漫画「ゲットバッカーズ」が面白い!廚二病な魅力をネタバレ考察

更新:2021.11.30

「週刊少年マガジン」にて1999年~2007年の間に連載されていたSFバトル漫画『GetBackers-奪還屋-』。少年心をくすぐる世界観と設定が非常に魅力的で、熱いバトルを読者にみせつけてくれます。

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漫画「ゲットバッカーズ」が面白い!廚二病で難解な世界観の魅力をネタバレ紹介!

タイトルとなっている「ゲットバッカーズ」とは「奪還屋」を意味します。依頼者の奪われた物を取り返すことを生業とした稼業です。その他、依頼された品を運ぶ「運び屋」や依頼された品を探す「探し屋」、奪還屋と依頼者を仲介する「仲介屋」などのさまざまな稼業が存在しています。

そんなさまざまな稼業が入り乱れる舞台は新宿路地裏にある日本のスラム街「裏新宿」。日本の不況による治安の悪化で誕生した街です。裏新宿の奥には「無限城」と呼ばれる巨大な廃墟ビルがそびえたっており、物語の中核を担います。

著者
["青樹 佑夜", "綾峰 欄人"]
出版日
1999-08-17

さて、世界観や設定の軽い説明はここまでにしておき、本作の魅力をいくつか挙げていきましょう。まずは、なんといってもかっこよすぎる登場人物たち。主人公を始めとし、敵味方ともに最高にかっこいい人物ばかりです。そして、その人物各々に見せ場が存在するのです。

次に、迫力満点の熱いバトルシーン。登場人物のほとんどが強キャラであり、白熱のバトルが繰り広げられます。強者同士の高度な駆け引きは必見です。

俗にいう「廚二病」の気が色濃く出ている漫画ですが、ぶっちぎっているがゆえに逆にかっこよくみえてしまいます。今回はそんな最高に廚二病チックな「ゲットバッカーズ」の魅力をネタバレを交えて紹介していきましょう。

 

漫画「ゲットバッカーズ」に見る男たちの熱い戦い!【あらすじ】

著者
["青樹 佑夜", "綾峰 欄人"]
出版日
1999-09-16

依頼者の奪われた物を取り返す「奪還屋」を営んでいる美堂蛮(みどうばん)と天野銀次(あまのぎんじ)という2人の青年。「仲介屋」のHEVN(ヘヴン)から仕事を請け負い、なんとかその日暮らしができる金銭を得ていたのです。

依頼を受けながら楽しく日々を過ごしていた2人は、舞台となる「裏新宿」の謎が明かされるにつれて、世界の真実へと近づいていきます。

漫画「ゲットバッカーズ」の魅力をネタバレ考察1!登場人物たちが超かっこいい

「ゲットバカーズ」には大勢のかっこいいキャラが登場します。ここではその超がつくほどかっこいい登場人物たちを何人か紹介していきましょう。

まずは本作の主人公・美堂蛮。裏新宿で「奪還屋」の稼業を営み生活費を稼いでいます。「ウィッチクイーン」と呼ばれた魔女である祖母の血を色濃く継いでおり、邪眼と呼ばれる、相手に1分間の幻をみせる眼を駆使して闘います。

戦闘の天才と言われるまでの圧倒的な格闘センスを有しており、かなりの博識、プロ並みのヴァイオリンの腕とまさに「かっこいい」を詰め込んだ人物です。

お次はもう1人の主人公・天野銀次。蛮と組んで奪還屋を営んでいる青年。ニヒルを気取る蛮とは対照的に、天真爛漫かつ純粋無垢な性格です。電気ウナギのように体内で自在に電気を発することができ、その能力を元に闘います。

蛮と出会う前は無限城の下層を仕切っていたグループ「VOLTS」のリーダーとして君臨していました。その時代は「雷帝」と呼ばれており、現在の優しく無邪気な性格とは正反対に、怒りに身を任せて目の前のすべてを破壊し尽くしていたのです。

現在でも「怒り」を引き金に雷帝状態となり、暴走することもあります。

著者
["青樹 佑夜", "綾峰 欄人"]
出版日
2001-03-14

お次は作中きっての美青年・風鳥院花月(ふうちょういんかづき)。元VOLTS四天王の1人で、絃(いと)使い戦闘をおこないます。そのことから「旋律の貴公子」と呼ばれています。「風鳥院流絃術」という全国に二十七の分派を持つ絃術・琴の流派で、花月はその宗家の長男にあたる人物です。

かなりの美形で、作中ではたびたび女性に間違われ、「彼氏にしたいキャラランキング」「彼女にしたいキャラランキング」のどちらにもランクインしたという逸話を持つキャラです。

お次は疑似的に獣の姿に変わる能力を持つ冬木士度(ふゆきしど)。花月と同じく元VOLTS四天王の1人で、通称「ビーストマスター」。一匹狼を気取った冷たい雰囲気をまとっていますが、根は動物好きの優しい人物です。

獣に擬態する能力は猿、猫、狼などさまざまなバリエーションがあり、獣の特性を駆使して闘います。

最後に強キャラばかり集う本作で図抜けた強さを持つ赤屍蔵人(あかばねくろうど)。医者を彷彿とさせるかっこうをしながら、「運び屋」を営んでいます。史上最低・最悪の運び屋と呼ばれており、趣味は人を切り刻むことという戦闘狂です。

その能力は反則級で、自身の想像できないことは現実におこりえない、つまり自身が強すぎる自覚のある赤屍には自身の死が想像できずに死が訪れないのです。また、彼は「超越者」と呼ばれる人物で、あらゆる物事の干渉を受けないという特性を持ちます。間違いなく作中最強レベルの人物でしょう。

漫画「ゲットバッカーズ」の魅力をネタバレ考察2!廚二病な名言が最高!

廚二チックな名言が多い本作。しかし廚二病といえども、そのセリフがかっこいいのは紛れもない事実です。ここでは実際に本作の名言を抜き出して紹介していきましょう。

「いい夢見れたかよ?」(『GetBackers-奪還屋-』1巻より引用)

このセリフは蛮が頻繁に使うセリフです。邪眼によって1分の夢を見せられた相手に、その効果が切れるタイミングで告げます。蛮が邪眼を使うのはほぼ勝負が決まるタイミングなので、彼の決めセリフともいえるでしょう。

「アンタはもう――オレには勝てない」(『GetBackers-奪還屋-』17巻より引用)

かつての仲間であった人物の兄が、弟が銀次のせいで死んだと思い復讐しにきました。兄の想いに心を痛める銀次でしたが、復讐に囚われて盲目となった兄を救うべく、銀次は雷帝と化したのです。普段は柔和な銀次が雷帝となることで、このように強気なセリフを述べるようになります。

著者
["青樹 佑夜", "綾峰 欄人"]
出版日
2001-10-15

「やせ我慢もそろそろ限界です」(『GetBackers-奪還屋-』22巻より引用)

女のような外見をしていても、花月は熱いハートを持った男の子です。そのことがわかるように、男の意地ともいえるやせ我慢をしてでも戦います。

「守ってみる……必ず――」(『GetBackers-奪還屋-』11巻より引用)

基本的にぶっきらぼうで素直じゃない士度が、とある女性に対して初めての気持ちを抱きます。ツンデレキャラである彼がストレートな思いを表す珍しいシーンです。

「私を――失望させないでいただきたい」(『GetBackers-奪還屋-』13巻より引用)

蛮というかなりの実力者を前にしても、赤屍はまだまだ本気になりません。いったい誰が彼の本気を引き出すことができるのでしょうか。

漫画「ゲットバッカーズ」の魅力をネタバレ考察3!設定が複雑になっていく!

本作はやや設定が複雑で、多くの専門用語が出てきます。ここでは物語に関わる設定と用語を解説していきましょう。

まずは物語の舞台である裏新宿に鎮座する「無限城」について説明していきましょう。バブル崩壊の影響を受けて建設が頓挫したビルを中心に、違法建築工事を繰り返して形成されました。下層、中層、上層と3分割されており、上の階層には相応しい実力がなければ進むことができません。最上階には世界の真実があるとされています。

お次は「アーカイバ」と呼ばれるもの。たびたび物語内で何かを示唆してきます。その正体は無限城に上層に存在する神であり、現在から未来への無限城で起こる事柄をすべて記録していた媒体です。無限城の出来事は絶対にその記録通りに進み、唯一その未来を変えることができるのは「雷帝」のみ。

著者
["青樹 佑夜", "綾峰 欄人"]
出版日
2003-04-11

お次は「呪術師(ブーディスト)」と呼ばれる存在。特殊な魔術である呪術を使用する人物で、魔女と敵対しています。彼らが使う呪術は基本的に解呪方法は存在しません。

お次は「ブードゥーチャイルド」と呼ばれる人間。堕胎された魔女の子供の魂を呪術師の手で復活させることで生み出された人間です。本作には3人登場し、彼らは男は28、女は17の誕生日に不幸に見舞われてしまう運命が待ち受けているのです。

さらに「ブードゥーキング」と呼ばれる存在も登場し、非常に高い能力を有しています。

また、作中には「聖痕(スティグマ)」と呼ばれる黄色の瞳に黒の十字架を浮かべている人物が数名います。それはバビロンシティという無限城上層で、見てはいけない物を見た者に刻まれる痕です。とある事柄を見届けるための証となっています。

その他、さまざまな謎や専門用語が飛び交いますが、大まかに上記の言葉を念頭においておけば迷わずに読み進めることが可能でしょう。複雑ながらも、読者の心をしっかりと掴む設定となっております。

漫画「ゲットバッカーズ」の魅力をネタバレ考察4!ふたりの絆に感動する最終回!

さて、ここまでは世界観や登場人物の魅力をご紹介してきました。しかし、それ以上に物語の結末が気になる方も大勢いるでしょう。

なんと、本作は最後に「ゲットバッカーズ」の2人、蛮と銀次が戦う運命にあったのです。さまざまな者たちと出会いと別れを繰り返し成長した2人は、ついに物語の核心を担う「無限城」の最上階へとたどり着きます。

しかし、無限城にはさらに上階があり、そこへは無限城でもっとも強い者しか立ち入ることができません。無限城での死闘を生き残った2人でしたが、どちらが強いのか白黒つけなければならないのです。

著者
青樹 佑夜 綾峰 欄人
出版日
2007-04-17

「悪鬼の戦い(オウガバトル)」と呼ばれる最後の決戦、「聖痕」はこの戦いの結末を見届ける者へと刻まれた証となっています。聖痕を持つ者を観客に、2人のバトルが勃発……とはなりません。

蛮と本気で戦うなどできない銀次はオウガバトルを行おうとはしません。しかし、蛮は非常にも銀次を攻撃し、一方的な展開となってしまいます。

「GetBackers」の「s」は1人じゃないという意味と作中では終始語られてきました。銀次は果たしてどうような答えを出すのでしょうか。

物語の結末はこのような展開を迎えますが、実はオウガバトルの後に本当の最終決戦がおこなわれます。最終決戦をおこなう2人は、美堂蛮と赤屍蔵人!作中最強を決める戦いはどちらに軍配があがるのでしょうか。

最終回まで目が離せない「ゲットバッカーズ」。ぜひとも読んでみてください。

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