仕事はストレスがたまるもの。イライラしてしまう日もありますが、うまく発散するのができるビジネスマンです。今回は、オフィスで、オフィス以外で、休日に、と3つのパターンに分けて、おすすめのストレス発散法をご紹介します。
仕事にはストレスがつきものですよね。
上司や同僚、部下、あるいは取引先・お客さんとのコミュニケーションを通じて、イライラしてしまうことはありませんか?
ストレスは積み重ねていくと、うつ病やパニック障害などの精神疾患(こころの病気)になることもあります。かといってストレスをゼロにすることも難しいので、小さなストレスを放っておかず、その都度解消するのが効果的です。
最近は下着や服に貼ることでストレスレベルを可視化(見える化)できるデバイスも登場しています。「Spire(スパイアー)」あたりが有名ですが、日々のストレスを見える化して、減らせる工夫をしてみることも大切です。ストレスを感じていることを自覚していない人もいるので、気をつけたいものですよね。
そこで今回は、「ストレスの解消法」を3つのシーン別に5つずつ、合計15個、紹介いたします。15個もあれば、自分に合ったもの、日常の中に組み込みやすいものが1つでも見つかるはず。まずは1つずつでいいので実践してみて、少しでもストレスを発散してみてください。それでは1つめのシーンからです。
はじめに紹介する5つのストレス解消法は、オフィスで小まめに気軽に行えるものばかりです。どんなに効果的な方法でも実践できなければ意味がないため、気軽さ、実施の簡単さを第一に選んでみました。方法だけでなく、効果が出る理由もあわせて記していますので、自分に合いそうな方法を選んでみてください。
冗談のようですが、「水を飲むこと」と「(トイレへ)席を立つこと」の両方ともがストレス解消に効くので、効果的な方法です。
まず「水を飲むこと」には鎮静効果があります。水をおなかに入れることが、興奮した神経を鎮めるはたらきがあるのです。また、ストレスを感じると人の身体は血管が収縮してしまうものなのですが、水を多く飲むことで血流の悪化を防ぐことにもなります。もちろん何事もやりすぎ・飲みすぎは禁物ですが、意識的に水を飲むことは効果的でしょう。
そして、トイレに「席を立つ」ことも効果的です。ストレスとはつまり緊張した状態ですので、同じ姿勢・状態でいるとよけいに縮こまってしまうもの。そこで意識的に席をたつことで、身体が解放されるのです。さらにできれば、次に記すような「深呼吸」や軽いストレッチなども行うとより効果は高いでしょう。
ストレス解消に深呼吸がいいことは、なんとなく想像できると思います。けれど、頭ではわかっていても、深呼吸は意識をしないとなかなかできないものです。おすすめなのは、「自分なりの深呼吸タイミング」を決めてしまうこと。
前述のように「トイレへ立ったら必ず深呼吸もする」というのもひとつ。あるいは1時間に1回ずつタイマーをかけておいて、時間がきたらノビと深呼吸をしてみるのもひとつ。時間で区切ると仕事の集中がきれてしまうのであれば、1時間程度で終わるタスクを決めて、「このタスクが終わったら深呼吸」と決めてしまうのもひとつ。
時間があったら深呼吸しよう……という考えではついつい忘れがちなものなので、日常の小まめな「区切り」に紐づけてしまい、深呼吸タイミングをスケジューリングしてしまうことがコツです。座っていても、立っていても、数秒あればできることなので、上手にタイミングを習慣化してしまえば、一番効果があるかもしれません。
食べものを噛むと、あごの筋肉が動きます。これが脳に刺激を与えリフレッシュさせるとともに、身体をリラックスさせる効果もあるのです。プロスポーツ選手たちもよくガムを噛んでいますよね。
もちろん食事をとることでもいいのですが、食事はあまり小まめにとることができないでしょうし、食べすぎは身体によくありません。その点、ガムは噛むこと自体を多く行えるため、ストレス解消としては適しているのです。
掃除自体がストレスになる人には向きませんが(私はこのタイプですが)、目にうつる物が散らかっている状態というものは、無意識に心に負荷をかけているものです。
また、机の上の書類をただただ整理してみる、パソコンの壁紙をリラックスできる画像に変えてみる、ごみ(いらない物)だけを集めて捨てに出てみる、などの「単純な作業」に一時集中することは、自然と心を落ち着かせる効果があるのです。
掃除をするプロセスでリラックスもでき、掃除をした結果のすっきりした環境でもリフレッシュできる。ストレス解消には一石二鳥の方法です。ただし、掃除をすることに集中しすぎて、必要以上の時間を使ってしまわないようお気をつけください。
トイレに席を立つこともいいですが、見るもの(風景)を変えてみること、外の空気を感じてみることなどもストレス解消に効果的です。また、デスクワークばかりの人は、足の裏に刺激を与えることで、脳に刺激が行くことにもなります。散歩中にアイデアが湧くことも多いよう。
コーヒーやお茶を買いに出てみる、コンビニへ出かけてみる(そしてガムを買う)など、あまり時間がかからない範囲で少し足を延ばしてみるとよいでしょう。
基本的なストレス解消法に「3つのR」というものがあります。それぞれ、Relax(緩和・くつろぎ):心身の緊張や不安をやわらげること、Rest(休養):心身を休めて英気を養うこと、Recreation(娯楽・楽しみ):リフレッシュしてストレスから環境や思考を切り離すこと、を指します。
前に紹介した5つの解消法でもこれらを含んでいましたが、オフィス以外ではできることの範囲がより広がるもの。ここからは、家も含めた「日常」で実践できる解消法をご紹介します。
ストレス解消だけでなく、さまざまな病気の予防や改善に「笑い」が役立つことが、近年の研究で明らかになってきています。
大笑いをすると多くの酸素を吸い込むことになるので、脳を活性化させる効果もあります。また笑うと副交感神経が優位になるので、緊張して交感神経が高まっていた身体のバランスを整えることもできます。さらには「NK(ナチュラルキラー)細胞」を活性化させる効果もあり、免疫力が高められるともいいます。
笑うことも、周りに人がいると気になってしまうこともあるでしょうから、まずは「心おきなく笑える環境」を用意してみましょう。そして、いきなり大笑いができる人はぜひそのまま試してみていただきたいですが、笑い慣れていない人は、少しでもおもしろいことがあったら意識的に笑ってみたり、「はは、おもしろ」と独りごちてみるところから始めてみてください。
人間とはおもしろいもので、おもしろい→笑う、だけでなく、笑う→おもしろい、と身体が思い込んでしまう機能も持っています。最初はそれほどおもしろくなくても、顔の筋肉をゆるめ、「おもしろ」と言ってみることを重ねると、ほんとうにおもしろく感じてくるもの。そうして、日々の中に少しずつ「笑い」の量を増やしてみることはおすすめです。
お風呂やサウナに入ることも、「笑い」と同じようなストレス解消効果が複数あります。
例えば身体が温められることで血管が拡張し、緊張で収縮していた身体と血管を正常な動きに戻します。汗をかくことにより交感神経が刺激されるのですが、一次的な刺激を加えることでその後副交感神経とのバランスを身体がとり始めます。そしてなにより、お湯につかること自体に、心が休まるリラクゼーション効果があります。
汗をかき身体の汚れを洗い流すことは、疲労回復にも効果があるので「一石二鳥」。「笑い」はやや受け身な行動ですが、時間があまりないときには積極的にお風呂・サウナに入ることが、即効性もありおすすめです。
ストレス解消方法として、これは少し意外な方法かもしれません。「日記」と書きましたが必ずしも日記である必要はなく、ブログを書くことでもいいですし、SNSで愚痴を書きなぐることでもいいでしょう。
この行為には主に2つの意味があります。1つは、気持ちを「書く」という行為を通じて出すことで、心にとどまっていたものが外に出るので、それだけで不思議と心が軽くなるということ。もう1つは、書くことを通じて自分の悩みや考えを「整理」できるということです。後者の意味を考えると、SNSで書きなぐった言葉も後々まとめて整理した方がいいかもしれませんので、やはり日記やブログなどある程度まとまった文章を書くことがおすすめです。
特に、普段から人に愚痴をこぼしたり怒ったりすることが苦手な人ほど、気持ちを内にため込んでしまいがちです。そのような人こそ、あえて「書く」という行動を自分に課すことで、気持ちを吐き出す練習になるでしょう。
現代社会のストレスの元凶には、常に何かを「考え続けている」ことがあげられます。常に脳が働いていると、たとえ身体を休めているように思っても、脳と心に負荷が蓄積しているものです。したがって、その状態を解消する「頭のなかをカラにする」方法が効果的だと言えるでしょう。そのために一番効果的なことが「睡眠」です。
睡眠「時間」を長くとれるのであればそれに越したことはありませんが、なかなかとれない人もいるでしょう。そのような人は睡眠の「質」を高めてみてください。睡眠の「質」を高める方法はそれだけでいくつも本が出されるくらいですが、主なポイントは3つ。これを守れば質の高い睡眠を得られるでしょう。
1つめは寝る時間と起きる時間を毎日決めてしまうこと。睡眠時間が同じでも、睡眠リズムを一定にするだけで効果が変わります。2つめは寝る1時間前から身体を鎮めだすこと。言い換えると、脳が興奮することを行わないことです。スマホなどモニターを見ず、カフェインやアルコールはとらず、入浴などで体温を上げておく。それを守るだけで睡眠の深さが変わります。そして3つめは少し身体を疲れさせることです。現代人は脳だけが疲れているアンバランスな状態が多いもの。ストレッチをしたり軽いジョギングで帰ったりして適度に身体を疲れさせると気持ちよく眠れるのです。
「頭のなかをカラにする」ことが大切なのはわかっているけど、睡眠はなかなか時間がとれない。そう思っている人に効果的なのが、「瞑想」であり、海外で流行している「マインドフルネス」です。
瞑想あるいはマインドフルネスにはいくつかの方法がありますが、ポイントになるのは、①楽な姿勢、②呼吸(深呼吸)、③継続です。はじめはなかなか「頭のなかをカラにする」といってもコツをつかむのが難しいものですが、慣れるまで意識して行い、継続することで、短い時間でもできるようになってくるものです。
慣れてしまえば、良質な睡眠をとった後のような爽快感が短時間で得られるようになります。とてもパワフルな方法なのでぜひ身につけてみていただきたいですが、そのためにも「継続」させる工夫がポイントです。1人ではじめると続けられなさそうであれば、仲間を見つけて一緒にはじめてみるなど、習慣化する工夫をしてみてください。
休日になると、さらに思い切った方法をとることができるでしょう。特に、Recreation(娯楽・楽しみ)を行うことは効果的です。Recreation(娯楽・楽しみ)を含めたストレス解消法をさらに5つ、ご紹介します。
好き嫌いはあるでしょうが、必ずしもカラオケでなくてもよく「歌をうたう」ことがストレス解消に効果的なのです。「深呼吸」が効果あることは前にも書きましたが、歌をうたうと自然に大きく息を吸い込むことになり、かつそれを繰り返すことができます。気持ちよく歌うことで、リラックスしながら深呼吸を繰り返す効果が得られる訳です。
加えて、歌をうたうことは意外に運動量があります。有酸素運動と同じような効果が期待できるため、ランニングやサイクリングは苦手だけれど歌は大丈夫……という人にはおすすめです。
また大きく声を出すことは快楽をもたらす「ドーパミン」という神経伝達物質を分泌することもあり、これが脳の働きの向上や集中力の向上、元気になることにつながります。
気を遣う人といくと逆にストレスが溜まってしまうので、恥ずかしくなく大きな声で歌いあえる友達といくか、あるいは1人で行くことがいいでしょう。最近は1人専用のカラオケも増えてきているので、30分でも1時間でも熱唱してみてください。
意外なことに、「ゲームをすると、ストレスが取り除かれる」という研究結果がいくつもあります。ただし、反対の意見や研究結果も多くあるので、「すべてのゲームではない」ことには注意してください。
好みにもよりますが、比較的ストレスを解消しやすいゲームとしては、アクションゲームや格闘ゲームがあげられます。ジャンプして罠を回避したり敵をふみつぶしたりという小さな達成感を感じることや、相手にパンチやキックを当てることでの小さな爽快感を感じることが、これらゲームが向いている理由でしょう。
ただし、のめり込みすぎるとゲームからストレスを感じるようになってしまうため、本末転倒です。気持ちよく終えられる範囲で楽しむ分にはゲームは効果的、だと覚えておいてください。
映画をみることも、ストレス解消に効果的だと言われています。もちろんこれも、すべての映画ではありません。効果的なのは、涙を流すことや、感動することです。
研究によると、映画をみて涙を流しているとき、人の脳は血流量が増え、また同時に心拍数や血圧も上がり、興奮状態になっているようです。その状態から交感神経優位から副交感神経優位へと切り替わりが起き、心が晴れていくのだといいます。
また映画は受け身のメディアであるため、カラオケやゲームのような能動的なものが苦手な人でも試しやすいかもしれません。映画館でも自分の家でもどこでも、まずはおおいに「泣ける準備」をして、泣ける/感動する映画を選んで見てみてください。
休日とはいえ、カラオケ、ゲーム、映画はいずれも、場所やデバイスなどの準備が必要です。その点で読書は、本が1冊あればいつでもどこでも準備できるので、取り組みやすい行為でしょう。
映画と同様に、泣ける/感動する本を読むことももちろん効果的ですが、読書には他のストレス解消法もあります。それは「未来への希望」を育てて勇気を得ることです。
たとえば資格取得の勉強をしてみたり、転職につながる知識を身につけてみたり。学ぶことで次のステップへと進めると意識することが、心の元気を補うことにつながります。自己啓発本などで一時的な夢を見ることも、ほんとうに心が疲れた時には有効かもしれませんし、ストレス度合いに応じて適した本を選べば、お得で効果的な方法だといえるでしょう。
最後にわざわざ言うほどのことではないかもしれませんが、運動することはストレス解消にとても効果的です。
何度か記してきた「汗をかくこと」「深呼吸をすること」「身体を一時的な興奮状態にすること(その後、副交感神経が優位になりやすい)」などの効果が、どれも得られるからです。
また、脳が疲れがちな現代では、身体を疲れさせることが良質な睡眠や心のバランスを整えることにつながります。
以上、「ストレスの解消法」を3つのシーン別に5つずつ、合計15個、紹介してきましたが、あなたに合ったものはありましたでしょうか。もちろん全部やる必要などはないので、自分に合ったものを、日常の中に組み込みやすいものから1つずつでいいので実践してみることが、なにより大切です。
少しでもストレスを発散して元気になるために、この記事がお役に立てますと幸いです。