法で裁くことの出来ない悪人や犯罪者たちを人知れず暗殺する代行暗殺者たち、それが「闇狩人」。その闇狩人たちの活躍と、彼らの表の顔とは? 彼らは社会の闇を裁く、真のヒーローなのか......。名作サスペンスホラーの新版をご紹介します。
『新闇狩人』は「闇狩人」の続編として発表され、坂口いくは漫画原作者としてかかわり作画は細川真義が担当しています。単行本は完結の全3巻が発売されています。
本作は前作の「闇狩人」とは変わり主人公や作画などが変わってはいるものの、前作と変わらない雰囲気を保ち前作ファンや初めて読む方にも楽しめる内容になっています。
第1巻の表紙になっている主人公の女子高生・士堂瑠璃は、普段は眼鏡をかけた少し地味な女の子です。卒業後は就職しながら漫画家を目指すと決めていて日々頑張っています。そして、それは表の顔で裏では復讐請負人、まるで必殺仕事人のような仕事を引き受ける「闇狩人」なのです。そんなどこか前作の主人公と同じような雰囲気を持つ彼女のギャップの差に思わず魅了されてしまいます。
そして、ただ依頼をこなしていくだけではなく各話ごとに依頼主のストーリーがありそこに主人公が関わり復讐を果たしているのでその1つ1つが読み応えのあるものとなっていますので前作ファンも初めて方にもぜひ読んでほしい作品となっています。
- 著者
- ["坂口 いく", "細川 真義"]
- 出版日
- 2016-08-25
「闇狩人」とは、法で裁くことの出来ない悪党たちを、人知れず暗殺する代行暗殺者たち。その闇狩人たちのクールな活躍が、美しく魅力的な作画で描かれます。
坂口いくによる『闇狩人』の続編となる『新闇狩人』は、1988年より連載された旧作より20年以上も経った2016年に発表され、3巻で完結しています。新版において、坂口いくは漫画原作者として関わり、作画は細川真義が担当となりました。
作品発表時の社会を舞台に「闇狩人」の顔を持つ者たちが悪人を裁くそのストーリーは、スピード感に溢れ、そして多様な人間模様のドラマがちりばめられており、一度読み始めると最後まで一気に読み進めてしまうこと間違いなしでしょう。
女子高生・士堂瑠璃は「闇狩人」という裏の顔を持っています。「闇狩人」とは、法で裁くことの出来ない犯罪者たちを依頼を受けて暗殺する者たちであり、現代社会では都市伝説とされていました。
士堂瑠璃もまた、友人たちにも裏の顔を隠しながら生活をしていましたが、他の闇狩人たちとの交流や、瑠璃自身の家族の問題も絡み、物語はどんどん加速していくのです。
主人公の士堂瑠璃は、メガネをかけたちょっと地味な女子高生です。高校卒業後は就職しながら漫画家を目指すと決めていて、漫画雑誌の月例賞に投稿するため日々頑張っています。
- 著者
- ["坂口 いく", "細川 真義"]
- 出版日
- 2016-08-25
どこか世の中を諦観しているような雰囲気も漂わせた、不思議なこの少女。それもそのはず、瑠璃の裏の顔は依頼を受けて暗殺をこなす「闇狩人」なのです。
闇狩人としての瑠璃は、眼鏡はかけておらず女子高生の姿の瑠璃とはまったく雰囲気が違います。しかも普段はその地味なベールに包まれてわかりづらいのですが、瑠璃は本当はバスト91センチの巨乳の持ち主なのでした。このギャップは魅力的過ぎです。
そんな瑠璃の武器は、漫画家志望らしく先端のくちばしを研いだカラス口。これを十字架に変形させて暗殺に用います。その手際の良さはまさにプロ。見た目の美しさとその冷静かつ冷酷な仕事ぶりに、すっかり魅了されてしまいます。
理不尽な理由や、不条理な都合で殺されてしまった人々。 裏の社会の事情や、闇の力で裁かれないそれらの悪事。 その無残な死を許せない人々は、やり切れないその気持ちを闇狩人へと託すのです。しかしその正体を誰も知らない......こんなに可愛い女子高生が闇狩人だなんて、一体誰が想像するでしょうか。
瑠璃の裏と表のギャップを堪能してください。
旧作『闇狩人』は、坂口いくにより1988年より約2年に渡り『月刊少年ジャンプ』に連載されました。こちらも闇狩人の活躍を、発表時の時代背景に乗せて描いた名作です。
- 著者
- ["坂口いく", "細川真義"]
- 出版日
- 2017-02-25
旧作の主人公は、表の顔は高校生の間武士。間は普段はメガネをかけた大人しそうな男の子です。漫画家を目指し、いつも雑誌に漫画を投稿していて、下宿先の大家の娘に尻に敷かれていて......。
この特徴、ちょっと誰かと似ていませんか? 旧作主人公の間もまた、表と裏の顔のギャップに魅力があり、闇狩人としての間はやはり瑠璃同様にクールで強くカッコいいのでした。
この他にも旧作『闇狩人』で主要なキャラクターとして登場した人物たちが、『新闇狩人』にも続々と出てきます。もちろん知らずに読んでも楽しめますが、さらに引き込まれて読み進めることができるでしょう。
闇狩人はまさに「現代版の必殺仕事人」です。身近な物を武器とし、裁かれぬ悪に立ち向かう。声なき者のため、真の正義のために悪を裁くのです。
- 著者
- 坂口いく
- 出版日
- 2017-08-25
本作主人公である瑠璃や、瑠璃へ仕事を仲介している「つなぎ屋」の秋月。そして旧作から引き続き登場する間武士。
社会に潜む闇にメスを入れる彼らには、それぞれの事情があったのです。なぜ、瑠璃は女子高生ながら闇狩人の顔を持つのか?なぜ、秋月は将来有望とされていた検事を辞め、弁護士になったのか?間はどのようにして瑠璃と接点を持つのか?登場人物の背景や事情が次々と明らかになり、物語はスピードに乗ってぐんぐんと進んでいきます。
そして、このスピード感ある物語を読み進めるにおいて大事な要素になっているのが細川真義による美しい作画。生々しい殺しのシーンもある本作ですが、細川の描く瑠璃とそのシーンの美しさに、それもあまりグロテスクに感じないのが特徴です。
そして最終回では瑠璃は暗殺依頼と共に、自身の過去とも対決をする事になります。果たしてそれは一体何なのでしょうか。冷静に見える、瑠璃の心の中とは……。
この物語は単なる必殺ものではなく社会の闇や人間模様、一人一人の人生哲学、そんなテーマを持っています。あっという間に3巻読み終わってしまう事でしょう。
- 著者
- ["坂口 いく", "細川 真義"]
- 出版日
- 2016-08-25
私たちが日常で感じる些細な理不尽さやその悔しさ。そんな気持ちも闇狩人たちの活躍を読めば、スッと心から流れるかもしれません。
スカッとしたい時、人間ドラマの切なさに酔いたい時、ぜひ『新闇狩人』の世界へ飛び込んでみてください。