『プリンシパル』が実写映画になって帰ってきた!?波乱万丈な少年少女の甘く切ないラブストーリーです!いままで見たことのない展開に、惹き込まれること間違いなし。そんな本作の魅力を、全7巻のネタバレを交えながらご紹介していきます。 スマホアプリで無料で読むこともできるので、そちらもどうぞ!
『プリンシパル』の作者はいくえみ綾。本作の他にも数々の少女漫画を描いており、2013年には傑作『潔く柔く』が実写映画化、2017年には『あなたのことはそれほど』がテレビドラマ化されるなど、人気漫画家のひとりです。
今回紹介する『プリンシパル』は、2018年3月に実写映画化されることが決まりました。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2011-05-25
本作の舞台は、北海道のとある高校。主人公でありメインヒロインである住友糸真(すみともしま)は、母親の再婚相手との折り合いが悪く、さらに学校ではある出来事から無視されるようになり、自分の居場所を無くしてしまいました。そのことがきっかけで、実の父親を頼り、北海道へと引っ越すことになるのです。
転校先の学校で桜井和央と舘林弦という2人のクラスメイトと出会い、和央に恋心を抱きますが、実は女子の間で「この2人はみんなのもの」という暗黙のルールが存在していました。
しかもその後、糸真と和央の親同士が再婚することになり、2人は姉弟になることに……。
糸真の恋心の行方だけではなく、和央や弦の恋も右往左往していて、一瞬たりとも目が離せない展開が続きます。
この記事では、そんな『プリンシパル』の見どころや魅力について、ご紹介していきます。ネタバレがあるのでご注意ください。
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住友糸真は本作の主人公。母親の3度目の再婚相手とうまくいかず、入学したばかりの女子高ではある出来事が原因でハブられてしまいます。
家でも学校でも居場所が無くなってしまった彼女は、実の父親の住む北海道へと引っ越し、新たな学校生活をスタートさせようとしていました。
そこで出会ったのが、桜井和央と舘林弦です。家も近所だったことからすぐに親しくなったのですが、校内には「容姿端麗な2人と仲良くすると仲良くすると無視される」という噂が……。
その噂どおりに女友達がいなくなってしまった糸真でしたが、その後主犯である国重晴歌と分かりあうことができ、あらためて友人関係を築くことができました。
しかしホッとしたのも束の間、なんと糸真の父親と和央の母親が再婚することに……!2人は姉弟となってしまいます。和央への恋心や、晴歌との友人関係など、常に目が離せません。
2018年に公開される映画では、女優の黒島結菜(くろしまゆいな)が彼女を演じます。
桜井和央は幼いころから体が弱く、高校生になった今でも頻繁に体調を崩す虚弱体質です。弦とは幼少期からの友人で、彼の姉である弓に恋心を抱いています。母親が再婚して、糸真の弟になりました。
学校では体の弱い王子様のようなイメージを持たれていますが、性格は意外と我慢強く、しっかり者。糸真や弦に対してもはっきりと発言できる、強い一面があるキャラクターです。
映画での配役は、俳優の高杉真宙(たかすぎまひろ)が担当します。
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和央の幼馴染。子供のころの和央は体も小さく見た目が女の子のようだったため、彼に対して恋心を抱いていました。小学生になったときに和央のランドセルの色が黒だったことをきっかけに、彼が男であることを知り、ショックで引きこもってしまいました。
それを知って涙を流す和央を見て、弦はずっと友達であることを約束したのです。
その時のことが影響しているのか、高校生になった今でも和央に対して非常に過保護な一面があります。一方で自分のことや、和央以外のことについては非常に無関心の、一風変わったキャラクター。
映画では、ジャニーズWESTの小瀧望(こたきのぞむ)が担当します。
当初は転校してきた糸真と仲のよい友達として、気品のある女の子のように描かれていました。しかし糸真と和央や弦が必要以上に親しくなっていくことに嫉妬して、彼女を無視するように他の女子にもけしかけます。
その後糸真と本音で話し合ったことで、弦に想いを寄せていることが知られてしまい、その結果以前よりも深い友人関係を築くことになりました。
一見毒舌キャラのようですが、実はとても繊細で、乙女な一面を持っているキャラクターです。
映画では女優の川栄李奈(かわえいりな)が演じます。
糸真が引っ越してきたことから物語が始まり、和央や弦との出会いや、彼らの歴史が描かれています。
都会からの転校生とイケメン2人、というまさに恋の予感がするスタートですが、それは糸真が考えているほど単純なものではありませんでした。
和央や弦と仲良くなり、好きになってしまうということは、クラスの女子から無視されることを意味します。そう理解していても、気持ちを抑えることができない葛藤が糸真を悩ませるのです。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2011-05-25
「おまえ俺らの……歴史なめんなよ」(『プリンシパル』1巻より引用)
和央のことを好きになってしまった糸真ですが、過去のトラウマや弦からの忠告を受けて、一体どうするのでしょうか。
さらに、彼女たちの関係とは裏腹に、糸真の父親と和央の母親が急接近……!?
少女漫画でありながら少女漫画の王道をあえて外していく展開に、ついつい先が気になってページをめくる手が止まらなくなってしまうでしょう。
2巻では、糸真と和央の親同士が再婚したことで、2人が姉弟になってしまいます。糸真は、和央への恋心にはっきりと答えが出せないまま一緒に暮らすことなりました。
一方で、和央と弦の2人と親しくしすぎたことで敵対視されていた晴歌との関係にも、変化が訪れます。晴歌が弦のことを好きだということを知り、お互いに腹を割って話し合ったことで、糸真と晴歌は今まで以上に深い仲になることができました。
また、これまで弦の保護下にあった和央は、この再婚を機に弦に自立してほしいと伝えます。それをきっかけに彼らの仲はなんだか気まずくなってしまい……。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2011-07-25
「そうゆうふうに囚われている弦が嫌だ」(『プリンシパル』2巻より引用)
糸真と和央の関係にやきもきしながら読み進めていた読者にとっては、驚きの展開です。幼いころからずっと傍にいて守ってくれた弦に対し、自分のせいで弦が囚われていると感じていた和央は、こんなふうにその気持ちを打ち明けました。
一方、和央や弦に近づく女子を無視するように仕向けていた晴歌が、弦のことを好きだと知った糸真は、一体どんな手段にでるのでしょうか?
シリアスとドキドキが交差する2巻です。
自分に囚われている弦を開放する必要がある、自分のことをもっと考えてほしい、と気持ちを伝えた和央ですが、2人はお互いに素直になることができず、ギクシャクとした関係が続いています。
また和央は、ひそかに思いを寄せていた弦の姉である弓に、お見合いの予定があることを知ります。お見合い相手と行く予定のレストランの予約を勝手に取り消そうとした和央に、おもわず弓は手をあげてしまいました。そこには怒りではない、ある思いがありました。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2011-12-22
「目を覚ましなさい……っ」
「それはこっちのセリフ、いいかげん認めろよ」(『プリンシパル』3巻より引用)
やはり1番注目なのは、和央と弓とのやり取りです。和央は弓のお見合い話をなんとか阻止しようとするのですが、彼女は和央に手をあげました。
しかし、それは和央のことが嫌いだからでも、お見合いがしたかったからでもありません。そんな2人の気持ちを悟った糸真でしたが、なんとその隙に晴歌が弦に告白をしてしまいます。
「あれ…………?あたし、どこ行けばいい……?」(『プリンシパル』3巻より引用)
メインヒロインであるはずの糸真を置いて、物語はどんどん進んでいくのです。彼ら彼女らの恋の行方と、糸真の恋心はどうなるのか?波乱万丈な展開に惹き込まれてしまいます。
4巻では和央と弓の恋愛がメインで描かれています。3巻での弓は、和央のことを思うがゆえにあえて避けていましたが、自分の気持ちに正直になり、和央のことを選びました。
しかし、弓はすでにバツ1。さらに和央との歳の差は10以上あるため、母親が2人の仲に猛反対するのです。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2012-04-13
「弓はあなたには絶対にあげません」(『プリンシパル』4巻より引用)
これをきっかけに、弓と母親の関係が以前よりも冷めたものになってしまいました。
このほかにも、弦と晴歌の関係や、糸真の心の葛藤などが描かれています。
また、弓と和央の関係について母親が反対しているのは、歳の差だけではなく、どうやら家庭環境の違いも関係しているようです。2人の今後はどうなるのでしょうか。
和央と弓の関係に反対している母親に対抗するため、弓は家を出てひとり暮らしをすることを決めました。
しかしこのことが原因で、母親が和央を家に入れないようにしていることを弦が知り、怒り狂った弦は勢いあまって、弓に対し罵声ともいえる言葉を浴びせてしまうのです。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2012-10-15
「あいつぁまだ俺と同じで高校生で若くてモテてどんな女だって選べるんだ。それをバツイチの10も上のこんなのがいいって言ってんだぞ。こんな貴重なことが他にあるか?いやない!」(『プリンシパル』5巻より引用)
弦の発言の内容は、和央自身も理解していました。彼のなかでは弓よりも和央の方が大切なのだということが分かる描写となっています。
そんな険悪な雰囲気のなか、糸真は晴歌の紹介で知り合った金沢雄大(かなざわたけひろ)と付き合うことに。
ついに動き出したメインヒロインの糸真の恋。しかし彼女は金沢のことが好きになったわけではなく、自分の置かれている状況に思うところがあったようです……。ここからはさらに目が離せない展開になっていくので、しっかりついてきてください!
糸真と和央の住友家、そして弦、晴歌、金沢たちは、キャンプへ行くことになりました。
カップル同士の仲をより深めるという意味も込められたものでしたが、その結果、それぞれの関係に変化が訪れることになります。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2013-03-25
晴歌は弦が自分のことを恋人として見ていないことを悟り、別れることを決めました。さらにキャンプから帰って金沢の家に呼ばれた糸真は、彼のことを本気で好きなわけではないことや、自分が彼氏を求めていた訳を理解し、金沢と別れてしまうのです。
「弦が他人のものになるなんてさみしいんだよーっ」(『プリンシパル』6巻より引用)
最終巻を前にして物語が大きく動く6巻。糸真はようやく自分の本当の気持ちと向き合いました。
少年少女の甘く切ないラブストーリーも徐々に終わりへと近づくなかで、事件が発生します。
和央と弓が公園デートを満喫しキスをしていたところ、和央に想いを寄せていた女子生徒が、それを盗撮して学校の掲示板へ張り付けてしまうのです。
和央と弓がなんとか機転をきかせ、大問題にはなりませんでしたが、体調を崩した和央はその後の修学旅行に参加できなくなってしまいました。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2013-09-25
7巻の1番の見どころは、糸真と弦の恋物語でしょう。勇気を出して晴歌に弦が好きだということを伝えた糸真ですが、告白は失敗。傷つきながらも、どこかわかっていたような顔で、彼女はその次の日からは新しい自分でいようと決心します。
そしてそこからは、一見いつもどおりの「同志」としての日々が続きますが、ふたりきりになることはなくなり、どんどん季節が過ぎていきました。
そしてついにそれぞれの進路が別れる春。糸真と弦とふたりとも東京の学校に進学する予定でしたが、その合否結果にまさかの波乱が。ふたりは気まずいまま離れ離れになってしまうのでしょうか?
最終回は、時間的にあっとういまの展開が描かれますが、そのすべてが繋がりを持ち、伏線となって結末で結ばれます。糸真も弦も和央も晴歌も弓ちゃんも、彼らの両親も、全員の幸せな姿を見ることができますのでお見逃しなく。
最終巻にしてようやく糸真のもっとも主役っぽい、まさにプリンシパルな姿を見ることができますよ!
物語の舞台は北海道。時折描かれる北海道ならではの方言や、キャラクターたちの顔芸と言わんばかりの表情の変化に、微笑ましい気持ちになれる作品です。映画を観る前に、ぜひ原作ををぜひ読んでみてください!