漫画『デビルズライン』の見どころを全巻ネタバレ紹介!【アニメ化】

更新:2021.11.11

吸血鬼と人間の恋愛を描いた『デビルズライン』。一筋縄ではいかない恋に、読者の心は締め付けられること間違いなしです。けっして「共存」しているとはいえない世界で、彼らはどのように関係を築いていくのでしょうか。アクションあり、ちょいエロありと見どころ満載の本作を紹介していきます。

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漫画『デビルズライン』の魅力を全巻ネタバレ紹介!アニメ化決定作品が超面白い!

漫画『デビルズライン』の魅力を全巻ネタバレ紹介!アニメ化決定作品が超面白い!
出典:『デビルズライン』1巻

『デビルズライン』の舞台は、吸血鬼と人間が存在する現代の日本。種族の違う両者の共存問題に焦点が当てられています。

吸血鬼の男性と人間の女性の恋物語が展開されていきますが、彼らの恋は一筋縄ではいきません。さまざまな障害を前に、2人はどのような選択をするのでしょうか。

本作の魅力は、登場人物たちの感情が細やかに描かれていることです。恋愛はもちろん、葛藤や恨みなどそれぞれの抱えている想いが交差して、『デビルズライン』の世界を創っていきます。

ダークな世界観で描かれる吸血鬼と人間の切ない恋物語に、おもいっきり胸を締め付けられてしまってください。

ちなみに人気の本作は2018年4月からアニメ化が決定しており、ヒーローの安藤を松岡禎丞、ヒロインのつかさを石川由依、謎の人物である李ハンスを木村良平がそれぞれ演じることも決まっています。

この記事ではそんな本作の魅力、登場人物、全巻の見どどころをご紹介させていただきます。ネタバレを含むので未読の方はご注意ください。

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著者
花田 陵
出版日
2013-09-20

漫画『デビルズライン』に悪魔と人間の境目を考える【あらすじ】

漫画『デビルズライン』に悪魔と人間の境目を考える【あらすじ】
出典:『デビルズライン』1巻

現代の日本にひっそりと暮らしている「鬼」。見た目は人とほとんど変わりはなく、その存在を知っている人間はほとんどいません。しかし興奮したり血を見たりすると強い吸血欲に襲われ、理性が飛んで見境なく人を襲います。彼らは屋根から屋根を平然と飛び回り、致命傷も吸血することで治ったりするなど、常人の力を遥かに超えた身体能力や回復力を持った存在です。

そんな特徴から鬼が人を襲う事件、あるいは鬼が関わっている可能性のある事件などもたびたび起きます。そしてそれに対応するのが、主人公・安斎結貴の所属する警視庁公安第五課。鬼に対応できるのは鬼しかいないという考えのもと、第五課には人間の捜査官、そして「鬼」の捜査官達が所属しています。

ある日、巡査の安斎は捜査の過程で平つかさという人間の女性と出会いました。ひょんなことから交流を持つようになったふたりは少しずつ惹かれあいますが、安斎は自分が鬼であるためつかさと距離を取ろうとします。

しかし、つかさは安斎が鬼であることを知ってもなお安斎を恐れることなく、それどころかさらに好意を寄せるようになるのです。それに対して恐る恐るではありながらも少しずつ歩み寄り、心を通わせるようになる安斎。

しかしそんなふたりの周りでは、鬼の絶滅を目論む組織が暗躍を始めており……。

まずは『デビルズライン』の魅力をさらに深堀り!【ネタバレ注意】

まずは『デビルズライン』の魅力をさらに深堀り!【ネタバレ注意】
出典:『デビルズライン』1巻

人知れず吸血鬼が暮らしている現代の日本が舞台の本作。彼らは「鬼」と呼ばれ、国によって存在を把握されていますが、人口が日本の総人口の0,01%程度ということもあり、存在が公にされることはなく、ひっそりと息を潜めて暮らしていました。

普段は普通の人間と変わらずに暮らすことのできる鬼たちですが、人の血を見たり興奮したりすると強い吸血欲が起きてしまい、我を忘れて本能のままに人間を襲ってしまうという体質を持っています。鬼によって身近な者を殺され人間の中には、見境なく全ての鬼を全て抹殺しようと考える者もいます。

しかしそれ以外はすべて普通の人間と変わらない彼ら。人間と鬼との共存のため奔走する警察官の主人公、鬼の抹殺を企てる組織「CCC」、それを裏で操る黒幕……。設定は王道のダークファンタジーです。

元はアマチュアの漫画家でWeb上に漫画を発表していた花田陵。「デビルズライン」はそこに掲載されていた作品のひとつで、徐々に人気が高まり、漫画雑誌「月刊モーニングtwo」にて連載されるようになりました。

なぜ王道のダークファンタジー作品が無名だった作者をここまで有名にさせたのか。それは男女どちらも楽しめる作品の世界観にあります。悪に立ち向かう正義、主人公の過去に隠された秘密、影の組織の更なる黒幕の存在。緻密な設定がなされており、それぞれの展開で読めば読むほど次が気になるヒントが用意されています。

それに加えて、丁寧な心理描写も際立ちます。「悪魔」と言われながらも普通の心があり傷つく主人公、そんな彼を支えたいと願うヒロイン、臆病になりながらも止められないふたりの強い気持ち。戦ううちに鬼にも人間のような側面があると気付きつつ、過去のトラウマから影の組織として鬼を抹殺することをやめられない敵の迷い。どこからが悪魔で、どこまでが正義なのかが分からなくなるような構図になっています。

しかしやはり設定がいくら緻密でも、心理描写がいくら丁寧でも、キャラ自体に魅力がなければ惹かれません。この作品は何よりキャラクターの魅力が物語を盛り上げているのです。

ここからはそんなキャラクターの魅力、各巻の見所をご紹介します。

『デビルズライン』キャラ1:人と人ならざる者の間で揺れる!【安斎結貴】

『デビルズライン』キャラ1:人と人ならざる者の間で揺れる!【安斎結貴】
出典:『デビルズライン』1巻

本作の主人公で、鬼の事件を扱う警察組織、警視庁公安第五課の捜査官です。「鬼」の血が流れていますが、実は人間の母と鬼の父を持つハーフという生い立ちを持っています。

本能のまま鬼に変質してしまうことを恐れ、吸血欲に襲われるたびに自分に鎮静剤を打っています。そのため、ある事件に巻き込まれ致命傷を負い、李ハンスという人物に血を飲まされるまで吸血をしたことがありませんでした。

安斎の最も魅力的なポイントは人間と鬼のハーフであるという葛藤の様子。

彼は人間の親を持ちながらも人と鬼は別々に生きるべきだという考えを持っていました。それは人口のほとんどの者との付き合いをやめるという世界を拒絶するような行為でもあり、どっちつかずの自分には居場所など無いと言っているような考えです。

しかし、つかさに出会い、関わりたいと思える相手ができてしまいます。抑えきれない気持ちのまま彼女に会いますが、やはり危険な面もある自分と長い時間一緒に過ごさない方がいいだろうとも思うのです。近くにいたいと思ってしまった分、もといたひとりぼっちの場所に戻るということはどれだけ辛いか想像に難くありません。

そして好きになればなるほど男として彼女に興奮することも増え、吸血欲の本能に飲まれそうになるのです。

葛藤し、それでもあきらめられなくて、恐る恐る彼女に近づいていく安斎はとても可愛らしいヒーローです。しかもいざという時はやはり鬼としてとても強いのでそのギャップにやられてしまいます。

さらに可愛らしいのは、つかさよりも1つ年下であるということ。つかさと親しくなった際には、自分がつかさより年下であることを気にする一面を見せることもあります。

見ていて切なくも可愛くもある安斎。つい応援したくなってしまうこと間違いなしの主人公です。

『デビルズライン』キャラ2:守られるだけじゃない!【平つかさ】

『デビルズライン』キャラ2:守られるだけじゃない!【平つかさ】
出典:『デビルズライン』1巻

本作のヒロインであり、人間の女性です。普通の大学院生でしたが、ある日、同級生の男子生徒が鬼であることが発覚、その男子生徒を確保しにきた捜査官の安斎と出会います。

他の人間と同様、鬼の存在は知りませんでしたが、鬼に襲われても鬼の存在全てを恐れるようなことはなく、個人を真っ直ぐに見つめることができる優しい女性です。 安斎のことを、初めて出会った時から意識しており、それは安斎が鬼であると知った後も変わりませんでした。

彼女の素直で一途な想いは、次第に安斎の気持ちも変えていくことになります。 一見するとのんびりで危なっかしく、 最初のうちは弱々しい印象もあるつかさですが、芯の強いところがあり、安斎と事件に巻き込まれた際は、顔に傷跡が残ってしまうほどの怪我を負いながらも安斎を守ろうとするなど行動力もあります。

派手なアクションで安斎の鬼としての強さが際立つことの多い本作ですが、実は精神的にはつかさの方が強く、その特長によって彼を支えていくのです。

そんな彼女は安斎と関わることで必然的に鬼との関わりも増え、危険な目に合うこともしばしば。しかしその中で怖がることなく、鬼についてもっと深く知りたいと思うようになります。

そして身の安全のために一度安斎と離れた時も、自分の道である鬼の研究者としての道を進み始めるのです。つかさ、強し。

人間や鬼というフィルターをかけずにその人本人を見る本質的な考え方、大好きな人と離れることになっても自分のすべきことを見失わない芯の強さ、女性の命とも言える顔に傷がついても動じない肝の座りっぷり。

もしかすると安斎よりも男らしいかもしれない、精神的な強さ、豊かさが感じられるヒロインです。

『デビルズライン』キャラ3:謎の鍵を握る人物!【李ハンス】

『デビルズライン』キャラ3:謎の鍵を握る人物!【李ハンス】
出典:『デビルズライン』1巻

事件の中で致命傷を負った安斎の前に突然現れた鬼で、今まで拒否していた安斎が気を失っている間に傷の回復のために血を飲ませました。神出鬼没で、鬼でありながら吸血欲をコントロールすることができるという謎多き人物で、この物語の鍵を握っていると思われす人物です。通常、鬼は吸血すると目が赤くなり、爪が伸びるなどの変化があるのですが、彼は片目だけが赤くなります。

李ハンスが明らかにしたのは、ONLOという施設の存在、そこで行われていた「ハイブリッド出産計画」というものでした。

実は鬼が出現したのは最近で、1956年のこと。相次ぐ異様な殺人事件は当初感染症が疑われましたが、その原因は遺伝子によるものだったのです。そこから彼らの生態研究が始まり、ONLOという研究所が発足されました。

そこは当初は鬼の生態を明らかにすることが目的でしたが、吸血によって治癒能力が高まることなどがわかると次第に彼らの人権を無視した実験が行われるようになりました。

その中で発見されたのが「ReMI」という種類の鬼。彼らは吸血もせず、治癒能力もない者たちです。研究の結果、それは人間と鬼のハーフ、もしくはクオーターの体質だということが分かりました。

その施設で生まれたのが李ハンスです。実は安斎もそこで生まれていたのですが、ReMIのような特長からただ監視されていただけでした。それに比べて李ハンスは血を飲まなくても治癒能力があり、自我を失わないことから、まさにハイブリッドの存在だとして長年研究所で実験され続ける日々を送っていたのです。

しかしそんな日々に嫌気がさした彼はそこから逃げ出し、その途中で安斎に出会いました。彼の存在は吸血欲とつかさとの思いの間で悩んでいた安斎、そしてそんな彼を心配していたつかさに希望を与えることとなります。しかし、同時に彼によって鬼の寿命が短いことも知らされます。

登場当初は敵なのか味方なのかわからない怪しい雰囲気を持っていましたが、それも裏表がなさすぎる純粋な性格ゆえなところがあり、次第にその不思議なキャラクターに惹かれる方も多いでしょう。

人間と吸血鬼が急接近!【1巻ネタバレ注意】

遺体の首に犬歯の跡があり、被害者の血が抜かれていた……

「吸血鬼連続殺人事件」で騒がれている街に、平つかさは住んでいました。大学の友人である秋村と帰宅中の電車内で、怪しげな男と目があいます。

駅に着いた後、秋村に家まで送ってもらうつかさですが、その道中で再び電車の男が現れました。そしてその男は秋村に向かってこう言ったのです。

「よう 吸血鬼」(『デビルズライン』1巻より引用)

男の名は安斎結貴。吸血鬼殺人事件の犯人である秋村を追っていた、警視庁公安五課の巡査でした。

この件以来、結貴とつかさは距離を縮めていきます。

しかし、2人のあいだにはひとつ問題点がありました。それは、結貴が人と吸血鬼のハーフであること。

さらに街では、吸血鬼が次々に狙撃される事件が起きます。結貴もそのターゲットとなり、つかさの部屋で撃ち抜かれたのでした……。

著者
花田 陵
出版日
2013-09-20

1巻は結貴とつかさの出会いが描かれます。まさか吸血鬼殺人事件の犯人がつかさの友人だったという展開に冒頭から翻弄されてしまいます。

さらに、助けてくれた結貴も吸血鬼と人間のハーフで、この事実が今後2人の間に大きな障害として立ちはだかるのです。

吸血鬼には吸血欲があり、人間の血を見るとその衝動にかられて自身を制御できなくなります。それはハーフである結貴にも自覚があり、鎮静剤を持ち歩いたり、咄嗟に血から逃げたりと、必至に対策をしていました。

しかし彼自身この衝動を忌み嫌っていて、そのためつかさに1歩踏み込めない節があるのです。

それでも彼女を想う気持ちはすぐに大きなものになり、「……付き合う?」と顔を真っ赤にしながら言うシーンはその可愛さに悶えてしまいます。ちなみにこの時つかさは寝ていて、残念ながらきちんとした返事はありませんでした。

ダークな世界観で描かれる2人の恋愛模様はこの先どうなるのでしょうか。

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障害があろうとも、2人の愛は進んでゆく【2巻ネタバレ注意】

「ゼロナナ」と呼ばれる人物に突然狙撃された結貴は、吸血欲求が出てしまったため、つかさから逃げるように狙撃手を追います。しかし再び撃たれて、重傷を負ってしまいました。

そんな彼を救ったのは、白髪の謎の男「ハンス」です。ハンスは人の血が入った容器を持ち歩いており、それを結貴に飲ませることで、傷を治してくれました。

その後駆け付けた警察の仲間によって救出されましたが、結貴は吸血欲求をつかさに向けてしまったショックから、彼女に会うことを拒むようになります。

それから2週間。結貴から連絡がなく落ち込んでいるつかさは、街でハンスと出会います。実は彼も結貴はと同じく吸血鬼と人間のハーフで、彼女はハンスからハーフについての情報や生き方を学んでいくことになります。

そんな時、ゼロナナの所属する組織「CCC」が、新たな作戦を決行。テレビの生中継で人を切り、吸血鬼が吸血する姿を放送したのです。吸血鬼は現場にいたつかさにも襲い掛かりますが、そこに結貴が登場し、彼女を助けたのでした。

著者
花田 陵
出版日
2014-04-23

結貴を狙っていたのは、吸血鬼の撲滅を目論む「CCC」という組織であることが発覚します。さらにその組織のトップと思われる「ゼロツー」と呼ばれる人物は、どうやら警察関係者のようなのです。

ゼロツーは非常に冷酷な男で、吸血鬼よりよほど鬼らしい人物でした。結貴ら警察は、ゼロツーの正体を解き明かすことができるのでしょうか。

また2巻では、結貴とつかさの関係にも注目です。やっと再会した2人は、すぐにマスク越しでキスをするといったイチャイチャを開始。これには暗かった作品の雰囲気も一瞬で吹き飛んでしまいます。

さらに、結貴に血に慣れさせるため、つかさは自分の血を吸ってほしいと言いました。生半可な愛ではないことがうかがえます。
 

ちなみに1巻から登場し、自身も吸血鬼であり、何となく、安斎とつかさの関係にヤキモチを焼いていたジュリアナ・ロイドは、2巻でつかさのほのぼの成分にやられ、ついつい彼女に好感を持ってしまいます。ふたりの関係がさらに順調にいってくれればいいですね……。

吸血鬼狩りはまだまだ続く【3巻ネタバレ注意】

吸血行為がテレビで放映されたことで、世間に吸血鬼の存在が知られてしまいました。そのため警察内では、吸血鬼の捜査官の活動をしばらく禁止することになります。

この事件の罪を被らせるため、「ジューゴ」と呼ばれる人物を殺したゼロツー。表向きには、殺人犯が飛び降り自殺をしたと発表されていました。

しかし、以前結貴とつかさと知り合っていた心優しい吸血鬼の「おりょう」が、ジューゴが突き落とされる現場を目撃していたのです。

おりょうから連絡を受け警察が動き出しますが、すでに彼女はCCCに狙われていました。

また、ハンスと結貴が同じ故郷の出であることがわかります。ハンスは「ヨハネス・クレーマン」という本名を結貴に告げ、「ハイブリット出産計画」という言葉を口にします。

どうやら結貴もそのことについて知っているようですが、口を閉ざしたままでした。

著者
花田 陵
出版日
2014-08-22

3巻では結貴とつかさの距離はあまり縮まりません。血を吸ってほしいと懇願するつかさに対し、自分の吸血鬼の部分を受け入れきれていない結貴は、その願いを飲み込むことはできませんでした。それどころか、またもやつかさを遠ざけようとします。

また、ハンスの正体も少しずつ明らかになります。「ハイブリット出産計画」と呼ばれるものは、結貴とハンスのように、吸血鬼と人間のハーフを生み出す計画のことなのでしょうか。

ついに結ばれる2人【4巻ネタバレ注意】

吸血鬼狩りによって負傷したおりょうに付き添い、つかさは病院へと向かいます。しかし到着した瞬間、CCCのゼロナナによって人質に取られてしまいました。

しかしつかさは、ゼロナナと対話を試みます。どうして吸血鬼を狙うのか、という彼女の質問に、ゼロナナはかつて自分の母親が吸血鬼の恋人に殺されたことを話しました。それ以来彼女は、吸血鬼の危険性を明るみにして、絶滅させることを願うようになったのです。

つかさに危害を加えるつもりはなかったゼロナナは、「ゼロキュー」と呼ばれる少年と合流、つかさを置いて逃亡しました。

一方、結貴の属する公安五課にも裏切者がいることが判明。吸血鬼狩りはさらに加速をしていくのです。

著者
花田 陵
出版日
2015-01-23

アクションシーンが多めの4巻ですが、注目すべきは結貴とつかさ。ついに2人が結ばれます。CCCからつかさを救うために結貴が駆けつけると、さっそく恒例のイチャイチャタイムへと発展。

「私たちは付き合っているんでしょうか……」
「付き合う?」
「うん 付き合う……」
「じゃあその よろしく……」(『デビルズライン』4巻より引用)

中学生か!と突っ込みたくなるような初々しい展開がなされるのです。つかさが人質にとられてからの目まぐるしいアクションも、2人の甘々な雰囲気で吹っ飛んでしまいます。

しかし、なかなか進展しなかった彼らにやきもきしていた読者は、これで一安心できたのではないでしょうか。

ついに結ばれた2人は今後どのような道を歩んでいくのか。またCCCは今後どのような行動をとるのか、次巻以降が楽しみな形で終わります。

結貴の父と母が登場!【5巻ネタバレ注意】

晴れて結ばれた結貴とつかさは、結貴の過去を知る医者・加納の頼みで、吸血鬼の人権保護活動をしている組織「R2PC」の委員会と接触します。

その委員会には結貴の母も出席しており、彼女は人と吸血鬼の性交渉を規制する法律の撤廃を要求しました。

しかし結貴は、彼女が自分の母親だとは知りません。委員会の後、つかさとレストランへ向かう道中ですれ違うと、彼女は結貴の背中を見て涙を流すのです。そして結貴の父である環に、彼が立派に育ったことを報告しました。

また、裏切者が明らかになった公安五課には、新たな動きが起こります。これまで結貴とともに仕事をこなしてきた沢崎が班長を降ろされ、石丸という人物が配属されたのです。

しかし石丸は、「ジェイソン」と呼ばれる吸血鬼狩り組織の一員でした。

著者
花田 陵
出版日
2015-06-23

ここまで結貴の父については「史上最悪な事件を起こした吸血鬼」と書かれていましたが、ついにその顔が描かれます。さらに母親も登場し、結貴にまつわる人物が次々と現れる展開です。

また5巻で注目すべきは、結貴とつかさがおこなう「吸血欲コントロール訓練」でしょう。訓練と言いつつも、その実ただイチャイチャするだけ。ややアダルティな表現もありますが、この時の2人の様子が妙にピュアで可愛くて悶えてしまいます。ぜひご自身の目で確認してみてください。

また、5巻からはジュリアナと吸血鬼班の班長だった沢崎との同居生活も始まります。家にひとりでこもりきりになってしまいがちな彼女を心配して彼が声をかけたのですが、そこから意識してしまうジュリアナが可愛いです。

このあともふたりの関係は折に触れて描かれるので、このカップルもお見逃しなく。

結貴の過去を垣間見る【6巻ネタバレ注意】

つかさが吸血鬼狩り組織CCCのゼロナナと連絡を取り、公安五課は彼と交渉をすることになりました。

五課はCCCのメンバーリストと情報の提供、ゼロナナは自分とゼロキューの身柄の安全の約束をそれぞれ条件に出し、互いにその条件を飲んで協力体制をとることになります。

しかしこの内密な交渉は、公安五課に異動してきた石丸によってすぐにゼロツーへと報告されました。するとゼロツーは、口封じのためにCCCのメンバーである「イレブン」を消す指示を、五課に所属していた「レーロク」こと牧村に出すのです。

そんななか、結貴は過去に自分がゼロツーと出会っていたことをおぼろげに思い出します。その時ゼロツーは、「大量殺人鬼の安斎環を探してる」と尋ねてきたのでした。

著者
花田 陵
出版日
2015-11-20

6巻ではゼロナナと五課が共同戦線を張ります。吸血鬼のみならず人を殺すことも厭わないCCCのやり方に、ゼロナナはこれまでも異議を唱えていました。

また、結貴とつかさのイチャイチャタイムももちろん合間に描かれています。全体的には暗い雰囲気の作品ですが、この2人のおかげで読者の心も洗われるでしょう。

さてそんな6巻ですが、ついに結貴が自身の過去への扉を少しばかり開きます。ゼロツーとはいったいどのような関係だったのでしょうか。ゼロツーの様子からは、1度会って問答をした間柄というわけではなさそうです。過去を含め、彼らの関係性にも注目していきましょう。

怪しげな石丸の正体が判明!【7巻ネタバレ注意】

公安五課はゼロナナとゼロキューのバックアップのもと、CCCのアジトへ乗り込み、帳簿を手にする計画を実行します。アジトに潜入した石丸と沢崎でしたが、そこに住んでいたホームレスが射殺され、吸血鬼が襲い掛かってきました。

これはアジトへの潜入について石丸から情報を受けていたゼロツーによるもの。沢崎らは吸血鬼との戦闘を余儀なくされます。

しかし、ここで新たな事実が発覚。五課の面々が怪しんでいた石丸が、実はCCCに潜り込んでいた公安総務課によるスパイだと判明。さらに、牧村も同じ立場だったのです。

この時すでに牧村もアジトに潜入しており、目的であった帳簿の奪取に成功しました。さらには、その場にいたゼロツーを追い詰め、逮捕しようとします。

しかし牧村は、ゼロツーが待機させていた狙撃手によって撃ちぬかれ、さらに沢崎を助けるために出動停止を破って参戦していた結貴までもが狙われてしまいます。

胸を撃たれて瀕死の状態の結貴。そこへつかさとハンスが現れるのです。
 

著者
花田 陵
出版日
2016-04-22

目まぐるしい展開がくり広げられる7巻。やはり注目すべきは石丸の正体でしょう。登場した当初からCCCのメンバーとして描かれていた彼ですが、まさか公安側の人物だったとは。さらに牧村も公安側のスパイで、これまでCCCにいいようにしてやられていたのを見ていた読者は胸がスカっとするはずです。

しかし、さすがゼロツーと言うべきか、追い詰められてもすぐに形勢を逆転します。頭も切れる彼は一筋縄ではいきません。
 

狙撃された結貴はどうなるのでしょうか。つかさによる初めての「アレ」によって、命は助かるとだけ記しておきましょう。

結貴の決断とは!?【8巻ネタバレ注意】

なんとか一命をとりとめた結貴は、病院で夢をみていました。それはゼロツーとの昔の記憶で、「オンロ」という施設にハンスとともにいた結貴は、そこでゼロツーと出会っていました。

夢から覚めた結貴は、自分が人の血を飲んだ時に昔の記憶を思い出すことに気づきます。そして、撃たれた後に何があったのかを理解しました。

自分のした行為を受け止めきれない結貴は、母親と接触した後、ある決断をします。自分が前を向くために、つかさと1度別れて気持ちを整理し、もう1度やり直したいことを告げたのでした。
 

また、結貴の所属する公安五課も今回の件で解散してしまいます。

著者
花田 陵
出版日
2016-09-23

8巻では、公安五課の解散に結貴と母親の対話などさまざまなことが描かれますが、注目すべきはやはり結貴が下した決断です。

自身がつかさにしてしまった行為への葛藤は、想像を絶するものなのでしょう。しかし、これまでは彼女を想うがゆえに突き放してしまっていましたが、今回は彼女を想うからこそ、前を向くために別れを切り出しました。

つかさは結貴の決断を聞いて、どのような返答をするのでしょうか。2人の恋路は一筋縄ではいきませんが、我々は応援するしかできません。少々歯がゆい思いをしますが温かく見守りましょう。

各所で恋が起きている!?【9巻ネタバレ注意】

出動停止の禁を破ったため警視庁を退職させられていた結貴は、ゼロツーについて話をするため、久しぶりに石丸と会うことになりました。沢崎もその場におり、結貴の顔を見れて安心した様子です。

その後過去を思い出した結貴は、再びゼロツーに会いにいきます。そして、「友達だったのに忘れてて悪かった」と謝ったのです。

その言葉を受けたゼロツーは、驚いた顔をして結貴の前から去ったのでした。

さらに結貴は、母親に会うために帯広へと向かいます。しかしその道中で、過激派集団に襲われている吸血鬼を見つけたのでした。

一方、沢崎と公安五課に属している吸血鬼のジル、牧村とイレブン、ハンスとある女性が、それぞれ急接近。各所で恋愛が展開されていきます。

著者
花田 陵
出版日
2017-02-23

9巻では結貴とつかさ以外のさまざまなカップルが誕生しそうな予感です。特に、アジト潜入の際に撃たれた牧村が生きており、イレブンの家族に匿われていたことには安心しました。

失礼ながら他のヒロインに比べてやや可愛さが劣るイレブンですが、牧村の前では可愛く見えてしまいます。恋する女性は美しいということでしょうか。

また、結貴が向かう帯広には、吸血鬼の研究を志しているつかさがいます。巻数でいえば2人が会っていないのは1巻分だけですが、これまで散々イチャイチャを見せつけられていた読者からすれば、こんなに長い間離れ離れになっていると気になってしまいます。

はたして帯広で2人が接触することはあるのでしょうか。
 

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待望の結貴とつかさの再会【10巻ネタバレ注意】

帯広に到着した結貴は、ついに母親のみどりと対面します。そこで自分の生い立ち、吸血鬼について、父と母の出会い、さらにハンスに関することを聞きました。

ハンスは「ReMI(レミ)」と呼ばれる、吸血欲が無く、変異もしない吸血鬼の発生を調べるための実験体だったのです。

さらに、実は結貴も人為的にレミを発生させる通称「ハイブリット計画」の被検体であったと告げられます。

突然の話に驚く結貴でしたが、かつて自身の吸血鬼の血を忌み嫌っていた彼は、みどりの話を受け止められるほどに成長していました。

そして、いよいよつかさとの再会を果たします。2人は言葉少なに互いの体を抱きしめて、自身の帰るべき場所を確認したのでした。

著者
花田 陵
出版日

10巻で書かれるのは、レミやハイブリット計画という物語の根幹にまつわる話。これまで謎にされてきた部分が明らかになります。

しかし読者が待ち望んでいたのは、やはり結貴とつかさの再会ではないでしょうか。結貴の帰るべき場所はつかさのもと、つかさの帰るべき場所は結貴のもと、それこそが『デビルズライン』のあるべき姿です。

再会した2人はすぐに「吸血欲コントロール訓練」をおこないます。しかし今回は、前回のようにただイチャイチャするのではなく、より具体的な行為をするための訓練です。

その行為とはどんなものなのか……ご自身の目でご確認ください。

クイーンのテロが動き出す!【11巻ネタバレ注意】

前巻から性欲と忘我を理性で抑える「吸血欲コントロール」が続きます。つかさは結貴が李のようにずっと理性を維持し続けることができないということで、「自分の触ってほしい場所」を彼に触らせます。

そこから結貴は彼女を「いかせ」、つかさは気持ち良さに頭がぼうっとしてしまいます。そしてつい危険性を忘れてしまい、結貴を変化させてしまうのですが、監視していた北芝が全拘束のボタンを押し、何とか難を逃れました。

そして今度は逆につかさが結貴に触り始め……。

著者
花田 陵
出版日

11巻ではこちらまでドキドキしてしまうようなふたりの交感も見所ですが、今までの伏線がどんどん回収されるスピード感からも目が離せない内容となっています。

結貴の父のについてや、ゼロナナの過去、厚労省で務めるゼロイチ、クイーン神崎の登場など、どんどんストーリーが動いていきます。

巻末の言葉は、「クイーンのテロはまだ、終わっていない」。これよりさらにダイナミックな展開が訪れるのかと思うとますますワクワクします!ストーリーも大詰めですね!

クイーンの前日譚で描かれる、切ない恋物語【12巻ネタバレ注意】

11巻では結貴とつかさの恋愛模様が多めに描かれ、テロに向けての動きは少なめでした。12巻でもテロの動きというよりは、この騒動のもととなったクイーンの切ない恋物語がメインで描かれます。

物語の始まりは2002年、某国郊外の診療所。そこでは自らに「壁が2つある」と語るカンザキ(クイーン)が働いていました。ある日、彼はエカという変異不全症の鬼と出会って……。

著者
花田 陵
出版日

変異不全症とは、吸血欲もなく、変異もしない、ヒトとほとんど同じ体質の鬼のこと。彼と出会い、恋に落ちることで、カンザキは鬼への理解が深まります。

そして鬼を集めて人間との臓器移植手術を行なっているヤブタという医者を探すことをきっかけに来日した2人は、そこから鬼もヒトも変わらないという信念を持った者で構成される居場所をつくろうと動き始めるのでした。

そしてそれぞれの過去は、クイーンが引き起こす現在のテロの時間軸に繋がっていくのです。各々が自分の考えを改め、大事だと思える相手と歩み寄る様子が見られます。

「血の一日」と呼ばれる計画が動いているそのなかで、彼らの交流はより尊く感じられます。そしておそらく、それが今後の希望に繋がる伏線になるのではないでしょうか。

決戦の日、その時刻に向けて絡み合うそれぞれのストーリーに引き込まれる内容です。

 


本作を通して吸血鬼の魅力に取りつかれたという方は、吸血鬼の登場する漫画を紹介した<吸血鬼が出てくるおすすめ漫画ランキングベスト6!>の記事もおすすめです。

吸血鬼と人間の恋を描く『デビルズライン』、興味を持っていただけたでしょうか。切なさと甘さが入り乱れる本作は一見の価値ありです。

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