ナマケモノってどんな生き物?ペットにできるの?生態を紹介

更新:2021.11.11

毎日グータラしてのんびり過ごしたいと思っているあなたなら、ナマケモノという生き物が羨ましいと思ったことが1度はあるのではないでしょうか。実際には彼らがどんな生き物なのか知っていますか?今回は、ナマケモノの不思議な生態についてご紹介します。

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ナマケモノってどんな生き物なの?

ナマケモノは名前のとおり、のんびり、ダラダラと過ごしている生き物、というイメージをもっている方が多いでしょう。

皆さんのご想像どおり、彼らの睡眠時間は1日約15〜20時間で、大半を木にぶら下がって過ごすため、ほとんど移動しないという文字どおりの「怠け者」です。しかし、決して本人たちは怠けているつもりではなく、筋肉が退化してしまったためにゆったりとした動きになってしまっているのです。

このような生き物ですが、自然界は弱肉強食の世界。厳しい自然界で、彼らはなぜ絶滅せずに、こんなに自分のペースを守って生きていけるのでしょうか。とっても不思議で魅力的な生き物でもあるナマケモノの生態について、もっと詳しく見ていきましょう。
 

ナマケモノの不思議な生態

ナマケモノは、1日中木にぶら下がって生きていますが、具体的にどのような生態なのでしょうか。

【生息地】

中央アメリカから南アメリカ北部の湿度の高い密林地帯に生息しており、樹上生活を送っています。

【種類】

大きく2種類に分類することができます。

「フタユビナマケモノ」と「ミユビナマケモノ」で、両者の違いは名前のとおり、指の数が違うだけ。生態はほとんど同じとされています。

【特徴】

1:体の特徴

身長が40〜75cm程度で、体重は4〜9kg程度です。頭部は短くて丸い形をしており、耳は外からは見えにくくなっています。

また、前足の方が後ろ足よりも長いです。木につかまりやすいように四肢の先端は細くなって曲がっており、鉤爪になっているのです。歯は一生伸び続けるといわれています。

2:樹上生活について
 

1日のほとんどを木の上で過ごし、交尾や出産、育児までも木の上でおこないます。生まれた赤ちゃんも、自立するまでは木にぶら下がる母親に必死にしがみつき成長します。

3:地上に降りるとき

木にぶら下がる以外に、1週間に1度だけ、地上に降り立つ時があります。それは排泄(尿や糞)をするためです。彼らは、木の根元に穴を掘り、用を足します。これは、糞が木の栄養分になることを本能的に知っているからだといわれています。

 

【食事】

ナマケモノは活動量が少ないため、食事量も非常に少なく、1日7g〜8g程度の葉っぱと、植物からの水分を摂るだけで生活しています。あまりに活動しないため体に苔が生えることもあり、またそれを自分で食べることもあるのです。

首が270度〜280度も動くため、移動しなくても首を動かして食べ物を探せるようになっています。

ナマケモノは、できるだけ省エネで生き延びるために、体のほとんどの機能のキャパシティが小さくなっています。たとえば胃腸の働きもスローペースで、気温が低い日が続くと体温が低下し、消化機能が衰えてしまうのです。満腹になってしまうとうまく消化吸収できず、満腹のまま死んでしまうこともあります。

 

【移動スピード】

歩くスピードはなんと時速16m、分速に換算すれば27cmと超スロースピードで移動する生き物です。ピューマやジャガーなどの外敵に狙われた時には、少しだけ速い、時速18mになりますが、通常時とほとんど変わらないため襲われてしまうことが多いです。

ただ体臭が無臭であるため、ゆっくり移動していても、天敵に見つかりにくいといわれています。  

ナマケモノはペットにできる?

省エネ生物のナマケモノですが、ペットとして飼育することはできるのでしょうか。

もちろん、飼育環境を整える必要はありますが、家庭でも飼育することは可能です。ただし、希少生物であるため、1頭あたりの価格は70万円〜100万円とかなり高額になっています。

(1)飼育するために必要なもの

 

  • 部屋 
     
  • エアコン
     
  • 加湿器
     
  • 太い木(2本以上)
     
  • 新鮮な野菜など(エサ)
     
  • 移動用の大きなケージ
     

 

体長が人間の赤ちゃんと同じくらいの大きさになるため、ケージに入れるというよりも飼育のための部屋を準備する必要があります。1日のほとんどを木にぶら下がって過ごすため、丈夫な木を最低2本は用意してあげましょう。また、病気の際には、動物病院への移動に必要な、大きなケージが必要になります。 

(2)エサについて 

1日7g~8g程度しか食事をせず、木の上にある葉しか食べないといわれています。

ミユビナマケモノの場合は新鮮な野菜を1日1回、与えてあげましょう。フタユビナマケモノは雑食性なので、こちらを飼育する場合は、りんご、バナナ、ソーセージなどをバランスよく与えてあげるのがポイントです。 

(3)注意する点 

ここでは、飼育するうえで知っておきたい注意点についてまとめます。

【気温と湿度】

彼らはもともと熱帯雨林に生息する生き物ですので、気温は30度前後、湿度は70%程度にしてあげましょう。人間には少々過ごしにくい環境となります。 

【夜行性】

1日のほとんどを眠って過ごしますが、夜行性であることを覚えておきましょう。 

【便秘しやすい】

もともと週1回程度しか糞をしませんが、ストレスを抱えると便秘になりやすいので、あまりに出ない場合は庭があれば出してリラックスさせるか、浣腸をするなどして対応しましょう。 

【その他の注意点】

 

  • 体毛にダニなどの虫を飼っているのでハウスダストアレルギーを持っている方は注意が必要 
     
  • ダニはナマケモノの糞をエサにしているので糞は早めに片付ける
     
  • 体に苔が生えやすいが、自分で食べるのでむやみに取り除かない 
     

 

同じ場所に排尿、排便をする習性があるので、トイレのしつけがとても楽だといわれています。ただし飼育するためには、1部屋ナマケモノのために用意してあげる覚悟が必要です。

これまでの定説を覆す生物学の最新成果を一冊にまとめた文庫本

ナマケモノに関する豆知識だけでなく、オスなしで子供を作れるコモドドラゴンの謎や、不老不死は可能なのかなど、他の生き物についての謎や知識も身につく一冊です。

著者
池田 清彦
出版日
2017-09-28

究極のエコ生物としてナマケモノの生態を楽しく紹介している読み物となっています。また、いまだに解けていない生物に関する謎にも触れ、その解明の糸口にも切り込んだ大人向け雑学満載の生物学エッセイです。

見えないところで一生懸命頑張っている几帳面なナマケモノの絵本

動物園で、ずっと木にへばりついているだけのナマケモノは、夜になるととっても活動的で、几帳面な生き物に変身します。そんな様子が楽しく学べる絵本です。

著者
ねじめ 正一
出版日
2008-05-01

すぐにダラダラしたり、面倒臭がったりする子供に、「ナマケモノだって見えないところで努力しているんだよ!」と、読み聞かせてあげるのに最適な絵本です。

もちろん大人目線では、「そんなわけないだろう!」と心のなかで突っ込みながらも、クスッと笑える楽しい一冊となっています。

手書きの文字とイラストに癒される!ナマケモノなどゆるい生き物好きにおすすめの一冊

ゆるい生き物について気になるならこの一冊をおすすめします。登場するのは、常識をくつがえすような不思議な生き物ばかりです。

著者
高橋 のぞむ
出版日
2017-06-09

ほっこり癒される可愛いイラストで、子供も大人も楽しめます。動物マニアの著者の熱い思いが詰まった、そして著者の動物たちに対するツッコミも光る面白くて楽しい本です。

いかがでしたか。今回は不思議な生き物、ナマケモノの生態から飼い方、おすすめの関連本までをご紹介しました。最後までお読みいただきありがとうございます。

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