幅広い層におすすめできる本格ホラー漫画『僕たちの生きた理由』が、スマホアプリで公開中です!突然夜の学校に閉じ込められた小学生たちの極限状態を描いた物語の魅力とみどころについてご紹介します。
出口のない夜の学校で「人形遣い」に襲われる小学生たちを描いたホラー漫画『僕たちの生きた理由』。思わずぞっとする恐怖展開がもりだくさんの物語ですが、グロテスクな描写が比較的少ないため多くの人におすすめできます。
ミステリーや謎解きの要素も練り込まれて読みごたえ十分な本作は、王道ホラーの魅力をたっぷり味わいたい!という方にぜひ読んでほしい作品です。この記事では『僕たちの生きた理由』の見どころと魅力をご紹介していきましょう。
- 著者
- 渡辺 和幸
- 出版日
- 2015-03-09
小学校の卒業式を終えたアキラは、6年間という学校生活の終わりに物足りなさを感じていました。クライマックスのような盛り上がりもなければ、最終回を迎えたような達成感もない、どうすれば満足できるだろうと考えていた時、同級生の姫野が自分を呼ぶ声を耳にします。
姫野に恋をしているアキラは、彼女に告白することこそが自分の求める最終回だということに気づくと、彼女が待っている教室に向かいました。両思いであることを期待しながら走り、たどり着いた教室の扉を開きましたが……。そこにいたのは天井から吊るされた姫野だったのです。
信じられない光景に錯乱したアキラは、直後頭痛に襲われて気を失います。次に目を覚ましたのは夜の教室の中。同じように集められた同級生たちは、状況を理解できないまま「人形遣い」に襲われるのでした。
舞台は夜の小学校。すべての扉は外から鍵がかけられて出られません。校内放送用のスピーカーからは謎の連絡事項が流れ、正体不明の化け物が閉じ込められた生徒たちを襲います。そして捕まってしまった人は……。
こうした、限られた状況の中で極限状態に陥る人々の様子を描いたホラー作品を「ソリッド・シチュエーションホラー」と呼びますが、本作はまさにそれです。集まった生徒たちは皆、卒業式を終えて思い思いに過ごしていたら、いつの間にかここにいたというのでした。
怯える人、怒る人、励ます人、楽しむ人など、考える人など、同じ状況において別の反応を示す生徒たちの様子にも注目。性格の違う幼い小学生たちが気をしっかりと持ち続け、いつまでも団結していられるでしょうか。
皆で協力して脱出しよう!と口を揃えて言う中に「誰かを犠牲にしてでも自分が助かりたい」と思っている人物が隠れている、そんな心理的なやりとりもホラー作品の醍醐味です。怖いもの見たさにページをめくる手が止まらなくなることでしょう。
目を覚ましたアキラがまず気にかけたのは姫野のことでした。気を失う直前に見たのは、天井から無数の糸で吊るされて無残な姿になってしまった姫野だったからです。
誰に聞いてもごまかされてしまう中、この状況を楽しんでいる宮尾だけが「姫野ならここにいる」と教えてくれます。しかしアキラの目に映ったのは、机の上に転がる姫野にそっくりな人形でした。
その直後、教室のスピーカーから「おめでと」という言葉が何度も流れます。生徒たちが怯えて混乱する中、声の主は出席番号と名前を人数分読み上げると「いまから最終選考を始めます」「ボクの審査に通った人は合格です」「失格すると大変な事になります」と続けました。
突然電気が消えて真っ暗に。そして教室の中には「何か」が入り込みます。窓に映ったそのおぞましい姿を見てしまったアキラは叫びました。これが、「人形遣い」が初めて姿を現した瞬間です。
この件に関わる何の手がかりもないまま襲われるアキラたち。人形遣いに捕らえられて、最初に「謎の仮面」を被せられたのは女子生徒の久遠寺ですが、その時は何も起こらなかった、というのが逆に恐怖を煽ります。久遠寺の異変はいつ、どの瞬間におこるのでしょうか……。
物語が進むにつれて恐怖要素はさらに増えていきます。人形に変えられてしまった級友がアキラたちを襲うのです。自分たちを襲う存在がどんどん増えていくなか、ついに仲間割れも始まってしまいます。なぜかちょっとした恋愛要素もはさまれ、アキラと西岡が牛島をめぐって争う場面も……。
危険な場所が増える中を逃げ惑うスリル満点な描写と、浮かび上がるいくつもの謎が不安感を煽ります。何が起こるかわからないドキドキの展開から目が離せません。
大きな体と不自然に長い首、頭には無数の仮面をつけている人形遣い。人の言葉を話せるようですが、おそらく人間ではないでしょう。なぜアキラたちを学校に監禁したのか、人形とは何なのか、正体も目的も謎に包まれていました。
しかし生徒たちの間で、過去におきた出来事をもとに人形遣いの正体が推測されはじめます。その人物は「夏休みに死んだ三神くん」。すでに人形にされてしまった姫野を含め、学校に閉じ込められた生徒たちは、三神と結んだある約束を守れなかった12人だったのです。
アキラもここへ来る前、気を失っているうちに夢のようなものを見ていました。そこにあったのは山積みになった人形と、その上で佇む三神です。三神との間に何があったのかをはっきり思い出せないアキラは周囲に聞きますが、口ごもるばかりで誰も喋ろうとしません。
彼らと三神の間で果たされなかった約束とは何なのか、人形遣いは本当に三神なのか。アキラたちの前に不意に現れてはすぐに消える、虚ろな目をした少年の不気味さが本作の世界観を作っています。
- 著者
- 渡辺 和幸
- 出版日
- 2015-08-07
読み進めるにつれて仲間たちはどんどん人形に変えられ、物語の謎も深まっていきます。そして、仮面の下に隠れた人形遣いの素顔も明らかに!
そして、主人公であるアキラに課せられた使命と、彼が選んだ切ない結末は必見です。
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いかがでしたか?ぞっとする演出と、過去と絡まって深みをます物語は魅力満点です。ぜひ実際に手にとって楽しんでみてください。