『ふしぎ遊戯』白虎編が始動!朱雀・青龍、玄武開伝の見所を厳選して考察!

更新:2021.11.27

最新作<白虎仙記>の連載が決定した『ふしぎ遊戯』。シリーズものとして長く続いており、ゲーム化にアニメ化、さらには舞台化までされた人気作品です。今回はそんな本作の魅力を、各シリーズのエピソードを交えて、徹底紹介します。

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漫画『ふしぎ遊戯』の魅力とは?

『ふしぎ遊戯』は1992年から4年間にわたり「少女コミック」誌に掲載された渡瀬悠宇の漫画です。本作はアニメ・ラジオドラマ・舞台・ビデオゲームと様々なメディアに展開されました。

高校受験を控えた中学3年生の夕城美朱と本郷唯は親友同士。ふとしたきっかけで図書館の書庫に迷い込み、<四神天地書>と書かれた古い和綴じの本を見つけます。その本がきっかけで中国風の異世界へ飛ばされてしまい、それぞれ<朱雀の巫女><青龍の巫女>として<七星士>と呼ばれる異能の者たちと共に数奇な運命をたどることになるのです。

ちょっとした行き違いや策略により、敵対する事になってしまった2人の少女が、恋愛に悩み苦しみ、大事な人を失う痛みを乗り越え、成長しながら信じる心を取り戻していくという重くなりがちなテーマを、ふんだんに盛り込んだギャグで軽やかに描いた本作。また、少女漫画らしい可憐な絵柄でありながら、ヒロイン2人を含め、ちょっとしたお色気シーンも多いです。女性のみならず、男性のファンをも多く取り込んだ秘訣ではないでしょうか。

著者
渡瀬 悠宇
出版日

「朱雀・青龍編」見所シーン1:唯の絶望(第16回 青龍の巫女)

美朱と唯は、受験を控えた中学3年生。図書館で勉強中、ふとしたきっかけで書庫に入り込み、<四神天地書>という不思議な本を手に取ります。おまじないの本のように見えたその本が急に光を放ち、2人は本の中に吸い込まれてしまいました。

そこでいきなり人さらいに襲われかけますが、通りがかった額に「鬼」の字を持つ不思議な少年、鬼宿(たまほめ)に助けられます。お礼を言う2人に、「助けてやったのだから銭をよこせ」と世知辛い一面を見せた残念なイケメン。彼の振る舞いに唖然とする間もなく、2人は元の世界に戻ることになりました。

著者
渡瀬 悠宇
出版日
2003-08-01

その翌日、母親と口論の末に図書館にまたやってきた美朱は、本の中に再び取り込まれます。そんな美朱を探しに出た唯が、今度は美朱と入れ替わりに本の中へ。それを知った美朱はいろいろ重装備をそろえて本の中に飛び込みます。現実世界では唯が消えてから一晩しか経っていないのに、本の中では3ヶ月以上も経過しており、唯はすっかり美朱のことを信じられなくなってしまっていました。

本の中に迷い込むなり、暴漢に襲われて操を失ったこと。自分が呼びかけても美朱が応じてくれなかったこと。美朱が自分と敵対する<朱雀の巫女>として、ほんのり恋心を抱いていた鬼宿と親密なこと……。

そしてついに、自分も<青龍の巫女>として、美朱と敵対することを決めてしまいます。それが、青龍七星士の筆頭、心宿(なかご)の策略であるとも知らずに。

「朱雀・青龍編」見所シーン2:蠱毒(第28回 哀の序曲)

著者
渡瀬 悠宇
出版日
2003-09-01

虜囚として倶東国に捕らわれている鬼宿。なんとか彼に美朱への思いを断ち切らせたい唯に、心宿はある薬を渡しました。とはいえ、唯はそれをなかなか鬼宿に飲ませることができず、口論の末、口移しで強引に飲ませてしまいます。

すると薬の効果で、すっかり心宿の言いなりになる人形になってしまった鬼宿。美朱に暴力を振るい、自分の書き置きのことも忘れてしまったかのようにふるまう彼に、美朱はすっかり傷つき、唯も戸惑いを隠せません。

この時のことは鬼宿が正気にかえってからも、しばらく尾を引きます。かなり後々まで「あの時はひどかった」と美朱から口酸っぱく言われてしまうのです。そのくらいにひどい出来事でした。

「朱雀・青龍編」見所シーン3:北甲国での別れ(第47回 ずっと見てるから)

たおやかな見かけと裏腹の怪力を誇る朱雀七星士の柳宿(ぬりこ)。普段は女性のように振る舞っていた彼は、北甲国で玄武の神座宝を探索する旅の途中、動きやすいからと男性の装束に身を包み、髪をすっぱりと切り落として、生来の姿に戻ります。「もうオカマは潮時」とあっけらかんと笑う柳宿でしたが、美朱や仲間の七星士たちを見つめる温かい眼差しは、頼り甲斐のある姉のようであり、優しい兄のようでもありました。

神座宝の行方を求めて手分けして探索を続ける中、柳宿は美朱と2人でいるときに、青龍七星士の1人、野生の狼の性質を帯びた尾宿(あしたれ)に襲われてしまいます。かすり傷を負いながらも美朱を守り抜き、尾宿を撃退した柳宿は、自分の中に眠っていた美朱に対する熱い想いを自覚しました。急に柳宿が頼もしくなったわけを知りたがる美朱の額にこつんと自分の額を押し付け、甘やかに囁く彼がとても印象的なシーンです。

著者
渡瀬 悠宇
出版日
2003-10-01

その夜、「男として美朱の事が好き」とさらりと鬼宿に打ち明けながら、他の七星士たちもみんな好きだとにこにこ笑う柳宿。その翌日、たった1人で尾宿と対峙して致命傷を受けてしまいます。なんとか神座宝への道筋をつけたところで力尽き、美朱と鬼宿に看取られて息を引き取ってしまいました。

柳宿の死を受け入れられず、取り乱す美朱。傷つき、血まみれの遺体を癒し、清める軫宿の「いつもきれいにしていたからな」という何気ない一言が胸を打ちます。

そして気持ちを整理し、柳宿に別れを告げ、神座宝の番人である玄武七星士の試練を受けた美朱は、無事<玄武の巫女>が依代として使ったとされる首飾りを手に入れますが、大きな狼に奪われてしまいます。それは、尾宿の成れの果てでした。尾宿は心宿に神座宝を届けますが、報われることなく心宿に惨殺されます。その冷酷無比なやりように、心宿に心を寄せていたはずの青龍七星士の紅一点、房宿(そい)がショックを受けていた姿が印象的です。

「朱雀・青龍編」見所シーン4:兄弟の絆(第60回 復活の陽光)

西廊国に残された、白虎の神座宝を目指す朱雀一行の前に、幻術を使う氐宿(とも)が現れ、次から次へと罠を仕掛けてきます。そんな中、傷ついた美朱を助けてくれたのは、張宿(ちりこ)になりすまして朱雀召喚の儀式を妨害し、川へ転落して死亡したと思われていた、亢宿(あみぼし)だったのです。彼は記憶をなくしたふりをし、西廊国辺境の村で穏やかに暮らしていたのでした。

著者
渡瀬 悠宇
出版日
2003-10-01

氐宿と房宿の2人がかりで朱雀七星士と美朱と、彼女を守ろうとする亢宿は苦戦しますが、兄の生存を知り駆けつけた双子の弟、角宿(すぼし)の助けもあり、氐宿を打ち破ります。角宿は負傷した亢宿に忘れ草の汁を飲ませ、縁を切りました。争いごとを好まない兄に、これ以上無理をさせたくなかったのと、自分自身は唯に焦がれており、彼女のそばから離れたくなかったからです。

一途で兄思いの角宿に、きゅんとさせられるのではないでしょうか。

「朱雀・青龍編」見所シーン5:青龍への3つ目の願い(第75回 バイバイ…)

神座宝を手に入れ、青龍を呼び出した唯。1つ目で朱雀を封印して<朱雀の巫女>と<朱雀七星士>の力を封印し、2つ目の願いで自分と美朱を元の世界へ移動させます。それで美朱と鬼宿を引き離したかったのに、なんと鬼宿は美朱を抱きしめてこちらの世界についてきてしまったのです。唯は心宿のピアスを通じて連絡を取り、こちらに来て手を貸すよう頼みますが、心宿がよこしたのは角宿でした。彼もまた、唯の制服のリボンを媒介にして、こちらへ渡ることができたのです。

鬼宿との死闘の末、角宿は自らの武器で命を落とします。落命の瞬間、記憶をなくしたはずの亢宿が何かを感じ、涙をこぼすシーンは心に残るのではないでしょうか。

美朱は角宿が握っていた唯のリボンを、本人に返します。そして、唯は男たちに汚されていなかったのに、心宿がそう思い込ませて利用したこと、<四神天地書>の著者である大滝永之介が、親友に宛てた手紙を見せ、巫女は願いをかなえると、神獣に食べられる運命にあることを伝えました。

戸惑う唯の元へ、心宿が現れます。真実を尋ねる唯に、すべて唯が選んだことだと傲然と言い放つ心宿。彼が真実自分の味方ではなかったと知った唯は、美朱に素直に気持ちを伝え、3つ目の願いを唱えるのでした。その内容とは……ぜひ、本編をお読みください。

著者
渡瀬 悠宇
出版日
2003-11-01

本記事で紹介しきれなかった人物もエピソードも、何よりギャグの数々も、すべておすすめです!
 

また、第一部は第77回で一度終了しますが、高校進学後の美朱を中心にした第二部へと物語は続きます。美朱の恋の行方を結末まで見届けましょう。

続編『ふしぎ遊戯 玄武開伝』の魅力とは?

『ふしぎ遊戯 玄武開伝』はシリーズ作品として2003年にスタートした作品ですが、幾度か掲載誌の変更を経て2013年に完結しました。作中の時間は前作よりも200年近く前の時代の設定で、作中で伝説としてちらりと語られた<玄武の巫女>の物語です。

奥田多喜子は大正時代に生きる、薙刀が得意な17歳。肺を患う母の看病の傍ら女学校に通い、取材に出たまま帰らぬ小説家の父・栄之介を嫌っています。父の知人である編集者の大滝にほのかな恋心を抱いていますが、大滝には妻子があり、打ち明ける事は叶いません。

ある日、中国での取材を終えて帰った栄之介は<四神天地之書>という伝説の書物の翻訳に心血を注ぎますが、その完成の直前、母が息を引き取ってしまいました。ショックで家を飛び出した多喜子は、後を追ってきた大滝に勢いで思いを伝えますが、受け入れられる事はなく、さらに悲しみを深める事となります。そして完成したばかりの<四神天地書>を栄之介から取り上げた多喜子は、本の中に取り込まれてしまい、激動のドラマが始まるのです。

誰にも必要とされず、居場所のない想いを抱えた主人公たちが、厳しい運命に立ち向かっていく物語。こちらもドラマCDやゲームへとメディアミックスされています。

そして2017年8月発売の10月号より、シリーズ最新作『ふしぎ遊戯 白虎仙記』が月刊Flowers誌上で連載スタートしました。大杉の娘、鈴乃が<白虎の巫女>として活躍するこの物語を2倍、3倍に楽しむためにも、前2作にさらりと目を通しておくことをおすすめします。

「玄武開伝」見所シーン1:玄武の巫女(第2回 風斬鬼リムド)

多喜子が<四神天地書>に吸い込まれたのは、久しぶりに帰宅した父・栄之介が、病床の母を見舞うでもなく、執筆に没頭した本を引き裂こうとした時です。いきなり自宅の庭から、雪山に飛ばされ、目の前には岩肌にくくりつけられた手負いの少女、そして突如湧いて出た不気味な化け物たち。その状況に腰を抜かすでも気絶するでもなく、武器になるものを探して立ち向かおうとする彼女の強さに、胸が躍ります。

結局、その場を切り抜けるのは弱ったふりをしていた手負いの少女……実際は力を発動させて女体化していた女宿(うるき)ことリムド・ロウン(男性)だったのですが、怪物を倒した後に、倒れてしまった女宿を担いで山を降りようとするあたり、並のヒロインではありません。

でも、もちろん見知らぬ土地の事、どちらに行けば良いかわからない彼女の前に、不思議な子供(太一君)が現れ、「きたな 『玄武の巫女』」とにっこり笑って街の幻を見せてくれたのです。それで無事宿にたどり着く事ができたのでした。

多喜子が<玄武の巫女>と呼ばれたのはこの時が初めてになります。そして宿で回復した女宿から<四神天地書>と<玄武の巫女>について簡単に聞かされ、自分の置かれた立場を知るのです。

著者
渡瀬 悠宇
出版日
2003-10-25

女宿を狙う賞金稼ぎの少年、チャムカ(虚宿(とみて))に襲われ、女宿の連れと間違われてさらわれてしまうのですが、彼もまた七星士の1人であると知り、物語は序盤からテンポよく進んでいきます。

母を亡くし、父に疎まれ、大杉への片思いも実らず、元いた世界では誰にも必要されていないと思い込んでいた多喜子にとって、<玄武の巫女>である事を求められ、誰かに必要とされていると思えたのは、一条の光でした。

右も左も分からない世界で、「自分は求められている」という実感が、彼女の中で大きな支柱となったのです。

「玄武開伝」見所シーン2:「これからはお前のそばにいる」(第10回 そばに、いる)

多喜子が巫女としての力を発動させたどさくさに紛れ、虚宿の攻撃を逃れた女宿は、従者のソルエンと落ち合い、かねてからの計画通り倶東国に潜入しようとしていました。彼は実は北甲国の皇帝の兄の息子にあたる王族なのですが、父親に疎まれ、幼い頃から命を狙われていたのです。

偶然山賊が凶行を働いている現場に行き合わせ、<七星士>としての力は使わず、武器だけで山賊たちを片付けていきますが、その様子を見ていた倶東国の皇太子・玻慧に気に入られ、傭兵として採用されてしまいます。

そんな経緯があって、なかなか多喜子のそばにいてくれない女宿でしたが、室宿(ほつい)、壁宿(なまめ)と一筋縄でいかない<七星士>たちが次々と彼女の味方についてくれたことにより、多喜子の身辺を守ってくれることになりました。

著者
渡瀬 悠宇
出版日
2005-05-26

ところがふとしたきっかけで多喜子と口論になり、自分を拒絶しようとする空気を恐れる多喜子を泣かせてしまいました。「大っ嫌い!」と女宿の胸を打つ多喜子の手を抑え、女宿から多喜子に口づけします。

「お前、巫女じゃなければよかったのに」

そしてまた女宿が多喜子のそばを離れた時、倶東国の傭兵たちが襲ってきて、虚宿を人質に取られてしまいます。その危機を救い、ついに傭兵として雇われていた倶東国に別れを告げ、これからは多喜子のそばにいると誓ったのでした。

「玄武開伝」見所シーン3:星還り(第24回 星還り)

斗宿(ひきつ)、牛宿(いなみ)と順調に七星士を味方に迎える多喜子。しかし、7人目の<七星士>は、女宿を殺そうと付けねらう黒衣の男、ハーガスです。正確に言うと、ハーガスには双子の兄がいて、<七星士>の能力は2人で分かち合ってしまったのだと言います。そのため、2人の「証」は「危」という字が分割してそれぞれの体に現れているのです。

兄のテグは宮城の奥深くにとらわれており、国王のみがそこに至る鍵を持っています。ハーガス1人だけでは、七星の1つとして機能しません。

その事を知り、テグを助け出す事ができたら自分に力を貸してくれとハーガスに頼む多喜子でしたが、再びとらわれの身となり、ソルエンとともに首都へと連行されてしまいました。

その途上、オロコ渓谷で、ソルエンはハーガスから多喜子の命と引き換えに、女宿を呼出せと脅されます。それを表向き承知したソルエンは、多喜子に薬と称して「トカの実」を与えました。「トカの実」を食べた者同士は、遠く離れていても匂いでお互いの居場所がわかるのです。ソルエンは、自分の代わりに多喜子と女宿を繋いだのでした。そして十分に多喜子を自分と引き離して安全を確保したのちに、自爆したのです。

著者
渡瀬 悠宇
出版日
2008-03-26

自分の半身とも兄とも慕っていたソルエンの死に、女宿はひどいショックを受けて、力を暴走させます。その力を感じ取ったテグは、七星士の力を弱体化させる歌を歌い、その歌は風穴を通り抜けてオロコ渓谷にまで届きました。それを受けて女宿は力を失い、森に墜落します。そんな彼を、「フィルカ」という謎の女性が助けるのでした。

フィルカらに傷の手当てを受けた女宿は、森でハーガスからソルエンの形見として彼の太刀を受け取ります。その太刀を依り代にして、フィルカは弔いの儀式である「星還り」を行いました。

身近な人の死を受け入れることの難しさ、女宿の生来の純真さ、そういったものをしみじみ感じられるシーンです。

「玄武開伝」見所シーン4:発病(第28回 貴方と違う腕)

星還りの儀式の後、女宿は太一君から巫女と神獣召喚の関わりについて、重大な事を聞かされます。そこで彼は、神獣を召喚した巫女が神獣にその命を食われる、という事を初めて知りました。

一方で多喜子は、ハーガスに仲間になってもらおうと彼を森で待ち続けます。ソルエンの形見を届けに来てくれたハーガスの態度に、歩み寄りを感じられたからこその事だったのですが、数日を経て、ようやく現れたハーガスは「待つな」と仲間になる気のない事を伝え、帰って行きました。

力を落とす多喜子に、仲間たちは突き放すような態度をとります。<七星士>たちは、太一君の話を受けて、ハーガスを仲間にしない限り玄武の召喚はできないため、玄武の助けなしで国を立て直す事、ひいては多喜子を元の世界へ帰す事を視野に入れて動き出しました。

そんな彼らを見て、自分は必要とされていない、とショックを受けてしまう多喜子。巫女としてでなく、女としても女宿に必要とされていないと、傷心のまま現実世界へと引き戻されました。

そしてすべての経緯を知っている父・永之介のもとに帰り、母の通夜を済ませ、呆然と過ごしている多喜子のもとに、親類が縁談を持ち込みます。及川という若い医師は多喜子の母の主治医で、母の治療をしているうちに多喜子を見初めたのだそうです。大変優しい男性で、多喜子も一度は話を受けたのですが、やはり女宿の事が忘れられず、断ろうとした矢先、咳から吐血してしまいます。

多喜子は母と同じく、肺を侵されてしまったのでした。

著者
渡瀬 悠宇
出版日
2008-09-26

サナトリウムへ隔離し、治療を受ければ延命できると強く勧める及川医師。でも、女宿を思う気持ちに偽りはなく、多喜子は及川との婚約を断ります。及川は、ありったけの薬を多喜子に渡して、幸せになって欲しいと微笑むのでした。

永之介は、どうにかして<四神天地書>を始末しようとしますが、燃やしても燃えず、破り捨てる事もできません。山奥に捨ててしまえ……と持ち出しますが、多喜子に見つかり、押し問答の末、池に放り投げてしまいます。

永之介は<七星士>たちの気持ちを代弁し、同じように自分もここでお前に長生きして欲しいのだと伝えますが、それがむしろ多喜子の気持ちを後押ししました。死にに行くのではなく、みんなと生きるために帰るのだと。

求められているかどうかではなく、自分がどうしたいのか。多喜子はついに、自分で自分の居場所を見つけたのです。

「玄武開伝」見所シーン5:玄武召喚(第39回 召されしもの)

本の中に戻った多喜子は女宿と再会を果たし、女宿は多喜子を「妻」にする事で、玄武の召喚を阻もうとします。しかしおとめでなくなれば、巫女の資格を失うことを知った多喜子は、首を縦に振りませんでした。2人の絆は清らかに固く結ばれ、純潔は守られたのです。

物語はクライマックスに向けて収束していきます。皇帝とその兄・女宿の父であるテムダン王との確執、そのカギを握るテグとハーガス。それぞれの思惑が絡み合います。皇帝は実験に失敗し命を落とし、次にハーガスはテグと再会を果たしたものの、ハーガスがその身を挺して落石から兄をかばったことで、命を落としてしまいました。この事により、七星の宿命はテグが一身に受ける事となり、危宿としてハーガスの記憶も引き継いだのです。

そしてかりそめの玉座についた父の喉元に、刃を突きつけた女宿は、結果として自らの手を汚す事なく、父を失います。皇帝の腹心が生き延びていて、彼がテムダン王の胸に刃を突き立てたのでした。

これにより、女宿は王から譲位され、正式に皇帝の座を継承したのです。

著者
渡瀬 悠宇
出版日
2013-05-17

国政の全権を掌握した女宿は、まず国庫を開いて食糧難に苦しむ民に配るとともに、倶東国の襲撃に備えようとします。しかし敵は、首都のすぐ外まで迫っていました。

なんとか玄武を召喚せずに対抗しようとしますが、急激に強まる寒気に、人の力ではどうにもならない事を悟った多喜子は、玄武召喚を試みます。はたして国を守ることはできるのでしょうか?

感動のクライマックスはぜひ、あなたの目で体験してください!

「白虎仙記」は、<白虎の巫女>大滝鈴乃が主人公です。白虎七星士の幾人かは『ふしぎ遊戯』でも活躍していますが、彼らの物語が読めるのはとても嬉しいですね。早速追っかけようと思います!


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