「別冊少年マガジン」にて連載されている漫画『トモダチゲーム』をネタバレ紹介! 原作山口ミコト・漫画佐藤友生が手掛けるこの作品。ハラハラするゲームや駆け引き、そして人間関係が魅力です。2017年にはテレビドラマ化、実写映画化されました。 「友達」とは何なのかを深く考えさせられる衝撃作です。
友達同士で過酷なゲームをクリアすることを目指すのが『トモダチゲーム』。クリアするのは簡単です。「友達を疑わずに信じること」これさえ守れれば誰でもクリアできます。
しかし、参加者全員が守らなければクリアできないのです。クリアできないゲームに、全員が疑心暗鬼に陥ります。
そんな状況下で、どのようにゲームをクリアしていくのでしょうか。卑劣で外道な主人公・片切 友一(かたぎり ゆういち)の機転に注目です。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2014-04-09
さて、本作の魅力はなんといってもハラハラするゲームと駆け引き。裏切り、共謀、暴力、使えるものをすべて使わなければゲームで勝つことはできません。そして、ゲームによって瓦解していく人間関係にも注目していきましょう。
また、ちょくちょく挟まるちょいエロシーンも魅力の1つです。緊迫した状況下で心休まるオアシス、かと思いきや、エロさえもこのゲームでは利用しなければなりません。健気な恋心さえも利用されることもあります。
2017年にはドラマと映画の3部作として吉沢亮主演で実写化されました。(公式サイトはこちら)
今回はそんな実写化もされた人気作『トモダチゲーム』の魅力や見どころを各巻のネタバレを交えながら紹介していきましょう。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2014-07-09
主人公・片切友一は幼いころからある人物に「金より友達」と教え続けられ、その教えを高校生となった今も大事に守り続けていました。そして、信用できる友人というものが4人できたのです。
ある日、友一の所属するクラスで集金していた修学旅行費が何者かに盗まれてしまいます。これを引き金に、友一を含む友達5人は突如拉致され、謎の場所で「トモダチゲーム」と呼ばれるゲームへの参加を強制されたのです。
5人のうちの誰かが2000万円もの莫大な借金を抱えていることが明らかになり、5人でその借金を仲良く分配した400万の借金を各々負わせられました。
そして、互いを信じあえばクリアできるといわれるトモダチゲームに5人は力を合わせて立ちむかいます。しかし、トモダチゲームには深い陰謀があり、友一はその渦中へと自ら突っ込んでいくのでした。
「お金より友達」という教えを幼いころに聞かされ続けた男子高校生・片切友一は、その教えを守り続け、信頼できる友達4人と楽しく高校生活をおくっていました。
そんなある日、友一の所属するクラスで修学旅行の集金が盗まれたという事件が起きます。そして、この出来事をきっかけに、友一と彼の友達である美笠 天智(みかさ てんじ)、沢良宜 志法(さわらぎ しほ)、四部 誠(しべ まこと)、心木 ゆとり(こころぎ ゆとり)の5人は何者かに拉致され、「トモダチゲーム」と呼ばれる謎のゲームへの参加を余儀なくされたのです。
マナブくんと呼ばれる不審なキャラによって、ゲームのルールが説明されます。修学旅行費がゲームの参加費にあてられたこと。誰かが2000万円もの借金を持ち、その借金を5人で分割し、1人400万円の借金があること。ゲームをクリアするごとに借金が減額されていくこと。ゲームの内容は決して難しいものではないこと。
みなすぐさま参加の意思を表明しましたが、友一だけが戸惑っていたのです。友一は迷ったすえにゲームへの参加を決意します。彼は友達が大切だということは理解していましたが、それ以上に「お金が恐い」ということを知っていたのです。
そんななか、マナブくんによって第1のゲームが発表されます。そのゲームの名も「コックリさんゲーム」。非常に簡単なゲームで、クリアは余裕と思われていましたが……。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2014-04-09
さて、初めに1巻でおこなわれる「コックリさんゲーム」のルールを説明しておきましょう。
5人のうち、1人が指定された紙に書かれている問題文を読みます。その後、5人は紙のうえにおかれている10円玉へと手を添え、「はい」「いいえ」を念じます。全員がはいと思わない限り、はいに10円玉が進むことはありません。全5問の出題が終わるまでに、一度でもはいで正解すればクリアです。
簡単すぎるゲームにみえるでしょう。しかし、さまざまなペナルティや、その逆に自分だけ報酬を得られるといった条件が隠されています。
簡単すぎるゲームにも関わらず、3度も失敗が続き、みなの心は疑心暗鬼に染まるのです。
クリアは絶望的かと思われ、ゲームの行く末を監視していた運営側でさえもそう思っていました。しかし、情けなく戸惑いを感じていた友一の顔が突如急変。まるで悪人のような顔をして、この中にいる裏切り者をあぶりだそうと動き出すのです。
本作は主人公である友一の才能も見どころの1つです。その片鱗を1巻から見せつけてくれます。また、初めのゲームなのに、クライマックスの緊張感を感じさせる内容と構成に、今後のゲームへの期待感が高まります。
友一の機転によりなんとかコックリさんゲームをクリアした一行でしたが、その中には疑念が渦巻いていました。そんな状況下で、第2のゲーム「陰口スゴロク」が開幕。
通常のスゴロクのように順にターンが回ってきますが、その際におこなのはサイコロを振るのではなく、誰かの陰口を書く、もしくは白紙で紙を提出すること。陰口が書かれていた場合、視聴者による投票がおこなわれ、「一番許されない」内容が書かれていた順にスゴロクのマスを進んでいきます。
ただし、通常のスゴロクと違い、一番にゴールした人が第3ゲームに進まなければならなくなり、それ以外の人物は借金を100万円減額できるうえに、帰宅を許されるという他人を蹴落とすルールなのです。
ただし、嘘が書かれていたことが発覚した場合、嘘を書いた人間は先頭の人間の前のマスまで飛ばされてしまいます。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2014-07-09
みな白紙で投票し、1マスずつ進んでいこうと決めますが、早々にその決まりは破られます。書かれていた秘密は「沢良宜の好きな人は友一で、昔に美笠と付き合っていた」という内容。
四部が沢良宜に惚れているというのは周知の事実で、色恋は男女間の友情をたやすく壊してしまいます。実際に、この内容は彼らの間にひびを生み、さらには友一を憎からず思っている心木と沢良宜の間にもわずかな溝をあけたのです。
そんな暴露がありながら、もう一度互いを信じてみようと提案する友一でしたが、ここから惨事が起き続けます。次々に何者かによって暴露が起こり、完全に内部崩壊してしまったのです。
その様子をある人物が笑いをこらえながら見ていました。その人物こそ、修学旅行費を盗み、4人をトモダチゲームへ参加させた人物。すべてその人物の掌のうえで陰口ゲームは回っていたのでした。
2巻にて、裏切り者が発覚します。はたして、その人物はどんな動機でトモダチゲームに参加をしたのでしょうか。また、友情が崩壊しつつある惨状のなか、またもや友一が動き始めます。いったい、どのようにして陰口ゲームをクリアするのでしょうか。
裏切り者と友一による駆け引きを見届けましょう。
「裏切り者の正体がわかった」という友一がみなに告げます。さらに、ゲームの攻略法がわかったとまで言い切ります。そんな友一を驚いた顔で見たのは美笠でした。
そう、裏切り者は美笠だったのです。過去の出来事から美笠は沢良宜に強い恨みを抱えており、沢良宜を破滅に追いやるためにトモダチゲームに参加させたのです。そして、沢良宜だけを次のゲームに進めようとします。
しかし、美笠は友一の思惑を上回る策を披露し、自身の狙い通りに沢良宜をゴールの直前まで追い込みました。自身の悲願の願いがようやく果たされるといった時、またしても友一が動いたのでした……。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2014-12-09
さて、裏切り者が美笠だと発覚しますが、それは読者に対してだけです。4人にはまだ誰が裏切り者かわかっていません。しかし、友一は陰口スゴロク開始時からいくつもの策を張り巡らしており、その結果美笠が裏切り者だと突き止めたのです。
みなの前で美笠を追い詰める友一に、美笠は泣き落としで許しを懇願しようとします。しかし、いつもの優しい友一の顔はそこにはなく、まるで悪人のような友一の顔があったのです。
状況的にも、精神的にも追い詰められた美笠に成す術はなく、裏切りが白日の下にさらされます。
これにて決着、かに思われた陰口スゴロクでしたが、意外な結末が待ち受けていました。友一は自ら嘘の投票をしたことを自白し、1人で次のゲームに挑もうとするのです。そして、トモダチゲームの運営を潰すと宣言したのでした。
また、友一の驚愕の過去が明かされます。その過去を聞いた4人は友一と友達でいることができるのか。友一、そして美笠と沢良宜、さまざまな人物の過去にも目を向けると本作がより一層おもしろくなります。
さらに3巻には驚愕のワンシーンが描かれます。目的のために手段を選ばない人間とは非常に厄介な存在だとわかるシーンです。
自ら友人を切り捨てる形で第3ゲームへと進んだ友一。そんな彼についてきたのは美笠ただひとりだけでした。第3ゲームが始まる前に、2人は3日もの間荒れ果てた牢屋の中で、水のみの生活を強いられたのです。
そんな生活のなかで、美笠は自身に起きた過去の出来事を語ります。その過去は共に高め合った友達、1度目のトモダチゲームへの参加、そして尊敬する父の死んだという過去。また、そのすべてに沢良宜が関わっていると友一に告げました。
善人で優等生の皮を被った沢良宜の真の顔を、トモダチゲームによって剥ごうと考えていたのです。にわかには信じがたい話でしたが、美笠はある指摘をします。それは5人での借金の合計額が合わないということ。
ネームプレートに借金の残額が書かれているのですが、仲間内では口頭で申告を義務づけられています。仮にネームプレートを他者に見せた場合はペナルティとして、見せた側の借金が倍になってしまうのです。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2015-04-09
マナブくんによって借金の合計額は1080万円だと告げられますが、それでは5人の申告した額と合いません。美笠は友一に信じてもらうために、ネームプレートをみせて自らの借金額を提示します。そこから判明したのは、第3ゲームに進まなかった人物の誰かが嘘をついていたというを示します。
美笠は嘘をついているのは沢良宜である可能性が高いと友一告げ、友一も仮説の1つとして美笠の意見を聞き入れたのです。2人は友人であった3人のさまざまな想いを巡らせ、ついに第3のゲームが開幕します。
第3のゲームの名は「友情かくれんぼ」。チーム対抗でおこなわれるゲームで、友一と美笠の前にトモダチゲームに参加していた別のグループが現れたのです。
運営に「バケモノ」と呼ばれる友一のCグループ対運営に「天才」と呼ばれる人物が所属するKグループの戦いが幕を開けたのでした。
さて、友情かくれんぼのルールは単純明快。各グループ1人を隠れる役に指名し、敵のグループの隠れた人物を先にみつけたほうの勝ち。ただし、隠れる役は隠れた場所から身動きできません。そのため、味方が食料を運ばなければなりません。
また、隠れる役にはギブアップボタンが持たされており、それを押した時点でそのチームの敗北となります。その他寝返りの権利があり、チームを裏切るという選択肢もあります。
圧倒的に人数が多いほうが有利なゲームでしょう。運営もそのことを把握しており、友一のグループに1人の助っ人を貸し出します。しかし、その人物は運営側の人物であり、何か思惑を秘めている節があるのです。
チーム対抗でおこなわれる友情かくれんぼ。バケモノと天才はどちらが勝つのでしょうか。
人間関係を破壊するということに関して悪魔のような才能を持つ友一は、積極的にKチームへと仕掛けていきます。運営から送り込まれた助っ人を利用し、Kチームにハニートラップを仕掛けたのです。
この作戦はまんまとはまり、Kグループの人間を一人寝返らせることに成功しました。そうして、隠れ役の隠れ場所を聞き出そうとしていた友一でしたが、なんとKグループは1人以外誰も隠れ場所を知らないのです。
Kグループを裏で操っていたのは最年少の紫宮京(しのみやけい)という人物で、運営が天才と呼ぶほどの頭脳を持っていました。紫宮にまんまとはめられた友一は、今までにない焦った顔をします。
対して、紫宮は勝ちを確信。原則として、このゲームは敵への暴力が禁止とされており、Kグループの人物が寝返った以上、その人物にKグループの人間を攻撃させれば友一が強制的に敗北となります。そのため、寝返った人物を見張るしかなく、友一は身動きがとれなくなってしまったのです。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2015-09-09
紫宮もそれを理解しており、あとはゆっくりと美笠を探すのみとなりました。完全勝利を目指している紫宮は、運営の助っ人である水瀬マリア(みずせマリア)を寝返らせ、友一を絶望のどん底に叩き落としたのです。
そして、水瀬から美笠の居場所を聞いた紫宮は美笠を見つけ出し、友情かくれんぼは終了したのでした。しかし、結果は思いもよらないもので……!?
バケモノ対天才の戦いがついに終戦。第1、第2ゲーム以上の高度な駆け引きをみることができます。対戦形式だからこそ味わえる緊迫感です。
また、第2ゲームで一時的に帰宅を許された3名の動向も描かれます。そちらでもさまざまな事件が起きており、各所で目が離せません。
友情かくれんぼの終了後、友一と美笠は一時的に解放され日常へと戻ります。学園を訪れた2人でしたが、教室に広がる惨状をみて驚きました。
修学旅行の費用を盗んだと疑われた沢良宜と四部はクラス中から壮絶なイジメを受け、学園へと来なくなったのです。そんな2人の机を必死に掃除していたのが心木でした。さらに、四部の父が殺され、四部がその容疑者として逮捕されてしまうのです。
多くの出来事に戸惑う友一に、心木はいったい何が起きているのかと詰め寄ります。しかし、友一は心木を危険から遠ざけるために、陰口スゴロクにて自分の過去を知ったことで拒んだことを引き合いにだし、心木の心に傷を負わせながらも彼女を守ること選びます。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2016-02-09
さまざまな出来事が起き過ぎたため、友一と美笠は体を休めながら情報の整理をおこなっていました。すると、美笠の携帯に電話がかかってきたのです。
非通知からの電話を不審に思いながら出ると、トモダチゲーム特別編をおこなうと告げられました。心木を人質に捕られた以上、友一に拒否権はありません。怒りを露わにし、友一は指定された場所に赴きました。
すると、待っていたのはマナブくんではなく、クロキという人物。彼はトモダチゲーム特別編を仕切るといい、友一と心木に「弱い者勝ちゲーム」を強要します。
心木と友一のどちらが苦痛を負うかというゲームで、心木にその選択肢を与えます。ゲームと名乗ってはいますが、ゲームと呼べるほどの代物ではなく、ただの暴力に近しいゲームです。
友一の足手まといになりたくないという心木の願いと、それに反して暴力に対する恐怖。このせめぎ合いに、揺れる心木の顔と想いは見ものです。
また、第4ゲーム「有罪裁判」が開幕。しかし、友一が不在で美笠と心木の2人でこのゲームを乗り越えなければなりません。
さらに、本作の見どころの1つであるエロも多く描かれ、非常に見ごたえのある巻となっています。
友一不在のなか始まった第4ゲーム「有罪裁判」。父殺しの事件で逮捕された四部の釈放を求めるゲームです。しかし、四部がほぼ有罪であるという証拠が揃っており、無罪を勝ち取るのは非常に困難。
そのため、これは無罪を勝ち取るゲームではなく、あらかじめ運営が用意したお金を渡された陪審員から、全額回収するというゲームになります。総額196万円を回収しなければならず、この金額は美笠が盗んだ修学旅行費と同じ額です。
陪審員は四部や美笠のクラスメイト。四部をイジメた彼らを説得し、お金を回収しなければなりません。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2016-07-08
一方、弱い者勝ちゲームで大けがを負って入院していた友一は、痛みをこらえて独自に動いていました。トモダチゲームを騙ったクロキを脅し、誰の指示でそんなことをしたのか吐かせたのです。そして、その人物を捕えようと、クロキがお金の受け渡しを指定された場所へと向かいます。
友一が独自で動いているなか、美笠も有罪裁判を必死におこなっていました。四部の有罪を裏付けるかのような3つの過去の罪が浮かび上がり、美笠は四部を助ける意味を見失っていたのです。しかし、友一の助言で、3つの証言の内1つが嘘である可能性が浮上。
美笠は四部を助けるべき人物だと誓ったうえで、有罪裁判に挑むのでした。
友一不在でしたが、美笠が意外にもやるところをみせてくれます。しかし、やはり主役は友一なのです。あいかわらず外道すぎる顔をさらし、一気に読者の注目の的となってしまうのです。
今後、美笠や心木といった人物にもスポットライトが浴びせられればもっとおもしろい作品になるかもしれません。
美笠と心木と合流した友一は、四部や沢良宜がいない今のクラスでもっとも発言力のある花宮満(はなみやみつる)という少女に接触するように美笠に指示を出します。花宮は非常に成績優秀で真面目な生徒ですが、接触したのはそれだけが理由ではありません。
最大の理由は花宮が美笠に恋心を抱いているからで、陪審員であるクラスメイトのお金を彼女を騙すことで回収しようとしたのです。しかし、自分を真っ直ぐな目で信じる花宮を前に、美笠の良心が耐え切れずに嘘の自白をしてしまいます。友一の作戦が崩れてしまったのです。
美笠はこの責任は自分でとるといい、トモダチゲームについてだけは伏せて、クラスメイトに再びの集金を願い出ます。修学旅行費を盗んだのは自分だということまで自白しましたが、クラスメイトの心が動くことはありませんでした。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2016-12-09
しかし、友一が何もせずに黙ってみているわけもなく、花宮以上にクラスに発言力を持つ担任教師に接触。非常にあくどい方法で担任を脅し、陪審員からお金の回収をおこなったのです。
結果、四部は無罪を勝ち取りましたが、四部家の借金5億が4人の肩へとのしかかります。5億という大金は通常のトモダチゲームでは返済が難しい額です。そのため、友一は金額の跳ね上がる「大人のトモダチゲーム」に参加を表明。運営もそれを受け入れ、四部とともに一時解放されたのでした。
そして友一らは残る1人の沢良宜が黒か白かを議論します。もともと疑われていた沢良宜でしたが、四部の第2ゲーム後の借金額を聞いたことで、彼女が嘘をついていたことが確定しました。また、四部いわく、四部の父の殺人には間違いなく沢良宜が関係しているということ。
さまざまな憶測が飛び交うなか、友一に強い興味を抱いている運営側の人物の「トモダチゲームを続ければ真実がわかる」という言葉を信じ、4人は大人のトモダチゲームへと挑むのでした。
さて、以降はトモダチゲームがさらにパワーアップした大人のトモダチゲームへと舞台を移します。大人のトモダチゲームはハイリスクハイリターンのうえ、相手が大人のため勝ちあがる難易度も跳ね上がるでしょう。
これまで以上に高度な駆け引きや心理戦が描かれるので、より楽しみになりますね。
大人のトモダチゲームの会場に乗り込んだ友一たちは、友一と四部、美笠を心木にわかれ情報収集をおこなっていました。しかし、再び集うことはなく、運営に提供されるがままの部屋で休息をとっていると、友一と四部はいつの間にか別の場所へと移されていました。
ここは「友情の檻ゲーム」というゲームの開催地である監獄で、収容された者は約20年の刑期の後に釈放されます。ただし、刑務作業として、この場にいる者たちで協力して12万個のドミノ倒しを完成させれば刑期を待たずしてクリア。
その他刑務所内に脱獄用の鍵があり、脱獄できた場合はその人物の勝ち残り。また、「密告」という制度があり、毎晩過半数の意見を集めてしまった人はその時点でゲームオーバーとなります。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2017-05-09
参加者は全部で12人。友一と四部、それ以外にも紫宮やクロキといった見知った人物が参加していたのです。このメンツを見て、友一はすぐさま自分の立場の危うさを悟ります。
紫宮やクロキという自分を恨んでいるであろう人物が味方より多いということは、密告によって自身がゲームオーバーとなる可能性が高まってしまうからです。
それでも、友一はなんとか窮地を脱しようともがき、再びバケモノと天才の戦いが勃発するかに思えましたが、友一と紫宮は自分たち以外にゲームの主導権を握っている存在を感じていたのです。
はたして、12人の中で、全員を欺きゲームを操っているのは誰なのか。一筋縄ではいかない友情の檻ゲーム、これからの展開に目が離せません。
また、この巻で大人のトモダチというものを多少なりとも理解できるでしょう。本作はゲームに目を奪われがちですが、「友達」という概念にも目を向けてみるとより楽しさが増していきます。
友情の檻ゲームを裏で操っていたのは、過去に2度も大人のトモダチゲームに出場し勝ち残った経歴がある詐欺師の種田。
人との繋がりを壊すのが得意な友一に対し、種田は人との繋がりを作るのが得意な人間です。そのため、人数が多いほうが有利なこのゲームを種田は裏で操っていたのです。特に甘いマスクで女をたぶらかすことに長けており、必要とあらば肉体的な接触もおこなう友一以上の卑劣な男といえます。
そして、3度目の大人のトモダチゲームでも種田が勝ち残るかと思いきや、意外な結末が待ち受けていたのです。友一はカモといえる四部に最初に接触してきた種田を初めから詐欺師だと疑っており、このゲームを種田が裏で操っていたことをほぼ初めからわかっていました。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2017-10-06
そのため、ある理由で参加していた宮部紗央莉を彼女の手助けをすることを条件に協力者につけ、種田の計画を崩したのです。
しかし、友情の檻ゲームの勝者はまだ決まっていません。残るは友一、紫宮、クロキ、不動みなみの4人ですが、紫宮とクロキがいる以上、友一の勝ちは難しいのが現状です。
はたして、友情の檻ゲームの勝者は誰となるのでしょうか。
さて、友情の檻ゲームも10巻にて終幕します。まさかあの2人が組んでいたなんて……という展開で、驚く結末が待ち受けています。
友情の檻ゲームは作中で「人狼ゲーム」に例えられているので、そのように頭の中で考えれば、もしかしたら結末がみえてくるかもしれません。
そして、この中でもっともあくどい人間とは誰なのか。その人間こそが勝者であり、人の皮を被った悪魔です。ぜひ自ら目で確認してみましょう。
第1ゲームが終わり、友一はゆとりと天智と久しぶりの再会を果たします。志法の失踪により、5億円の借金を背負うことになってしまった4人ですが、そこに何やら前回から友一に懐いている紫宮京が仲間にさせてくれと言ってきて……。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2018-03-09
第1ゲームが終わったところで、早速第2ゲームの火蓋が切って落とされます。第2ゲーム前半戦はギャンブル。後半戦が行われる島に着くまでの船内で行われる、人間の価値を掛け金とした内容です。
まず最初にいずれかの友達を売り、それを元手に乗船賃1人あたり1000万と、その友達を取り戻すための売った時と同じお金、そして第2ゲーム後半戦でも必要となる掛け金を稼がねばなりません。それぞれの人間につけられる価値は異なり、何と友一は0円で、最も高いのはゆとりでした。
しかし今回友一はギャンブルが苦手ということでいきなり元手をすべてスってしまいます。しかし、そこで手助けとなったのが何と京でした。誠を売った8千万円を友一がスって0円だったところを、天智を売った1000万円を元手に一気に1億6千万円まで増やすのでした。
これで2人を買い戻し、5人分の乗船賃を払っても2000万円手元に残ることになりました。
しかし、第2ゲーム前半戦の見所はここから!なにやら友一の食い過去が明らかになるとともに、ゆとりと京が神代という男に目をつけられ、さらに行方不明になっていた志法が何やら意味深な発言をするのです。
ここから波乱の展開が予想される11巻です!
友一たちは、ひとまずメンバーの乗船賃を払っても2000万円が手元に残る状況になりました。そんな時、誠と天智の前に現れたのは、何と志法。彼女は誠に対し、謎めいた言葉を残します。
それは「本当の裏切り者」が誰か分かった、というものでした。そしてそれ以上は何も言わず、彼らの前を後にするのでした。
そんななか、ゆとりが神代と手を組んだということを聞いた友一は、彼女を責めることなく、逆に手強い相手を味方につけて偉い、と褒めます。そして自分は「少し気になること」を調べるためにしばらくいなくなると告げるのでした。
それを聞いた紫宮は納得いっていないようでしたが、ゆとりの無邪気な笑顔に力が抜け、ひとまずはそのまま待っていることになるのですが……。
- 著者
- 佐藤 友生
- 出版日
- 2018-08-09
この友一不在の間に、何とゆとりが魅嶋の手に渡ってしまいます。結局、やはり神代が裏切っていたのです。そして危機一髪というところで友一が現れます!さっすが主人公!
しかし、そこからの展開はまさかのもの。自分から提案したババ抜きに友一は負け続け、さらに過去を神代に触れられ、動揺を見せるのです。
苦しくなるような展開が続きますが、それも全て12巻最後の展開につながる助走。この勝負をどう切り抜けるのか、仲間に裏切り者がいるという状況のなかでどう勝つのか。
また、その状況を見ている志法は何が目的なのか?
友一の過去やゲームの「本当の裏切り者」の存在など、重要な設定が明かされ始めました。13巻が待ちきれません!
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ハラハラドキドキのゲームや駆け引きが描かれる『トモダチゲーム』の紹介、いかがでしたか。実際に読んでみるとかなりの緊迫感が伝わってきます。しかし、ゲームばかりではなく、タイトルにもなっている「トモダチ」についても考えながら読むと一層読み応えのある作品となるでしょう。
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