとされています。しかし、ケージといっても色々な素材があります。モルモットの飼育に適しているのは、手軽に洗えて手入れが楽な金網のものやプラスチック製のものです。 ただし、細い金網は足が引っかかって骨折してしまう恐れがあるので、太めの金網を選びましょう。
また、木の箱や段ボールは通気性が悪く、排泄物を吸収しやすく不衛生なので避けましょう。
ケージを購入したら、床にも金網が入っているかチェックし、取り外して使いましょう。これも、モルモットの足の怪我を防ぐためです。
【床材について】
モルモットの足の裏は毛がありません。モルモットは素肌で床を歩くことになるため、足腰に負担のかからない柔らかな牧草を床に巻いて、毎日取り替えてあげる必要があります。牧草を毎日入れ替えると結構コストがかかりますのでペットシーツで代用したいと思われる場合は、厚めのペットシーツを選んで使用するようにしましょう。
【お世話の仕方】
モルモットは他の小動物と比べて排泄量が多いので、1日2回はケージのお掃除が必要です。牧草やペットシーツを入れ替え、ケージを丁寧に拭きましょう。 ケージを掃除している間は、モルモットをキャリーケースに移動させましょう。 食事についても朝と晩の1日2回です。モルモット専用のペットフードを購入するのが便利です。 あとは、ケージの外に出して触れ合って遊ぶときには、グルーミング(毛の手入れ)をしてあげて、毛がもつれていたらほどいてあげるようにしましょう。
基本的な飼育容器(ケージ)の準備が整ったら、モルモットを飼育するための環境や食事などに注意し、居心地が良いと感じられる住まいづくりを整備しましょう。ここでは、モルモットを飼育する際の注意点をまとめます。
【ケージの設置場所についての注意】
モルモットを飼育するケージ内の環境を整え流だけでは、モルモットにとって快適な住まいにはなりません。ケージを設置する場所にも注意しましょう。
<避けた方が良い設置場所>
人の出入りが多く、騒がしい場所や、急に大きな音の出る場所、直射日光が当たる場所は、モルモットのストレスになります。またグラグラする場所は、ケージの落下の恐れがありますので避けましょう。 安定した棚の上、静かに落ち着ける部屋の壁際にケージを設置してあげましょう。
【モルモットのエサについての注意】
ネズミといえばチーズを思い浮かべる方も多いでしょうが、モルモットの場合は違います。モルモットは草食なので、主食はモルモット専用のペットフード、牧草です。 それ以外のものを食べると体調を崩してしまうことがあるので、特に人間の食べ物は与えないようにしましょう。
【モルモットの飼い主としての心構え】
モルモットは比較的温和な性格とされていますが、突然慣れない環境に置かれるとストレスを感じてしまいます。環境に慣れるまではなるべく声をかけたり、触ったりせず、しばらくひとりにしておきましょう。
初めのうちは、ハウスの中に閉じこもっていることが多いですがハウスから出てケージで過ごすようになったら環境に慣れてきた頃なので、それを見計らい、少しずつ触れ合うようにし、お互いの距離を縮めていくと良いでしょう。
一口にモルモットといっても、実は色々な種類があります。ここでは、最もポピュラーなモルモットの種類と、初心者でも飼育しやすいおすすめの種類をご紹介します。
①イングリッシュ
最も知名度が高く、ペットショップでもよく見かけるモルモットです。 短毛種でずん胴、ふっくらしていて愛らしい体型なのが特徴です。 性格は臆病ですが、人に慣れると懐いてくれるので、最も飼いやすいタイプと言えるでしょう。
②クレステッド
イングリッシュを改良したタイプのモルモットで、頭頂部のつむじが特徴の短毛種です。見た目の愛くるしさから人気のタイプですが、イングリッシュよりも臆病な性格をしているので、ストレスをかけないようにできるだけ過度な接触をしないようにしましょう。
③アビシニアン
イングリッシュやクレステッドよりも少し毛が長いタイプのモルモットです。 全身につむじがあるため、くるくるとした巻き毛が特徴です。また、モルモットの中では甘え上手なタイプなので、ペットショップで人気です。ただし、ブラッシングなど体毛のお手入れをこまめにしてあげないといけないので、ケアがしっかりできる方におすすめです。
④シェルティ
サラサラのストレートヘアが特徴のモルモットです。長毛種なのでこちらもブラッシングがかかせません。モルモットは排泄量が多いので汚れやすいため、お尻周辺の毛をカットしてあげるなどの細やかなケアが必要です。
⑤テディ
縮れた短いくせっ毛が特徴のモルモットです。巻き毛に牧草などが絡み付いてしまうことがあるのでこまめにブラッシングできる方、小動物の飼育経験がある上級者の方におすすめのタイプです。
ここまでポピュラーな5種類のモルモットをご紹介してきましたが、初心者に最も飼育しやすいのは、イングリッシュです。グルーミングの回数が少なく済み、性格的にも人懐こいところがおすすめのポイントです。 日本では短毛種で最も人気が高いことから「ショートモルモット」と呼ばれていることがあるので注意しましょう。
【選び方のコツ】
モルモットの懐きやすさには個体差があるので、なるべく早く飼育をしはじめた方が、飼い主との信頼関係が築きやすいとされています。 したがって、できるだけ小さいもの(生後1〜2ヶ月)を選びましょう。 またペットショップなどで実際に触れ合ってみて、スキンシップを嫌がらないかチェックし、抱っこを嫌がらないモルモットを選ぶのも飼い主さんとの相性を見極める大切なポイントです。
- 著者
- ["大崎 典子", "井川 俊彦"]
- 出版日
- 2015-12-01
モルモットの種類や選び方、飼い方、飼育環境についてのアドバイスはもちろん、栄養管理面での詳細な指南、モルモットがかかりやすい病気とその原因、治療法までわかりやすく解説しています。
飼育するなら、飼いながら飼い方を覚えて行こうというタイプではなく、最初からしっかりと準備をしてペットを迎えたいという方向けの本です。
内容が充実しているのので、一冊は家に置いておきたいほんと言えるでしょう。フルカラーで、見やすいのもメリットです。
- 著者
- ["大崎 典子", "井川 俊彦"]
- 出版日
- 2016-08-04
写真が多く、フルカラーでペットを初めて飼う方にも手軽に読めるモルモットに関する入門書です。
こちらの本は「モルモットを飼おう!」と決めたものの、何から始めたら良いのか手順がわからないという方へのおすすめの入門書となっています。
例えばケージの選び方一つとっても、素材ごとのメリット、デメリットが詳細に書かれているので、納得して選ぶことができるのが魅力です。
- 著者
- 長坂拓也
- 出版日
- 2001-10-01
モルモットの飼育関連書籍は多くはありません。
また、あるとしても専門的でわかりにくいと感じられる方もおられるでしょう。 こちらの本は、難しい内容をわかりやすい表現に直して紹介してくれているので、よくわかると評判です。
他のおすすめ本よりも少し価格は高いですが、それを凌駕する内容の良さがあります。モルモットをペットとして迎えるための心構えから、残念ながら死んでしまった時の対処法なども記載されているので痒いところに手が届く完全マニュアル本といえます。
ただし、絶版になっているので入手が難しいかもしれません。
いかがでしたか?今回はモルモットの飼い方からおすすめの関連本までをご紹介しました。最後までお読みいただきありがとうございました。