『七つの大罪』の本編も佳境に入り、待望のアニメ2期も2018年1月からの放送が決定しています。TVSPを除いて4年ぶりとなる放送を前に、TVタイトル「戒めの復活」の予習として、その魅力と内容を全巻ネタバレしながら紹介していきましょう。
2012年から『週間少年マガジン』で連載中の、鈴木央原作によるファンタジー漫画。本編の舞台から10年前、それぞれが聖騎士の地位を追われることになった「七つの大罪」と呼ばれる7人が、リオネス王国を襲う危機に立ち向かうため、再び集結します!
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2013-02-15
リオネス王国の王女エリザベスからのSOSで、再び集結することになった大罪のメンバー。ドレファス、ヘンドリクセンの二大聖騎士長たちが、王や王女を幽閉して王権を握り、国民たちを苦しめていました。
王国の平和を取り戻すためため、再び7人の大罪たちが戦いに挑むのです。ここでは、アニメ新シリーズ(2期)放送前に、「リオネス王国奪還編」についてネタバレで紹介します!まずは、登場キャラクターの簡単に紹介から。
団長「憤怒の罪(ドラゴン・シン)」のメリオダス。不死身の男「強欲の罪(フォックス・シン)」のバン。妖精王で「怠惰の罪(グリズリー・シン)」のキング。巨人族の少女「嫉妬の罪(サーペント・シン)」のディアンヌ。
人形の体を持つ「色欲の罪(ゴート・シン)」のゴウセル。ミステリアスな魔術師「暴食の罪(ボア・シン)」マーリン。最強と称される男「傲慢の罪(ライオン・シン)」のエスカノール。そして、彼らに助けをもとめたリオネス王国第3王女・エリザベスに、「豚の帽子亭」の残飯処理騎士団団長のホーク(ブタ)。
メリオダスらと敵対するのは、リオネス王国聖騎士のギルサンダーに、同じくリオネス王国の二大騎士長・ドレファスとヘンドリクセンです。
1巻では、エリザベスとメリオダスとの出会い、その後ディアンヌとの再会までを描いています。
聖騎士たちによるクーデターで乗っ取られてしまった「リオネス王国」を何とか取り戻そうと、王女エリザベスが「七つの大罪」を探すために奮闘します。
彼女は自分の素性が聖騎士たちにバレないよう、錆びた鎧を纏って旅していました。体力的にも肉体的にも限界な状態で、フラッと入った酒場「豚の帽子亭」で倒れこんでしまったのです。そこにいたのが店の店主、メリオダスでした。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2013-02-15
ひとりでに歩く錆びた鎧の目撃情報から、街中では「大罪たちが再び現れた」という噂が広まり、それを探す聖騎士たちが豚の帽子亭に乗り込んできます。エリザベスを捕らえようとする聖騎士から彼女を守るメリオダス。そこで彼女は初めて、彼こそが、自分が探していた人物だと知るのです。
ちょうど自分も、かつての仲間たちに用があって探してたというメリオダスは、
「これで一人目が見つかったわけだな。…エリザベス。残り六人の件だけどさ、オレも用があってあいつらを、最近捜しはじめたんだ。」
「一緒に…いくだろ?」(『七つの大罪』1巻から引用)
こうしてエリザベスは豚の帽子亭を手伝いながら、メリオダスと残り6人を捜す旅にでるのです。まずは、「嫉妬の罪(サーペント・シン)」のディアンヌがいると予測した場所を目指しますが、その前に「豚の帽子亭」に欠かせない、とびきりのエール(ビール)を仕入れに、バーニャ村を訪れます。
しかし村ではエールを製造するどころか、村民らの命にも関わる事態が起こっていました。聖騎士により地下水源を封じられてしまっていたのです。水源を封印した聖騎士の名はギルサンダー。
村民が必死になって封印を解こうとしていましたが、魔力が強過ぎて二進も三進も行かない状態。それをあざ笑う下っ端の聖騎士が飲んでるエールをメリオダスが取り上げ、
「酒の味がわからん奴に、この酒を飲む資格はねぇよ……。」(『七つの大罪』1巻から引用)
下っ端といえど聖騎士である自分たちに楯を突くメリオダスに、彼らは絡もうとしますが、誰にも解けないはずだった水源の封印を「これでいーか?」と、いとも簡単に解いてみせたメリオダスの姿を見て、現状を知らせに王城へと逃げ戻りました。
メリオダスたちもまた村民から歓迎と感謝を受けながら、自分たちの「やるべきこと」を目指して、聖騎士も近づかない「白夢の森」の奥へと入っていくのです。
メリオダスが予想した通り、ディアンヌとは森の奥で再会できました。リオネス王国の状況を知り、ディアンヌも合流するのですが、そこにはメリオダスらを追ってきた、ギルサンダーの姿もあったのです。
2巻では、メリオダスが生きていると知った「強欲の罪(フォックス・シン)」のバンが、閉じ込められていら監獄から脱獄する様子や、リオネス王国の聖騎士たちとの戦いが描かれています。
白夢の森でギルサンダーと対峙することになったメリオダス。ギルサンダーは幼少の頃「メリオダスたちみたいになるんだ!」と言ってメリオダスに懐いていた人物でした。それから10年経ち、彼はリオネス王国の聖騎士となっていました。
そこでギルサンダーは、父ザラトラスを殺したメリオダスらへ報復するといい、メリオダスに「今の私は大罪の誰よりも強い」と告げるのです。
この言葉は過去に、メリオダスがギルサンダーに伝えていたメッセージでもあったのです。全力でメリオダスに向かっていくギルサンダーですが、実は彼は見えない形でメリオダスらにSOSを送っていました。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2013-04-17
ギルサンダーとの戦いを何とか乗り切りましたが、メリオダスは負傷。バンの元へはディアンヌがひとりで向かうことになりました。
監獄で四肢を鋼の鉄杭で打ち付けられ、口を塞がれていたバンは、メリオダスたちが聖騎士と戦っている情報を耳にします。そんなバンは「団長生きていたんだ。楽しそう♪」と、いとも簡単に牢を蹴破って脱獄。
いつでも脱獄できる力があった彼にとって投獄は「ヒマだったから」という理由で付き合っていただけです。しかし、拘束が解けたからといって、すぐにそこから出られるわけではありません。
バンには様々な邪魔が入り、牢獄内で戦闘状態。また負傷しているメリオダスの元にも、新たな刺客が送られてきました。メリオダスに送られてきた刺客は、魔力でディアンヌとメリオダスの意識を操作して、ふたりを敵同士だと認識させて相打ちさせるつもりでいたのです。
しかし、彼らがその程度の聖騎士ごときに敗れるわけがなく。ここぞという力をみせつけてくれるのでした。
3巻では、妖精王ハーレクイン、もとい「怠惰の罪(グリズリー・シン)」キングの、バンへの恨みのこもった再会と、「死者の都」での意外な真実を描いています。
聖騎士に魔力で操られていたメリオダスとディアンヌは、エリザベスの命をかけた行動により、意識操作から逃れられました。無事にバンとも合流を果たした3人は、祝い酒で盛り上がります。
次に、キングが死者の都という場所にいるとの情報を得た彼らは、キングに会うために先を急ぎます。しかし、キングはなぜかギルサンダーの元におり、忠実なしもべである黒妖犬(ブラックハウンド)を使って、メリオダスらを探し出していました。
死者の都も目前となったとき、メリオダス一行の目前にキングが現れます。そしてなんと、突然バンを襲撃したのです。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2013-06-17
キングはバンが「生命の泉の聖女を殺した」として、バンを深く憎んでいます。「お前が悶え苦しむ姿を彼女に見せてやりたい」というほどです。死者の都はその名の通り、死んだ者の魂がいる場所のことで。キングが「見せてやりたい」という彼女とは、死んだ聖女のことです。聖女の名はエレイン、キングの妹でした。
エレインは、封印が解かれた魔神族から生命の泉を守るため、命を落としてしまっています。そのとき一緒にいたのがバンで、キングはバンがエレインを殺害して、生命の水を飲み、不死身になったと思っていたのです。
しかし実際は、バンとエレインにはお互いが大切な存在であったという真実がありました。そうとは知らないキングは死者の都で、初めてその事実を知ることになります。
ひとまず3人目の仲間・キングが見つかったので、死者の都に行く必要はなくなったメリオダスですが、バンはそこに行きたいといいます。彼には別の目的と、ある思いがあったのです。
バンの希望あって死者の都へと入っていくメリオダスたち。しかし、そこにはもうひとり、やっかいな聖騎士も現れます。その聖騎士の名はギーラ。メリオダスたちを仕留めるために死者の都へ入り込んできたというのです。
ギーラには、今までの聖騎士たちと違う、異様なまでの強さがありました。
キングについては<『七つの大罪』怠惰の罪キングを徹底考察!ディアンヌとはどうなる?>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
4巻では、死者の都でのバンとエレイン、そしてメリオダスたちを狙う二大聖騎士長らの野望が描かれています。また番外編では、バンとエレインに何があったのか、なぜエレインは亡くなったのか、バンの「強欲の罪」の理由などが明かされています。
聖騎士ギーラとの戦いは、予想以上に苦戦を強いられました。ギーラは、ただの聖騎士見習いであり女性でありながら、普通の人間では持てないような力を持っていたのです。この理由は次の巻で明かされますが、二大聖騎士長が王国の実権を握るようになった事とも関係があります。
ギーラがあまりにも桁外れの強さを持っていたため、メリオダスも彼女が気になっている様子。キングいわく
「彼女は、つい先日までたいした魔力も持たない、格下の聖騎士見習いだった……と言ったら信じるかい?」
「ギルサンダーはたしか、彼らをこう呼んでた、新世代の聖騎士」(『七つの大罪』4巻から引用)
二大聖騎士長は「新世代の聖騎士」を使って何かを目論んでいるようですが、そもそもその聖騎士たちはどうやって生み出されているのでしょうか?
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2013-08-16
死者の都は、亡くなった人の魂が住む場所。バンもキングも、エレインに会いたくて訪れていました。2人が望んだ通りエレインは姿を表しますが、その姿はバンには見え、キングには見えなかったのです。エレインの姿を見られないキングが唯一感じられたのは、「バンのことを知ってほしい」「バンを助けてほしい」という、彼女の切なる願いだけでした。
お互いの心が通じ合っていないと死者の姿は見えないようで、キングにエレインの姿が見えなかったのは、エレインがキングの「とある過去」を許していないからなのでしょう。
ここでキングは、バンとエレインのお互いが大切な存在であり、バンはエレインを守り、エレインもまたバンを守るために命を落とした事実を突きつけられたのです。
バンの願いも叶ったところで死者の都から脱出したメリオダスたち。この後は、ヘンドリクセンとドレファスの、二大聖騎士長の野望が明かされていきます。
5巻では、リオネス王国の実権を握ったヘンドリクセンたちが、秘密裏に行っている計画が明かされ、またディアンヌが本当の力を発揮するための武器「神器」を取り戻すために参加する、「バイゼル喧嘩祭り」の様子が描かれています。
リオネス王国の地下では、20年前に大焼失した妖精の森で発見された、魔神族の屍体(したい)が鎖で繋がれていました。ヘンドリクセンは、聖騎士ジェリコとツイーゴのふたりを呼び出し、魔神族から採取した血液を飲むように促します。
「飲め、魔神の血だ。…この魔神の血肉には、生物を変質させ、凄まじい力を引き出す効果が、あるようなのだ」(『七つの大罪』5巻から引用)
しかし、この血液を飲んだ者すべてに力が沸くわけではありません。適応する者としない者がいるのです。2人のうちジェリコは適応し力を得ましたが、ツイーゴは巨大に膨れ上がって、爆発してしまいました。
こうして力を得た聖騎士こそ、前巻でキングが言っていた新世代の聖騎士で、ギーラが強かったのも、魔神の血液を飲んだのが理由です。
ただ、魔神の血液を飲んで力を得た者は、相応の「代償」があります。メリオダスたちを倒したい、強者になりたいという人にとっては魅力的でしょうが、やはり魔神は魔神でしかありません。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2013-10-17
一方で、ディアンヌの神器「戦槌ギデオン」が、バイゼル喧嘩祭りの景品として上がっているのをキングが発見します。ギデオンを取り戻そうとメリオダスたちが祭りにエントリーしましたが、メリオダスとバンは……。
バン「当然エントリーするよな、団ちょ♪」
メリオダス「今日こそ白黒つけるか、バン?」(『七つの大罪』5巻から引用)
と遊ぶ気満々。今回のバイゼル喧嘩祭りへの参加は、一応ディアンヌの神器奪還が目的ですが、パンチの効いてるふたりのド派手な試合シーンも見所です。
6巻では新世代の聖騎士たちが、バイゼル喧嘩祭りに参加中のメリオダスたちを襲撃します。民間人にも被害がおよび、キングの親友ヘルブラムが意外な形で登場しました。
祭りも順調に進む中、メリオダスたちはある異変を感じ、民間人に被害が及ばないようメリオダスたちらしい方法で、会場を退避するように促します。
「あと1分以内に、町から消えうせろ。さもなきゃ、<七つの大罪>が皆殺しにする!!!」(『七つの大罪』6巻から引用)
大罪らの元にやってきたのは、聖騎士ギーラとジェリコ。ギーラの装備は神器並みで、強さは死者の都の時とは比較にならないほど強大になっていました。
神器を持っていないメリオダスやバンは、本来の力を発揮できずに苦戦。そこへ唯一神器をもっているキングが応戦し、一度にふたりをノックダウンさせます。
しかし、ギーラとジェリコは立ち上がり、あくまでも自分たち聖騎士が勝つといいます。すると、キングの後ろから、不気味な姿をした聖騎士・ヘルブラムが登場したのです。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2013-12-17
ヘルブラムは過去、妖精の森に訪れた人間に騙されて傷ついた妖精族で、キングの親友でした。キングが「怠惰」の罪を負っているのも、ヘルブラムの事が絡んでいます。親友の敵としての登場で、キングに動揺が走りました。
ヘルブラムは妖精族ですが、ここでは鎧を纏った人間のような姿で現れます。その姿は、かつてヘルブラムを騙した人間の姿でもあり、聖騎士たちの悪事に加担しているのにも、深い理由が隠されていたのです……。
7巻では、魔神族のような姿になったメリオダスとヘルブラムの戦い、そして、神器を取り戻したディアンヌ、数を増していく新世代の聖騎士たちが描かれています。そしてついに、「色欲の罪(ゴート・シン)」ゴウセルの登場です!
前回の6巻では、旅に出たエリザベスを連れ戻しに来たベロニカ王女が、メリオダスを「女神の琥珀」に封じ込めてしまいました。この女神の琥珀は、以前ベロニカがエリザベスにお守りとして渡していたものでしたが、実際はヘンドリクセンがエリザベスに渡すようにと指示していたものでした。
魔の者のみに作用するというこの道具。ベロニカが呪文を唱えると、メリオダスは吸いまれてしまいます。どうすることも出来ない中、エリザベスは封印を説くようにいいますが、ベロニカはヘンドリクセンしか解除できないと言い……。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2014-02-17
メリオダスがいない危機的状況に、エリザベスは大声でメリオダスの名を呼びました。すると、なぜか光と共に封印が解除され、そこにはメリオダスの姿が。しかし、その姿はまるで「魔神族」。いつものメリオダスではなく、敵や仲間の区別もつかずに暴走を始めます。そしてその力は、さっきまでの彼の力を遥かに超える強大なものでした。
メリオダスに押し負けるヘルブラムは、ヘンドリクセンの魔力を借りて何とかメリオダスに一撃を食らわせます。これでメリオダスは重傷を負ったものの、この衝撃のおかげで通常の姿に戻ることが出来ました。
聖騎士たちが一時撤退したことでその場は治まったかのように見えましたが、聖騎士たちの本来の目的は、メリオダスから「ある物」を奪うことでした。その目的を果たした以上、戦う必要がなくなったので聖騎士たちは一度退いたのです。また、数を増していく新世代の聖騎士、それぞれにも異変が起こり始めました。
聖騎士たちの襲撃を乗り越えたメリオダスたちは、今後、今まで以上に厳しくなるであろう戦いに備え、神器と仲間探しを再開します。
そして旅の最中に訪れたオーダン村で、鎧を纏った「ゴウセルらしき人物がいる」との情報を入手。どうやら、数十人の騎士をひとりで叩きつぶしていたようですが、どうも様子がおかしいのです。鎧は確かに、過去にゴウセルが着用していたものでしたが……。
その中にいたのはゴウセルではない、とんでもない存在でした。
8巻では、魔神の血で力を得た聖騎士たちの代償や、メリオダスと、彼の亡き恋人・リズの過去が描かれています。また、聖騎士にさらわれたエリザベスの救出と、7巻で奪われたメリオダスの「常闇の棺」の奪還も目指します。
ゴウセルが鎧を纏わせていた人物は、魔神の血液を飲んで力を得た聖騎士でした。その聖騎士は、元人間とは思えないような化け物の姿をしており、首をはねても死にません。その化け物の邪悪で大きな魔力を封印するために、ゴウセルが鎧を着せていたといいます。
この化け物はいったい、どこからきたのでしょうか?その正体は、ヘンドリクセンによって人為的に作り出された「魔神」でした。魔神の血液を飲むことによって魔神の種子を取り込み、その種子が時間をかけて成長して、いつしか魔神化するといったものです。
このときメリオダスは、この先自分たちが戦う相手は、聖騎士だけではないと、さらなる死闘を予見していました。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2014-04-17
また8巻では、メリオダスとリズの過去も描かれています。豚の帽子亭に現れたのは、以前はダナフォール王国の聖騎士をしていたという老人ケイン。彼は、エリザベスがリズにソックリだという話から、リズがメリオダスの恋人だったという話をしています。
元々、リズはダナフォールの敵国の女騎士で、奇襲をに失敗し処刑宣告されていました。しかし、その処刑に意義を唱えたメリオダスに助けられ、彼の元でダナフォールの騎士となったのです。
リズは次第にメリオダスに惹かれ、いつしか大切な存在になったといいます。そして、リズは騎士であるメリオダスに「死んでほしくない」という思いで剣を贈りました。しかしメリオダスは「誰も殺したくない」という理由で剣を受け取らず、ケインが剣を預かっていたのでした。
ここでは、リズの死因やダナフォール崩壊の理由などは描かれていませんが、メリオダスの「常闇の棺」は、はるか昔に魔神を封印した道具だということ、そしてヘンドリクセンの目的などが明かされています。
9巻では新キャラクター・キャメロット王国のアーサー王が、大軍を率いてリオネス王国を訪れた場面と、誘拐されたエリザベスの救出に向かうメリオダスたちと聖騎士たちの大規模な戦いが描かれています。また、この辺りから「リオネス奪還」の舞台が整ってきます。
8巻でヘンドリクセン側の魔術師が、エリザベスを豚の帽子亭から、リオネスの地下牢に瞬間移動させてしまいました。そのためメリオダスたちはエリザベスを奪還するため、リオネス王国を目指します。一方で、リオネス王国にはキャメロン王国のアーサー王が魔術師を同行して訪れ、王との謁見を申し出ていました。
対応に出てきたヘンドリクセンは、王との謁見を拒否しましたがアーサーは受け入れず、力勝負に出ます。実はアーサーはただヘンドリクセンに会いに来たわけではなく、リオネス王国の窮地を救いにきたのでした。彼はなぜ事前にこの事態を知ったのでしょうか?それには、アーサーが同行させている魔術師が鍵となっています。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2014-06-17
エリザベスの救出には、メリオダス・バン・ゴウセルの3人が正面から、キング・ディアンヌの2人は黒妖犬を使って移動し、別の場所から向かいます。そして間も無く、ヘンドリクセンVSアーサー、大罪メンバーVS聖騎士、それぞれの戦いが繰り広げられるのでした。
しかし、この戦いの裏ではメリオダスたちに加担する聖騎士も出始めるのです。ディアンヌの純粋な優しさや、ゴウセルの核心をついた質問を投げかけられたとき、自分たちのしていたことに疑問を持ったのでした。自分で善悪を考えることなく上からの命令で動いてたことと、メリオダスたちを大悪人だと決めつけていたことに気がついたようです。
リオネス王国はすでに、聖騎士VS聖騎士だったり、聖騎士長VS聖騎士だったりと、誰と誰が味方になったかも分からなくなるほどの、ド派手な戦場と化しています!
10巻では、重傷を負ったディアンヌ、キングの過去や親友との決別、メリオダスとギルサンダーの一騎打ちなどが描かれています。
ドレファスとの戦いの中で、ヘルブラムなど強力な相手の応戦により重傷を追ってしまったディアンヌ。ボロボロになった彼女の姿を見てキングは、「いつも自分は大切なものを守ることが出来ない」と大粒の涙を流します。
「いつものことだよ。いつもチミは、遅れてやってきた。」
「そして今回も、チミのせいで巨人の娘が死ぬ」(『七つの大罪』10巻から引用)
ヘルブラムのこの言葉で、キングの顔は覚悟を決めた顔に変わりました。それでもヘルブラムは怯むことなく「大切なものを奪われる思い」を、次々とキングにぶつけます。彼がここまでキングを憎むのには、過去に関係する深い理由があったのです。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2014-08-16
500年前、ヘルブラムは短い人生を懸命に生きている人間が大好きでした。ある日、人間たちから「ガラクタ」を貰ったヘルブラムは、「友達を連れてきたらみんなにあげる」といわれ、仲間を連れて人間の元を訪れます。
しかし、その人間の目的は妖精たちの羽を奪うことでした。ヘルブラムは人間の欲に利用され、仲間たちを死なせてしまったのです。
「目の前で一人一人羽を引き裂きもがれるんだ!!ゆっくりゆっくり、時間をかけて…羽を傷つけないようにだとさ!!」
「メリ…!メリ…!ブチブチってな!今もあの音と、仲間の悲鳴が頭にこびりついてるよ!!」(『七つの大罪』10巻から引用)
ヘルブラムはキングが助けに来てくれなかったことや、自分が仲間にしたことの苦痛から、数百年も苦しみ続けていました。そして500年の間、復讐のために人間を殺し続けましたが、それでも仲間の悲鳴を忘れることができず、苦しみから逃れようと暴走し続けていたのです。
その暴走を止めるのが、妖精王であり親友・キングの役目。死闘を繰り広げた末、キングはヘルブラムをその苦痛から救ったのでした。
一方で、激しさを増すアーサーとヘンドリクセンの戦いで、アーサー側にはエリザベスを取り返しに来たメリオダスが、ヘンドリクセン側にはギルサンダーが合流し、さらなる戦いの火蓋が落とされるのです。
11巻ではギルサンダーの10年にも及ぶ呪縛の解放と、6人目の仲間マーリンの登場が描かれます。また、ヘンドリクセンが新たに「魔神」を使った脅威を巻き起こすなど、リオネス王国は大荒れです。
ヘンドリクセンとギルサンダーVSメリオダスとアーサーの戦いは、双方譲らない戦闘が続いていました。しかしアーサーが負傷し、メリオダスひとりでヘンドリクセンとギルサンダーを相手にしています。全力でメリオダスに向かっていくギルサンダーを、ひとりの女性が塔の上から見守っていました。
「いつも穏やかで優しかったあなた。あなたは幼い頃、私に誓ってくれた。それがあなたを苦しめる、呪縛になることも知らず。」
「10年もの間、私のために自分を偽り、心を傷つけ、そして今……。最も慕う人を傷つけようとしている」(『七つの大罪』11巻から引用)
ギルサンダーは、将来を誓った相手・マーガレット王女を人質に捕らえられていたため、10年の間ずっと「冷徹な聖騎士」を演じなければならなかったのでした。白夢の森にメリオダスを追ってきたのも、そのことを伝えるためでしたが、見張られているために「戦い」を仕掛けるしかなかったのです。
「……そして今一度言おう。今の私は<七つの大罪>の誰よりも強い」(『七つの大罪』11巻から引用)
再びメリオダスに向けられたこの言葉は、10年前、メリオダスたちがリオネス王国を追われる前、「辛くて、苦しくて、誰にも頼ることが出来ないときに唱える言葉」として、幼いギルサンダーに伝えた言葉でした。
メリオダスは早くから、ギルサンダーが何かを隠していたことに気がついていましたが、その真相がわかるまではむやみに手出しができなかったのです。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2014-10-17
無事にギルサンダーが呪縛から解放されたことでメリオダスたちの味方となり、エリザベス救出に向かいます。アーサーも負傷から復活し、参戦を試みますが、今度は聖騎士側の魔術師が行く手を阻まれてしまいました。しかし、そこに現れたのは、アーサーに同行していた魔術師です。
その正体は「ブリタニア一の魔術師」であり「暴食の罪(ボア・シン)」のマーリンでした。マーリンにとって、聖騎士側の魔術師など赤子も同然。瞬時にその場を治めます。
ここまでで大罪メンバーの6人が揃いました。エリザベスも無事に救出し、一件落着かと思いきや、ヘンドリクセンが新たな脅威を仕掛けてくるのです。
新世代の聖騎士らは魔神の血を飲んで力を得ていましたよね。その代償は化け物なるということを8巻で説明しましたが、実は自らも魔神の血を飲んで力を得ていたヘンドリクセンも、ここで一気に代償をうけます。
魔神となった彼の力は膨大で、メリオダスたちだけではなく、民間人をも巻き込む事態となっていきました。
マーリンについては<『七つの大罪』暴食の罪マーリンは裏切り者!?【30巻ネタバレ注意】>の記事で紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。
12巻では、代償をうけた聖騎士たちの暴走、メリオダスの命を狙うバンの姿、魔神化したヘンドリクセンと、メリオダスたちとの死闘が描かれています。
さらなる力を発揮するヘンドリクセンとの戦いで次々と倒れる聖騎士たちと、苦戦するメリオダスたち。ギルサンダーがヘンドリクセンの魔力を含んだ喰らい、エリザベスも連れ去られた危機的な状況です。そんな時、バンが登場します。
ナイスタイミングで現れたバンに手助けを求めるメリオダスですが、何も話さないバンに異変を感じます。そして「愛してるぜ」といいながら、バンはメリオダスを攻撃しはじめるのでした。
「アンタを殺せば……アイツが生き返んだ♪」(『七つの大罪』12巻から引用)
実はバンは皆が戦っている最中、ひとりで王城の地下へと向かっていたのです。バンの目的は王室の至宝であり、女神と交信する祭器「ケルヌンノスの角笛」でした。
ケルヌンノスの角笛は、何かを引き換えにすれば自分の願いを叶えることができる、と伝えられている代物。バンはキングの妹のエレインを生き返らせるつもりでいたのです。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2014-12-17
バンにとってエレインは、自分の命を引き換えにしてでも生き返らせたい最愛の人。しかし、角笛が条件としてあげたのは、なんと「メリオダスの殺害」。そのために彼は、メリオダスに攻撃をしかけたのです。
バンの行動に対しメリオダスは「自分だったら同じことをする」と言った上で、「今は七つの大罪としてやるべきことをやる、バンとは、この一件が解決したら決着をつける」といいました。
まずはヘンドリクセンを倒すため、メリオダスたちや聖騎士たちが一丸となって戦い続けますが、それでもあまりにも強大なヘンドリクセンの力の前に苦戦を強いられます。ヘンドリクセンにここまでの力があるのは、彼が摂取した血に理由があります。彼はが摂取した血の持ち主はただの魔神ではなく、魔神の中でも強力な力を持つ種類「灰色の魔神」だったのです。
13巻では、ヘンドリクセンVSメリオダスの戦いや、リオネス王国奪還に成功した様子、マーリンがメリオダスに同行するといったストーリーが描かれています。しかし、バンが「七つの大罪」を抜けるといった事態も……。
メリオダスたちがリオネス王国奪還に成功して一息つく頃、再び魔神化した姿で現れたヘンドリクセン。その強さの前に誰も歯が立たないでいる状態のなか、メリオダスにはある秘策がありました。
この時、ヘンドリクセンを攻撃しているかのような仲間の攻撃をすべて受けているのは、メリオダスひとり。彼の体もすでにボロボロですが、最後にバンがメリオダスに「バニシング・キル(相手を斬りつける)」の一撃を食らわせます。
「…これで十分かよ。団ちょ♪」(『七つの大罪』13巻から引用)
メリオダスは自分に向けられる攻撃の全てをチャージしていました。一歩間違えれば命を落としかねない、危険な究極技「リベンジ・カウンター」を、ヘンドリクセンに向け炸裂させたのです。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2015-02-17
化け物となった聖騎士たちも元の姿も戻し、これにてようやくリオネス王国の奪還にも成功しました。また、マーリンもこの先メリオダスたちに同行するといいますが、メリオダスいわく「胡散臭い笑顔」なので、マーリン同行には何か裏があると噂されています。
しかし喜びの一方、バンはメリオダスたちの元から去ると言いだしました。それに対してのメリオダスの返答ははっきりと描かれていませんが、彼はバンを信じていたのでしょう。再び戻ると……。
バンが向かう先は「妖精王の森」。黙って出て行こうとするバンの背後からキングが姿を現し、行き先が本当に妖精王の森ならば、自分の存在が不可欠だと言います。
2人が少し歩くと突然、深い霧が立ち込めました。その霧が晴れるとそこはもう妖精王の森。王の帰還を笑顔で出迎える妖精たちでしたが、その笑顔は「妖精王バン様」に向けられていた笑顔です。キングに向けられたのは「裏切り者のハーレクイン」という、汚名だけだったのでした……。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2013-02-15
「戒めの復活」は、2018年1月6日から放送が始まるアニメ2期の新タイトルです。
リオネス王国を無事奪還した一行でしたが、メリオダスの「常闇の棺」が奪われ、封印されていた魔神族が3000年の眠りから目醒めてしまいました。
その脅威の力を瞬時に感じたメリオダスは、十戒(じっかい)を討つべく、10年前にマーリンから奪われた力を取り戻し、大罪メンバーとともに戦いへの準備を開始します。
この記事では、リオネス奪還後の14巻から28巻までのストーリーを紹介しながら、その魅力をお伝えしていきます。
14巻では、平和を取り戻したリオネス王国と、封印が解かれた〈十戒〉の姿を描いています。久しぶりの外界を楽しむ〈十戒〉や、失ったはずの記憶を取り戻したディアンヌ、〈十戒〉との戦いのために水面下で準備を進めようとするメリオダスなど、さまざまな要素が動いていきます。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2015-04-17
リオネス王国を無事奪還しましたが、バンは「ケルヌンノスの角笛」との取引だったとはいえ、エレインの命と引き換えにメリオダスの命を狙ったことを後悔し、大罪を抜けて旅立ちました。
バンの旅には、聖騎士のジェリコと妖精王キングも同行する形となり、リオネスに残った大罪たちと、バンたちの、それぞれ別のストーリーが展開されていきます。
常闇の棺を奪い取ったドレファスは、ヘンドリクセンを利用して3000年前の聖戦で封印された魔神族を解放する儀式をおこないました。
しかし実際にはドレファス本人がやったわけではなく、当時、唯一封印を逃れた魔神族のフラウドリンが、ドレファスの体を乗っ取り操っていたのです。封印を解くのに3000年かかったわけですが、なかなか進まなかったのは大罪たちの存在が邪魔していたんですね。
リオネスを奪還して平和が訪れたかのように見えますが、同じ魔神族であるメリオダスには、〈十戒〉の復活が手に取るように分かりました。その時の彼の顔つきから、尋常でないことが起こる予兆を感じます。
この時点で、メリオダスは〈十戒〉との戦いの準備のため、マーリンに奪われた力を取り戻そうとします。
一方のバンは、妖精王の森で眠るエレインの元へ行って妖精王として迎えられたのに対し、キングは裏切り者として温かく迎えられることはありません。
ゴウセルはマーリンが与えた安定剤を破棄してしまったので、感情を言う欲に翻弄され、力が制御できなくなりました。しかしこの時はまだ、なぜ彼がそこまで感情に執着するのかが分かっていなかったため、ディアンヌが自分の感情をぶつけて争いが起こってしまいます。
この時点では、〈十戒〉が復活したことを知っているのは、メリオダスとマーリンだけ。14巻では、これから起こる戦いへの下準備や、みんながそれぞれに抱えている想いと戦うところがポイントになっています。
久々の平和を楽しむ王国の様子や、ディアンヌとゴウセルのマジ喧嘩もありますが、ここではまだ穏やかさの残る、嵐の前の静けさという感じでしょう。
15巻では、まだ〈十戒〉が暴れるということはなく、様子見をしているといった感じです。
ただ、メリオダスが神器を手にして、その力を発揮する描写があります。また彼の行動から、自分とエリザベスに掛けられた呪いを示唆するような伏線も描かれています。
- 著者
- 鈴木 央
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まず15巻で最初に明かされたのは、マーリンがゴウセルを人形に変えたことで、ゴウセルの正体が「偉大なる術師によって作られた人形」だったということです。
これまでにも、ゴウセルの行動には「感情」への欲というものが強く現れていました。人間の気持ちというものが分からなかったのは、人形であるから……と考えたいところですが、決してそれだけではありません。それはこの先、徐々に明かされていく、ゴウセルの〈強欲の罪〉と「ゴウセル本体」に関係してきます。
また〈十戒〉の復活により、メリオダスが本来の力をマーリンに返してもらおうとするのですが、その前に魔神族も少しずつ動き出します。
まず、アーサーのいるキャメロン王国に巨獣アルビオンが現れ、メリオダスら大罪メンバーが向かうのですが、アルビオンに捕まったアーサーをメリオダスが救出する際、かつてリズから貰った剣が折れてしまいました。
そこで、マーリンが買い戻していたという神器、ロストヴェインがメリオダスの手に渡り、分身を展開して全反撃(フルカウンター)でアルビオンを斬り刻むのです。真の力を発揮することで、神器の重要さが証明されました。
一方で、妖精王の森にも別の魔神族が現れ、キングが森を守るために身を挺して戦います。故郷を荒らすことは許さないと向かっていくキングは、いくら裏切り者と呼ばれても、やはり神樹に選ばれた王たる人物です。かつて妹も森も守れなかった後悔と、戦っているようにも見えます。
また、アルビオンの破壊に気づいた〈十戒〉では、まずガランがメリオダスらの前に登場。この対峙にディアンヌやマーリンが応戦しますが、神器を取り戻したとはいえメリオダスの力は奪われたままです。
マーリンはとっさに頭を回転させますが、「真実」のガランの前に石化してしまう事態に陥ります。さらにマーリンの石化に伴い、術が解除されたゴウセルが復活しました。
15巻では、それぞれの場所で魔神族が解き放たれ、今後の展開に繋がっていきます。ガランの力をもって、〈十戒〉の恐ろしさというものがどれほどのものなのか、露になった内容でもありました。
16巻では、ヘンドリクセンとドレファスが魔神化した理由、そして記憶を失ったディアンヌの過去が中心に描かれています。
- 著者
- 鈴木 央
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ギルサンダーとハウザー、そしてグリモワールが真実を確かめようとリオネス王国を後にすると、彼らの前に魔神族が現れます。ギルサンダーは、魔神族から漂う魔力が、魔神化したヘンドリクセンと同じものだと気づきました。
そこへ現れたのは、メリオダスに倒されたはずのヘンドリクセンでした。しかし、実際に彼は〈十戒〉復活の器にされていただけだったので、封印が解けた後にヘンドリクセンも解放されたのです。なぜ今まで仲間を裏切っていたのか、明らかになります。
ドレファスは、本人ではなくかつて3000年前に封印を逃れていたフラウドリンが体を乗っ取っていることが判明しています。フラウドリンは16年前にメリオダスとの戦いで破れ、密かに生き延びて〈十戒〉の復活と、メリオダスへの復讐を目論んでいました。
その後、亡国ダナフォールの調査に赴いたドレファスとヘンドリクセンが、地下でフラウドリンと遭遇します。フラウドリンは、ドレファスを復讐までの依り代にしようとしたのですが、ドレファスの強固な意志と魂に弾かれて、体を乗っ取ることができず、ヘンドリクセンに鞍替えしました。
しかしドレファスは、ヘンドリクセンを守るために自分の身を差し出したため、そのままドレファスの体に入り込んだのです。母は違えど、ふたりの間には深い兄弟愛があったことが示されていました。しかしヘンドリクセンもまた、フラウドリンの術中にあったため、同じように操られてしまっていたのです。
一方、かつてキングに消された記憶を取り戻したディアンヌでしたが、その後の様子がどうやらおかしい……。
ギーラの記憶を操作したことをディアンヌに責められたゴウセルが、ならば試してみようと、ディアンヌの記憶も消していました。14巻でのゴウセルとディアンヌの喧嘩が、ここに繋がってきます。ディアンヌはせっかく大切な思い出を取り戻したのに、また失ってしまいました。
記憶はかつて故郷にいた時で止まっているので、その回想シーンから、彼女の罪が明かされていきます。力と誇りに生きる巨人族に生まれながら戦うことを嫌ったディアンヌの、その優しい性格と、巨人族としてあるべき姿の心の葛藤も描かれています。
17巻では、バンを除く大罪の一行や聖騎士たちが、ドルイドの村で鍛錬します。
また、本来の力を戻すために、メリオダスがこれまでにない過酷な試練と向き合う姿もポイントです。
- 著者
- 鈴木 央
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〈十戒〉の気配を感じるものの、まずはメリオダスの力を戻すため、森の賢者ドルイドの聖地イスタールに向かった一行。道中、複数の強い気配を感じたモンスピートが、獄炎鳥(ごくえんちょう)を飛ばして視察をしてきます。
一行は回避するつもりでしたが、なんとホークママが獄炎鳥を飲み込んでしまいました。
これにはさすがのメリオダスも驚いていましたが、ホークママは魔神族であることを示唆されていたこともあり、納得の行動です。ホークママの正体はいまだ明らかではありませんが、〈十戒〉の魔力を飲み込んでしまうことを考えると、かなりのツワモノであると察することができます。
難を逃れた一行は、無事にドルイドの村イスタールに到着。ホークがドルイドの長を、ジェンナとザネリではなく司祭のテオと間違えたのがきっかけで、ずっとジェンナからいじられるという面白いシーンにも注目してくださいね。
さて、メリオダスの力を戻すためには、怒りの昂ぶりを抑える試練を受けなくてはいけません。ダナフォールの滅亡もメリオダスの暴走によるもので、10年前にマーリンがメリオダスから力を奪ったのも暴走を止めるためでした。
暴走させないためには、まず彼自身が怒りを制御できなければなりません。しかし、その試練はメリオダスにとって、何よりも苦しく辛いものでした。あの日……リズと過ごした時間と、彼女の死の瞬間を、何度もくり返し体験させられます。
幻覚だと分かってはいるものの、メリオダスにとっては地獄にいるよりも苦痛のはず。リズを見つめる優しい眼差しからは、彼女がどれだけ大切な存在だったのか、その深い愛情や切なさが伝わってくるのです。試練の間、メリオダスの頬に流れ続けた涙が、その証でしょう。
メリオダスのリズに対しての想いは、かつて生まれ変わった「エリザベス」のなかでも特別な存在だったように見えます。それでも、今守るべき者のために苦痛に耐える姿には、グッとくるものがあるのです。
試練に耐え、大切なものをすべて胸に収めたメリオダスは、本来の力を取り戻すことができました。しかもその力は、想像を絶する大きさです。その瞬間、メリオダスの気配は〈十戒〉にも届いていました。この時点で彼の闘級は格段にアップしています。
18巻では、バンがエレインを生き返らせようと手がかりを探しつつ、恩人との再会と離別を前半に、そして後半では、死者が生者となる事態とともに、エレインの復活が描かれています。
- 著者
- 鈴木 央
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〈十戒〉の目的は、メリオダスとの戦いよりも、ブリタニアの支配が先だということがゼルドリスの口から明かされました。メリオダスを含む大罪メンバーとの戦いは、ブリタニア制圧後ということになります。
ここからは、2人以上で行動し、多種族との戦闘殲滅に関しては手段を問わない、という非情なものになります。またここでは、メリオダスの闘級が、3370だったものが32500以上になっていたことも明かされました。メリオダスによるとエスカノールはもっと強いそうですが、彼の出番はもう少し後になります。
一方でバンは、死人を生き返らせる霊薬を求めて、ジェリコと港町アイバンロークに来ていました。霊薬の情報はガセネタでしたが、近くの町で死人が生き返ったという新たな情報を入手し、盗賊都市レイブンズに向かいます。
レイブンズはバンが生まれ育った町で、本人いわく「最低最悪のゴミ溜め」だそう。ここから、彼の過去が語られていきます。
人間に痛めつけられている獣人を救い、死人が生者になるという情報を得ようとしたバンでしたが、話を聞いているうちに、その獣人が自分の恩人ジバゴであることに気づきます。
ジバゴは、悲惨な境遇だった幼いバンを自分の息子として育ててくれ、盗みを教えてくれました。彼らが離れ離れになった理由や、その時実際に起こっていたこと、そしてジバゴのバンへの想いが明かされていきます。
年老いたジバゴが、バンの成長と言葉に安堵し、父親として息子に遺してやれる最期の言葉を伝えた後、命が尽きるといったシーンには、胸が詰まるでしょう。
そしてついに、メラスキュラの魔力によって死者が生者となり、エレインも目を覚ましました。しかし蘇った生者死者の未練を増幅させ、怒りを生命力としているため、これまでの心優しいエレインとは違います。
そのエレインとバンが再会!しかし彼の前には、メラスキュラとガランが……。
19巻では、バンの危機的状況に、亡くなったはずのジバゴが魂になってバンを護る様子が描かれます。父と息子の絆の深さが見どころでしょう。
また、バンとガラン、メラスキュラの対峙に続き、大罪メンバーの最後のひとり、〈傲慢の罪〉エスカノールが登場します。
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- 鈴木 央
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メラスキュラとガランがバンたちの前に現れ、否が応でも対峙しなければならない状況から始まります。しかしメラスキュラは、体内から魂を抜き取る魔力を使い、バンの魂を喰らおうとします。
その危機を救ったのが、亡くなったジバゴの魂でした。
隙を狙って自分の魂を囮にし、バンを元に戻します。魂になってまでも息子を救う、美しくも切ない親子の絆の深さに、涙無しでは読めません。
ページ一面に描かれる、復活したバンの姿もかっこいいので注目ですよ。
その後、エレインとジェリコを抱えてガランたちから超速で逃げるも、力尽きて動けなくなってしまいます。エレインもまた、怒りの原動力がなくなって動けない状態。
するとジェリコが火事場の馬鹿力を発揮して、バンとエレインを背負いながらガランの攻撃を交わすのです。
男よりも男らしいジェリコのおかげで逃げ延びた3人は、ある洞窟の前にたどり着きます。ここが〈傲慢の罪〉エスカノールが店主を務める酒場、「麗しき暴食亭」でした。
陽が昇ると傲慢になり身体も強くなるエスカノールですが、この時は陽が暮れていたのでひ弱な状態でバンたちを出迎えてくれました。
ところが、メラスキュラとガランが「暴食亭」にまで追ってきます。しかし彼らは3000年ぶりの酒を味わい、陽が昇るまで居座わっていたため、エスカノールの傲慢と対峙することになるのです。
19巻は、バンの過去とエレインとの再会、そしてエスカノールの登場と見どころがたくさん。また、リオネス王の弟デンゼルから、ゴウセルが〈十戒〉の一員だということも明かされたことも忘れてはいけません。
20巻では、バイゼル大喧嘩祭りに引きつけられる大罪メンバーたちおよび聖騎士たちの姿や、記憶を失くしたディアンヌとの再会、そして〈十戒〉の一員に初代妖精王のグロキシニアがいたということが明かされます。
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- 鈴木 央
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記憶を失くしたディアンヌがマトローナと合流し、互いにバイゼルを目指していると、〈十戒〉が用意した巨大迷宮に到着します。喧嘩祭りに出場するには、この「死の罠の迷宮」をクリアしなければなりません。
この迷宮にはさまざまな仕掛けが施されており、少しでも油断すると化け物に食われてしまうなど、その名のとおり命がけです。たくさんのメリオダスが襲ってくる幻覚を見せられたり、破壊した壁が元に戻って退路を絶たれてしまったりと、苦戦を強いられます。
また、この迷宮の中で、ホークの新たな魔力が判明しました。ホーク本人も最近知った「変身」という特性です。魔力を持ったモンスターを食べると、その能力や特性が身につくというもので、糞をすると元に戻るとのことでした。この先、この妙な特性も、戦ううえで何かの役にたつのかもしれません。
その後、とうとうバイゼル大喧嘩祭りが開催されます。指揮をとるのは初代妖精王のグロキシニアと、ドロール王です。
妖精王やドロール王が、なぜ〈十戒〉の一員となっているのかは、3000年前の聖戦が描かれている25巻で明かされています。ここから2人1組のチーム戦という形になりますが、まず第1戦はエリザベスとエレインペアからです。
エレインは復活して間もないし、エリザベスも戦いには不慣れなことから、彼女たちの身が案じられるところですが、2人を心配するメリオダスとバンの表情にも注目してみてください。
21巻では、グロキシニアとドロールが用意したバイゼル大喧嘩祭りの様子が中心に描かれています。
エリザベスの優しさやエレインの強さを、あらためて見ることができるでしょう。
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- 鈴木 央
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まずは自己紹介を兼ねながら、マラキアの民と戦うことになったエリザベスとエレインの2人。彼女たちは思いのほか強く、エレインは完全復活をしたかのような動きも見せてくれます。
そしてメリオダスとバンの、「オレの女すごいだろ合戦」も始まります。お互いがエリザベスとエレインの凄いところを自慢しあうのですが、読者からするとまさに「勝手にやってろ!」と言いたくなるノロケようです。
また、ディアンヌと組んだキングは、なぜか大量の鼻血を噴出。それもそのはず、記憶がないディアンヌは、キングのことを小さな男の子だと思っているため、自分が護ろうとして胸の谷間に挟み……。
キングが何度説明しても妖精だと信じないディアンヌに、正装したおっさん姿を見せると、吹き飛ばされてしまいました。
一方で、グロキシニアとドロール王以外の〈十戒〉たちは、ブリタニア北部の大小9つの町と村を襲撃。ほとんどの民が魂を食い尽くされ、全滅状態になってしまいました。このわずかな間にキャメロット王都も陥落し、魔神の巣窟になっています。
また、喧嘩祭りでは、エスカノールとゴウセルの間に不穏な空気が漂い始めます。ゴウセルが暴走し、ひ弱なエスカノールにかけた「悪夢語り」によって、エスカノールの過去が明かされました。彼とマーリンの関係につながる描写も、注目ポイントのひとつです。
22巻ではすべての〈十戒〉が集結し、メリオダスの正体も明らかになりました。彼と〈十戒〉の凄まじい魔力と、その強さに恐怖を植えつけられるシーンが満載です。
そして何より、メリオダスがエスタロッサの前に倒れるところが見どころでしょう。
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- 鈴木 央
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〈十戒〉のグロキシニアとドロール、そしてメリダオスの凄まじい戦いに、逃げ場を失った挑戦者たち。安全な場所へと避難させるため、エスカノールが魔神族の一瞬の隙を見て活路を開きました。
これによって、彼らはさらに遠慮がなくなります。グロキシニアとドロール相手に互角に戦うメリオダスは、かつてのメリオダスを何倍も越えているのが分かるでしょう。
しかし、あともう少しのところで〈十戒〉が集結し、メリオダスを囲みます。彼がまるで弄ばれるかのように打ちのめされるも、誰も手を出すことができない状況です。ただこれは、メリオダスがリベンジ・カウンターを討つための計画でした。
ところがメリオダスの前にエスタロッサが立ち塞がり、リベンジ・カウンターを片手で受け止めてしまったのです。あれだけ闘級の高いメリオダスの攻撃を瞬時に無かったことにする、エスタロッサの力がはかり知れません。今や〈十戒〉のナンバー2を誇る彼の強さや恐ろしさにも注目です。
そしてメリオダスはエスタロッサの手に落ち、7つある心臓すべてに剣を打ち込まれてしまいました。彼の死によって、ブリタニアは魔神族が制圧……。残された大罪メンバーは!?
23巻では、亡国ダナフォールでの一幕と、メリオダスの正体も判明します。
また、エスタロッサと傲慢エスカノールの激しい一戦も見どころです。
- 著者
- 鈴木 央
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エスタロッサに敗れ、いまだ目を覚まさないメリオダス。そんななか、エレインと同じくメラスキュラの魔力で復活を遂げた、前聖騎士長ザラトラスが「豚の帽子亭」に現れ、メリオダスに会わせてほしいと言います。ザラトラスは、メリオダスと亡国ダナフォールでの縁があるので、心臓が止まっていても死なないことは分かっているようです。
それをエリザベスに教えるため、ドルイドの力を使って当時の体験をさせます。エリザベスが見たのは、メリオダスの暴走によって崩壊した直後のダナフォール、現在のエリザベスとメリオダスの出会いの場でした。
この時触れたメリオダスの過去の一部分が、今後のポイントになってきます。
また、メリオダスには、たとえ死んでも何度も生き返る呪いがかけられていることも判明しました。一方で聖騎士および傲慢エスカノールは〈十戒〉と対峙していましたが、エスカノール以外の者はすべてエスタロッサの戒禁「慈愛」にかかり、戦うどころか剣を持つことさえできません。
唯一戒禁にかからなかったエスカノールと、エスタロッサとの一騎打ちになるのですが、睨みあう2人から出るオーラの凄まじいこと……。〈七つの大罪〉と〈十戒〉の、これから起こるであろう嵐を予感させるものがあります。
このとき、エスカノールの強さはまだ不明ですが、〈十戒〉ナンバー2の強さを誇るエスタロッサを吹き飛ばしてしまうほどの、底知れない強さが見どころです。
24巻では、メリオダスが完全復活を遂げるとともに、〈十戒〉および魔神族との激しい一戦がくり広げられます。
また、魔神族を臭わせるメリオダスの顔つきや、〈十戒〉をもビビらせるマーリンの正体など、見どころがいっぱいです。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
魔神王にかけられた死んでも生き返る呪いにより、エリザベスの元に戻ってきたメリオダス。デリエリとモンスピート相手に余裕のある戦いをし、魔神族である本来の姿もチラホラ見えはじめます。
また、これまで不明だったマーリンの魔力が「無限(インフィニティ)」であることや、「ベリアルインの娘」であることも判明しました。「ベリアルインの娘」に関する詳しい情報はこの時点では明かされておらず、魔神族いわく「あの生き残り」とのことです。
しかし、それを聞いたグレイロードとフラウドリンの慌てようからすると、彼らにとって脅威となることは間違いありません。さらに、マーリンの真の名は人間には発音できないとして、詳細は明かされませんでした。
これまで謎に包まれていたマーリンの情報が明かされたことで、物語の密度が増してきています。そして、フラウドリンがドレファスから引き離されたことで、ドレファスは本来の姿に戻ることができました。長い間ドレファスの中にいたフラウドリンの、グリモワールへの愛が身を滅ぼすとは、驚くばかりです。最期の潔さは、魔神族であってもエールを送りたくなってしまうでしょう。
フラウドリンはメリオダスの一撃で死に至りましたが、そのやり方がちょっとマズかったみたいです。これまでのメリオダスのような戦い方でなく、まさに〈十戒〉を統率していたころのメリオダスに逆行してしまいました。
いつかは元の姿に戻らなくてはならないメリオダス。そもそもなぜ非情だった彼が現在の優しいメリオダスになったのでしょう。やはりエリザベスに関係しているのかと、考えたくなる展開です。
25巻では、妖精王の森にいたディアンヌとキングの前に、〈十戒〉のグロキシニアとドロール王が現れ、ある選択をさせるために2人をあの頃へと向かわせます。
ここからは3000年前の聖戦の真実と、ゴウセルの正体と向き合う物語が始まるのです。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2017-03-17
ディアンヌとキングの前に現れた、〈十戒〉グロキシニアとドロール王は、戦うつもりはなく、試練を与え自分たちを越えてもらうと言います。グロキシニアに術をかけられたディアンヌとキングが目を覚ますと、そこは3000年前でした。
ディアンヌはドロール王に、キングはグロキシニアの姿になって、実際に聖戦を経験しています。そこにはすでに魔神族を裏切ったメリオダスがいました。相変わらずここでも、なぜメリオダスが魔神族を裏切ったのかは描かれていません。
ただ、女神族、魔神族、妖精族、ドロール王、そしてバンにそっくりな人間族も登場し、所々で物語が展開されていきます。さらにエリザベスそっくりの女神族のエリザベスが登場し、現エリザベスの癒しの魔力との繋がりが深まりました。
また、エリザベスを除く女神族たちは意外にも悪であること、その場にゴウセルがいたことなど、さまざまな謎が解明しつつある濃い内容となっています。またこの巻では、バンそっくりな人間族のロウはバンの生まれ変わりかも、という疑惑もあがってきました。
ここでは、四大天使のリュドシエルの非情さと、不気味な笑みを浮かべた顔が印象に残ります。もはや魔神族の方が正統だと勘違いを起こしてしまう勢いです。また、リュドシエルを含め他の四大天使、タルミエルとサリエルも凄まじいパワーがあることがわかります。
それに対し、〈十戒〉もまったく引けを取っていません。この聖戦はどうやって終わったのか、どうやって〈十戒〉を封印したのか、予想ができないほど大きな戦いです。
26巻ではついにゴウセルの本体が登場し、彼の過去が描かれたことで、強欲の罪の理由と、これまでの不可解な行動が繋がっていきます。
また聖戦は、女神族、〈十戒〉、光の聖痕(女神族・妖精族・巨人族の連合)とがぶつかる激しい戦いの真っただ中。ロウとゲラードの姿は、まるでバンとエレインの姿を見ているかのようです。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
引き続き、3000年前の聖戦真っただ中。〈十戒〉のモンスピートとデリエリは、四大天使への怒りが最大限に達したことで、魔神ですら忌み嫌う伝説の獣インデュラ化してしまいます。しかもその力は強大で、さすがのリュドシエルも押され気味。
その頃、女神族の本拠地では、天界の門を守っていたはずの女神族ネロバスタが、ゴウセルに精神を操られ、メラスキュラの魔力で牢獄の門が解放されていました。
一方で、人間族が光の聖痕の拠点を攻撃するなど、あらゆるところで物語が展開されていきます。そんななか、ゴウセルの本体が判明しました。
本物のゴウセルは、〈十戒〉の無欲のゴウセルです。魔神王に見初められたものの、ゴウセルの前で欲を抱くと記憶を失くすという力があるゆえ恐れられ、500年ものあいだ幽閉されていました。かつてマーリンが言ってた「偉大な魔術師」というのも、この〈十戒〉ゴウセルだったのです。
幽閉された彼の目となり耳となっていたのが人形ゴウセル。以前は人形ゴウセルにも感情があり、強欲の罪を負った理由は、リオネス国王バルトラの姉と関係がありました。
ゴウセルの感情への欲が強い裏には、悲しくて切ない物語が隠されていたのです。ここでは彼を中心に話が展開されているので、現ゴウセルとはちょっと違う可愛らしい一面にも注目してみてください。
27巻では、聖戦から帰ってきたディアンヌの記憶が戻り、キングにも小さな羽が生えたことがポイントです。
また、エリザベスにゼルドリスの魔の手が迫り、不穏な空気が漂ってきます。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
グロキシニアとドロール王に与えられた試練をクリアして、現代に戻ってきたディアンヌとキングに変化が訪れます。ディアンヌの闘級が15100に跳ね上がり、キングの背中には小さな羽も生え、闘級が41600までアップしました。
キングに羽が無かった理由は、感情や経験不足だったのかなど、定かではありません。しかし2人が積んだ経験が、闘級アップにも繋がったものだと考えられます。
またゴウセルも過去の思い出が甦り、「感情」が戻ったことで、本来の魔力が回復しています。ここでは、かつてを思い出したゴウセルの作中で初めて見せる涙と、これまでと一変した様子に注目してみてください。
その一方で、はぐれたままのアーサーの身を案じたマーリンは、使い魔でアーサーを探している途中にゼルドリスと遭遇します。
使い魔への攻撃をマーリンが庇い、自身が重傷を負ってしまいました。そして、エリザベスがその傷を癒しの魔力で治す際、マーリンが受けたゼルドリスの魔力に干渉した影響によって、過去の記憶が戻りはじめてしまうのです。
ゼルドリスいわく、エリザベスがメリオダスを苦しませ続けているとのことですが、その理由は果たして……。
28巻では、エリザベスとメリオダスにかけられた呪いの詳細がわかり、ついにメリオダスが恐れていた事態に発展します。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2017-10-17
ゼルドリスの魔力に干渉したことがきっかけで、エリザベスとメリオダスにかけられた呪いや、2人の関係が、初めてメリオダスの口から語られることになりました。あまりにも切なく、そして耐え難い事実。彼の切ない顔がそれを表しています。
すべてを思い出したら、エリザベスは3日で死ぬ……。メリオダスには、魔神族でありながら女神族の手を取り、さらに仲間を裏切った「不死の呪い」。エリザベスには、女神族でありながら魔神族と結ばれ〈十戒〉をも救った「永劫の輪廻の呪い」がかけられていました。
エリザベスの呪いは、彼女が過去の記憶をすべて思い出した3日後に必ずメリオダスの前で記憶を失くして死に、人間として短い生涯を終え、生まれ変わってまたメリオダスと出会い恋に落ち、そしてまた……とくり返すというもの。
メリオダスがこれまで、エリザベスの過去に関することには一切触れようとしなかったのも、この呪いの伏線になっていたんですね。彼女はすでに記憶を思い出してしまっているので、寿命はあと3日ということになります。
そしてここから〈十戒〉との最終決戦が始まります。第1戦は、相変わらず生き延びているメラスキュラが相手です。しかし、メラスキュラの魔力を破るために魔神の力を極限まで解放した結果、メリオダスがかつて〈十戒〉を統率していた頃の、非情なメリオダスに戻ってしまうのです。
その力は、エスカノールの手にもあまるほどの脅威。そしてその姿は、まさしく魔神王の息子であることを示す、悪の根源たる姿でした。
ここに他の〈十戒〉でも揃うものなら、これまでに見たこともない強い力が飛び交うこと間違い無しです。
28巻の最後では、仲間同士であるメリオダスとエスカノールが戦うシーンが描かれていました。その戦いも、29巻で決着がつきます。「団長vs人類最強の男」という、どちらが勝ってもおかしくない対決……はたして勝利の結末はいかに!?
一方、十戒のゼルドリスは魔神王から「メリオダスの奪還」の命を下されます。その理由は、彼を次期魔神王の座につかせるため。
その座を狙っていたゼルドリスにとって、その命令は不服なものです。敵の女と恋に落ちて、十戒を裏切った兄を恨んでいて、自分こそが王にふさわしいと考えていたため、無理もありません。
彼の願いが魔神王に受け入れられるはずもなく、仕方なく散り散りになった十戒を再び集結させて、メリオダス奪還作戦に乗り出そうとします。
- 著者
- 鈴木央
- 出版日
- 2017-12-15
しかし、十戒の一部の団員は音信不通。また、召集を拒否する者もいました。とうとう十戒が崩壊、大罪たちに希望の光?と思われたところ、新たな刺客としてチャンドラーとキューザックという男が現れて……。
なんと2人は、メリオダスとゼルドリスの師匠でした。大罪メンバーに襲いかかる脅威、はたして彼らは互いに仲間を守ることはできるのでしょうか?
28巻から闇のオーラをまとっている状態のメリオダスの容態も気になるところ。そういえば、エリザベスが記憶を戻してから1日が経とうとしている、という大問題もありました。彼女は3日経つと、殺されてしまう呪いにかけられています。
新たな展開がスタートした29巻、ぜひ続きは本作でご確認ください!
29巻では、かつてメリオダスの師匠だったチャンドラーが現れ、激戦がくり広げられていました。十戒の元リーダーにして、現在の大罪メンバーを率いてきた団長を育てあげた人物ですから、脅威でしかありません。使える魔力は数知れず、大罪たちは太刀打ちできない状況でした。
そんなピンチのときに、なんと元十戒のグロキシニアとドロールが参戦のため駆けつけてくれました。彼らはキングとディアンヌを3千年前の聖戦に修行させたことをきっかけに、自らの過ちに気がつき、十戒を脱退する決意をしたのです。
敵だった彼らを味方につけ、大罪メンバーは猛威をふるうチャンドラーを倒すことができるのでしょうか?
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
29巻で十戒がほぼ壊滅状態であることが判明しました。それぞれのキャラクターが内に秘めた思いをぶつけ合い、30巻では敵味方入り混じる展開になっていきます。
さらに、エスカノールとの戦いから深い眠りに入っていたメリオダスが、ようやく目覚めました。額には大きな黒い紋章が入り、まがまがしい黒い羽をまとった登場姿。彼に抱えられるエリザベスも、違和感を隠せない様子です。
そして、仲間たちを目の前に「七つの大罪、今日で解散」宣言を放ってしまい……。残された大罪たちはこの宣言をどう受け止めるのでしょうか?また、メリオダスの真意とは一体……?
命のタイムリミットが迫るエリザベス、彼女を守ろうと動き出すメリオダスを中心に、それぞれの思いが交錯していく30巻。新たにくり広げられていく戦いからは、目が離せません!
「七つの大罪」の魔力や神器、「十戒」らの魔力や闘級についてもっと知りたい方は<「七つの大罪」と「十戒」の強さを30巻までネタバレ考察!神器と闘級も紹介>をご覧ください!
いかがでしたか?アニメ2期と一緒に、漫画で展開を追っていくのもよいですね。未読の方は物語にハマり、もう一度読む方は、以前は素通りしていた伏線に気づけるかもしれません。ぜひ本作を手にとって、迫力のバトルを見てみてくださいね。
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