5分でわかるミッドウェー海戦!概要と敗因は?もし勝っていたら……

更新:2018.3.19

日本海軍がアメリカ海軍に破れたミッドウェー海戦。太平洋戦争のターニングポイントともいわれるこの海戦は、どのような戦いだったのでしょうか。この記事では、概要や日本の敗因をわかりやすく解説し、さらにより深く知るための関連本もご紹介していきます。

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ミッドウェー海戦とは?わかりやすく解説

1942年6月5日から6月7日にミッドウェー島付近で起こった、日本海軍とアメリカ海軍の戦いです。

1941年12月の真珠湾攻撃から連戦連勝を重ねた日本海軍は、山本五十六(やまもといそろく)率いる戦艦「大和」をはじめ、主力部隊で臨みます。対するアメリカは寄せ集めの部隊で、整備員など人員も不足していました。

日本が優位な状況に見えましたが、アメリカは「暗号解読」という技術で立ち向かってきます。無線を傍受し、攻撃を事前に把握して迎撃準備を整えていました。

さらに失敗も重なって、日本海軍は敗戦。主力空母4隻のほか多くの航空艦載機を失う大損害を負います。

これ以降、第二次世界大戦の主導権はアメリカに奪われたことから、ターニングポイントの戦いともいわれています。
 

ミッドウェー海戦における日本の敗因は?山本五十六と南雲忠一

この海戦で日本海軍はさまざまな失敗を重ねていましたが、主な敗因として挙げられるのは、目的が曖昧だったことでしょう。主な目的が、敵の空母を攻撃することなのか、それともミッドウェー島を攻略することなのか明確にされておらず、このことが現場に大きな混乱を招きました。

そして決定的なのが、連合艦隊司令長官の山本五十六。アメリカ海軍の動きがきわめて活発になり、敵の空母がミッドウェー方面に出てきたことなど重要な情報を機動部隊に知らせず、敵の空母を発見した際もただちに攻撃する命令をくだしませんでした。

さらに作戦は希望的観測にもとづいたシナリオで、燃料の補給なども軽視。またアメリカ側に開戦前から暗号を解読されていて、攻撃日時、戦力の配備などが筒抜けで、対策をとられてしまいました。

またもうひとつ、「運命の5分間」というものがあります。

日本の空母3隻がアメリカ軍から急降下爆撃を受けた際、まさに日本の空母からも魚雷を積んだ攻撃機が飛び立とうとしていました。「あと5分あれば攻撃機は発進でき、日本の空母が攻撃されることはなかっただろう」ということです。

これは、当時第一航空艦隊参謀長だった草鹿龍之介(くさかりゅうのすけ)が1949年に発表した文章で広まった説ですが、アメリカ軍の攻撃を受けた際にはまだ発進の準備は整っていなかったとする者もいて、「運命の5分間」は抽象的な意味だといわれています。

ミッドウェー海戦でもし日本が勝っていたら

連合艦隊司令長官の山本五十六は、この海戦で勝利した後ハワイを攻略し、その後講和に持ち込みたいと考えていました。

しかし、もし仮に日米の早期講和が実現したとしても、日露戦争終結時よりさらに条件を緩和しなければならなかったでしょう。そうなると講和は決裂し、再び戦争になる可能性があったと考えられます。

また日本が勝利した場合、戦争推進派だったルーズベルトは失脚。その後の日米関係は大きく変わっていたのではないでしょうか。それにともない、中国や韓国など近隣諸国との関係も今とは異なっていただろうことが予想されます。

ミッドウェー海戦の全過程を描いた戦史ノンフィクション

 

この海戦で日本海軍は、1日に4隻の主力空母を失い、3000人以上の戦死者を出しました。なぜたった1日でこれだけの損害を出してしまったのか、その真相を知るべく、筆者は生き残った戦闘員に取材を重ねます。

「第一部 知略と驕慢」と「第二部 運命の日」で構成された本書は、その緻密な取材をもとに開戦の全過程を再現したノンフィクションです。

アメリカ軍の戦闘情報班が、当時としては最新の機器を使用して日本軍の暗号を解読していく姿には、強い執念を感じられるでしょう。
 

 

著者
森 史朗
出版日
2012-05-01

将兵たちへの直接取材を元にした貴重なミッドウェー海戦記

 

本書は、海戦に参加した将官から兵卒まで、多岐にわたる人々にインタビューをおこない書き上げられたもの。戦闘の記述も挿入され、迫力を感じるでしょう。

「戦争というものが、どれほど悲惨で愚かしいものであるかは、だれよりも、実際に戦って生き残った人たちが一番よく知っている」(『ミッドウェー戦記』より引用)

1945年に日本は降伏。しかし生きてその日を迎えた人々にとって、まだ戦争は終わっていませんでした。リアリティのある言葉に心を動かされるはずです。
 

 

著者
亀井 宏
出版日
2014-02-14

愛と哀しみに満ちた渾身のノンフィクション

 

筆者の澤地久枝は、日本とアメリカ双方の遺族を取材し、それまで曖昧だった海戦の死者数や状況をつきとめたそうです。

本書はその時の取材をいかし、兵士とその家族の人生を記しました。戦争ノンフィクションの決定版ともいわれています。

日本軍で第一波攻撃隊指揮官を務めた友永丈市。彼は1度攻撃をした後、2度目の攻撃の必要があると判断し、片道だけの燃料で再び戦地に向かいます。そして還らぬ人となりました。残された家族は……。

戦争の悲惨さをあらためて思い知らされるでしょう。

 

著者
澤地 久枝
出版日

ミッドウェー海戦の失敗から教訓を得る

 

本書では、太平洋戦争における作戦のうち、ミッドウェー海戦を含む6つの失敗例を研究、分析しています。組織論や意思決定論から理論的にアプローチをし、失敗から学べるメッセージを抽出しているのです。

軍隊とは、合理的・階層的官僚制組織の最たるものといわれています。当時の日本においてもそうであったはずですが、たびたび合理性と効率性に反する行動をとってしまい、その組織的使命を果たすことができませんでした。

現代にも生かせる教訓が学べるのではないでしょうか。
 

 

著者
戸部 良一 寺本 義也 鎌田 伸一 杉之尾 孝生 村井 友秀 野中 郁次郎
出版日

場合によっては読むのが辛くなるような内容の本もありますが、ミッドウェー海戦についてさまざまな視点からみることができる4冊をご紹介しました。もう1度、戦争について考えるきっかけになれば幸いです。

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