怒涛の展開に目が離せない『ドリィキルキル』の魅力をお伝えしていきます。ある日突然、昆虫型兵器と巨大な人形たちによって地獄と化した世界。容赦なく殺しにくる人形を相手に、主人公は希望を捨てずに生き抜くことができるのでしょうか。
2014年から「マンガボックス」で連載をはじめた本作。コミックスは全11巻で完結しています。
ある日突然、通称「ドリィ」と呼ばれる巨大な人形が人間を襲い、世界は地獄と化しました。パニックになりながらも主人公たちは対抗していくのですが……。
大きな目に口角のあがった口元、敵である「ドリィ」はなかなか可愛い見た目をしていて、かえって恐ろしさを増長させています。その見た目で、昆虫型の兵器を使って人間の四肢を溶かすさまはまさにホラー。
成す術が無いのかと思った時、ドリィに対抗できる不思議な力、「ファンタスマ」があることが分かるのです。人類の大逆転勝利を掴む戦いに、果たして勝利することができるのでしょうか。
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- 著者
- ["ノ村 優介", "蔵人 幸明"]
- 出版日
本作の主人公、高校生です。元・野球部員の熱血漢で、「俺が大丈夫と言えば大丈夫」が口癖。
野球部のマネージャーをしていた熊野蓮に恋心を寄せており、世界が崩壊してからも大切な人として頑張る原動力になっています。
不思議な力「ファンタスマ」にはなかなか目覚めないものの、なにやら不穏なものを秘めているような描写があり気になるところ。また見た目も心なしかドリィに似ていて胸騒ぎが止まりません。
通称レンレン。イルマと同じ高校に通っていて、野球部のマネージャーをしていました。明るく活発な女の子で、周りを引っ張っていく力強さを感じます。
イルマのことを心から信頼していましたが、ドリィが現れた後、とある事件をきっかけに離れ離れになってしまいました。当面の目的は2人の再会ですが、どうやら彼女もファンタスマに目覚めたようで……?
持ち前の性格が反映されたかのように強力なファンタスマは一見の価値あり!お楽しみに。
「仁(ひと)」を「救う」と書いてキュージンという名前のとおり、人を助けることが人生のすべてといってもいいような男です。ネットオタク用語で喋る特徴があります。
ファンタスマ使いとしても、武人としてもかなり強い頼れる男……ですが、正義感で動いてしまうため自分が損をしてしまうこともしばしば。
ドリィを倒せることを証明し、イルマたちに希望を与えた重要なキャラクターです。
関西弁を喋るメガネ男子。上下関係の礼儀に厳しく、ちょっとツンデレ気質かもしれません。
キュージンとはそりが合わないのか、よく喧嘩をしている姿が見受けられますが、お互いにファンタスマの強さは認めている様子です。
タマリと一緒に行動しており、彼女のことはとても信頼しているようです。
おもわず「友好的なドリィ」かと勘違いしてしまうような容姿をしています。ぽやっとしていて可愛らしく、性格も穏やかです。
ツナシとともに行動しており、同じく関西弁。彼に恋心を寄せているようです。
時たま豪快な一面を見せることもあり、彼女のファンタスマも強力なもの。技名が可愛らしく、タマリっぽさを演出しているので注目してみてください。
キュージン、ツナシ、タマリにファンタスマの存在を教え、そのうえトレーニングまでして鍛えてくれた女性です。
とにかく強いのひと言。ファンタスマを自在にコントロールし、ドリィを次々と倒していくさまは圧巻です。カウボーイ風の帽子をかぶっていて、当初は不思議に見えましたが、だんだんとかっこよく見えてくるほど。
とある人物に「不死の力」を与えられたような描写がありますが、詳しいことはわかっていません。
「T&G(トライアル&エラー)」というドリィ対抗組織に所属する女の子。イルマを救った恩人でもあります。彼の潜在能力を見込んでT&Gにスカウトし、ともに行動することになりました。
彼女には不思議な力が宿っており、その能力で人の心の世界に入り込むことができます。
T&Gのリーダーで、体育会系の熱血漢です。他のメンバーと違ってただの一般人。ファンタスマや不思議な力などは一切使うことができません。
しかし、数多の「人間が作り出した武器」を使ってドリィを討伐することに成功したとんでもない人物です。ある意味、人類の希望ともいえるのではないでしょうか。
T&Gのメンバーで、皆の兄貴分のような存在。イルマにも戦闘技術や武器の扱いを教えてくれました。
元・陸上自衛隊に所属していて、肉弾戦はお手の物。武器の扱いにも長けた、T&Gにはなくてはならない重要人物です。性格が少々悪いのが玉にキズ……。
ある日突然、街中に蜂のような生物が現われ、世界は地獄へと一変しました。この蜂に刺されると身体はどろどろに溶け出し、崩れ、死に至ってしまうのです。
さらにそこへ、人形のような風貌をした巨大なドリィが現れて……。
ちょうどその時、イルマは野球部の練習試合に参加。強豪校相手に勝つことができ、お祝いに部員みんなでプールへと向かいます。そこへ蜂が出現。
イルマと彼の親友、そしてレンレンは運よく水の中に飛び込んだので刺されませんでしたが、3人以外の部員はみんな死んでしまいます。
蜂とドリィが迫りくるなか、イルマは怪我を負った親友を犠牲にレンレンと逃走。しかしその先でもドリィに囲まれ、レンレンを守ることができずひとり生き残ってしまうのです……。
これまでイルマは「言ったことは必ず叶える」というアツい情熱を持った少年でした。逃走中も、2人に対し何度も「大丈夫」と息巻くのですが、ドリィを前にその言葉は意味を成しません。
レンレンが彼に対し、すがるように「大丈夫だよね?」と声をかけますが、ドリィに囲まれ窮地に陥ると、とうとう「ダメなんじゃない?」と諦めてしまうのです。まさに絶望のど真ん中。彼はこの先生き残ることができるのでしょうか。
- 著者
- ["ノ村 優介", "蔵人 幸明"]
- 出版日
あの地獄のような日から半年。イルマはまだ生きていました。ひとり失墜の底にいたところをバニラに助けられ、ドリィと戦う組織「T&G(トライアル&エラー)」という組織へスカウトを受けます。
さっそくドリィと戦おうとするイルマですが、大福から「死に急ぐな」と止められてしまいました。
同じころ、別の場所でもドリィと戦う人類が。キュージンというその男は不思議な力「ファンタスマ」を使って、なんとドリィを打ち倒したのです。しかし1体は倒すことができたものの、すぐに他のドリィに囲まれてしまいました。さらにここで、1巻で離れ離れになったレンレンが生きていることがわかります……。
2巻では、まずイルマの「攻撃を受けてもすぐに治る」という特殊な能力が判明。死んでもおかしくない怪我を負っても、なぜか元気に動き回れるのです。
その異常性を買われてT&Gからスカウトを受けるのですが、これが後々大きな伏線になっていきます。
近代的な武器を使って戦うT&Gと、「ファンタスマ」を使って戦うキュージンの対比にも注目。それぞれの方法でドリィに対抗していきます。
- 著者
- ノ村 優介
- 出版日
- 2015-05-08
世界各国はドリィを殲滅することを諦めていましたが、T&Gのメンバーはまだ希望を捨てていません。そんな時、街で満身創痍の状態になっているキュージンを発見するのです。彼はドリィのなかでもとんでもなく強い個体、「ヌイグルミ」と戦い、ボロボロの状態でした。
イルマがレンレンの状況を尋ねると、キュージンは「死んだ」と答えます。実はこれ、嘘なのですが、この言葉を聞いたイルマの怒りが絶頂に達し……身体に異変が起こります。
戦いで失ったはず手足の付け根から、うじゃうじゃと異様な虫のようなものが飛び出し、新たな手足を形成したのです……!
怒りで我を忘れてしまったイルマ。虫を纏いながらヌイグルミに戦いを挑むのですが、その姿はまるでドリィのよう……かなり恐怖の形相をしています。
また、イルマとキュージンを狙う謎の「仲介人」と「刺客」が登場。さらに怒りながらイルマの名前を呼ぶドリィが現れるなど新たな波乱が予想され、続きを読むのが怖くなってしまいます。
- 著者
- ノ村 優介
- 出版日
- 2015-08-07
ヌイグルミとの戦いが終わり、療養をしたイルマ。T&Gに加入してから初めての任務が与えられます。
それは、ドリィを捕獲するというもの。倒すよりも難しそうですが、T&Gの武器や彼自身の特性を生かし、無事成功に導くことができました。
この作戦が完了するころ、以前イルマと戦った因縁のドリィが登場。また彼が変貌を遂げてしまうのかと思いきや、バニラが「相手の心の中の世界に入る」特殊能力を使い、暴走を止めようと奮闘します。
ただイルマの怒りはすさまじく、事態は悪化を辿る一方……なぜ彼はこんな状態になってしまうのでしょう。実はその答えが1巻に隠されているので、ぜひ探してみてください。
また、ドリィ捕獲作戦が成功した時の大福の表情にも注目。血にまみれ、狂気に満ちています。
- 著者
- ノ村 優介
- 出版日
- 2015-11-09
5巻では、これまで淡々と人類を駆逐していたドリィに変化が。感情が芽生えはじめたり、言葉を話すようになったりする姿が見られます。ある意味進化を遂げているようにも思えるのですが……。
またT&Gにも不穏な動きが起こります。なんとドリィたちと共存をしていく思想を持った男が現れたのです。これまでの様子を見るに、共存なんてとてもできそうにはありませんが、一体どういう意図なのでしょうか。
さらに 世界が地獄と化したあの日、ドリィの犠牲となった人間たちが「蘇る」という噂話が。謎は深まるばかりです。
ただ本巻では、キュージンと師匠、兄弟弟子であるツナシとタマリが紹介され、頼もしい要素も増えました。
- 著者
- ノ村 優介
- 出版日
- 2016-03-09
6巻では、とうとうファンタスマ使い同士の戦いが描かれます。ファンタスマを使用できる人物が必ずしも人類の見方ではないということ。「仲介人」の「刺客」もファンタスマ使いのようで、彼らはドリィ側についています。
ここで注目したいのは、レンレン、タマリ、キュージンはもちろんですが、ツナシがチートレベルに強いのです。モノに力を宿す戦い方をし、武器である刀に力を憑依させると「切れないものはない」状態になります。
ただ彼にも重大な弱点が。ドリィは殺すことができても、人間は殺せないのです……人として当たり前の感情が、この戦いの場では致命傷になります。覚悟をし、敵に刀を振るうことはできるのでしょうか。
- 著者
- ノ村 優介
- 出版日
- 2016-06-09
7巻では、とうとうイルマたちが敵の拠点へ乗り込みます。ファンタスマ使いの人々と、一対一のタイマン勝負。おそらく、それぞれが尋常ではない力を有しているため、共闘すると本来の力を発揮しにくく、周りを巻き込んでしまう可能性もあるからでしょうか。
それぞれの戦いは迫力満点。見ごたえたっぷりなので、ぜひ実際に読んでみてください。
- 著者
- ["ノ村 優介", "蔵人 幸明"]
- 出版日
8巻では冒頭で、キュージンの過去が語られます。彼は「人を救う存在」になるという意味で付けられた自身の名前に縛られ、その名に恥じない人間になりたいと思い続けてきました。
学生時代にいじめを目撃し、介入して止めるのですが、実はいじめていたのは学校の有力者の息子。事実は揉み消され、キュージンは転校することになりました。その後街は虫に襲われ、家族は死に、彼は師匠に拾われたのです。
そして今、キュージンが対峙しているのは、かつてのいじめをしていた張本人……。
戦い自体は圧倒的にキュージンがリードしていたのですが、ここでイルマの身体から発生したのと同じような虫がいじめっ子にも現れて……ダメージを与えてもすぐに復活する不気味な姿になるのです。さてキュージンはどう立ち向かうのでしょうか。
- 著者
- ["ノ村 優介", "蔵人 幸明"]
- 出版日
9巻ではとうとうクライマックス直前の戦いがはじまります。イルマは覚醒し、ヌイグルミとの戦闘もまるで赤子の腕を捻るかのよう。
しかし敵の身体をちぎって喜ぶなど、残忍性が目立ちます。傷つける行為自体に快楽を覚えているかのようで、今となってはドリィよりも彼の存在が恐怖になってしまいました。
一方のキュージンたちは、最後の「刺客」と対峙し、打ち倒そうとします。しかし簡単にはいきません。攻撃がすべてバリアで跳ね返されてしまうのです。きっとイルマがいればどうにかできるのでしょうが、キュージンたちには成す術がありません。
唯一頼れるのは、ツナシの「何でも切れる」能力だけ。しかしツナシ自身が手足を切断される事態になり、希望が絶たれた彼らがとった行動は……。覚悟を決めた行動に注目です。
このほか本巻では、レンレンがイルマを信じて奮闘する姿も。見どころになっています。
- 著者
- ["ノ村 優介", "蔵人 幸明"]
- 出版日
敵のファンタスマが暴走し、街をひとつ破壊できるほどの威力があるビームが放たれ、もうどうすることもできない窮地に立たされます。
レンレンが殺されそうになったその時……ようやくイルマが現れました。これまで離れていても、お互いを希望に戦ってきた2人。ようやく再会を果たします。
イルマは、あの日言えなかった言葉を言いました。
「俺が大丈夫って言ったら大丈夫!!」(『ドリィキルキル』10巻より引用)
レンレンにとって、あの日聞きたかったのに聞けなかった言葉。読者もうれしいですね。
イルマはファンタスマを使うことはできませんが、傷を負っても再生する不思議な力で応戦します。これだけだと、ファンタスマ使いと戦うには少々分が悪いようにも思えますが、どうなるのでしょうか。
- 著者
- ["ノ村 優介", "蔵人 幸明"]
- 出版日
最終巻となる11巻。まずはツナシに注目です。何でも切ることができる最強の能力を持ちながら、自身の手足を切られは成す術がなくなっていた彼。ここで最後の反撃を見せます。
ツナシに切り刻まれても再生能力で回復する刺客。それを阻止しようとイルマとキュージンも必死で攻撃を加えます。ようやく倒すことができたその時、とうとうツナシが力尽きてしまい……。
この時のタマリの心からの絶叫は、どうしようもない悲痛の塊。読者も顔を覆いたくなります。
その後ラスボスといえる「仲介人」が現れるのですが、バニラとレンレンがさらわれてしまい、イルマは2人を助けるべく新たな戦いに身を投じることになるのです。
「俺が大丈夫って言ったら絶対大丈夫だから」……1巻からずっと言ってきたこのセリフ。変わらない信頼関係と、成長した心の両方を感じられる表情をしています。
さて最後の戦いの行方は……。
- 著者
- ["ノ村 優介", "蔵人 幸明"]
- 出版日
冒頭から絶望の淵に落とされる本作。グロい描写もありますが、アツいストーリー展開と迫力のあるバトルシーンは見逃せません。心に訴えかけてくる各キャラクターの物語にも注目。ぜひ実際に読んでみてください。