5分でわかるこどもの日(端午の節句)!由来や歴史、兜人形、食べ物を解説

更新:2021.11.12

お子さんから「こどもの日」の歴史や由来を尋ねられた時、あなたは答えられますか?今回は、意外と知らない事実や、兜人形、ちまきや菖蒲湯などの風習について解説し、あわせてお子さんと一緒に読みたい本も3冊ご紹介します。5月5日の過ごし方が変わるかもしれませんよ。

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こどもの日(端午の節句)とは。歴史や名前の由来、何をする日なのか紹介!

 

「こどもの日」は「端午の節句」ともいわれ、人日・上巳・端午・七夕・重陽から成る「五節句」のうちのひとつです。日本では主に男児の健やかな成長を祈願して、5月5日に制定されています。

五節句はもともと中国で定められていた歴法で、日本に伝わったのは奈良時代のこと。当時は、菖蒲の髪飾りをした人々が「武徳殿」と呼ばれる殿舎に集い、天皇から薬玉を賜る行事でした。

鎌倉時代になると、「菖蒲」と、武道や軍事を重んじる「尚武」が同じ発音であることなどから、「端午の節句」は男の子の健康を祝う日として広まっていきます。

「こどもの日」と呼ばれるようになったのは、1948年。「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨とし、5月5日に制定されました。

こども日の兜人形を飾るタイミングは?誰が買うもの?

 

兜人形を飾るタイミングとして、前日の5月4日や当日の5月5日に出すのは良くないとされています。一晩で片付けをする葬儀の祭壇を彷彿とさせるためです。

彼岸を過ぎた3月24日頃から飾りはじめるのが一般的で、地域によっては「先手必勝」という意味を込めて早ければ早いほどよいとされています。少なくとも4月下旬、1週間前までには出すようにしましょう。

購入する人について厳密な決まりは無いですが、北海道から関東圏までは父方の祖父母が、甲信越から九州までは母方の祖父母が買う風習が残っている地域が多いとされています。

こどもの日の食べ物について。ちまきや柏餅を食べる意味は?

 

もともとの由来は、中国の戦国時代に楚という国にいた政治家、屈原です。彼は家柄も良く詩の才能もあったので、国王の側近に抜擢され国政を担うひとりとして重宝されていました。 
 

しかし、秦によって楚が陥落させられると、自国が滅びることを嘆いた屈原は石を抱いて入水自殺をしてしまうのです。いつになっても彼の遺体は見つからず、魚に食べられてしまうことを恐れた国民たちが「ちまき」を川に投げ込んだそうです。

ここから中国では、神聖な食べ物とされているもち米で作ったちまきを食べることで、祖先を弔ったり豊作を祈ったりするようになりました。

日本でもこの習慣を受け、無病息災を願ってちまきが食べられています。

ちなみに柏餅を食べる風習は、「こどもの日」が制定された1948年に始まりました。柏には新芽が出るまで葉が落ちない、という性質があるので、「家系が途絶えない」という願いが込められているそうです。

こどもの日に菖蒲湯に入るのはなぜ?

 

中国では、菖蒲の葉は発熱や引きつけなどを治す漢方薬として使用されており、菖蒲酒などを飲む習慣もありました。また邪気を払う効果があるとも信じられていて、「浴蘭節(よくらんせつ)」という行事もおこなわれています。

菖蒲湯に入るのは、日本に「端午の節句」が伝わった際に独自に生まれた文化だと考えられています。

菖蒲の茎には、アザロンやオイゲノールと呼ばれる血行促進成分が入っており、腰痛や肩こりに効果があるそう。独特の香りにはリラックス作用もあるそうです。

こどもの日に親子で読みたい一冊

本書は、お母さんが病院で赤ちゃんを出産する1日を描いたもの。一緒に読んだお子さんも、自分がお母さんから生まれてきたことを実感できる内容になっています。

著者
長野 ヒデ子
出版日
1993-07-15

優しいタッチの絵と語り口が特徴で、出産するお母さんの不安な気持ちと、無事に生まれてきてくれた喜びが丁寧に描かれています。

「こどもの日」の趣旨に「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」とあるように、ぜひ当日に読んで親子の絆を深めていただきたい一冊です。
 

親子で読みたい行事絵本

 

日本でおこなわれている1年間の行事を、小さなお子さんにも理解できるように読み聞かせ本として分かりやすくまとめたもの。

「端午の節句」の意味をはじめ、お正月になぜお餅を食べるのかなど、意外と知らない習わしを学ぶことができるでしょう。
 

 

著者
西本 鶏介
出版日
2011-12-10

 

行事ごとに異なる作家が絵を描いているため、まるで違う本を読んでいるかのようで、読者を飽きさせません。

お子さんから行事の由来を聞かれてもうまく答えられずに困っている親御さんにはぜひ手に取っていただきたい一冊です。分かりやすい「伝え方」も学ぶことができるでしょう。
 

 

子供たちがつくる「こどもの日」

児童書のなかでも人気を誇る「やかまし村」シリーズ。3家族しか住んでいないとある村の、子供たちの暮らしを描いています。

本書は、1番年下の女の子・シャスティーンを喜ばせるために「こどもの日」をつくり、面白おかしく奮闘する物語です。
 

著者
リンドグレーン
出版日

子馬に乗せてあげたり、歌を歌ってあげたりと、懸命にシャスティーンを喜ばせる様子が生き生きと描かれています。「ヘイヨム、フェイヨム」という彼女が楽しい時に口ずさむ言葉も、耳障りがよく小さなお子さんは真似したくなってしまうかもしれません。

児童書ですが、文字も大きく挿絵も多いので、小学校にあがる前の子も大人と一緒に楽しめます。小学校低学年であれば、ひとりで読み進めることができるでしょう。

1番年下の女の子をなんとか楽しませようと無茶なことをする登場人物たちの姿は、お子さんの無邪気な心を惹きつけるはず。ぜひ「こどもの日」に読んでみてください。

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