『キング・オブ・クズ』の主人公は、高校を卒業した後も自堕落な生活を送っている、自他共に認める最低なクズ男。そんな彼がひょんなことからキャバクラの黒服になり、クズだらけの世界でアツく成長していきます。
基本的な精神年齢がお子様の本城真央は、20歳になってもヤンチャな生活から抜け出せません。しかしキャバクラの黒服として働きだすことになり、彼の人生は一変していくことになります。
つい本能のままに動いてしまう真央ですが、いつまでもやりたい放題では、社会人としては生活していくことはできないのです。アルバイトもクビになってしまった彼が行きついたのが、夜の街での黒服デビューでした。キャバクラ嬢に下心を抱いた真央は、立派に黒服の仕事をこなしていけるのでしょうか?
この記事では、登場人物はクズだらけですが、大笑いしながらもアツくなってしまう『キング・オブ・クズ』の魅力をご紹介していきます。
いつの日か夜の街で成り上がることを夢見る主人公を描いた、奇想天外で予測不能なハチャメチャギャグコメディです。
- 著者
- 嶋田 ひろあき
- 出版日
- 2016-04-08
見栄っ張りでわがままな本城真央が、あることをきっかけに飛び込むことになったのはキャバクラの黒服生活でした。
下心だらけの彼が出会ったのは、自分と同様にクズなキャバクラ嬢たち。周りを見渡せばクズばかりのなかで、少しずつ変化していく真央の姿が印象的です。
世の中を甘く見ている彼は、黒服という厳しい世界で無事に生きていくことができるのでしょうか?甘い理想と過酷な現実をリアルに感じながら、彼の成長を温かく見守ってあげてください。
おバカでクズなのになぜか魅力的に見えてしまうのが、この物語の主人公・本城真央です。
「どうだテメェら、オレ様をナメんじゃねぇぞーっ!!」(『キング・オブ・クズ』1巻から引用)
後輩に良いところを見せようと、交番の中で花火を打ち上げた真央。アホ過ぎて笑えてしまう彼は、やはり愛すべきキャラクターなのでしょうね。
- 著者
- 嶋田 ひろあき
- 出版日
- 2016-06-09
交番でヤンチャをした真央ですが、親友のタケシに注意され、大人になろうと誓います。しかし彼はどこまでもクズなので、すぐにアホな妄想で頭が一杯になってしまうのです。
「やっぱビシっと就職して、そんであっちゅう間に社長にならんとな!」(『キング・オブ・クズ』1巻から引用)
最低人間の彼は簡単に社長になれると思っているうえに、金持ちになれば女性と遊び放題だと勘違いしているようです。
思考回路が20歳とは思えませんが、あまりにも素直すぎるがゆえに憎めないのが、真央の魅力になっています。
親友のタケシに仕事を紹介してもらえることになった真央。その採用祝いとして社長に連れて行ってもらったのが、キャバクラでした。
「い……いかん!違う所が元気になってきた!!」(『キング・オブ・クズ』1巻から引用)
キャバクラ嬢の接客に興奮する真央は、彼女たちのサービスが自分への恋心だと勘違いしてしまいます。彼はこのままキャバクラ嬢と恋に落ちることになるのでしょうか?
K.O.K -キング・オブ・クズ- (3)
2017年03月25日
初キャバクラであるトラブルを起こした真央だったのですが、キャバクラ嬢への憧れを捨てきれず、黒服として働きだすことになりました。
さまざまな手段を使い、夜の蝶たちに積極的なアプローチをしていく真央。しかし現実はそんなに甘いものではありませんでした。
「ちょっと!アタシの足にかかったじゃん?ドン臭ぇーな!」(『キング・オブ・クズ』1巻から引用)
氷をこぼしてしまった彼に浴びせられたのは、キャバクラ嬢からの厳しい言葉だったのです。彼女たちの表の顔と裏の顔を少しずつ知っていく真央は、果たして恋愛関係を築くことができるのでしょうか?
夢と現実のはざまで戸惑う彼の姿に注目してみてくださいね!
『キング・オブ・クズ』の舞台となっているキャバクラという世界。この物語ではその表と裏を忠実に描くことで、ストーリーにリアリティーを持たせているんです。
「キャバクラ店ってのは各々が独立してる所ばっかじゃねぇ」(『キング・オブ・クズ』1巻から引用)
このように経営面などのを要所要所で説明してくれることで、夜の世界に馴染みのない読者も、ストーリーをより理解することができるようになっています。
土曜日など休日の前日は、集客が思うようにいかないというキャバクラ業界。『キング・オブ・クズ』では、営業メールをサボるキャバクラ嬢の姿を描きながら、彼女たちを取り仕切る店長の苦悩も表現しています。
「はぁー、集客もそうだがヤル気のあるキャストもスカウトしないとな」(『キング・オブ・クズ』1巻から引用)
華やかな表舞台とは違って、裏では色々な悩みを抱えているんですね。そのなかでも必死に経営努力している姿が印象的で、このようなリアリティーが物語に奥深さを与えています。
クズな真央は、お店に貢献することができるのでしょうか。
性欲とお金目的で働きだした真央ですが、上司である蓮見のもとで、黒服として1歩ずつ成長していきます。蓮見のことを最初は毛嫌いしていたのですが、彼の深く重い言葉がいつしか真央の心に突き刺さっていました。
「クズは金で裏切るが人間は金では裏切らない」(『キング・オブ・クズ』4巻から引用)
この言葉の真意を知り、蓮見のことを信頼することになる真央は、ここから一気に成長していくことになります。
K.O.K -キング・オブ・クズ- (4)
2017年04月25日
相変わらず真央の周りはキャストも店員もクズばかりなのですが、彼は蓮見を尊敬し、ダメ男を返上しはじめます。その成長ぶりたるや、読者の母性本能がくすぐられて胸が熱くなること間違いなしです。
本作は笑える部分をしっかりと残しながらも、真央がさまざまな困難を乗り越えながら一人前になっていき最終回を迎えることになります。
ここまででも十分に満足できる『キング・オブ・クズ』ですが、実はスピンオフ作品があることをご存知ですか?
『K.O.K -XXXfetish-』では、サブキャラたちのアイデンティティーまでも知ることができるんです。ファンにはたまらないこちらもあわせて楽しんでみてくださいね。
クズばかりの登場人物たちなのに、どこか笑えてしまい憎めない『キング・オブ・クズ』。多くのギャグ漫画ファンにおすすめの作品になっています。キャバクラ業界の表と裏を知ることもできるので、満足感のある内容を実感してみてくださいね。