『名探偵コナン』といえば推理はもちろん、キャラクターたちの恋愛事情が魅力的な漫画です。そこで本記事では多種多様な恋愛関係をまとめてみました。
- 著者
- 青山 剛昌
- 出版日
- 2011-06-17
漫画『名探偵コナン』といえば、新一や蘭を始めとした初々しくも甘酸っぱかったり、すれ違いに次ぐすれ違いでなかなか前に進まなかったりのカップルたちが多いのが魅力です。今回はそんなカップルたちについて、大まかではありますがまとめてみました。
読者がもっともキュンとさせられるであろう新一と蘭の関係。幼馴染であるふたりは、幼稚園生のときからの初恋相手同士です。小学校、中学校と一緒に居続け、互いに恋心を燻らせ続けていた二人ですが、高校生になり変化が訪れます。
それが、新一の幼児化です。コナンとして蘭の傍にいる新一ですが、蘭からすれば想い人と離れた状態が続いています。新一の方も、コナンの姿では蘭に本心を伝えることはできません。
今までずっと一緒にいたのに急に離ればなれになってしまったからか、時折酒や薬によってコナンが新一に戻ると、少しずつながらも二人の関係は進展していくようになります。
その最たるものが、新一のロンドンでの告白です。
「オメーは厄介な難事件なんだよ!」
「余計な感情が入りまくって、たとえオレがホームズでも解くのは無理だろーぜ!」
「好きな女の心を…正確に読み取るなんて事はな!!」(『名探偵コナン』第72巻より引用)
しかし、実はまだ蘭はこの告白に返事できていない状態であり、ここから進展していません。読者からすると遥か昔から両想い確定なのでじれったいことこの上ないのですが、このじれったさが逆にキュンとくるカップルですね。
そんな誰から見ても両想いでお似合いのカップルな新一と蘭ですが、新一に密かに淡い想いを募らせる人物がいます。それが、幼児化という悲劇を新一と共有する灰原哀です。
灰原が新一(コナン)に思いを寄せているという確かな描写はありませんが、新一の母である有希子は灰原がコナンに恋をしていると疑っていないようですし、劇場版では毎度毎度無茶をするコナンを切なげな表情で心配したり引き留めたりしています。
とはいえ、叶わない恋であることは承知しており、新一と蘭の仲を妨害するようなことはありません。新一の方は、灰原からの想いにまったく気付いていないようです。
服部と和葉の関係は新一と蘭によく似ています。ふたりは幼馴染で、お互いが初恋相手という間柄。しかしこのふたりのじれったいところは、どちらも新一や蘭より鈍感であるところです。
和葉は服部への恋心を初期から自覚しており、嫉妬を見せることもしばしばでした。しかし服部に至っては、和葉が他の男と仲良くしていると嫉妬したり、和葉が危険な目に遭うと自分の身よりも彼女を優先したりしているにも関わらず、和葉への想いが恋情だと長らく気づいていませんでした。
そんな服部が自分の想いを自覚したのが、単行本83巻のことです。和葉がガラの悪い男たちに絡まれたと思い込んだ際に、服部はコナンの静止も聞かずに男たちに掴みかかります。
「お前オレの…オレの和葉に何さらしとんじゃ!!!」(『名探偵コナン』第83巻より引用)
この自分の言葉で服部は、長らく和葉に抱いていた感情が恋心だと悟ります。しかし、親友でありライバルでもある新一がロンドンのビッグベンでのロマンチックな告白を成し遂げたということもあり、「そんな大事なことをひっかけ橋の上で言ったことになんかできるか」と、未だ告白をしていない状態です。
その後、告白にふさわしいビッグベンに勝るロマンチックな場所を探しては告白しようとしているのですが、いつも邪魔が入りなかなか前に進んでいません。
そんな服部に片思いをしているのが、百人一首のクイーン・大岡紅葉です。2017年の劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌』にて活躍した彼女は、それだけの登場に留まらず、原作でもしばしば登場するキャラクターとなりました。
紅葉は、小さい頃にかるた大会で負かされた服部に「今度会ったらヨメにとってやるから」とプロポーズされたと勘違いし、そのときの約束を胸にずっと服部への恋を募らせてきました。その後プロポーズは誤解だったと分かったものの、未だ服部を諦める気配はなく、和葉のライバルとしてこれからも活躍していくことでしょう。
京極と園子は、空手400戦無敗の最強男と、鈴木財閥のお嬢様という異色のカップルです。京極が蘭の試合を応援している園子に一目惚れし、その後襲われた園子を京極が助けたことがきっかけで付き合いはじめました。
付き合ってすぐに京極がアメリカへ武者修行へと行ってしまったため遠距離恋愛となっていますが、ふたりの仲は極めて良好です。ただ、京極は少しばかり古風な価値観の持ち主であり、園子がミニスカートなどの露出度が高い服装をすると注意してくるほど。
園子はイケメンを見ると目移りする様子を見受けられますが、京極からの連絡があるたびにハシャぐなど、彼にはべた惚れなことが分かります。また、ファンだと常日頃から騒いでいる怪盗キッドに対しても、「大事な試合が控えているから(京極を)怪我させないで」と頼んでいるなど、京極に関してはいじらしい一面を見せているのです。
京極の方も、単行本52巻では園子に危険が迫ると試合を放り出して彼女を助けに来たり、単行本82巻では怪盗キッドを様付けで呼ぶ園子を見て嫉妬の炎を燃やし、次郎吉に自らの強さを売りこみキッドとの直接対決へと持ち込んだりと、園子のことを大事に想っているようです。
今やおなじみのカップルとなった高木と佐藤は、基本的に男勝りで鈍感な佐藤に対し高木が振り回されている関係です。警視庁のマドンナ的存在である佐藤に憧れている男性刑事は多く、高木はいつも嫉妬や羨望の眼差しに晒されていますが、白鳥が小林と付き合うようになってからはかなり彼らの邪魔も少なくなっているようです。
佐藤は3年前まで、爆発物処理のスペシャリスト・松田陣平と相思相愛の関係でした。松田の殉職後、その原因となった犯人を逮捕するまで、佐藤はずっと松田のことが忘れられずにいました。
単行本37巻では、松田のトラウマから取り乱し、佐藤は犯人を殺そうとしてしまいます。それをかねてから佐藤に思いを寄せていた高木が力ずくで止めたのです。
高木「そんなんじゃ松田刑事に怒られちゃいますよ…」
佐藤「(バカ…バカバカ…忘れたいのに…)」
佐藤「忘れさせてよ~!!バカ~!!」
高木「ダメですよ忘れちゃ…それが大切な思い出なら忘れちゃダメです…」
高木「人は死んだら、人の思い出の中でしか生きられないんですから…」(『名探偵コナン』第37巻より引用)
色恋に疎く、自分よりも男勝りな佐藤に頭が上がらない高木ですが、時折このような真摯な格好良さを見せることも。
現在もふたりの仲は良好であり、単行本第82巻時点ですでに一夜を共にする関係とまでなっていることが示唆されています。
千葉と三池は小学校時代、お互いに両想いの関係でした。しかし、6年生のときに三池が転校することになり、その際に千葉はラブレターを送ります。三池はその返事を学校内に隠していたのですが、千葉は現在までそれを確認することができていなかったのです。
三池が本庁に転属し、ふたりは再会することになりますが、千葉は三池にまったく気付いていません。一方、三池も気恥ずかしさから千葉に自分が幼馴染であると告げられずにいます。千葉は三池に幼馴染の姿を重ねたり、ふたりと同じ小学校だった桜子にはすぐ気付いたりしているのですが、「あの子はすでに結婚している」と思い込んでいることもあり三池にはなかなか気づきません。
三池の方は千葉に想いを告げられずにいるのですが、「太っているから」と千葉を見下す周りの女性に、「本当はかっこいいのだ」と見返してやるため、密かに千葉にダイエットグッズを贈ったり、痩せてイケメンになった千葉が周りにアプローチ掛けられるのを防ぐため、今度は逆に大量のチョコレートを贈ってリバウンドさせたりと、熱烈な想いを見せています。
当初の白鳥は、自身が警察を目指すきっかけとなった言葉をくれた初恋の女の子が佐藤だと考え、佐藤のことを好いていました。しかし、歩美にその初恋の子と同じ言葉で励まされたことをきっかけに、その女の子の正体が歩美の担任の先生であり佐藤と瓜二つの小林だと気付きます。
その後白鳥が熱烈なアプローチを続けた甲斐あって、第68巻に収録されたエピソードで、ふたりは無事に付き合うことになりました。付き合ってからも白鳥は小林にぞっこんで、ホワイトデーには大量のお菓子を小林に贈っています。
大学時代に付き合っていた秀吉と由美。由美が警察官になるのをきっかけに別れを持ち出すと、秀吉は由美に封筒を渡し「7つ揃うまで待っててくれ」と言い残し、その後一切の連絡を絶ちます。というのも、秀吉はプロ将棋棋士で、由美に渡した封筒には、秀吉の職業を「七冠王」と記した婚姻届けが入っていたのです。これは、七冠王になるまで結婚しないという周吉の覚悟の現れでもあります。これに耐えかねた由美が秀吉をフることで、ふたりの関係は終わったはずでした。
しかし、第80巻でふたりが再会したエピソードでは、秀吉は未だ由美に好意を持っていることが発覚します。由美の方は執拗に「元カレ」だと主張しますが、寝言で「7つ揃ったらって」「いつ揃うのよ」と言ったり、自身が誘拐されたときには秀吉にキスをしたりと、秀吉のことがまだ好きであることは明らかです。
残念ながら王将戦で敗北してしまったことにより、ふたりの結婚は遠のく形になりましたが、とりあえずは「元恋人」から「恋人」に戻ったといえるでしょう。
赤井と明美は恋人同士ではありましたが、もともとは赤井が黒ずくめの組織に潜入するための架け橋として明美を利用しているに過ぎないはずでした。
しかし、明美は赤井がFBIだと気付いてなお、赤井のことを想っていました。その証拠に明美は、赤井の正体が組織にバレた後2年間音沙汰がなかったにも関わらず、組織から言い渡された難しい任務の前、復縁を求めるメールを赤井に送っています。
明美が亡くなったと聞いたときの赤井の様子を知るジェイムズやジョディによると、赤井の方も明美のことを本気で愛していたようです。彼女の最期のメールを未だに保存しており、明美の妹である志保(灰原)を見守っている様子からもそれが明らかです。
赤井は明美と付き合う前は、同じくFBI捜査官のジョディと付き合っていましたが、組織潜入のため明美と付き合うことになると、「2人を同時に愛せるほど器用じゃない」と別れを切り出します。別れた後もジョディは赤井のことを密かに想っているらしく、彼が死んだと聞いた際には涙を流していました。赤井の方は明美に想いを向けつつも、ジョディのことはFBIの仲間として心配する様子を見せています。
大学在学中に結婚し、仲睦まじい夫婦だったにも関わらず、現在別居中の毛利小五郎・妃英理夫妻。別居の理由は実は結構ほほえましいものです。
刑事時代の小五郎が、英理を人質にした犯人に対し発砲したことがありました。その弾は英理をかすめてしまうも、無事犯人逮捕につながります。助けてくれたお礼にと英理は怪我の痛みをこらえて料理を作ったのですが、小五郎は英理を心配するあまり「こんなもん作るくらいならさっさと寝てろ」と言ってしまうのです。かちんときた英理はそのまま家を出ることに……小五郎の不器用な心配の仕方と英理の意地っ張りが仇となり始まった別居生活は、ふたりが素直にならないため未だ継続中です。
しかし、お互いに愛想が尽きたわけではないらしく、英理は小五郎からプレゼントを受け取るとまんざらでもない様子を見せていますし、小五郎は英理がピンチになると必死の形相で助け出そうとしています。
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前述の毛利夫妻と比べるとラブラブさが際立つ工藤夫妻は、世界的ヒット作を生み出す推理小説家と世界的有名女優というビッグカップルです。夫婦仲は非常に円満なのですが、時折喧嘩してはアメリカから新一のもとに家出してくる有希子を、優作が優しく迎えに来る……という、息子の新一からすると少し辟易とする一面もあるようです。
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『名探偵コナン』の恋愛関係一覧、いかがだったでしょうか?先が楽しみなカップルばかりなので、これからの展開に注目です。