2018年に「マンガ大賞」で大賞を受賞した『BEASTARS』。肉食動物と草食動物が共存する世界で、スリリングな恋におちたオオカミの少年とウサギの少女によるヒューマン(?)ドラマを描きます。 アニメも好調で、第2期が2021年1月から放送されています。この記事では、本作の魅力と各巻の見所を最終巻である22巻までご紹介していきましょう。
『BEASTARS(ビースターズ)』は2016年から「週刊少年チャンピオン」で連載されている板垣巴留の作品。擬人化された動物たちの学園生活を描いた群像劇で、理性と本能との狭間で揺れ動くキャラクターたちの姿や種族間のコンプレックスなど、生々しい心理描写が魅力です。
その読者を引き込ませる魅力が評価され「マンガ大賞2018」で大賞を獲得した本作は、2020年10月に連載が完結。
そんな「ビースターズ」が、2019年10月からテレビアニメ化、2021年1月からは2期の放送が開始されました。キャストには小林親弘、千本木彩花、小野友樹、内田雄馬など人気声優がキャスティングされています。詳しくはTVアニメ「BEASTARS」公式サイトへ。
本作は途中まで「マンガクロス」で無料で読むことができます!
スマホアプリの無料で読めるおすすめは「マンガボックス」です。気になる方はぜひご覧ください。
また、作者の板垣巴留ですが、同じく週刊少年チャンピオンにて「バキ」シリーズを連載している板垣恵介の娘なのでは?とのうわさが。
この記事では、話題沸騰の本作の魅力と各巻の見所をご紹介していきます。ネタバレを含むので未読の方はご注意ください。
作品のあらすじをご紹介する前に、作品の魅力をご紹介していきましょう。本作の登場人物たちは動物を擬人化しており、二足歩行をしていても外見は完全に動物です。主人公はハイイロオオカミのレゴシ。このレゴシがとにかく魅力的なのです。
レゴシはチェリートン学園の高等部に通う2年生。不器用で感情表現が乏しく、草食動物たちから誤解を受けることもありますが、実は繊細で優しい少年です。大きな体と強い力を持ちつつも、常に争いを避けようとしていました。
しかしウサギの少女ハルに恋したことから、しだいに感情を表に出すようになっていきます。 とにかく寡黙なレゴシが放つ言葉も、魅力のひとつだといえるでしょう。嫌がらせを受けて悔し泣きをする、同じくハイイロオオカミの後輩、ジュノを励ます場面のセリフにも、不器用な優しさがにじみ出ています。
「悔しがったりすることに疲れて…
俺は慣れたふりしてきたから…
悔しいと思えるあなたは強いです」
(『BEASTARS』3巻より引用)
味わい深いセリフやモノローグが作中では数多く見ることができるので、ぜひ注目して読んでみてください。物語が進んでいくほどに成長していくレゴシの姿に、読者も惹かれていきます。
生きとし生けるものはすべて、別の生き物から栄養を取ることで生きながらえています。草食動物の主食は植物ですが、肉食動物は文字どおり肉が主食。彼らは主に草食動物を自身の生きる糧としているのです。
本作は、草食動物と肉食動物が共生する社会が舞台。レゴシが通うチェリートン学園にも、様々な種族の生徒たちがともに生活を送っています。彼らの関係は、言い換えれば「捕食者」と「被食者」。両者は一見仲がよいように見えますが、常に緊張感をはらんでいるのです。
偶然の出会いからレゴシは、ドワーフウサギのハルに惹かれていきます。なんとか彼女との距離を縮めたいと考えますが、彼女は草食動物。自分がハルに惹かれているのは、恋愛感情なのか狩猟本能なのか、思い悩むこともしばしば。
一方のハルも、彼が優しい性格をしている少年だと理解をしているのに、彼の牙を見ると本能的に逃げ出そうとしてしまいます。種族を越えた交際はタブーではありませんが、なかなか難しいもの。種族間の大きな壁を乗り越えることができるのでしょうか。
先の読めないストーリー展開も本作の魅力のひとつ。
舞台となっているのは全寮制のチェリートン学園ですが、いきなり「草食動物の食殺事件」という凄惨なシーンから始まります。しかも犯人は学園内の肉食獣の可能性が高いという警察の見解が出されてしまうのです。
そうかと思えば、次はレゴシが所属する演劇部の話になり、次は社会の闇が描かれるなど驚きの連続です。またキャラクターについても意外な2匹が接点を持っていなど、読者の予想をことごとく超えてくる展開にぜひ翻弄されてみてください。
チェリートン学園生徒
本作の主人公でチェリートン学園の2年生。ハイイロオオカミとコモドオオトカゲのクォーターで、ハーフだった母親を早くに亡くしている。
大柄で強靭な身体には似合わず、心優しい性格で常に弱者に対して「無害な存在でありたい」と願っています。演劇部の美術チームに所属。
本作のヒロインで、ドワーフ種のウサギ。可愛らしい見た目とは裏腹に、サッパリとした男っぽい性格を持っている。
園芸部所属の3年生。
ホーンズ財閥の御曹司のアカシカ。3年生で演劇部の花形役者として、動物たちを統率する英雄「青獣ビースター」に1番近い存在と言われています。
演劇部の役者チームに所属している1年生のハイイロオオカミ。見目麗しい美貌を持っているが、明るくて周りへの配慮を欠かさない性格を持っているため人気が高い。
演劇の役者チームに入った新入部員の1年生でドールビッグホーン。美しい己のルックスを武器に、女遊びをすることが大好き。
演劇部音響チームに所属しているヒグマの2年生。温厚な性格なことから「ハチミツ好きの優しいくまさん」として認知されています。
※左図
レゴシと幼馴染で、学園の寮も同じ部屋のラブラドール・レトリバー。知能が高いので、学園の中でもトップクラスの成績を持っています。
大人
※右図
裏市に住むジャイアントパンダの心療内科医。食殺をした肉食獣の保護や更生の手助けを行っています。
シシ組のNO2であるマサイライオン。冷静な性格。
シシ組。武闘派のインドライオン。
レゴシの母方の祖父のコモドオオトカゲ。かつてハイイロオオカミと恋に落ち、珍しく子ども(レゴシの母親となる)を妊娠しました。
毒をもつ種族であるため、法的には結婚は認められていないので、レゴシと戸籍上は他人ですが、彼にゴーシャの毒は効きません。
学園から選出された「青獣ビースター」のさらに上にいる「壮獣ビースター」の位置にいます。
かつてゴーシャとともに「ビースターズ」を目指していました。
ヒョウの母とガゼルの父の間に生まれたハーフで、貴重な象牙の密売を行っています。
味覚障害を患っており「食欲」と「性欲」が欠如していますが、その分破壊衝動が抑えられません。
ここからは1巻ごとのあらすじと着目ポイントを解説していきます。途中まで読んでいて、アニメ化を機に最新展開を知りたいという方にもおすすめです。
中高一貫の全寮制エリート学校、チェリートン学園で、ある日アルパカのテムが食い殺される事件が発生してしまいます。共存しているからこそ肉食、特に生きた肉を食べることは重罪。噂はすぐに広がり、肉食動物と草食動物の間にはピリピリとした空気が流れました。
とくにテムの所属していた演劇部では、肉食動物の部員が犯人だと疑われ大揉めする事態になってしまいます。主人公のレゴシは、肉食獣のなかでも大型なハイイロオオカミ。演劇部では裏方に徹底し、物静かに過ごしていました。しかし事件の翌日、部員が集まっているなかで突然、アンゴラヒツジのエルスに「君はテムの死をどう思う?」と問いかけられてしまうのでした。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2017-01-06
見所はずばり主人公、レゴシが抱える葛藤です。レゴシは目立つことを嫌い、コミュニケーションを苦手としているため、言葉数は少なく不器用な性格。親友だったテムの死に際し、多くを語らなかったことから犯人なのではと疑念を抱かれてしまいます。
しかし、この後に続くエピソードで、実は繊細で優しい性格をしていることがわかるでしょう。友人を想う行動に心が温かくなります。
しかし、ハイイロオオカミは大柄で高い戦闘能力を持った種族。性格が穏やかなレゴシですが、持って生まれた本能は肉食獣以外の何者でもありません。特異なきっかけとなってしまう、ウサギのハルとの出会いでその一端が垣間見られるでしょう。出会いの場面からのエピソードを特に注目してご覧ください。
演劇部の用事があったため、園芸部を訪れたレゴシ。そこには先日襲い掛かってしまったハルがいました。なりゆきで力仕事を頼まれ、後ろめたさを感じながらも彼女と作業をします。
どうやらハルはあの晩のことを覚えていない様子。しかも手伝いのお礼としてとんでもない行動に出て、レゴシを困惑させるのでした。
事件での混乱はあったものの、演劇部の新入生歓迎公演の準備が進んでいきます。しかし、花形役者であり学園内でカリスマ的な人気を誇るアカシカのルイは、脚を負傷していました。痛みに苦しみながらも、見事「死神アドラー」役を演じきりますが、1日目の公演直後に倒れてしまいます。
ルイの代役として選ばれたのは、ベンガルトラのビル。そして、敵役にレゴシが選ばれてしまうのでした。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2017-04-07
肉食獣と草食獣、うまく共存しているように見えても、それぞれの種族が抱えるコンプレックスが垣間見られます。特に2巻では草食動物の生徒たちの葛藤が垣間見られるところが見所です。
ルイやハルは、草食動物ならではのコンプレックスの持ち主。それぞれアプローチは違いますが、自身の抱える問題に抗おうともがき苦しむ姿が印象的です。
特にルイは学園内で絶大な人気を誇っている存在。強いこだわりを持っている死神を演じている場面は圧倒的な熱量で描かれており、あまりの迫力に画面の中に引きずり込まれてしまうでしょう。実際に観劇しているような気分を味わうことができます。また、急遽舞台に上がることになってしまったレゴシの行動にも注目してください。
トラブルはあったものの舞台は終了。街では恒例行事である「隕石祭」がおこなわれるため、演劇部は祭りの装飾を手伝うことになりました。隕石祭の会場ではハルと再会し、一緒に食事をすることができたりと、なんだかよい雰囲気。ようやく名前を知ることができて、幸せな気分を味わっていました。
そんなある日、レゴシは準備のために、ビルなど肉食動物の仲間とともに街へ。しかしそこで「裏市」と呼ばれる場所に迷いこんでしまいます。「裏市」でおこなわれていたのは、重罪とされている食肉行為。大人の肉食動物はここで肉を食べて自身の欲求を満たしていたというのです。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2017-05-08
3巻の見所は、読者ですら疑問だった「草食動物と肉食動物の共存」という現実の裏側の世界を、レゴシが知ってしまうこの場面。
まさに社会の闇ともいえる光景に、レゴシは愕然としてしまいます。さらに裏市で医師をしているジャイアントパンダのゴウヒンからは、肉食動物という自身の性質をいたというほど突き付けられる、厳しい言葉を投げつけられてしまいます。
「お前が抱いているのは狩猟本能が変形した恋愛感情だ」
(『BEASTARS』3巻より引用)
自分が抱いている気持ちは一体何なのか。レゴシは苦悩することになります。
一方のハルは、自身が小型の草食動物であるという自意識が裏目に出て、性に奔放な生活を送っていました。異性の扱いには慣れているものの、レゴシが肉食動物なので体が拒否反応を示してしまうのです。さらに、ハルがルイと付き合っていることも明らかに。三角関係の行方からも目が離せません。
ゴウヒンに言われた言葉が頭から離れないレゴシ。感情を押し殺し、ハルから離れようと努力します。しかし、ハルがルイと一緒にいる場面を目撃し、嫉妬している感情を「恋愛だ」と強く意識するのでした。
そんな時、学園内で停電が発生。「食殺事件」は真っ暗闇の中で行われます。ハルを心配したレゴシは彼女を助けに行きますが、しがみ付いてきた彼女が呼んだ名前はまったくの別人。レゴシは気持ちだけを伝えようとしますが、ハルは何者かに連れ去られるという事件が発生するのでした。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2017-07-07
恋か本能か。レゴシの中で気持ちが固まっていく過程が見所です。嫉妬はきれいな感情ではありませんが、何事にも積極的ではなかったレゴシが、感情を揺り動かされているという姿にニヤリとしてしまいます。
一方、動きのあった演劇部からも目が離せません。ハイイロオオカミの1年生ジュノは、レゴシに想いを寄せる少女。演劇部に入部したジュノは、エースであるルイに居残り練習に付き合ってもらっています。そこで彼女が「自分もビースターの座を狙っている」と宣言するのでした。
「ビースター」とは、チェリートン学園内でナンバー1とされる名誉ある称号のこと。それと同時に、肉食動物でも草食動物でもない「動物」として英雄となり、政治やスポーツなどさまざまな分野で活躍している卒業生がいます。
ルイは学園内でもビースターに近いといわれている存在。宣戦布告はどうなるのか。ルイの意外な過去にも注目です。
ライオンたちで構成された反社会組織「シシ組」にさらわれてしまったハル。組長の生き餌にされ、品定めと称して辱めを受けてしまいます。一方でレゴシは、身を引くと決めた状態。ハルの危機をルイに知らせに行きますが、彼は動こうとはしません。
自身の過去を明かすか、ハルが攫われたこと自体を隠ぺいするか。悩み動けなくなったルイに、レゴシはハルを任せておけないと宣戦布告するのです。
「ハルは俺がもらう」
(『BEASTARS』5巻より引用)
彼女を助けるためにシシ組の情報を得ようと、再び裏市を訪れていました。悪漢に絡まれているところをゴウヒンに救われ、さらにハルの救助にも協力してもらうことになります。はたして無事に彼女を助け出すことはできるのでしょうか……。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2017-10-06
5巻の見所は多いですが、注目したいのは何といってもレゴシの奮闘。ルイと大喧嘩をしたり、シシ組のボスと激闘をくり広げたりと大活躍を見せます。今までが消極的だっただけに、大切なものを守ろうと奮闘する姿は圧巻の一言。
過去が明かされたルイも、黙ってレゴシを見送ったわけではありません。気位が高く、自分にも他人にも厳しい彼だからこその行動にも注目。レゴシの活躍が目立ちますが、ルイの迷い、苦しみながらも誰にも恥じない行動をしようとする姿に胸打たれます。
ハルの救出に成功したレゴシ。終電を逃してしまい、一夜をともにすることになりました。レゴシとハルが出会ったあの夜。あの時のことをレゴシはハルに告げます。元々ハルが恋愛には積極的な性格。このまま関係を持ってしまうのか、と思いきやそううまくはいきません。
しかし、今まで言葉を真っすぐ交わすことも少なかった2匹の関係は大きく進展します。そんな彼らに接触してきたのが、ジュノでした。ジュノは元々同種族であるレゴシに恋愛感情を抱いており、積極的にアプローチを仕掛けてきます。
そして隕石祭当日。ハルが攫われた日依頼姿を消してしまったルイに代わって主役となったジュノが、裏方であるはずのレゴシも舞台上にあげます。彼女の意図は一体何なのでしょうか。
- 著者
- 板垣 巴留
- 出版日
- 2017-12-08
ビースターの座を手に入れ、肉食獣の時代を実現したいと考えているジュノ。ルイが失踪したことをきっかけに、本格的に動き出しました。
6巻の見所は、自分の目的に正直で貪欲なジュノの存在です。せっかくまとまりかけたハルとレゴシの関係を引っ掻き回す、まさしく台風の目。レゴシと同じ種族ですが考え方がまったく違う点にも注目です。
一方で、ハルがさらわれた日を境に姿を見せなくなっていたルイの行方が気になるところ。衝撃的な展開が待ち受けていますので、ルイの動向からも目が離せません。
チェリートン学園で開催された全生物集結評議会。議題に挙がったのは、直近5年間ビースターとなる人材が現れないことでした。最終的に、先日起こった生徒食殺事件の犯人を突き止めた者に、ビースターの称号を与えるという案が採用されます。
一方、そんなことなど露知らず、学園生活を送るレゴシ。どうにかルイに戻ってきてもらえないかと考えを巡らせますが、よい方法が思い浮かびません。しかし、犯人を探し出せていない現状を、ルイが悔いていることを知ったレゴシは、犯人を捕まえようと強く決意します。
そんななか、演劇部には新しい仲間であるドルッピングホーンのピナが入部。ピナは物おじもせず自分のルックスに絶大な自信を持っており、発言の躊躇のなさから部内の肉食動物たちから反感を買ってしまいました。部内に不穏な空気が流れてしまいます。そんな時、事件を捜査するレゴシに忍び寄る不穏な影があるのでした。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2018-02-08
7巻では、ついにテム食殺事件の核心へと物語が動き出していきます。
レゴシは、学園の警備員を務めるガラガラヘビのロクメに、犯人捜しを依頼されました。テムと交流のあった演劇部の肉食動物たちにそれとなく探りを入れようとしますが、いまさらその話題を蒸し返したこと自体に反感を買い、一触即発ムードになってしまいます。
事件の真相が暴かれていない以上、学園に真に明るい雰囲気は戻っていません。レゴシは無事に事件を解決できるのか。新たな展開を迎える物語は最大の見所ですが、前途多難な捜査になりそうです。
大切なものを守るため、傍観者でいないようにするため。決意を固めたレゴシは裏市のゴウヒンに戦い方を教えてほしいとお願いします。
最初は面倒くさがっていたゴウヒンでしたが、レゴシの熱意に負けて特訓を請け負うことになりました。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2018-05-08
具体的な修行の内容はといえば、密室の中で肉の塊を前に座禅をする「肉座禅」や、ゴウヒンの仕事を手伝うために口輪をしたまま、飢えた食肉中毒獣の前に落っことされるという、本能をピンポイントに刺してくるようなもの。レゴシは肉食を拒否している身なので、なかなかスパルタな教育が目立ちます。
修行の中で考え、成長していくレゴシの変化に呼応するように、ハルの様子や、シシ組の頭として立派な風格が備わったルイの様子も描かれます。1番身近で、「草食獣との共生」ということを考え始めたきっかけにもなっている2人に、レゴシはどうアプローチしていくのでしょうか。
3人の変化や成長も見所ですが、8巻の見所はまた違った角度から見る社会のカタチです。8巻ではオカピのストリッパー・コスモ、メスヒョウのシイラの日常など様々な獣の立場から、この独特な社会の姿が描かれています。様々な角度から描かれる「社会」は圧巻。作品の持つ奥深さを感じるのではないでしょうか。
9巻は何とも衝撃的な事件から始まります。それは演劇部の部活前のストレッチ中に起こりました。アリクイのキビの腕を伸ばしていたクロヒョウのタオが力加減を誤ってキビの腕をもいでしまうのです。
騒然となる部活内のメンバーで冷静だったのは、レゴシとある人物だけ。レゴシは犯人と2人きりになった時、直接問い詰めるのでした。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2018-07-06
ついにテムを食べた犯人が明かされます。それは強力な力を持つ種であるレゴシですら敵わないほどの大きな肉食獣。他者を害することはもちろん悪ですが、彼にも辛い抑制の日々があったことが明かされます。テムを食べた悲しい友情の物語とともに、同情の気持ちがぬぐえません。
また9巻は他にも見所がたくさん!レゴシとルイの再開に、レゴシの家庭環境秘話、ハルとジュノの女同士の会話、少しずつ変化していく学園内の雰囲気など、間延びした展開がなく、どんどん引き込まれてしまいます。
真犯人が分かったいま、今後彼をどう行動させていくのか、レゴシの手腕に注目です。
真犯人を警察に突き出すのではなく、理解し合いたいと思ったレゴシは、昆虫を食べることで、命を食うことを実感として味わうべきだと決意します。そして蛾の幼虫を食べるのですが、1口食べただけで気絶してしまったレゴシ。しかし、そこで夢か現か、彼の前に現れた蛾に、大切なことを教えてもらうのです。
10巻では、9巻で感じられたそれぞれの変化の兆しが顕著になっていきます。それは、草食獣と肉食獣の絆です。
- 著者
- 板垣 巴留
- 出版日
それぞれの特性を抱えて、それに苦しみながらも確実に両者がよい方向へと向かっていくエピソードが描かれています。ルイとシシ組との絆、テムを食べた真犯人の隠された暴力的な食欲、ハルとレゴシの深まる仲など、彼らのリアルな生きざまが丁寧に描かれます。
そのなかでも見所は、9巻の序盤に描かれた腕をもがれたキビと、もいでしまったタオのその後。お見舞いのシーンはつい涙が出そうになってしまうほど、温かい場面です。許し合うことの尊さが感じられる会話に、レゴシが目指す形を見ることができます。
真犯人と一度戦いますが、邪魔が入ったために戦いの決着を大晦日につけることを約束しました。その日まで、あと3日。果たしてその戦いの行方はどうなるのでしょうか?
大晦日に決闘をしようと言い合ったレゴシ、テムを食べた真犯人、そしてその決闘を見送ってほしいと言われたルイ。それぞれが複雑な思いを抱えながら残りの3日間を過ごします。
ルイはシシ組で培った彼らとの絆から、あることに気づきます。レゴシのもとに向かわなければならないと考えますが、それは組織との決別を意味していました。ルイは全幅の信頼を寄せている側近のライオン、イブキと話し合いますが、平行線をたどってしまいます。
一方でついにテムを殺した真犯人とレゴシとの戦いが始まりました。それぞれの価値観がぶつかり合い、殴りあいながらする会話はどこまでも平行線を辿ります。しかしこれでもう終わりかというところで、真犯人に食殺の自覚があったことが分かり……。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2018-11-08
肉食獣と草食獣の絆、といってしまえばとても陳腐になってしまいますが、11巻ではそのテーマに終止符が打たれます。それぞれに弱さと強さがあり、それを補い合って生きていくことの尊さが感じられる展開です。
それでいて、食べることをやめることはできないという業の深さがあり、それが今まで彼らを苦しめてきた呪いだったものの、レゴシとルイの様子からそんな繋がりすらも尊く、意味があるように思えるのです。最後にはしっかりと決着がつきます。彼らが考え抜いて出した結論をぜひご覧ください。
11巻で、仕方ない流れとはいえ、食肉を犯してしまったレゴシですが、この一連の騒動に関わった者たちが真実を語ってくれたことで、微罪処分となりました。
しかしそれに安心したのもつかの間、彼には「食肉前科獣」という記録が残ってしまうのでした。そうなると、「草食肉食共学の大学に入学できない」「就職の際に草食が役員を務める企業への入社が難しい」などの弊害が。さらに驚くべきは、「草食との異種族婚が不可能」になってしまうのでした。
レゴシは学園を辞めることを決意。ボロアパート「コーポ伏獣」で生活を始めます。そんな時、学園にはルイとレゴシの類稀なる関係に目を止める、ビースターが登場します。壮獣のビースター、ヤフヤはレゴシの祖父、ゴーシャと深いかかわりを持っていました。レゴシがゴーシャの血縁だと知り、ヤフヤはレゴシに強い関心を抱きます。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
12巻では、その衝撃の事実をとりまき、家族について考えさせられる内容が描かれます。
レゴシは、ある決断をしたことからさらにアウトロー街道を爆走中。ハルにもそうなってしまった理由を言えず、食肉の欲望をおさえながら日々生活しています。
そんなところに現れたのが、彼が距離を置いていた、祖父。実はこの人物こそ、今となっては思い切りアウトローなレゴシの上をいくアウトローさを持っています。
家族の絆、恋愛に立ちはだかる、種族の違いについて考えさせられる12巻。見所は、新しいキャラクターたちがどのように物語と関わっていくのか。レゴシの明かされていなかった背景にも、ぐいぐい迫っていきます。
祖父、ゴーシャがレゴシの元を訊ねてきました。一緒に食事をした帰り道、因縁をつけて絡んできた猛禽類のチンピラたちを返り討ちにします。育ての親でもある祖父は温厚だと思っていたレゴシでしたが、違った一面を知ることになります。
種族を超えた片想いに悩んでいたレゴシでしたが、強いゴーシャと出会ったことで少し元気を取り戻しました。そしてレゴシは祖父に、ウサギであるハルに惹かれているということを打ち明けます。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
そんな折、ある事件の解決をきっかけに、なんと現ビースターであるヤフヤから手紙が届きました。なんと、ゴーシャはかつてヤフヤと肩を並べて戦っていた過去を持っていたのです。祖父と皆が尊敬するビースターであるヤフヤ。彼らの過去には何があったのでしょうか。
注目したいのはレゴシを取り巻くアパートの住人達。レゴシとはまた違った特異な存在が集まっており、レゴシが自分は普通だと感じるほどです。
本能と恋心について再び向き合うことにもなるなど、環境も心境も大きな変化を迎えるレゴシ、少しずつ大人になっていることを実感します。
麻薬組織を捕まえたことをきっかけに、ヤフヤに招待を受け会食することになったレゴシ。警視庁へと赴くと、最上階にあるにんじん畑の食糧庫兼応接間にヤフヤが居ました。現役のビースターらしく威厳の感じられる姿でしたが気さくな人柄で、会食は和やかに進んでいきます。
しかし、ヤフヤがビースターに就くとある特典があるという話を始めたところから、空気は一変します。ビースターに就任すると、何でも望みを1つ叶えることができるという決まりがあるのだとか。ヤフヤは己が罰した肉食動物を、食糧の肥料にしたいと願ったと告白します。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
多くの尊敬を集める存在である、ビースターの思わぬ告白から始まる14巻、ヤフヤの肉食動物に対する恨みつらみの根深さが感じられます。また、祖父ゴーシャとの確執も注目ポイント。ゴーシャへの感情をレゴシに転換させているようにも見え、ヤフヤの抱える感情の重さが伺えます。
ヤフヤとのやり取りでレゴシの成長が垣間見られるのですが、見所はハルとの関係の変化。大学に進学したハルは、レゴシの誕生日にアパートを訪ねてくるのですが、デートとして、裏市に行きたいと口にします。レゴシへの想いを自覚したからこそ、覚悟を決めたハルの潔さは圧巻。グイグイ迫るハルに対し、硬派なレゴシにニヤリとしてしまいます。
14巻で険悪ムードのまま別れたヤフヤとレゴシ。そんなことは無かったかのように、ヤフヤは事件の捜査を依頼してきました。
裏市という社会の闇があるように、世の中には様々な悪の売人が存在しています。狙っているのは、象牙密売人のメロン。事件解決に貢献すれば、レゴシの前科がをもみ消すという条件につられ、レゴシは捜査に乗り出しました。
異種族同士が仮面をつけた状態で交流するバーに潜入したところ、メロンはすぐに見つかりました。ヤフヤが応援を呼ぶために現場を離れた時、メロンと話をしたレゴシは、彼がガゼルとヒョウのハーフであることを知り、興味を持ちます。ハルと結婚できた場合、誕生する子どもはハーフ。
メロンともっと話がしたいという思いが強くなり、レゴシはメロンを開放してしまいます。そして逃走するメロンに拳銃で撃たれたレゴシは、意識不明の重体となってしまうのでした。
新たに登場したメロンは、今までレゴシの前に立ちはだかったキャラクターとは一線を画する存在。生い立ちも含め、レゴシにどのような影響を与えていくのか、今後も言動に注目です。
拳銃で撃たれたレゴシは夢の中で亡き母と再会するのですが、その中で明かされるレゴシの生い立ちが見所。異種族同士の結婚がどのような結果をもたらすのか、愛情だけでは乗り越えることが難しい、現実を見ることになります。
死の淵で亡き母と再会したレゴシは、母親のレアノが様々な葛藤や苦悩の末に自ら命を絶った理由を知ってしまいます。レアノの願いはレゴシが生きること。本音で語り合うことで母子のわだかまりは解け、レゴシは長い夢の時間から目を覚ますのでした。
生い立ちに近しいものを感じるメロンと、向き合うことに決めたレゴシ。契約続行を決め、再び捜査に赴き始めました。そんななか、メロンが気の遠くなるほどの時間をかけて丁寧に彫る彫り師の元に通っているという情報が舞い込みます。
タトゥースタジオへ捜査に向かったレゴシは、メロンが海に向かうという情報を耳にしました。先回りしたレゴシでしたが、実は罠。捕らえられたレゴシは、「猫科が最も恐れる死に方」だという、脚をセメントで固められたまま海に落とされてしまうのでした。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
レアノとの切なくも心温まる邂逅から急展開、レゴシは再び絶体絶命となってしまいます。しかし、レゴシには何やら秘策がある様子。新しい出会いや関係性がレゴシの味方になっていると強く感じられる場面となるでしょう。
見所は、緊迫した中から少々コミカルな場面を。潜入した際、レゴシもタトゥーを彫ってもらうのですが、とっても意外な文字で笑ってしまいます。今後も右肩に見えるようになりますので、ぜひ注目してみてください。
メロンを追う過程で、純潔至上主義者団体「コピ・ルアク」と接触したレゴシたち。そこで、密売人であるメロンの表の顔を知ってしまいます。メロンは大学で歴史学の非常勤講師として勤務しているのですが、なんとハルが通う大学だったのです。
メロンが危険人物とはつゆ知らず、ハルは課題の内容について質問するために、一緒に食事をとり始めます。ハルに興味を示したメロンは、今まで感じたことが無い「肉を食べたい」という欲求を持ったことを自覚してしまうのでした。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
メロンの異様な言動に恐怖を覚えたハルは、レゴシに会いに行きます。お互いの近況や想いを語り合い、眠りにつきます。目覚めると、ベッドの上にハルはいませんでした。あるのは真っ赤に染まったシーツだけ。レゴシは無意識のうちにハルを食べてしまったのでしょうか⁉
平和な生活を送っているハルに、まさかの魔の手が迫ってしまう17巻。表紙を見た時に、やたらレゴシが白いなということに気が付いた読者の方も多いのではないでしょうか。シーツが真っ赤に染まってしまうという事件の顛末と関係があります。本人にしてみれば笑い話でも何でもないのでしょうが、レゴシのハルへの強い想いが感じられる、ちょっと微笑ましいエピソードです。
見所は、自分の中にある肉食動物の本能を自覚してしまったメロンの怪しすぎる言動。付け狙われることになってしまうハルへの心配が尽きません。
メロンの外見が草食動物のため、草食動物に襲い掛かる肉食動物として警察に追われることになってしまったレゴシ。体毛が白くなった影響で年齢を重ねているように見えることから、チェリートン学園の寮で生活する幼馴染、ジャックの元に身を隠すことになります。
久しぶりに訪れた学園は、さま変わりしていました。肉食動物と草食動物は完全な別学になっており、種族合同の部活動は活動休止。どこか緊迫した空気が漂う中、レゴシはジャックから、一般市民には隠された「本当の歴史」を教えられることになります。そこには大きな戦いと、1頭の鯨が関わっていました。
学園だけでなく、メロンの先導により本能への強い思いを煽り立てられた裏市は、危険な空気に満ちていました。ルイと再会したレゴシは、共闘してメロンを倒すことに。そこでルイの昔馴染みであるサンとキューと出会うのでした。
- 著者
- 板垣巴留
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一見平和な共生生活を営んでいた世界が、どんどんと不穏な空気に満ちていきます。なぜ肉食動物と草食動物は、本能をひた隠しにしながら矯正することになったのか。作品世界の根底に関わる情報が開示されていきます。
作品世界に関わる情報が開示される場面も注目ポイントですが、見所なのはレゴシとジャックの変わらぬ友情です。ジャックの抱えていた劣等感が明かされたり、レゴシと喧嘩している場面があるなど、仲がよい彼らの珍しい姿を見ることができます。
ルイとかつて同じ場所で生活していたサンとキュー。レゴシはウサギであるキューから異種間での戦い方を教わることになります。
ハルと同じ女性のウサギであるはずなのに、キューは筋骨たくましく、草食動物の持つ気弱さのようなものは一切ありません。「平等に容赦なくあれ」という方針のキューのもと、レゴシは自分らしく強くなることを目指します。
一方、父親が急逝したことでルイは財閥を継ぎ社長となっていました。群れたい気分になったルイは、草食動物たちが集まる祭り「奇魂祭」に足を運びます。参拝途中でハルと久しぶりの再会を果たした2人は、ゆっくりと話をすることに。そこでハルが、メロンに自分の肉を食べさせるという、驚愕の約束を交わしてしまったことが発覚するのでした。
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見所はまったく違うタイプのウサギである、キューとハル。ハルはさっぱりとした明るい性格ですが、草食動物らしいか弱さのようなものが感じられます。メロンと危険な約束を交わしてしまうなど、しっかりしているように見えて感情や本能に流される場面が多く、目が離せません。
キューはハルとはまったく違った意味で逞しい女性です。それは物理的な物だけでなく、過酷な状況を生き抜いてきたからこそ身に付いたものなのでしょう。実はキューの師匠はゴウヒン。キューとレゴシは姉弟弟子関係という、意外な情報も明かされました。
メロンとの決戦は次の「愛肉の日」、12月25日におこなうことになりました。修行の結果、レゴシの能力を引き出す重要なカギが空腹であることを見抜いたキュー。レゴシは空腹となるために、断食をすることになります。
断食中、部屋にひきこもっていたレゴシをハルが訪ねてきました。会えば食べたくなってしまう。そんな気持ちから追い返してしまうレゴシでしたが、我慢できず追いかけた先でハルと会話を交わします。ハルはレゴシへの溢れる想いで泣き出し、2人はついにキスを交わすのでした。
裏市にはドク組、イナリ組、マダラ組、シシ組という4つの組があり、縄張り争いにも独自のルールがあります。まずドク組と戦うことになるのですが、ボスであるサボンはコモドオオトカゲ。くしくも己の祖父と同じ種族を相手に、レゴシは戦いを挑むことになるのでした。
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- 板垣巴留
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キューの意外な裏切りや、ハルとの進展など、驚いたり喜んだりと読者の感情もかき乱されます。
長い間レゴシとハルの関係を見守ってきた読者からすると、ようやくキスまで来た、という感覚でしょうか。最初のころを思い返すと、より成長が感じられる場面です。力任せではなく、レゴシらしさがにじみ出るサボンとの戦いも見所です。
サボンとの戦いを制したレゴシ。次なる相手は、キツネのテンがボスを務めるイナリ組です。男が頂点をとる世界を変えたいと強く思っているテンに対し、女性だからとレゴシは及び腰。そんな中、ヒョウ化が進んだメロンが戦いに乱入してきてしまいます。
レゴシが戦っている頃、ルイもまた別の戦いに挑んでいました。財閥の社長就任の会見の場に立ったルイは、タブーとなっている食肉や裏市の話題をテレビで堂々と話し、互いにもっと話し合うべきだと語り掛けます。
学園の演劇部では肉食動物部員が草食動物部員を守る中、一触即発の空気が高まる街は停電により闇に包まれてしまうのでした。
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21巻では、ガゼルとヒョウのハーフであるメロンの過去が明かされていきます。どのキャラクターよりも「悪」として大きな存在。メロンを形作る決定的な過去の出来事に息が詰まります。
己の肉体で戦うレゴシと、まったく違う戦い方をするルイ。種族を越え確かな絆を感じる2人ですが、21巻の見所はまさに絆です。レゴシとルイだけでなく、多くの種族を越えた強い絆が描かれます。闇に包まれた街の中、明かりがついたときに目にする光景は、惨劇なのかそれとも希望なのか。ぜひその目で確かめてみてください。
暴動を見守っていたヤフヤとゴーシャの目に、メロンと同じような角を持ったガゼルの姿が映ります。それは、妻に食べられたと噂されていたメロンの父親でした。若気の至りでできてしまった息子の顔を見に来ただけだという父親に、ゴーシャが殴り掛かります。
裏市では肉食動物と草食動物が協力して店を破壊して回る騒動にまで発展していました。ルイが乱入したことによりメロンとレゴシの戦いは一端終わりを迎えますが、世界が壊れずにひとつになってしまったという結果が気に入らなかったメロンは、拳銃で自分を撃ち抜きます。諸悪の根源が倒れても、誰も喜ぶ姿はありませんでした。
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悪が倒れれば平和が訪れます。悪役の立場であるメロンが倒されたことにより、皆に笑顔が戻るのかと言えば、そういうわけではありません。皆、見たくなかった本能の叫び、現実を知ったうえで送る日常は、以前のように無邪気なものではないのです。
共生する世界を壊そうとしたメロンは確かに悪ですが、彼がいたからこそ見えてきたものは確かにあるのでしょう。相手を理解し、信じるという行動について深く考えさせられます。
見所は、レゴシとハル、ルイとジュノの恋の行方です。キスまでした間柄のレゴシとハルは、もはや問題が無いと思いきや、ハルは何やら怒っている様子。やりとりがとてもかわいいので、これだけで平和な世界になってよかったなと思えてしまいます。ルイとジュノはまた違った雰囲気。まったく違う恋の形をご堪能ください。
いかがでしょうか?それぞれの動物たちの背景には、それぞれの生い立ちがあり、異なる価値観を持った登場人物として描かれています。ぜひご自身でも考察を深めながら味わってみてください。