5分でわかる平安時代!政治や文化の特徴は?主な人物もわかりやすく解説!

更新:2021.11.30

平安時代というとどのようなイメージを抱くでしょうか。きらびやかな貴族の生活に、平安文化が花開く……でもどうやらそれだけではなかったみたいです。この記事では、平安時代の流れをわかりやすく説明したうえで政治や文化の特徴、主要人物についてわかりやすく解説し、あわせておすすめの関連本もご紹介していきます。ぜひチェックしてみてください。

ブックカルテ リンク

平安時代ってどんな時代?年表でわかりやすく紹介

794年、桓武(かんむ)天皇が長岡京から平安京に都を移してから、1185年に鎌倉幕府が開かれるまでの間を平安時代といいます。

「平安貴族」という言葉もあるように雅なイメージが強いと思いますが、実際には政治的な争いが頻発した時代でもありました。現在では象徴として存在している天皇も、この時代は政治の頂点に立ち率先して権勢をふるっていたんです。

それでは平安時代の流れを年表でみていきましょう。

 

  • 794年 桓武天皇が長岡京を廃止し、平安京に遷都する
     
  • 858年 藤原良房(ふじわらのよしふさ)が初の摂政となり、摂関政治が開始
     
  • 880年 藤原基経(ふじわらのもとつね)が初の関白となる
     
  • 894年 遣唐使を廃止する
     
  • 1068年 後三条天皇が即位し、摂関時代が終わる
     
  • 1086年 白河天皇が上皇となり院政を開始する
     
  • 1108年 「源義親の乱」勃発。平正盛が源義親を追討する(源義親の乱)
     
  • 1159年 「平治の乱」勃発
     
  • 1167年 平清盛が太政大臣となる
     
  • 1185年 「壇ノ浦の戦い」で平家が滅亡。朝廷が源頼朝に守護・地頭の設置を認める
     
  • 1190年 源頼朝が上洛。権大納言・右近衛大将となる
     
  • 1192年 後白河法皇が崩御。源頼朝が征夷大将軍となる
     

鎌倉時代が始まる次期については、1185年に頼朝が守護・地頭の設置を認められた時とするか、1192年の征夷大将軍に就任した時とするか、そのほかとするか諸説あります。
 

平安時代の政治の特徴

大きな特徴として、政治の実権が徐々に貴族から武士へと移行したことが挙げられます。

前半は貴族が政治の主役であり、彼らを守るために武士が存在していました。しかしその武士階級がしだいに力をつけ、さらに天皇のもとでさまざまな任務をこなすうち、貴族よりも権力を持つようになったのです。

末期になると朝廷から独立した地方政権である鎌倉幕府が成立し、平安時代は終わりを迎えました。
 

平安時代の文化の特徴

貴族と一般庶民の間で生活スタイルが大きく異なっていたのが特徴です。

当時多くの貴族は、寝殿造りと呼ばれる立派なお屋敷に住んでいました。服装も女性の場合は十二単、男性は烏帽子や文官束帯を身に着けています。

一方で庶民の生活はというと、なんと竪穴式住居に住んでいました。縄文時代ほど簡素なものではありませんが、地面を掘って壁や屋根を設置しただけの住居が一般的だったそうです。服装は直垂(ひたたれ)という上半身用と下半身用との2部式構成になっている簡素なものでした。

食事に関しても対照的です。貴族は主に白米や魚を食べる生活。一方の庶民はヒエやアワ、雑草などを食べています。経済的に貧しく、お腹いっぱい食べることはほとんどできなかったそう。栄養失調で亡くなる子供も多く、大人の寿命も30代だったといわれています。

平安時代を代表する人物を紹介!

紫式部   
 

970年代、学者をしていた藤原為時のもとに生まれた紫式部。彼女自身も幼いころから勉強が好きだったといわれています。特に漢文に優れていたそう。

998年頃に藤原宣孝(のぶたか)と結婚し、娘を授かりましたが、その後夫に先立たれました。『源氏物語』はこのころ書き始めたといわれています。

1006年頃、藤原道長の長女で一条天皇の妻となった彰子に、女房役として仕えることになりました。『源氏物語』は執筆中にも宮中の多くの人に読まれ、宮仕えをしている最中に完成したようです。

清少納言

966年頃に有名な歌人だった清原元輔(もとすけ)のもとに生まれました。993年ころから私的な女房として中宮定子に仕え、宮廷で過ごした間に見聞きしたものをまとめて『枕草子』に記しました。

1000年頃に定子が亡くなると宮中を去り、その後の行方はわかっていません。

藤原道長   
 

966年、藤原兼家の五男として生まれた藤原道長。左大臣として政権を握り、娘を4人も天皇に嫁がせています。長女の彰子を一条天皇の元へ入内させ、敦成親王とある息子が誕生した時は大喜びだったそう。この様子は『紫式部日記』にも記してあります。

敦成親王が後一条天王として即位すると、道長は摂政に。権勢を振るっていましたが、晩年には糖尿病を患って亡くなります。

桓武天皇

794年に長岡京から平安京に都を遷し、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)を征夷大将軍に命じた人物。

桓武天皇の母親は朝鮮半島にある百済(くだら)の帰化人で、彼は自分の母親のような帰化人をたくさん登用したそうです。

当時を学ぶ最初の一冊としておすすめ

貴族の生活と庶民の生活の違いがわかりやすく記されているので、当時の雰囲気を知るのにぴったりの一冊です。

平安時代を舞台にした歴史小説を読む際のイメージづくりにも役立つでしょう。
 

著者
池田 亀鑑
出版日
2012-01-01

平安時代の女性の実態

平安時代の貴族の女性にスポットを当てた一冊。

ファッション、恋愛、結婚……時代が変わっても、やはり乙女心の本質は変わらないのがわかるでしょう。
 

著者
川村 裕子
出版日
2014-05-21

漫画で読む平安時代

とにかくわかりやすく当時のことを知りたいなら、漫画で読むのはいかがでしょうか。イメージをしづらい人物像も、イラストで見れば理解が深まるはずです。

もともと歴史に興味がある方にとっても、史実にもとづいた性格な人物設定や、魅力的なキャラクターに満足できる内容になっています。
 

著者
["吉村 武彦", "森藤 よしひろ", "岩井 渓"]
出版日
2007-08-01
  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る