『制服あばんちゅーる』は、風紀委員会に所属する2人の恋模様を追ったラブコメ作品です。恋愛に興味深々な風紀委員長・絲生さんが、風紀委員の嘉湧くんとの距離を少しづつ縮めていきます。奥手な学生同士の甘酸っぱい恋の行方にニヤニヤが止まりません!
『制服あばんちゅーる』は、WEBサイト「まんがライフSTORIA」「まんがライフ」にて連載されていたラブコメ作品です。校内の風紀の乱れを取り締まる風紀委員長でありながら、実は恋愛に興味深々の少女・絲生絢子(いとうあやこ)の恋模様を描いています。
今回はそんな本作の魅力を、注目して読んでもらいたいポイントから各巻の名シーンまでたっぷりとご紹介していきます。ネタバレを含むのでご注意ください。
- 著者
- ["伊丹 澄一", "さぬいゆう"]
- 出版日
- 2014-10-07
本作の主人公・絲生絢子は風紀委員会長を務めており、毎日のように通学路を眺めては「男女で下校する生徒が増えてきている」と風紀の乱れを憂いています。
しかし一見お堅いように見える絲生さんも、本当は彼氏が欲しいと考えている普通の女の子で、同じ風紀委員の嘉湧(かわい)くんに淡い恋心を抱いているのです。
ちょっとポンコツなため恋心を隠しきれていない絲生さんと、ちょっと奥手な嘉湧くんの恋愛は見ていてもどかしい!すこーしずつ進展していきます。
絲生さんはカップルや男子に厳しいことが多いので、一見ツンデレ系のヒロインに見えます。しかし作品を読み進めていくと、彼女はツンデレ系ではなく「こじらせ系」なのだということが分かってくるはず。
彼女も思春期真っただ中の女の子なので、本当は恋愛に興味深々なのです。しかし風紀委員長という立場上、校内の恋愛を黙認するわけにもいかず、いつの間にやら登下校の様子をチェックしてはカップルたちを目の仇にするようになってしまいました。
その一方で自意識過剰で隙が多いため、男子にちょっと接触されただけでもいろいろと妄想し慌ててしまうのが絲生さんの可愛いところ。
風紀委員長らしい凛とした普段の態度と、恋愛が絡むときの慌てっぷりのギャップが可愛すぎて、彼女の登場シーンはいくら見ていても飽きません!
恋愛が絡むと動揺してポンコツっぷりを発揮してしまう絲生さん。そんな彼女がもっとも気になっている異性が、同じく風紀委員会に所属している嘉湧くんです。
最初は絲生さんに「仕事が遅い」と酷評されていた彼ですが、物語が進むうちに2人の距離は徐々に縮まっていきます。しだいに絲生さんも「彼氏募集中ゥ」なんて言うようになり、嘉湧くんの前では彼氏が欲しいことを隠さなくなっていくのです。
一方の嘉湧くんも悪い気はしていないらしく、絲生さんと行動をともにすることが多くなります。正直、どちらかが勇気を出して告白すれば、すぐにでも付き合えるはずなのですが……。
なかなか素直になれない絲生さんと嘉湧くんの恋はちょっとづつしか進展しません。そんな彼らの恋模様が見ていてもどかしくもあり、甘酸っぱくてニヤニヤもしてしまう作品です。
- 著者
- ["伊丹 澄一", "さぬいゆう"]
- 出版日
- 2014-10-07
恋愛に興味があることを仄めかしつつも、実際には異性にアピールすることができない奥手な絲生さん。そんな彼女に、友人の佐埼さんからとんでもない必殺技が伝授されました。
佐埼さんが教えてくれたのは、気になる異性に「上目遣い」でアピールするというもの。どうやら佐埼さんは男子の扱いに長けているらしく、なんと「上目遣いを使って週に3回は男子から何か奢ってもらっている」と言います。
……たしかに健全な男子高校生なら、同級生の女子に上目遣いでおねだりされたらイチコロかもしれないですね。それも絲生さんくらい可愛い女の子にされれば、どんな男子もたちまち彼女の虜になってしまうはず。
最初は「風紀が乱れるヤツだわッ」と注意する絲生さんですが、上目遣いがどれだけ強力かを知るとだんだんその気になってきて……最終的には嘉湧くんを用いて上目遣いの練習を始めてしまいます。
見つめ合うことになった2人がこの後どうなったのかは、本編を読んでみてのお楽しみです。
- 著者
- ["伊丹 澄一", "さぬいゆう"]
- 出版日
- 2015-05-30
ピュアな恋愛模様がみどころの『制服あばんちゅーる』ですが、なかには恋愛がほとんど絡まないギャグ回もあります。なかでも絲生さんが大いに本領を発揮する13話が特におすすめです。
物語の冒頭、風紀委員会のメンバーは学校の入り口に立ち、帰宅する生徒たちに声をかけています。委員長である絲生さんの提案で、急な雨の日に傘を忘れた生徒のための「傘の貸し出し」をおこなっていたのです。
いつもは他の生徒たちから疎まれることも多い風紀委員ですが、この日ばかりは皆に感謝されました。生徒たちが雨に濡れることを防ぎ、風紀委員会のイメージアップにも繋がる一石二鳥の作戦を提案するなんてさすが絲生さん…… と言いたいところなのですが、実は彼女が傘の貸し出しを始めたのには、彼女らしい裏事情があったのでした。
本作をある程度読んできた方ならその狙いに気づいてしまうかもしれませんが、このエピソードのオチは実際に詠んで確認してみてくださいね。馬鹿馬鹿しい反面、絲生さんらしくて可愛いなと思えてしまうから不思議です。
『制服あばんちゅーる』は、全2巻なのでサクっと読了することができるライトな作品です。絲生さんと嘉湧くんの恋愛をニヤニヤしながら観察したり、絲生さんのポンコツっぷりに笑っているうちに読み終えてしまいます。シリアスな展開はほとんど無いので、暗い気分を吹き飛ばしたいときにおすすめですよ。
- 著者
- ["伊丹 澄一", "さぬいゆう"]
- 出版日
- 2015-05-30