ロスト・ジェネレーション――。これは僕がバンドをやり始めたとき日本の音楽シーンの背景を表したとある本の言葉です。前々時代とは違い社会的反骨精神もいらない。やりたいことをやれる。オーバーグラウンドでもアンダーグラウンドでも自由です。たぶん、平和ボケ(ん?音楽ボケ?)ってところもあります。それゆえの無から生まれるどこか空虚感と焦燥感を帯びた内閉的衝動サウンド。つまりオルタナティヴです。たぶん当時のロックです。 出自というものがありますので、皆さんのイメージがどうかはわかりませんが、身体的にそんな背景が幼少期から埋め込まれているメンバーが集まるバンドがモノブライトなんだと思います。こんにちはギターの松下です。
オフィシャルHP等で発表されておりますが、今月から始まるツアーをもってモノブライトは活動休止いたします。理由はまぁいろいろ!です。10年以上続けてきたいろいろです。といっても少しは説明します。いや、すみません、ちょっとはしたいっす。
冒頭の続き。あくまでそんな時代遅れの一バンドとしての話。バンドも作る音楽も自由で無から生まれるサウンドが僕らのオルタナティヴ・ロックであると思ったんですね(個人的。本の言葉を借りますが、歌でも曲でもなくバンドは渦であるものといいますか)。最大はその核をコマーシャリズムとか商業音楽といった外的要因から守りたかったことが大きいです。
ルーツがあるようで無い、無いようでいや、ある。もちろんそんな“フワフワ”だからきっとスタッフと何よりファンは折に触れて理解ができないことも多々あったと思います。腹立たせながらそれでも根強く支えてくれた。本当に感謝しています。
こんなことを書こうと思ったのも最近手に取った本のおかげもあります。
ということで、今回はわがままながらここ約20年の日本の音楽シーンを回遊できる本をご紹介いたします。
- 著者
- 南田 勝也
- 出版日
- 2014-04-05
ニルヴァーナ時期のグランジからのオルタナティヴの始まり。日本の音楽への影響。イカ天話。……などから始まります。渦中にいたであろうミュージシャンたち。ブルーハーツ、ゴーバンズ、フリッパーズギター、ピチカートファイブ、奥田民生、スーパーカー、中村一義などなど中には当時のインタビューを抜粋したものもあって勉強しながらも読みごたえバツグン!
- 著者
- ["くるり", "宇野 維正"]
- 出版日
- 2016-09-16
くるり。大好きです。
日本で最もCDが売れた1998年にメジャーデビューを果たしたくるり。右肩下がりの音楽業界と闘った20年をインタビュー形式で綴っている本。ミュージシャンにとって希望となるミュージシャンがいる。本当にその存在に助けられていると思う。
- 著者
- 椎名林檎
- 出版日
- 2014-12-25
2007〜2014年に雑誌で掲載されたインタビュー等をもとにソロと東京事変でのキャリア、その中での時代の変化・変歴を読み解ける一冊。変わり続ける取り巻く環境の中で音楽家と呼ばれる方々は日々猛烈な闘いをしている。すごすぎ。これ。
俺の偏ったコレクション。
本と音楽
バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。