『七つの大罪』では、3000年前の聖戦を機に物語が大きく動き出しました。これまで不透明だった女神族の存在も明らかになり、女神なのに悪と強く印象づけられた描写もあります。女神族にはどんな人物がいるのか、明かされている情報をもとに一覧でご紹介します。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2013-02-15
『七つの大罪』に登場する、人間や魔神族など多種多様のキャラのなかで、3000年前の聖戦が描かれた25巻で、その存在が明かされました。そして28巻では、クラリネス王国の王女エリザベスが、女神族エリザベスの生まれ変わりだということも判明しています。
しかしながら、エリザベス以外の女神族は「悪」の存在として描かれており、女神でありながら魔神族に匹敵するほどの「悪」を感じ取れる節もあります。一体、女神族とはどういった種族なのでしょうか。エリザベスやリュドシエルの羽が4枚に対し、ネロバスタは2枚という違いもあるので、羽が何枚あるかによって、置かれている地位も変わってくるようです。
多くの女神族は、3000年後には実体を失っているため、遺物や剣などの道具に宿っています。ネロバスタもリオネス王国の至宝、ケルヌンノスの笛に宿っていましたね。また、エリザベスの母である最高神は、10枚ほどの羽をもっており、魔神王に匹敵するほど、強力な力を持っているようです。
ただ、娘であるエリザベスに「永劫の輪廻」の呪いを掛けたことから、優しいエリザベスとは正反対の、残虐な一面があると考えられます。また、リュドシエルが「あの方」と呼ぶ人物こそ、最高神であるという可能性も高いです。
そして、26巻でリュドシエルがネロバスタに増援を指示した際の「マエル」という人物。どんな人物なのか、詳細は不明ですが、四大天使の最後のひとりだと思われます。
ここではまず女神族のキャラを紹介していきましょう。29巻以降のネタバレも含みますので、先を読んでいない方はご注意ください。
本来の姿は女神族であるエリザベス。女神族でありながら、魔神族と結ばれ敵<十戒>をも救った罪により、母である最高神から「永劫の輪廻」の罰を受けています。
その罰とは、人間として短い人生を繰り返し、すべての記憶を失ったまま生まれ変わり、かならずメリオダスと出会い恋に落ちるというものでした。しかも、前世の記憶を思い出してしまうと、何があろうと、何に守られようと必ず3日で、しかもメリオダスの前で死に至るというものです。
なので、ダナフォールのリズも、リオネス王国のエリザベスもすべて、女神族エリザベスの生まれ変わりということになります。3000年前、どういった経緯で非情だったメリオダスを改心させたのかは不明ですが、エリザベスには羽も4枚あることから、かなり強い力があるものと推測できます。
その力は本人も気づかないうちに現れていました。13巻でのヘンドリクセンとの戦いでは、エリザベスの右目に紋様が現れ、深手を負った者たちの傷も治るという現象が起こっていますが、それもドルイド(森の賢者)の血を引く巫女であり女神族の使徒であるが所以。ほかにも様々な場面で、その力が徐々に現れていました。
3000年前の聖戦で、魔神族と戦うつもりはなかったエリザベスは、押し寄せる魔神族の軍勢に「話をして帰ってもらった」ことがあります。これは、かつてメリオダスの言った「あいつは昔 たった一人で魔神族の軍勢を改心させたことがあるんだぜ!!」につながっています。これも、メリオダスが認めるほどの力がある証ですね。
また、最高神の娘でありながら、すべての種族が戦うことなく共存できることを願っていたため、リュドシエルやネロバスタからは、考え方の違いから邪魔者扱いされていました。こういったことから、女神族でのエリザベスの地位は、完璧ではない危ういものであったことも伺えます。
28巻では、すべてを思い出したエリザベスが3日後の死を控える中、かつて幼かったマーリンがエリザベスを「姉々(ねえねえ)」と呼んでいたことも明かされました。このことは、不明だったマーリンの推定年齢にもつながりますね。
命を落とすまで3日となったエリザベスですが、かつての<十戒>の姿になってしまったメリオダスと、どのようにして向き合っていくのか、今後の動きに注目です。
エリザベスについて紹介した<『七つの大罪』エリザベスを徹底考察!リズの生まれ変わり?【ネタバレ注意】>の記事もおすすめです。
3000年前の聖戦で、その正体を明かした四大天使のひとりリュドシエル。一見、穏やかそうな表情をしていますが、魔神族に対しては、非常に残忍な行為も辞さない考えを持っています。エリザベスと同じく、4枚の羽があることから、女神族のなかでも高位であると推測できます。
また、同じ四大天使のサミエルやタルミエルに対して命令口調なのはリュドシエルの方が高位であるというほか、単なる性格(?)かもしれません。
自分より高位のエリザベスをエリザベス様と呼んでいるにも関わらず、影では小娘呼ばわりしたり、正義感をひけらかしたりと、何かと腹黒さが目立つキャラです。聖戦の集結には、魔神族の根絶が必要不可欠であるとし、虫けらの糞と言い、同じ生命体として認めないなど、魔神族に対する憎しみはかなり深いようです。
そして表向きには、妖精王の力で護られた森を守護するという目的で、リュドシエルがグロキシニアの留守中に結界を張ったというのが、25巻で明かされましたが、これも<十戒>をおびき寄せる「道具」として、多くの魔神族を生き餌として捕らえていました。
妖精族の王にも知らせず罠を張る。そういった、いかなる手段も辞さない腹黒さがあるので、女神族であるにも関わらず、魔神族に劣らない悪い天使なんですね。何よりも、魔神族の根絶を優先としているリュドシエル。彼が黒幕といった考えもありますが、大元はリュドシエルが「あの方」と呼んでいる人物かと思われます。
3千年前の聖戦の様子が25〜26巻にかけて描かれていましたが、その後リュドシエルがどうなったのか、はっきりと明かされていませんでした。
しかし、244話では再びその名前が登場します。これより以下、最新29巻にまだ収録されていない内容のネタバレを含みますのでご注意ください。
十戒との戦いのとき、ビビアンに誘拐されたギルサンダーを救うため、ドレファス・ヘンドリクセンと旅にでたマーガレット。旅の途中で、3人はドルイドの祭壇を見つけます。そこでマーガレットは、謎の声を聞くのです。
その声は、体を捧げるなら、お前の願いを叶えてやると言いました。それに対して、「ギルサンダーとビビアンを助けられるのなら、どんなことでも耐えてみせる」と告げるマーガレット。次の瞬間、何者かに体を乗っ取られてしまいます。なんと、その正体はリュドシエルだったのです。
この現象、どこかで見覚えがありませんか?ダナフォールの大穴で、ドレファスとヘンドリクセンが十戒のフラウドリンに乗っ取られた、あのシーンと似ています。
先の聖戦で女神族らしからぬ暴走を見せていたリュドシエルは、3千年もの間、祭壇にて封印されていたのでしょうか?マーガレットの体を借りて復活した彼の目的とは、一体何なのでしょう。
3つの顔をもつ異形の四大天使のひとりタルミエル。向かって右側は老人、左側は若者、真ん中は口が裂けた不気味な顔をしています。通常は、真ん中の顔がメインになっています。3人分ということなのか、体が大きいからなのかは不明ですが、羽は小さめのものが6枚。両手首には、大き目のリングをはめています。
3000年前の聖戦では、サリエルと<十戒>を仕留める時間を賭けるなど、大天使らしかぬこともしています。当時、タルミエルの相手となったのはデリエリでした。デリエリからの「連撃星(コンボスター)」によって連打の後は、体をブルブル震わせて、筋肉モリモリのマッチョ姿に変化。
横槍を入れたガランの「伐裟利(ばっさり)」も何のその、斬られても元通りになりました。また、左右の顔が呪文を唱えることで、魔法を使った攻撃も可能です。
初めは、魔神族ということで戦っていましたが、「魔神族の価値は誰が決めたものなのか」という、エリザベスの言葉に同調し、インデュラ化したデリエリとモンスピートの救出に手を貸しました。ただこの行動は、あくまでもエリザベスの味方であって、魔神族に味方したわけではありません。
四大天使のひとり、4枚の羽を持つサリエル。聖戦では、モンスピートを相手に戦っていました。もの凄いスピードで攻撃したり回避したりするなど、小柄とはいえ大天使を名乗るだけの実力者です。また、風のバリアのようなもので体を覆っているため、攻撃から身を守っているようにも見えます。
モンスピートの「獄炎(ごくえん)」を浴びても、まったく届かず無傷。確実に回避したと思ったモンスピードの腕に傷を残すなどをして、その力を誇っています。
一度、デリエリの攻撃を受け、右目を潰してしまいましたが、女神族特有の治癒能力により、光に包まれるように回復しました。タルミエル同様、あくまでもエリザベスの味方という考えを持っているようで、「サリエル!!タルミエル!!さっさと来い!!我ら三人でメリオダスもろとも <十戒>を討つぞ!!」のリュドシエルの言葉に、反感を示しています。
3千年前の聖戦で、十戒とリュドシエルが戦っていたときに登場した名前です。姿は見せていませんが、四大天使のひとりである可能性が考えられます。
今後、どこかで登場することはあるのでしょうか?
ネロバスタは3000年前の聖戦以前、10巻でケルヌンノスの角笛に宿る女神族として、声だけで登場していました。ケルヌンノスの角笛に宿っていた時は、自分の命と引き換えに、エレインを生き返らせて欲しいというバンの願いに、メリオダスを殺すようにとの条件をつけるなど、リュドシエル同様女神族のなかでも悪の分類です。
また23巻では、デンゼルが自身の命を掛け、その身にネロバスタを顕現することで、デリエリとモンスピートと戦わせようとしましたが、デリエリの攻撃を前に敗北。この時、モンスピートの言葉から、女神族にもランクがあるということも分かりました。
「神兵長だからよかったものの <四大天使>なら話は別だよ」(『七つの大罪』23巻から引用)
聖戦の描写でもわかるように、四大天使が相手では、インデュラ化しなければ同等に戦えないことも経験済です。まして、デリエリもモンスピートも、かつてのインデュラ化で、7つのうち6つの心臓を捧げているので、次に命を落としたら2度と生き返れませんからね。女神族とはいえ、ネロバスタの力は、デリエリにはおよばない程度ということでしょう。
それもそのはず、ネロバスタの羽は2枚、エリザベスやリュドシエルに比べると下位の女神族です。リュドシエルの命令は絶対ですが、より高位のエリザベスよりもリュドシエル優先しているのも、彼女が直属の部下であるだけではなく、恋心も関係しているのかもしれません。
『七つの大罪』に登場する女神族を紹介してみました。まだ、未登場の大天使に関しては、最後に登場するのは最強との期待を込めて、待ってみましょう。