閑話休題、薬物(クスリ)問題。~新・"やまゆう"のなまぬる子育て相談処~

閑話休題、薬物(クスリ)問題。

子育て中の皆様ならびにそうでない皆様、アンドおとっつあんおっかさん、おつかれさまです、やまゆうです。

そろそろご指摘をいただくかと思うので先に自分で言いますが、「子育て中の皆様」と「おとっつあんおっかさん」はほぼほぼ同じですね。頭痛が痛い。てへぺろ。

今年もインフルエンザが蔓延しておりますが、みなさまお元気でお暮らしでしょうか。

うちも世間さまの流行に乗り遅れまいと、10月半ばに3才のお子が急な発熱と夜中の嘔吐、翌日夫が倒れ、さらにその翌日わたしも立派に風邪の諸症状が。なのにお子は鼻ずるずる言わせながらも家中を縦横無尽に走りまわり、やめてやめて、こんな状態の父ちゃん母ちゃんの腹の上に突然ダイブするのはやめてェ~~。

84才義父のみがすげえ元気ですよ。ほんとなにより。

これね、育児あるあるすぎてもう、ことさら言うのも何なんですけど、なんで、お子から親にうつる風邪って、こんなしんどいのかしらん。

代謝の差、かい?これが若さってもんかい?

病院行って、親子共々診てもらって、お薬もらって。お子はほんの数日でけろりと復活、父母はずうぅっとごほごほ咳して、ずうぅっと気分が優れず、それでもようやく復調の兆し、そこへお子、今期2度目の風邪ゲットだぜ!あああ。

あれよあれよという間におでこ熱々、顔真っ赤。あわてて近所の小児科へ。

「あー、扁桃腺だね。これから39.5度くらいまで上がるけど、まあ、動揺しないように」

先生さまよ、わしら夫婦、お子の熱に、いつでも動揺する用意ができている!

お子の熱って、ほんと急激に上がるのでね。あからさまにぐったりするし。

普段が普段だけに(例:飛び跳ねる、走り回る、転げ回る)、かごの底に横たわる小鳥のようなお子の様は、やはりどうしたって落ち着いて見てはいられないものです。

そして決まって真夜中に突然吐きます。

うちのお子は、中でもどうやら吐きがちな性質のようで。

全人類を、「吐く人間」と「吐かない人間」の2つに分けるならば、わたしも夫も確実に吐く側の人間。お子には申し訳ないが、これも立派な負の遺産。メンゴメンゴ。

なので、嘔吐への対処ももはや手慣れたもんですよ。

一瞬の前兆音に飛び起きる午前1時。

枕元常置のバケツをあてがって、背中さすって落ち着かせて、しかしそれも間に合わない悲劇のあとは、パッドやらシーツやらはがしてざっと洗って洗濯機へ。

泣くお子のパジャマを手早く脱がせてシャワー浴びさせて。

その道すがら廊下や階段に点々と残る汚れを拭き取って、消毒スプレーしゅっしゅして。

父と母の作業分担の素早さったら。プロだプロ。

柄×柄。クスリのせいか動きがにぶい。

とまあ、ここまではいい。

その後持ち上がるのは、薬物問題です。クスリだクスリ。

クスリ、飲まねえでやんの。

いろんな手をためしてきました。主に粉薬ですが。

  • 少量の水で練って、団子状にし、上あごに貼り付けて、水を飲ませる。 
  • お薬をくるむゼリーを使う。 
  • ごほうびにチョコを用意して、説得する。 
  • アイスクリームに混ぜ込む。 

一度通用した手が、どんどん使えなくなっていくのでね。毎度更新。いたちごっこですよ。相手も、知恵がついてくるからね。

今期1度目、シーズンⅠの風邪に、それまで万能だった「ごほうびチョコ」が急に失効、試行錯誤の末、アイスに移行しました。

やはり少量の水で溶いた薬を、小さいカップアイスの上辺に練り込み、木のスプーンさして特別感を演出して、

「特別に~~これなーんだ!アイスだよ~~!」

「アイス?!たべるーーー!」

よろこんでぱくぱくクスリ摂取。よしッ。

クスリ一発キメると、いつもより眠ってくれますからね。この頃あまりしなくなってたお昼寝が復活、母ちゃんつかの間の休息ですよ。ありがたい!

それでも毎回のアイスは飽きるのでは、との親の心配をよそに、もはやジャンキーかよってくらいアイスに夢中。食後どころか、朝起きた直後にいそいそ部屋出てったなあと思ったら、にこにこアイス持って戻ってきて、

「ハイ、これ」

いやいやいや。ハイ、じゃねえ。

そして迎えたシーズンⅡ。

今回もクスリ仕込んだアイスをご用意いたしました。急だったのでカップアイスがなく、冷凍庫にあったピノに真横に切れ目入れて、そこへ水溶きクスリをサンド。

すると、前回からほんの1か月なのに

「・・・アイス、いらない」

「あーとーで。とっとくの!いま、いらない!」

いやいやいや、いま!いま飲んでほしいんだ。とっといて、って、あんたいつもそのまま結局食べないじゃん。

それならと『いっしょに食べよう作戦』、ゴー。

「じゃあ、母ちゃんといっしょに食べようか!うれしいねえ!」

「ハイ、これセイくん(仮名)の分ね~(クスリ入り・ピノ)」

「かあちゃんもいっしょに食べるね~(素・ピノ)」

「・・・そっちの、ちょーだい。こっち、あげるね?」

パクパク。薬入ってない方をさくっと食べ、薬入りを母ちゃんへ。

「・・・え、えーーなんでーー、あ、えっと、じゃあ、こっちも食べなよ~こっちのもおいしそうだよ~」

「食べて」

「・・・え」

「そっち、食べてみて」

・・・わたし、3才児に、試されている?

こういうシーン、映画で観たことある。中国の宮廷ものとかでさ、悪い宦官が毒入りの酒とか皇帝に飲ませようとするんよな。そんでそれに気づいた皇帝が相手にわざと自分のやつ飲ませて、宦官は暗殺計画がバレて、処刑されるんよな。

・・・て、なんでわしが、悪い宦官やねんな。

よしわかった、クスリ、飲んでもらうためには手段は選ばん。

試されているなら、受けて立つぜ。クスリ部分を残さなきゃいけないので、ピノの端っこをほんのすこーし囓るだけで最大級の喜びを表現する、渾身の演技をご覧あれ。

(ピノひとなめ)

「うわああ!なにこれ、このピノ!おいしい~~い!ほんっとうに!おいしいなァ~~今までで一番おいしいピノだ~~~」(ちらっ、と様子をうかがう)

「え、これぜんぶ、母ちゃん食べちゃっていいの?わああ、やぁったああ!」(ちらっ)

「ごめんね~~じゃあ食べちゃうね、いっただっきまぁ~~す!!」(ちらっちらっ)

「・・・・・・そっちも食べる」

かかった!!

心の中でガッツポーズ。ああ、この達成感。今わたし、まぐろ一本釣り漁師です。

そんで、1日に3回、ごはんの度にこれやるからね。まぐろ、何本釣らなあかんねんな。ほんま、かんべんしてや。

自分語りで恐縮ですが、わたし子どもの頃とにかく薬が嫌で、まあ薬が好きな子どもなんてものはいないんでしょうけど、粉薬を飲まされるたび、毎回リアルに吐いちゃっていたので、嫌がるお子の気持ちは大変よくわかる。

小学校2年生くらいからは

「吐くとあかんで、外で飲んでくるわー」(三重弁)

つって、水と薬持って外いって、庭に捨ててたもんな。やれやれ。

思うに、おそらくこれから数年のうちに、お子もこれと同じことをやるだろう。蛙の子は蛙。

しかし、母ちゃんは薬捨てのプロ、お子の手の内などすべてお見通しだ。

薬を捨てに行くお子の後をこっそり尾行、捨てる瞬間をケータイで激写し、証拠品を意気揚々と持ち帰り、しらばっくれるお子の眼前に動かぬ証拠をつきつけるだろう。

「あなたが今捨てた薬は、これですね?」

2時間ドラマのクライマックスだ。やっすいな!

こんな妄想してるのもすべて、現実逃避から。そう、母もまたがっつり風邪もらいました。もちろん、できる限りの対策はしたのよ。手洗いして、うがいして、酵素飲んで、スムージー飲んで、カイロ貼って、できるだけ消化にいい物食べて。

それでもお子の病気は、かならず、感染るんです(吉田戦車)。あーあ。

年末?大掃除?知ったこっちゃねえ。生きてるだけでまるもうけだ、ちくしょうめ。

みなさまもどうぞよい新年をお迎えください。

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次回:1月3日水曜更新予定

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