表紙の可愛らしい絵柄からは想像できないほどのアツい勝負がくり広げられる『はねバド!』。少女たちのバドミントンへ懸ける情熱と仲間との絆に、心打たれること間違いなしです。
高校の女子バドミントン部を舞台にした本作。作者は「週刊少年ジャンプ」にてラブコメ作品『パジャマな彼女』を連載していた濱田浩輔です。
彼は小学生から高校生までバスケットボールに励んでいたそうで、そのためか部活やチームにおける細かなやり取りを熟知しており、それが『はねバド!』にも表れています。
本作の魅力は、バドミントンに対する何よりもアツい想い。表紙からは想像もできないほどの激しい勝負がくり広げられていくのです。
この記事では、そんな本作のアツい魅力を3つご紹介していきます。可愛い女の子たちも勝負ごとにはマジになる!本気の顔をぜひご覧ください。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2013-10-07
北小町高校バドミントン部のコーチ、立花健太郎は、窮地に立たされていました。体育大学に通いつつ、自身の出身校に赴任してきましたが、練習が厳しすぎると部員が次々と辞めていってしまったのです。
またキャプテンの荒垣なぎさともうまく関係が築けず、部は崩壊寸前でした。
そんな時、羽咲綾乃という新入生と出会います。彼女の類まれなる運動神経と、バドミントン経験者だと思われる手のマメを発見し、健太郎は熱烈に勧誘しました。
引っ込み思案な綾乃は入部を拒否しましたが、そんな彼女のことをなぎさは知っているようで、唐突に勝負を挑むのです。
そしてこの対戦をきっかけに、綾乃は嫌々ながらもバドミントン部へ入部することになりました。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2016-02-05
本作の主人公は羽咲綾乃ですが、キャプテンの荒垣なぎさも副主人公として描かれます。一見気弱な綾乃と、プライドが高く強気ななぎさは対照的ですが、2人とも根底には負けず嫌いなアツい想いを秘めています。
特に綾乃に関しては、そのギャップに驚く読者も多いはず。普段は吹き出しの文字も小さく描かれるなど、声も小さく自己主張の少ない彼女ですが、コートに立てば気弱な表情は鳴りを潜めます。
バドミントンのずば抜けた才能を持っていて、高い選球眼と瞬発力、鋭い読みを活かした守備型のカウンターで得点を重ねるプレイスタイルです。
また精神的な攻撃も得意としていて、心身ともに対戦相手を追い詰めていきます。おとなしそうな少女から一変するさまは、バドミントンに懸ける並々ならぬ想いの強さが伝わってくるでしょう。
一方のなぎさは、高身長とパワーを活かした凄まじい威力のスマッシュを主体とした超攻撃型のプレイスタイルで、普段の彼女と差異はありません。
綾乃ほど多芸ではありませんが、スマッシュを武器にひたすら努力を重ねて全国区のプレイヤーへと成長していきます。
なにもかも対照的な彼女たちですが、共通しているのがバドミントンへのアツい想いと、闘争心です。5巻から7巻で描かれた2人の試合は、作中でもベストバウトとの呼び声が高く、ぜひ注目していただきたいところ。バドミントンの技術だけでなく、プライドや信念をぶつけあった激アツの試合です。
似てないけれど似ている、2人の主人公の活躍から目を離せません。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2016-08-05
本作のベストバウトは先述しましたが、そのほかの試合もまったく見劣りしていません。
1試合1試合が丁寧に描かれており、時には綾乃となぎさ以外の部員や、敵チームのキャラクターにも焦点が当てられます。それぞれの登場人物がどのような想いを抱いて戦いに挑んでいるのかがわかり、胸が熱くなるはずです。
また、本作の舞台はあくまで高校のバドミントン部。全員が綾乃のような才能を持っているわけではありません。部活動を経験した読者の多くは、もしかしたら彼女たちにこそ親近感を抱いて感情移入ができるのではないでしょうか。
それゆえ、どんな試合も印象に残るものとなっているのです。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2017-05-01
本作で描かれているのは主に個人戦。しかし、部活動をするうえで必須の人と人との繋がりもしっかりと描かれています。
綾乃にとってのバドミントンは、数年前に失踪した母と自身を繋ぐためのものでした。一時バドミントンから離れていたのも、孤独感に苛まれるようになったから。しかし部活に入り、さまざまな人の想いに触れることで、他者との繋がりの大切さを実感していきます。
3年間という短い期間ですが、そのなかで得るものはかけがえのないものとなり、仲間との絆を強くしていくのです。この点は青春スポーツ漫画の王道ともいえるでしょう。
仲間とともに成長していく綾乃の姿に注目してみてください。
類稀なるバドミントンの才能を有する少女・羽咲綾乃。その才能に惚れ込んだ北小町高校バドミントン部コーチの立花健太郎は、あらゆる手段で綾乃をバド部へと勧誘します。ようやく、部長の荒垣なぎさと勝負をして負けたら入部という約束をこぎつけました。
なぎさも当初は乗り気ではない様子でしたが、綾乃の顔を見た瞬間にその態度をあらためます。どうやら2人、過去に因縁があるようで……?
結果として、やや強引な方法ながら綾乃はバド部へと入部するはめになりました。いまだに難色を示している彼女を、健太郎は無理やりインターハイ予選に向けた合宿へと連れて行きます。
そして綾乃は、自分を姉と呼ぶ不思議な人物と出会うのです。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2013-10-07
綾乃は非常におとなしい少女。人見知りで、親しい友人を介さないと自分の意見を主張できません。またセリフも意図的に小文字で描かれているので、一層控えめな印象を受けるでしょう。
しかしそんな彼女が、コート上では豹変するのです。アツくなるだとか、懸命になるだとか生易しいものではありません。まるで「捕食者」のような、冷酷で冷静な表情をのぞかせます。その変わりようには鳥肌がたつほど。
また彼女を姉と呼ぶコニー・クリステンセンという外国人の少女が登場。綾乃の母と関係があるようで……?
1巻からアツイ試合が描かれる『はねバド!』。はれて入部することになった綾乃が、バドミントンにどう向き合っていくのか注目していきましょう。
インターハイ予選に向けて練習に熱が入るバド部の面々。そんななか健太郎は、団体戦予選のオーダーに頭を悩ませていました。
全国区の実力を有する綾乃となぎさがいるものの、団体戦はダブルス2戦、シングルス3戦の全5戦のなかで3勝しなければなりません。
そこで健太郎は初戦のダブルス1戦目を綾乃となぎさのペアで勝ち、その後シングルス2戦目、3戦目に再度綾乃となぎさで勝ち星を狙うオーダーを考えつきます。
綾乃となぎさのコンビネーションが重要になるのですが、相性のよくない2人はコートでぶつかってばかり……それでも健太郎は彼女たちを信じて指導を続けます。
しかしなぎさの目には、その指導が綾乃を贔屓しているように映ったようで……ついに痺れを切らし、健太郎に当たり散らしてしまいました。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2014-02-07
天才の空気を醸し出す綾乃とは対照的に、なぎさは努力の人間として描かれます。健太郎はそんな彼女の姿をしっかりと見ていて、期待と信頼を込めて指導をしていたのですが裏目に出てしまいました。
外見が大人びていても、やはりまだ女子高生。思春期でもありますし、健太郎の想いを汲みとるのは難しいかもしれませんね。
バドミントンで生じたすれ違いは、バドミントンで埋め合わせる……健太郎となぎさの想いをぶつけ合うような試合は見ものです。そしてそんばなぎさの努力を目の当たりにし、綾乃の心境にも変化が訪れます。チーム内の雰囲気が徐々にか変わってきましたね。
インターハイ個人戦シングルス神奈川県予選がいよいよ開幕。綾乃は1回戦から静かにその実力を発揮し、注目を集めていました。一方のなぎさも危なげなく勝ち進み、順当にコマを進めます。
そして綾乃の3回戦、相手は中学時代のライバルだった芹ヶ谷薫子(せりがやかおるこ)です。全中出場者で、今回のインターハイ優勝候補にも名をあげているほどの実力者。
かつて薫子に敗北した綾乃は、リベンジに執念を燃やしていました。拮抗するかと思いきや、試合は圧倒的な綾乃ペースで進み……。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2014-07-07
個人戦シングルスが開幕。綾乃にとっては短い期間の練習でしたが、なぎさやその他の3年生にとっては集大成ともいえる大会です。
なぎさは積み続けた努力を惜しげもなく発揮し、順当に勝ち進みました。そして綾乃も秘めたる実力を露わにし、一気に注目選手へと成り上がります。
ライバル対決である綾乃対薫子の試合は、本作のなかでも見どころ溢れる試合です。驚異的な身体能力と意外性のある発想で相手を苦しめる綾乃と、努力と思考で何パターンもの引き出しから試合を組み立てる薫子。
才能と頭脳の戦いともいえる勝負の行方はどうなるのでしょうか。
綾乃と薫子との試合は、結果を見れば圧倒的な差がついていました。薫子はどうにか食らいつこうとしたものの、及ばなかったのです。
そしてこの2人の試合を、大柄な老人が興味深く観戦していました。試合後、綾乃に接触してきます。
どうやら行方がわからなくなっている母・有千夏(うちか)の所在を知っているようで、綾乃はまだ大会が続いているにもかかわらず、老人についていってしまうのです。彼の正体はなんと世界バドミントン連盟の人物で……。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2014-11-07
薫子と白熱の試合をしたのも束の間、綾乃はさらなる強大な人物との戦いを強いられます。母に会いたい一心でバドミントンを続けていた彼女は、手がかりを知っている老人についていくしかありません。
そして、とある人物との試合に勝てば母に会わせるという条件を出されるのです。
対戦相手は、現世界ランク1位の人物。圧倒的な実力を持っています。しかし綾乃も眠れる才覚を呼び起こし、徐々に巻き返していって……。
瞬きする間も惜しむほどのアツい試合。女子バドミントン最強の人物との試合はどうなるのか、そして綾乃は母と会うことができるのでしょうか。
母といることよりも、北小町高校バドミントン部にいることを選んだ綾乃。予選へと戻ってきました。なぎさは、世界ランク1位の選手に綾乃が勝ったことを知り、より一層モチベーションを上げます。
そして迎えた準決勝。なぎさはセオリー通りに試合を運ぶ相手選手に苦戦を強いられます。しかし持ち前のパワーと強い気持ちで、なんとか勝利を収めることができました。
一方の綾乃は、圧倒的なスコアで準決勝を終えます。互いに全国に進めることは決まった状態で、意地とプライドを賭けた決勝戦が幕を開けるのです。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2015-04-07
本作は、綾乃となぎさ以外にも、薫子や今回のなぎさの対戦相手である石澤望のように、魅力的な敵キャラクターがたくさん登場します。彼女たちにも魅力があるからこそ、どの試合もアツく面白いものになるのです。
また今巻では、バドミントンを「楽しむ」ということにも焦点があてられました。どれだけ才能があったとしても、どれだけ努力をしていたとしても、彼女たちはまだ高校生。仕事や義務感などではなく、自分で選んでバドミントンをして、自分が楽しいと思えるプレイスタイルを見つけていくのです。
類まれなる才能に目が行きがちですが、競技本来の楽しさもしっかりと描かれているので、注目してみてくださいね。
カウンターを主な攻撃手段とした、守備型の綾乃。恵まれた体格とパワーから出すスマッシュを軸にした、攻撃型のなぎさ……本来であればこれらの特性を生かした展開になるはずでしたが、お互いに慎重になり、試合は静かに進みます。
そんななか、先に仕掛けたのは綾乃でした。攻めに転じて強引に活路をこじ開けてきたのです。そのまま第1セットは綾乃が有利に試合を進め、見事に奪いました。
続く第2セット、ここまでとは違いラリーを打ち合う展開になります。これは綾乃からなぎさへの挑戦状。自分のレシーブとなぎさのスマッシュ、どちらが上かを白黒つけようと語りかけてきたのです。
なぎさはその挑戦に対し、自らの必殺技をくり出して……。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2015-09-07
先述したように、綾乃となぎさのこの試合は『はねバド!』内のベストバウトというべきもの。最強の「矛」と最強の「盾」の、どちらが強いかを決める闘いでもあります。一挙手一投足を逃さないでくださいね。
また6巻では、綾乃の幼少期が語られるエピソードも。彼女がどのようにしてこれほどまでの実力を身に着けたのかがわかります。
「天才は作れる」という母・有千夏の言葉の真意とは果たして……。
まだまだアツい試合は続きます。ぜひ次巻をお手元に置いておいてくださいね。
いよいよ迎えた最終セット。なぎさが一方的に攻める展開となり、次々に得点をあげていきます。対する綾乃は体力面に難があり、足がついてこなくなってしまいました。
しかし、このままズルズルと負けてしまう彼女ではありません。なんとラケットを中央にかまえ、右手も左手もどちらも使った返球「ゼロポジション」を披露。観客はざわめき、会場を味方につけて最後の力を振り絞ります。
こうして再び一進一退の攻防がくり広げられ、いよいよマッチポイント。そして、ようやく神奈川の王者が決まったのでした。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2016-02-05
白熱の決勝戦もついに決着!最後の最後まで見ごたえがあり、すべてが見どころとなる試合でした。
この試合を経験したことで、綾乃の心境にも変化が生じます。明確に「強くなりたい」と願うようになるのです。バドミントンをできることが当たり前の環境で生きてきた彼女にとって、この思いは初めて抱いたものでした。
さらなる進化を遂げようとする綾乃から目が離せません。
個人戦が終わり、いよいよ団体戦へと突入。しかしこれまでの戦いで膝にかなりの負担がかかっていたなぎさは、ドクターストップにより団体戦への出場ができなくなってしまいました。
それでも綾乃や部員たちの力で、何とか3回戦へとコマを進めます。対戦校は前回県優勝をしている横浜翔栄高校。なぎさ抜きで勝つには、少々厳しい相手です。
健太郎はどうにか勝率をあげるために、少し変則的なオーダーを組みました。横浜翔栄のエース・橋詰英美(はしづめえみ)が出てくると予想されるシングルス3戦目に、綾乃ではなく、泉理子(いずみりこ)を据えたのです。
彼女はなぎさとともに3年間頑張ってきた副キャプテン。この大会に懸ける想いも強いものがあります。これがもっとも勝率の高いオーダーだと考え、北小町は3回戦に臨むのでした。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2016-08-05
個人戦が終わったのも束の間、団体戦が描かれます。8巻では綾乃と理子のダブルスが主に描かれますが、焦点が当たるのは理子と敵校の選手。
さまざまな人物の努力や背景を描くことで、本作は感情移入ができる作品となっているのです。特に今回は橋詰の葛藤や苦悩が描かれ、部活や運動をしていた人なら非常に共感する内容になっているのではないでしょうか。
過去の栄光や自己評価と現実のギャップなど、高校生なら誰しも感じたことがあるでしょう。そんな彼女の心の内が覗ける巻となっており、読みごたえがあります。
横浜翔栄戦は、健太郎の予想通り2勝2敗でシングルス3戦目までもつれ込みました。最後の勝負を託されたのは、副キャプテンの理子です。皆の思いを背負って、コートへ向かいます。
一方の橋詰も、仲間の雄姿を胸に刻み別人のような雰囲気を纏っていました。おっとりとしたつかみどころのない表情から一変、闘争心を前面に押し出した顔になったのです。
理子はその気迫に気圧され、序盤に大差をつけられてしまいます。しかし、欠場しているなぎさを全国に連れて行くという約束を思い出し、心が折れることはありません。
インターバル中に冷静になったことで、橋詰の弱点を見つけることができ……。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2016-12-07
なぎさと理子は、高校に入ってからずっと一緒にバドミントンをやってきた仲。2人の強い絆が印象的です。実力差は大きく開いていますが、仲間だからこそお互いを対等に見ています。まさに部活動での理想的な関係といえるでしょう。
また、綾乃を含め、北小町の絆も感じられる巻でした。バドミントンで母を超えることで、母への恩返しをしようと考えた綾乃は、ある決断をするのです。
強くなることに躊躇うことをやめた彼女はもう誰にも止めることができません。「全国制覇」という明確な目標を掲げ、走り出すのでした。
期末試験を経て、いよいよインターハイが始まります。まずは団体戦。コニー・クリステンセンと、個人シングルスで優勝候補の志波姫唯華(しわひめゆいか)が率いるフレゼリシア女子短大付属高校が圧倒的な力で優勝を飾りました。
そして続く個人戦。名だたる強敵がうごめくなか、なぎさは順調に勝ち進んでいきます。一方の綾乃は2回戦から苦戦をしており、辛勝という形でコマを進めていました。
そんななかで迎えた4回戦。相手は綾乃を上回るスピードのある選手で、とにかく攻めてくるのです。あまりにも速い試合展開に、考える時間を与えてもらえず……。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2017-05-01
パワー対テクニック、スピード対頭脳など、異なるタイプの戦いが多く描かれる本作。今回はスピード対スピードという珍しい試合です。非常に臨場感があり、これまでとは一味違う迫力を感じるのでしょう。
また、県予選からインターハイにかけて、綾乃のバドミントンに対する姿勢が大きく変わっていました。ラリーを対話に例え、相手の心の声を聞くようになったのです。
これまでは時おり相手を見下すような、傲慢な気持ちが見え隠れしていた彼女ですが、成長がうかがえますね。バドミントンの技術はもちろん、人間としても成長する姿が魅力的でしょう。
インターハイの個人戦、綾乃となぎさはなんとか準々決勝まで駒を進めました。ベスト8に残っているのは、名だたる選手ばかりです。
綾乃の次なる相手は、「天才」と呼ばれる益子泪(ましこるい)。サウスポーで身長が高く、センスも抜群で、綾乃のスケールを大きくしたような選手です。確実に格上の相手を前に、1セット目を落としてしまいました。
さらに益子は、綾乃のことを「神藤」と呼び、どうやら過去の彼女を知っているようです。しかも「神藤」である綾乃に何かを求めているようで……。
一方の綾乃は、「神藤」だった自分を捨て「羽咲綾乃」として、正面から益子にぶつかっていきます。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
- 2017-10-06
間違いなく作中でトップレベルの才能を持つ2人の激突。「天才」対「天才」と呼ぶに相応しい試合です。
ただ綾乃は、天才同士の力のぶつけ合いを望んでいるわけではなく、試合で想いと想いをぶつけ合うことを望んでいました。
益子の想いをなんとか受け止めたいとしますが、相手はなかなか応えてくれません。それでもひたむきに考えながらプレイをする綾乃は、以前とはまるで別人。成長した姿を見せてくれます。
試合は徐々に激しさを増していき、かつての綾乃対なぎさを彷彿とさせる白熱っぷり。さて、どのような結果が待ち受けているのでしょうか。
綾乃は、唯一見つけることができた益子の弱点を狙い続けることで、得点を重ねていきます。互角のスコアで第3セットまで試合は進みました。
泣いても笑っても、次が最終セット。天才対天才の戦いの行方を、多くの人が見守ります……。
一方、綾乃と同じく準々決勝に進んでいるなぎさの相手は、ぶっちぎりの優勝候補であるコニー。なぎさがなんとか食らいつく形で試合は展開され、どうにか第3セットまでもつれ込みます。しかしここでコニーが豹変し、圧倒的な力を見せつけてきて……。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
綾乃対益子の試合は、アツいながらも少しの寂しさが残る試合でした。誰もが目標としてきた益子泪という偶像が崩れ去る瞬間を目の当たりにし、天才が背負う重責を感じます。
また、コニーの真の実力が発揮され、その強さと迫力に戦慄を覚えることでしょう。スピード、テクニック、パワー、頭脳、そしてセンスと、彼女はすべてを兼ね備えた完璧なオールラウンダーなのです。
圧倒的な力を前に、なぎさはどのように戦うのか。次巻が待ち遠しい展開となっています。
なぎさとコニーの死闘が描かれた13巻。始まりはコニーが勝利を確信したラストゲーム、スコアは7-0という状態からでした。そこで彼女はなぎさにお別れを告げるのですが、それに対してこう返されます。
「うるせえんだよ」
(『はねバド』13巻より引用)
そしてなぎさは、ここからが本番だとでも言うように、笑って見せるのです。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
2人の死闘の行方は、ぜひ作品でご覧ください。バドミントンは、ラリーのスピードが早く、そこか爽快なスポーツでもありますが、その一打一打には、さまざまな趣向が凝らされていることが伝わってきます。そしてこの戦いを経て、両者は確かに成長のステップを踏むのでした。
そしてインターハイは、ベスト4である1年生2人、3年生2人の鍼灸争いへと続きます。
そして13巻の後半は、有千夏のベスト4争いに向けての前日譚が描かれます。自分の秘密を知った時、彼女はどんなドラマを見せてくれるのでしょうか?
インターハイの戦いがヒートアップしていきます!
ついに唯華と綾乃の決勝戦が始まります。主将である唯華は副主将であるさきから勝利への貪欲さが足りないと指摘され、綾乃は母の体調が良くないということを聞くという、それぞれの事情を踏まえ、試合に臨みます。
- 著者
- 濱田 浩輔
- 出版日
あっとういまに唯華が4セットをとる形で進められる試合展開。一方的に追い詰められた綾乃はそれでも母親のために戦わなければという信念にも追い詰められ、極限の精神状態になっていました。そしてそれを活かした猛攻で徐々に自分のペースにするのです。
しかし考えない方が強くなるタイプの綾乃に対し、心理的、技術的な面での戦略に長けている唯華がまだ1枚上手でした。
そんななか、緊迫した展開にも関わらず、綾乃は無邪気にある質問をします。そこで非情になりきれなかった唯華が、唯一にして最大の失敗を犯すことになり、そこから試合は波乱の様相を見せるのです。
さらにそこに挟み込まれる、それぞれのコーチからのアドバイス。少女たちは試合を通し、技術面や戦略面だけでなく、精神面でも成長していきます。果たしてこの勝負の行方はどうなるのでしょうか?
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アツい想いとアツい戦いが描かれる『はねバド!』。実際に読んで、その魅力を確認してみてくださいね。