ふわふわとした毛につぶらな瞳……今回はペットとして人気が高いフェレットの飼育方法や種類についてご紹介します。飼ってみたいなと思っている方や、すでに一緒に暮らしている方に向けたおすすめの本も3冊選びましたので、最後までお楽しみください。
フェレットはイタチ科に属する哺乳小動物です。古くはヨーロッパで飼育されており、ルネサンス時代は、飼育することが裕福な女性たちのあいだでひとつのステータスになっていたそう。現在は世界中で飼われています。
もともと肉食なので噛み癖があり、種類によっては敵を威嚇するために凶暴な性格になることもあります。ただ日本で販売されている種類は比較的穏やかな性格をしているものが多く、一般的には2ヶ月程度で飼い主にも慣れるでしょう。
体長は、オスで35センチから50センチ、体重は800グラムから1.5キログラムほど。メスはオスよりも少し小さめです。動体視力が非常に優れているのが特徴で、動いているものには素早く反応を示します。
体温は38度と人間よりも高く、体温調節機能がうまく発達していません。肉球にある唯一の汗腺は生後数日で消失してしまうので、温度調節は飼育する際の最重要事項だといえるでしょう。
適温は15度から22度で、暑さに弱いので室温が28度を超えてしまうと熱中症になってしまいます。口を開けて浅い呼吸をし、ぐったりしていたら熱中症にかかっている証拠なので、すぐに室温を下げ、症状が改善されないようであれば獣医の指示を仰ぎましょう。
ではここからは、飼育する際の基本情報をお伝えしていきます。
飼育に必要なもの
ケージの底に布を敷き、餌入れと水入れを入れたら完成です。トイレはケージの外に設置します。
また不定期ではありますが、爪・耳・歯の手入れをする必要があるので、爪切り、耳そうじ用の道具、歯ブラシも準備しておきましょう。
余裕があれば、おもちゃを用意してあげるのもおすすめです。フェレットは1日の6割ほどを睡眠に費やすよく眠る動物ですが、その反面起きている時間は活発に動き回ります。おもちゃが大好きで、特にボールなどは転がしたりかじったりと飽きずに遊ぶので、1つあるとよいでしょう。
エサ
肉食動物なので、野生のフェレットはウサギやネズミなどを食べています。ご家庭で飼育する場合は、「フェレットフード」と呼ばれるドライフードが一般的。スーパーで売っている生の牛肉などでも構いません。
本来は肉のみを食べる動物なので、消化器官自体が非常に短く、常に体の中にエサがある状態を保たないとエネルギー不足で体力が落ちてしまうのです。そのため1日に7~10回ほど食事をし、2~3時間に1回排泄をします。
また繊維質を消化できないため、ドライフードをエサにする際は
こちらの基準内のものを選びましょう。
ネギ・魚介類・チョコレート・りんごは消化不良を起こしてしまうのえ、与えてはいけません。
飲み水は水道水でOKです。
しつけ
トイレの場所を覚えることができます。毎回トイレの場所まで誘導し、根気よく教えてあげましょう。トイレの上に糞の匂いをつけておくと、すぐに覚えます。
また種類によっては噛み癖もやめさせることができます。ところ構わず噛んでしまうようであれば、しっかりと怒り、いけないことだと覚えさせましょう。
ここからは、種類と価格についてご紹介します。
マーシャルフェレット
日本でもっともメジャーな種類です。性格がおとなしく体も小さいので、初心者にもおすすめ。幼少期に母親と一緒に過ごした個体は噛み癖が少なくなります。
体重は900グラム〜1500グラムほどで、小さくてスリムな体が特徴です。価格は4万円〜5万円です。
ニュージーランドフェレット
ニュージーランド出身の種類。成長が早くどんどん大きくなり、噛み癖を直すのがなかなか難しいです。
特徴は、丸い顔と筋肉質な体。初心者が扱うには少し難しく、飼育にある程度慣れている人におすすめです。
価格は6万円〜8万円になります。
パスバレーフェレット
マーシャルフェレットと同じく、おとなしい性格の個体が多いです。丸い耳と顔にガッチリとした体が特徴。噛み癖はありますが、根気よくしつけをすればなくすことができます。
また病気にかかりにくいため、初心者でも飼いやすいでしょう。
価格は3万円〜5万円です。
アンゴラフェレット
カナダ出身で、毛が長く筋肉質な体をしています。世界中で人気が高く、日本での流通量は比較的少なめ。そのため値段は8万円〜12万円とややお高くなっています。
気性が荒く噛み癖も強いため、初心者よりも飼育に慣れている人におすすめです。健康ならば10年ほど生きることができます。
飼育を考えている人におすすめの解説本。ペットショップでの選び方や毎日の食事の仕方、さらには個体による癖やコミュニケーションのとり方などが、ゼロからしっかりまとめられています。
- 著者
- 出版日
- 2011-01-01
また飼育するうえでのアイディアや工夫も紹介されているので、基礎知識をカバーしながらもさらに応用できる内容です。
可愛らしい写真やイラストも見どころ。ただ、可愛いだけでなく飼育の大変さも包み隠さず載っているので、客観的にフェレットについて知ることができます。
初心者の方は手元に置いておいて絶対に損はない一冊。基礎知識をつけるには最適でしょう。
作者の工藤裕幸は、自身の持つ熱帯魚ショップで、日本でいち早くフェレットの取り扱いを始めた人物です。本書には、基本的な飼い方からしつけの仕方までをイラストや写真とともに記した一冊です。
- 著者
- 工藤裕幸
- 出版日
- 2010-08-23
病気になった時の対処法など、困った時に頼りになる内容も。また長いあいだ世話をし続けた作者だからこそ分かる飼育上の注意点をシンプルな言葉でかみ砕いて教えてくれています。
可愛らしさと飼育の大変さをバランスよく伝えた一冊。飼ってみたいけど知識がなくてなかなか決断をできない人の後押しをしてくれるような内容です。
生態が詳しく書かれたペットガイド。飼育の際の準備物やエサなど基本的なことも詳しくカバーしています。
細かい情報まで載っているので、フェレットの飼育についてある程度理解している人でも新しい発見があるはずです。
- 著者
- ["大野 瑞絵", "井川 俊彦"]
- 出版日
フェレットは非常に病気に弱い生き物です。本書ではそんな彼らが病気になった時のケアの方法まで徹底解説。与えるといい栄養素のことまで詳しく書かれています。
これから飼おうと思っている人はもちろん、いま飼育している人に役に立つ内容です。
いかがでしたか?今回はフェレットの生態をご紹介し、おすすめの飼育本を3冊選んでお届けしました。最後までお読みいただきありがとうございます。