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イッテンヨン目前、新年を迎えるにあたって読む本【KUSHIDA】

更新:2020.11.24 作成:2017.12.28

新日本プロレス年間最大のビッグマッチ1月4日東京ドーム大会が近づいてきました。 2017年は125試合、海外遠征は9回、日本全国世界各国で元気にプロレスができたこと、幸せに思います。 本とコーヒーとプロレスがあれば他に何もいらない私、KUSHIDAが今月も本を紹介させて頂きます。2018年も本を開いて、コスチューム持って、旅しまくり。まだ見ぬ知らない土地にプロレスを届けたいです。

記者たちは海に向かった

著者
門田 隆将
出版日
2017-02-25

プロレスラーは試合で年数回、東北を訪れます。ここ数年の新日本プロレスの東北の会場は後楽園ホールに匹敵するほどの盛り上がりがあります。福島でも仙台でも青森でも秋田でも……本当にすごいんです。地元の方と話をしたりすると教えてくれることがあります。「当時ココは避難所で遺体安置所でもあったんですよ」。“当時”とは2011年3月11日に発生した東日本大地震を指します。それを聞くと、ドキッとします。しかしあの地震以降、東北でのプロレス会場の熱は高まったようにも感じられます。

この本は「福島民友新聞」にまつわるノンフィクション。震災による新聞発行の危機、亡くなった記者とその仲間たちの間に揺れ動いた辛すぎる葛藤が書かれています。僕自身、学生時代に新聞社でアルバイトをしていたこともあり、情景が身近に感じられました。当時、新聞社編集局では、新聞記者をブンヤ、バイトをボーヤ、という呼び方がされていました。主に整理部という部署でのコピー取りの雑用を任されていましたが、新聞発行に掛ける記者の方たちの目の血走り方、その緊張感たるや。毎日息が詰まりそうでした。

この本でも、なんとしてでも発行しなければ、という新聞屋としてのプライドがほとばしっています。試合で東北を訪れるたびに、プロレスラーの出来ることとは? 何か力になれることはないか? 我を見つめ直しています。なにか「力になりたい」というプロレスラー側の思いと「元気を貰えました」という大会後のお客さんの声、プロレス会場がエネルギー交換の場になればよいなといつも思いながら試合をしています。

まいにち富士山

著者
佐々木 茂良
出版日

父が登山好きで、小学生の頃、よく富士山に連れて行かれて泣きながら登った記憶があります。それも1回だけではなく、通算5度も。プロレスラーになってからも、合同練習と称して2度登りました。新日本プロレスに参戦している外国人選手にとっても富士山はとても人気があり、多くのプロレスラーに「いつか連れて行ってくれ」とお願いされています。

著者の佐々木さん、すごすぎます。800回以上、毎日富士山に登っているのです。富士山登山の過酷さを知る者からすると、本当に信じられません。僕の場合、高山病でそれはそれはシンドくて頭がかち割れてしまうのでは?と思うほどの頭痛に襲われました……(笑)が、それでもやっぱり日本人として産まれたからには一度は登ってみるべきだと思います。富士登山の極意が詰まった一冊です。

考える力

著者
["羽生 善治", "茂木 健一郎"]
出版日
2016-05-12

将棋で永世7冠を獲得し大きなニュースになった羽生さんの対談本。

ぼく自身、勉強不足で将棋の世界はまったく分からない素人で恐縮なのですが、このタイトル獲得がとんでもなくすごいことらしいということは伝わってきます。僭越ながらプロレスにも通じる話だなと思ったのが、

いい将棋を指せたと感じた時というのは、そういう爆発的な喜びよりも、むしろ、にじみでてくるような感じの嬉しさとか充実感がある。

という羽生さんの話。うん、深いですな。「参りました!」と言って決着がつく将棋の世界。容赦がない。その容赦のなさが日本っぽく興味深いです。