5分でわかる室町時代!流れと特徴、人物や文化などをわかりやすく解説!

更新:2021.11.13

相次ぐ戦乱によって中世までのシステムが破壊され、近世社会への移行がはじまった室町時代。幕府の力が弱まり戦乱が続いた激動の時代としても有名です。どんなことがあったのか流れや特徴をわかりやすく解説し、文化や知っておきたい人物、おすすめの関連本もご紹介していきます。

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室町時代の流れを簡単に紹介。応仁の乱以降は戦国時代に!

 

戦乱の絶えない不安定な時が続いた室町時代。そのなかでも南北朝時代、戦国時代と区分されています。

南北朝時代

1333年に鎌倉幕府が滅んだ後、後醍醐天皇は「建武の新政」と呼ばれる新しい政権を開始。しかしその政策は停滞を招き、多くの批判を受けるようになります。1336年に足利尊氏によって退位させされ、あっという間に建武の新政は崩壊しました。

その後尊氏は新たに光明天皇を即位させ、1338年には自らも征夷大将軍となって幕府を開きます。このころ後醍醐天皇は京都から吉野に逃れ、正統な天皇は自分であると主張して尊氏たちと対立するようになりました。

その結果、光明天皇の朝廷(北朝)と後醍醐天皇の朝廷(南朝)が並立する異例の事態となり、全国の武士たちも2つの朝廷にわかれて60年あまり戦い続けることになります。これが南北朝時代です。

その後、1392年に3代将軍足利義満が南北朝をひとつにまとめ、この争いは終結しました。しかしそれでも幕府の統治は安定しません。

戦国時代

1467年、8代将軍の足利義政や有力な守護大名の後継者問題が重なり、細川勝元が率いる東軍と山名宗全の率いる西軍の戦いが始まりました。有名な「応仁の乱」です。戦いは11年間も継続し、その間に京は荒廃して幕府の権威も地に落ちてしまいます。

また各地で身分の低い者が高い者を打ち倒す「下克上」が発生。群雄割拠の戦国時代へと移っていきます。

戦国時代の間も幕府は一応存続しましたが、その権限はきわめて小さなものでした。

そして1573年、15代将軍の足利義昭(よしあき)が織田信長によって京から追放。これによって幕府は滅び、室町時代も終わりを迎えることとなります。

室町時代の特徴は?守護大名が台頭

 

幕府の統治が安定しなかった理由として、治安維持を任されていた守護が強大化して「守護大名」へ成長したことがあげられます。

南北朝時代、幕府は各地を治める守護を味方につけるため、彼らにさまざまな権限を認めていきました。具体的には、従来は認められていなかった年貢の取立てや、在地武士の家臣化などが承認されています。

その結果、守護は領国に独自の勢力を築くことが可能となり、守護大名へと成長を遂げたのです。

一方で幕府は、味方になった大名たちに多くの恩賞を与えたため、鎌倉幕府や江戸幕府と比較するとその直轄領は少なくなってしまいます。

守護大名の権限が強まるなかで幕府の力は弱くなり、強力なリーダーシップを発揮することは困難でした。室町幕府の政治は、有力な守護大名たちの合議によっておこなわれるようになります。

守護大名の力が強く、中央政権の力が弱かったことが、室町時代の最大の特徴であり、幕府が安定せず多くの戦乱を招く原因になったといえるでしょう。

室町時代の文化は?生活、食事、芸術など

 

一方で人々の暮らしを見てみると、鎌倉時代よりも豊かになった側面もあります。

経済の発展

室町時代には、肥料が各地に普及し、二毛作や三毛作が開始されました。生産が増加した結果、鎌倉時代には月3回程度だった定期市が6回以上実施されるようになります。

また京や鎌倉では常設店舗の見世棚が増え、現在と同じ「店」の漢字が用いられるようになりました。

このように商業が盛んになった結果、貨幣の流通も促進されて貨幣経済が浸透していきます。馬借や車借、問丸という運送業者、質屋などの金融業者も登場。経済や流通が発展した時代でした。

食事の変化

また人々の食生活も変化していきます。

たとえば中国から伝来した禅宗の寺院では、味噌・醤油・納豆などの大豆加工品を食べるようになり、全国へ普及させるきっかけになりました。

ほかにも喫茶の習慣やわさびの使用、おにぎりが作られるようになったのも室町時代とされていて、このころに現在の和食の原型がつくられていったことがわかります。

芸術の発展

北山文化を代表する金閣寺、東山文化を代表する銀閣寺だけでなく、室町時代に発展した文化は今日でも有名なものが数多く存在します。

たとえば足利義満の庇護を受けた観阿弥(かんあみ)と世阿弥(ぜあみ)は、鎌倉時代の田楽や猿楽を芸術に昇華、能楽が成立します。

また「無」の境地を示した枯山水に見られる「わび・さび」の美意識や、和室の原型を作った書院造、生け花の習慣も室町時代に成立しました。

このように、現代につながるさまざまな習慣や意識が生まれたのも、室町時代の特徴だといえるでしょう。

知っておきたい室町時代の将軍や人物を紹介!

 

足利尊氏(1305-1358)

もともとは鎌倉幕府の御家人でしたが、後醍醐天皇とともに幕府に対して反乱を起こし、鎌倉幕府滅亡の勲功第一と称せられるほどの活躍を遂げました。

しかしその後、建武の新政に不満を持つ武士たちに担ぎあげられ、後醍醐天皇に反旗をひるがえします。天皇を退位させた後に征夷大将軍となりましたが、その後も対立は続きました。

ただ尊氏自身は後醍醐天皇に複雑な思いを抱いていたようで、死後、菩提を弔うために天竜寺を建立しています。

天皇に反発したため戦前は「逆賊」と呼ばれ否定的な評価がされてきましたが、近年では見直しも進み、鷹揚な人柄など肯定的な側面も評価されるようになってきています。

足利義満(1358-1408)

尊氏の孫で、南北朝の合一に成功し太政大臣にまでなった人物です。山名氏清(やまなうじきよ)という有力守護大名を討伐するなど、守護大名をおさえて幕府権力の確立に成功しました。そのため彼と息子の義持(よしもち)の代は、幕府統治が比較的安定した時期として有名です。

また、権力の象徴として北山に建てた金閣寺を中心に、「北山文化」という華やかな文化が花開きました。

さらに邸宅を京都の室町へ移したため、「室町幕府」と呼ばれるようになります。

対外面では明との間に国交を開き、勘合貿易を実行。その際に「日本国王」を名乗ったことから、天皇の地位を狙っていたのではないかともいわれています。

足利義教(1394-1441)

足利義満の子で、6代将軍となったのが足利義教(よしのり)です。元々は将軍になる立場ではなく、出家していました。しかし後継者選びが難航し、なんとくじ引きの結果、彼が将軍に就任することが決定したのです。

幕府権威の確立を目指して強権政治をおこない、その人となりは「万人恐怖」と呼ばれ恐れられました。彼に討たれることを恐れた守護大名の赤松満祐(あかまつみつすけ)によって、1441年に殺されてしまいます。

足利義政(1436-1490)

義教の子で8代将軍になった義政は、父親とは対照的に周囲の政治介入を防ぐことができませんでした。さらに、弟の義視(よしみ)を次の将軍にすると言いながら、妻との間に生まれた義尚(よしひさ)を将軍にしたことで、「応仁の乱」の原因をつくってしまいます。

戦国時代のきっかけとなる大乱を招いたこともあり、将軍としての彼の評価は高くありません。

一方で文化面には造詣が深く、銀閣寺に代表される「わび・さび」を重視した「東山文化」の形成に貢献しています。また、絵師や庭師など多くの芸術家を支援したことでも有名です。

足利義昭(1537-1597)

室町幕府最後の将軍となったのが、15代将軍の義昭です。

将軍に就任した時点で京に入るのも困難な状況で、織田信長の庇護を受けて1568年に念願の入京を果たします。

しかしその後は信長と対立するようになり、1571年から上杉謙信や武田信玄などに密書を出して「信長包囲網」を形成。ところが信長は包囲網を打ち破り、追いつめられた義昭は降伏することとなります。

1573年に京から追放、室町幕府は滅亡したと考えられています。

ちなみにその後の義昭は、毛利氏などを頼りつつ生き延び、信長の死後は京に帰還することに成功。豊臣秀吉の御伽衆に選ばれ、1万石を与えられて1597年まで余生を過ごしました。

室町時代の精神を読み取る

著者
桜井 英治
出版日
2009-07-13

南北朝時代が終わり戦国時代がはじまるまでのおよそ100年間の、政治、経済、文化を記した一冊。さまざまな行動から浮かびあがる当時の人々の価値観や精神性は、現代とも通じる感覚もあって興味深く読むことができるでしょう。

文字どおり「平和」でも「安定」していたわけではないこの時代、彼らは生き抜くために必死に活動していました。当時の惣村の姿や幕府の財政再建策を現代と比較すれば、また新たな発見があるのではないでしょうか。

応仁の乱から紛争終結の難しさを知る

著者
呉座 勇一
出版日
2016-10-19

2016年に発売されて以来、歴史本としては異例のヒットを遂げた本書。興福寺の僧である経覚(きょうかく)と尋尊(じんそん)の日記を史料として駆使し、応仁の乱の前後を生き生きと描いています。

筆者の呉座勇一は、当初は誰も大乱になることを予想していなかった、という応仁の乱と第一次世界大戦の類似点を指摘。事態収拾に失敗し戦乱が長期化する様子は、まるで現代の国際紛争を見るかのようです。

登場人物が多く、さらにその立場もコロコロと変わるので状況がわかりにくい時代ですが、本書を読めば複雑な人間模様も理解しやすいでしょう。
 

室町時代の全体像を知るために

著者
榎原 雅治
出版日
2016-05-21

「日本中世史」シリーズの第3巻。対象となるのは、足利尊氏が幕府に反乱を起こしてからの約150年間です。

筆者は、室町時代は技術の限界によって新たな耕地を開拓することができなくなったことを指摘。この「土地開拓の限界」という点から当時の課題を提示しています。

史料も現代語訳されているのでわかりやすく、室町時代全体のイメージを掴むのにおすすめの一冊です。
 

激動だった室町時代、当時を生き抜いた人々の姿はエネルギッシュな魅力にあふれています。知れば知るほど面白いはず。ぜひご紹介した本を読んでみてください。

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