漫画『鋼の錬金術師』エドワードの魅力を徹底紹介!最終回ではどうなる?

更新:2021.11.12

『鋼の錬金術師』の主人公・エドワード・エルリックは、史上最年少で国家錬金術師となった天才錬金術師。低身長に悩む16歳の少年が、戦いの旅を通し様々な人と触れ合い、大きな試練に立ち向かいます。果たして最終回ではどんな成長を遂げるのでしょうか?

ブックカルテ リンク

『鋼の錬金術師』主人公エドワードとは

著者
荒川 弘
出版日

 

『鋼の錬金術師』の主人公・エドワード・エルリックは「鋼」という二つ名を持つ国家錬金術師。史上最年少でその資格を得たことから天才錬金術師と呼ばれることもしばしば。

これまでも多くのメディアミックスがされた『鋼の錬金術師』。2度のアニメ化ではエド役を声優・朴璐美が演じ、2017年12月1日から公開された実写映画では、Hey! Say! JUMPの山田涼介がエドを演じています。

それでは様々なメディアでも活躍する、エドの魅力に迫ってみましょう!


山田涼介が出演した作品を見たい方は、こちらの記事もおすすめです。

山田涼介は役作りのセンスも抜群!実写化出演した映画、テレビドラマを原作と一緒に紹介

マンガUP!で無料で読んでみる

母親の命とニーナという少女から始まる旅

母親の命とニーナという少女から始まる旅
出典:『鋼の錬金術師』6巻

『鋼の錬金術師』の世界において「人体錬成」は、禁忌とされています。しかし、家に帰らない父のいる家庭で育った幼いエルリック兄弟にとって、亡くなった母親を人体錬成によって蘇らせるということは最優先事項でした。

ほんの一瞬だけ母親の錬成に成功したと思ったのも束の間、母は人外の生物として錬成されすぐに絶命、さらに人体錬成のリバウンドの為、エドワードは左足を、アルフォンスはその身体全てを失ってしまいます。自分達の身勝手な考えのせいで、母親を再び殺してしまったという罪は、エドとアルの心に消えない傷となって残り、禁忌を犯した罪は彼らの身体に深く刻まれたのでした。

そんな彼らでしたが、その後自分達の身体を取り戻すため、国中を旅し人体錬成に関する情報を収集する事にします。そんな中で出会ったのが、合成獣の権威「綴命の錬金術師」ショウ・タッカーです。

’人語を話す’合成獣の錬成に成功した事で国家錬金術師となったタッカーでしたが、その実態は自分の妻と動物を使い合成獣を錬成したマッドサイエンティストだったのです。人間、ましてや自分の家族よりも自分の研究を重要視していたタッカーは、国家錬金術師を続けるための研究結果を残すため、最終的には自分の娘のニーナをも研究材料とし合成獣に錬成したのでした。
 

出典:『鋼の錬金術師』2巻

その後、軍によってその身柄を拘束されたタッカーとニーナでしたが、スカ―に殺害されてしまいます。ニーナを人間に戻すことも叶わなくなったエドとアル。何もできなかった二人は、自分達がただの人間であることを痛感したのでした。

このニーナを助けられなかった悔しさは、母親の時と同様エドとアルの心に深く刻まれ続けることになります。しかしこの経験があったからこそ、彼らは錬金術で苦しむ人々を助けたいと強く願うようになり、それを実行に移す原動力としていきます。

数々の困難を乗り越えたエルリック兄弟。彼らは多くの出会いと別れを通して成長を重ね、そんな彼らの揺るぎない信念が、新しい法則に辿り着く結果に繋がっていったのでしょうね。

マンガUP!で無料で読んでみる

ウィンリィとは最終回で子供も?

ウィンリィとは最終回で子供も?
出典:『鋼の錬金術師』5巻

『鋼の錬金術師』の公式カップルの中の一組、エドとウィンリィ。

彼らが互いに想い合っていることは作中で描かれることもありましたが、その中からおすすめのシーンをいくつかご紹介していきましょう!

「エドが安心して旅を続けられるように 力になれるように あたし もっと腕をみがいて少しでもいい機械鎧を付けてあげたい」(『鋼の錬金術師』5巻より引用)

エドが目的を果たすまで、自分もエドに寄り添って行きたいというウィンリィの決意が感じられます。

ちなみに、このやりとりの時の直前、出産に立ち会い無事赤ちゃんが生まれた事に安堵したウィンリィは腰が抜けエドにおんぶをしてもらっています。自分より小さい男におんぶしてもらうことに屈辱を感じていたウィンリィでしたが、アルに助けを求めていない事からも、エドへの想いが感じられます。

出典:『鋼の錬金術師』9巻

「来て」(『鋼の錬金術師』9巻より引用)

ヒューズ中佐の死を知ったウィンリィを気遣い、彼女の部屋を訪れたエド。そこでウィンリィに手を引かれ、部屋でアップルパイを食べるのですが、それ以上に注目したいのが手をつかまれた瞬間のエドの表情!エドの気持ちがだだ漏れた瞬間が描かれたシーンです。

出典:『鋼の錬金術師』11巻

あれ……? こんな背中大きかったっけ……?(『鋼の錬金術師』11巻より引用)

ウィンリィがエドの身体的、精神的成長に気付きはじめた瞬間。男子の急な成長は、女子をドキっとさせるものです。

出典:『鋼の錬金術師』12巻

「今度お前を泣かせる時は嬉し泣きだ!!」(『鋼の錬金術師』12巻より引用)

ウィンリィに再会を約束するエド。この時のエドの背中を見た時、ウィンリィは自分の恋心を自覚したのでした。

出典:『鋼の錬金術師』18巻

「それ預かっといて!」(『鋼の錬金術師』18巻より引用)

ブリッグズでのワンシーン。耳が凍傷にならないように外したピアスを、再会するまでエドに預けるウィンリィ。

出典:『鋼の錬金術師』21巻

「ばっちゃんとデン連れて 外国に逃げとけ」(『鋼の錬金術師』21巻より引用)

ウィンリィに何とか生き延びて欲しいエドが告げた一言。もちろん、逃げないと言い切ったウィンリィとのやりとりに二人の想いが感じられるシーンでもありますが、二人の身長差が完全に逆転したことが確認できる一コマも挟み込まれている、絶対に見逃せないシーンです。

出典:『鋼の錬金術師』27巻

そして忘れてはいけないのが、最終巻でのプロポーズ!

「等価交換だ 俺の人生半分やるから おまえの人生半分くれ!」(『鋼の錬金術師』27巻より引用)

エドの錬金術師らしいプロポーズにグッときた女性ファンも多かったでしょうが、半分どころか全部あげると答えたウィンリィの男前発言も見逃せません。

最終回最後のページで、様々なキャラクターの未来の写真が描かれていますが、その中からわかるのはエドとウィンリィは二人の子供に恵まれるということ。上は男の子、下は性別不明ですが、幸せな未来がエドとウィンリィに訪れたことだけははっきりとわかります。

バトル要素がメインの作品なだけに、エドとウィンリィの恋愛要素はストーリーの端々に織り込まれているだけですが、その少ないエピソードがより彼らの行き交う感情をドラマチックに演出しているようにも感じますね。

マンガUP!で無料で読んでみる

エドワードの超かっこいい名言

エドワードの超かっこいい名言
出典:『鋼の錬金術師』1巻

さすが主人公なだけあって、数々の名言を残しているエド。今回は、そんな中から厳選した名言をご紹介していきましょう!

「立って歩け 前へ進め あんたには立派な足がついてるじゃないか」(『鋼の錬金術師』1巻より引用)

手を差し伸べず、言葉でロゼの背中を押します。失敗しても自分の力で何度でもやり直せるのです。

出典:『鋼の錬金術師』10巻

「ならば 前に進むしかないじゃないか もう誰一人失わない方法で もし目の前で誰かが犠牲になりそうになったら俺が守る」(『鋼の錬金術師』10巻より引用)

クセルクセス遺跡で、エドが自分自身に誓った言葉。エドのカッコよさがにじみ出ている名言です。

出典:『鋼の錬金術師』12巻

「お前の手は人を殺す手じゃない 人を生かす手だ」(『鋼の錬金術師』12巻より引用)

スカ―を撃ちたかったのに撃てなかったウィンリィにかけた言葉。エドの優しさが溢れています。

出典:『鋼の錬金術師』27巻

「立てよド三流 オレ達とお前との 格の違いってやつを見せてやる!!」(『鋼の錬金術師』27巻より引用)

アルの命と引き換えに右手を取り戻したエドが、フラスコの中の小人を圧倒した時の名言。1巻でも同じようなセリフを言っていますが、最終巻での言葉とは重みがまったく違いますね。

出典:『鋼の錬金術師』27巻

「バカ言ってんじゃねえよクソ親父!!」(『鋼の錬金術師』27巻より引用)

ホーエンハイムが家を出てから、初めてエドが親父と呼んだ瞬間。父の存在を否定し続けていたエドが、やっと父を受け入れられた感動的なシーンです。

出典:『鋼の錬金術師』27巻

「代価ならここにあるだろ でけぇのがよ」(『鋼の錬金術師』27巻より引用)

自分の身体を代価とするのではなく、誰もが持つ真理の扉を代価にアルの肉体を取り戻したエド。すっきりとした表情のエドの横顔が印象的でした。

心に残る名言が多い『鋼の錬金術師』の中から、エドの名言をご紹介しました。さすが主人公!カッコいいセリフで埋め尽くされていますね!

マンガUP!で無料で読んでみる

その後の話が面白い!寿命は100歳?88歳?

その後の話が面白い!寿命は100歳?88歳?
出典:『鋼の錬金術師』27巻

実は、『鋼の錬金術師』14巻には、初回限定特装版「ラフ画集」なるものが付いていました。初回のみの特典ということから、幻のような存在でもある「ラフ画集」ですが、この中にはエドのその後の成長記録が描かれています。

11歳、15歳の姿は本編でも描かれていますが、その後にあたる20歳では、数年の誤差はあるかもしれませんが、最終巻の写真で描かれたくらいの風貌になっています。

さらに30歳ではがっしりとした体つきになり、40歳では父ホーエンハイムとそっくりの外見に!メガネをかけ、あご髭を蓄えた姿なんてまさに父の完コピレベルです。

しかし、中年以後頭髪の危機を感じたエドは毛髪活性薬食「WAKAME」と「KONBU」を求め旅に出たとか。

その証拠に80歳になると波平ヘアーとなり、さらに身体のサイズ感にも大きな変化が訪れます。ホーエンハイムくらいの身体つきだったはずなのに、3等身ほどに縮みそのサイズ感はピナコばっちゃん程。空白の時に何が起こったのか気になりますが、その後、エドは88歳でこの世を去るようです。

10代後半から人のために生きたエドでしたが、人生の後半はようやく自分の(頭髪)ために生きたのかと思うと感慨深いですよね。

エドワードってどれくらい強いの?天才錬金術師?

エドワードってどれくらい強いの?天才錬金術師?
出典:『鋼の錬金術師』27巻

連載当初からすでに高い戦闘能力を兼ね備えていたエドですが、その強さも幼い頃から厳しい鍛錬に耐えてきたからこそ。

そんなエドの強さですが、体術と高い身体能力、そして錬金術の腕を総合して考えても、作品中のキャラクターの中でもトップクラス。伊達に主人公の看板を背負っているわけではありません。

しかし、常に全戦全勝したわけではなく、物語の序盤ではスカ―に追い詰められることもしばしば。ラストやエンヴィーにはまったく歯が立たず、キングブラッドレイに対しては、その圧倒的なスピードに追いつけず大きな力の差が感じられました。

ただエドは戦うたびに強さと柔軟性を増し、特にプライドとの戦いでは自身を賢者の石にして、プライドの中に侵入し純粋無垢な赤ん坊に戻してしまいます。どんな敵であっても救えるものなら救いたいという、エドの心の表れともいえるでしょう。

全編を通しても自身を賢者の石に変えた錬金術師はエドを除いていなかったので、この錬金術を見るだけでもエドを天才錬金術師と言って良いのかもしれません。

最終的にエドがフラスコの中の小人を倒しましたが、そこに行き着けたのもホーエンハイム、アル、スカ―、グリードなどの多くの人々の助けがあったからこその勝利でした。そして、自分の身体を代価にせず、真実に気づきアルの身体を取り戻すこともできたエドの実力は計り知れません。

周囲の助けはありましたが、ラスボスを倒した時点で作品の登場キャラクターの中でエドが一番強いと考えても良さそうですね。師匠のイズミとオリヴィエには一生勝てなさそうですが。

マンガUP!で無料で読んでみる

最終回で見せた発想の転換【ネタバレ注意】

最終回で見せた発想の転換【ネタバレ注意】
出典:『鋼の錬金術師』27巻

『鋼の錬金術師』の最終戦で、フラスコの中の小人により、エドが絶体絶命のピンチに陥った時、アルは必ずエドが勝利し自分を取り戻しに来ると信じ、自分の命を代価にエドを助けます。

人体錬成をするには真理の扉を開けなければならず、それを開くにはそれ相応の代価を払わなければなりません。つまり、アルを取り戻すには誰かの命を犠牲にしなけらばできないということです。

しかし多くの人の命が犠牲となっている「賢者の石」を使い、アルを取り戻すことはエドにとってアルとの約束を破ることになってしまいます。

そんなエドは父ホーエンハイムでさえも思いつかなかった自身にあるモノを使い、「鋼の錬金術師 最後の錬成」をすることにするのでした。

死んだ人間は生き返らせることができませんが、代価として持って行かれたモノは代価を払う事で取り戻すことができます。しかもそれは、全ての人間の内にあるモノで支払うことができたのです。

その事に気付けた事で、エドは自分の命を代価とする事なくアルを取り戻すことができたのでした。もちろん代価として払ったものは、エドにとってかけがえのないものだったはず。しかし、それを差し出しても惜しくない程、アルはエドにとってかけがえのない大切な弟だったです。

恐らく天才と言われるほどの錬金術の使い手である前に、自身がただの人間であることを身に染みて感じていたエドだからこそ、気づいた真実だったとも言えるでしょう。

エドとアルの強い絆と厚い信頼関係、そして深い愛情が、エドの差し出した代価全てに表された最高の結末。とても遠回りをし、多くの犠牲を払った兄弟の旅でしたが、彼らのそれまでの経験は彼らの次のステップに確実に生かされるのだという未来も見える形で物語は幕を閉じます。

これからまた理想の実現に向けて終りの無い、しかし希望に満ちた未来へ突き進むというエンディングは、『鋼の錬金術師』は終わっても、この世界はまだ続くと読者に感じさせてくれます。だからこそ、連載終了から長い時間が経った今も、多くのファンに愛される作品となったのでしょうね。


『鋼の錬金術師』の魅力を解説した<『鋼の錬金術師』は少年漫画の邪道だった?登場人物から魅力をネタバレ紹介!>の記事もおすすめです。

マンガUP!で無料で読んでみる

いかがでしたか?今回は『鋼の錬金術師』の主人公・エドワード・エルリックについて深く掘り下げてみました。こうして見ると、エドは王道バトル漫画の理想の主人公のひとりとも言えるでしょう。物語を通して、心身供に大きな成長を見せたエド。何度見返してもカッコいい魅力的なキャラクターですよね?

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る