5分でわかる明治時代の暮らし!服装や食事、文化などを解説。年表も

更新:2021.7.23

黒船の来航があり、鎖国体制が崩れたことで江戸幕府は崩壊し、新しい政治が必要となりました。そこから誕生した明治時代の世は、今もつづく日本国家の原点といえるでしょう。この記事では、激変する時代の主な出来事や文化をわかりやすく解説し、おすすめの関連本もご紹介します。

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明治時代の概要。何年から何年?

1868年、明治天皇が即位し、元号が慶応から明治に改元されました。「明治維新」とも呼ばれるさまざまな改革が起き、激動の時代が続きます。1912年に明治天皇が崩御され大正と改元されるまでにどのような出来事があったのか、基本情報を見ていきましょう。

1968年1月、「戊辰戦争」が勃発します。徳川家の求心力低下にともなう、新政府軍と旧幕府勢力の争いです。翌年には新政府軍が勝利し、それまで各藩主が治めていた領地の支配権が朝廷のものとなる「版籍奉還」がおこなわれました。

こうして明治新政府は、強大な軍事力や技術力をもっている諸外国に対抗するため、まずは日本という国を完全に統一しようと動き出したのです。

代表的な政策が、1871年に実施された「廃藩置県」です。大名が治める藩の制度を廃止して、各地域を県とし、「藩主」の代わりに明治政府から「知事」が派遣されました。

この政策を打ち出したのは陸奥宗光(むつむねみつ)という人物で、彼はその後1873年に「地租改正」を実現させ、大名に支払われていた税金をすべて国に納めるよう変更させるとに成功します。それまでは米を納めていましたが、土地の価値に見合った貨幣を納めるように統一し、一気に近代化を進めていったのです。

1889年には、「大日本帝国憲法」が公布されます。これにより日本が統一され、ひとつの国家として成立したことを全国民が認知するようになりました。

国の体をなした日本は、外国に対する遅れを取り戻すべく富国強兵へと舵を切ります。八幡製鐵所や製糸工場に象徴される産業革命を経て、国力をつけ、ついには外国と対立し戦争にまで踏み込んでいくのです。

1894年、朝鮮をめぐって「日清戦争」が起こりました。朝鮮はもともと清に従う傾向にあり、領土拡大を目指す日本は清に戦いを挑んだのです。結果、日本は勝利し、伊藤博文らによって「下関条約」が締結されます。清が朝鮮に対し持っていた影響力をを排除し、朝鮮の独立を認めさせました。

もともと中国周辺は欧米諸国に狙われており、そこに日本が後から参入したかたちとなります。ロシアが日本の勢力拡大に危機感を抱き、1904年には「日露戦争」へと突入しました。厳しい戦いでしたが、ロシアのバルチック艦隊を破ったことが決め手となり、日本が勝利を収めます。

そして1910年、日本は韓国を併合し、自国の統治下に置きました。

明治時代の主な出来事を年表で紹介

  • 1868年:1月に戊辰戦争が勃発。9月に明治と改元。(記録の上では1月1日まで遡って明治が適用されている)
  • 1869年:旧幕府勢力の榎本武揚が降伏し、戊辰戦争終結。版籍奉還の実施
  • 1871年:廃藩置県の施行
  • 1872年:太陽暦を採用
  • 1873年:「明治6年の政変」(征韓論争)
  • 1874年:板垣退助らが民選議員設立における建白書を提出
  • 1875年:領土の所有権を争っていたロシアと「千島・樺太交換条約」を締結
  • 1876年:朝鮮と「日朝修好条規」を締結
  • 1877年:「西南戦争」開戦
  • 1878年:大久保利通が暗殺される。「竹橋事件」が勃発
  • 1881年:「明治14年の政変」、板垣退助が「自由党」を結成
  • 1882年:大隈重信が「立憲改進党」を結成
  • 1885年:第1次伊藤博文内閣が発足
  • 1886年:「ノルマントン号事件」発生
  • 1889年:「大日本帝国憲法」が発布
  • 1890年:第1回衆議院議員総選挙
  • 1894年:「日清戦争」開戦
  • 1895年:「下関条約」調印、三国干渉により遼東半島を清へ返還
  • 1899年:「日英通商航海条約」が発効、不平等条約が改正
  • 1902年:「日英同盟」締結
  • 1904年:「日露戦争」開戦
  • 1905年:「ポーツマス条約」締結、「第2次日英同盟」締結
  • 1908年:ロシアと樺太境界について同意
  • 1909年:伊藤博文暗殺
  • 1910年:韓国併合
  • 1911年:関税自主権の回復に成功、「第3次日英同盟」が締結
  • 1912年:7月30日に明治天皇が崩御し、大正天皇が即位

明治時代の服装は?

明治時代の初期、「維新」と称されるほどの大改革が起こったのは、それまで閉鎖的だった日本が外国を意識するようになったからです。

頑なに鎖国を続けていた江戸時代は、良くも悪くも古くから伝わる伝統を重んじていました。情報が無いため、外国の文化を取り入れるという選択肢がなかったのです。

ところが1853年にペリーが来航し、諸外国の圧力に対抗できなくなった日本は、ついに開国を宣言します。これによって外国の文化が入ってくるようになりましたが、当初は排他的な考え方を拭いきれず、抵抗を示す国民も多かったようです。

政府は、国として、なるべく早く外国の文化の素晴らしさを認知させる必要がありました。そこで真っ先に取り入れられたのが洋服です。政府関係者や知名度のある者が率先して洋服を着、国民の異文化に対する抵抗心を少しずつ減らしていきました。

1881年には、高官たちが公的な場で婦人をともなう際には、洋装を身にまとうことを推奨するお触れが出ます。公的機関の職員をはじめ、あらゆる仕事の制服に洋服が用いられ、和服の存在感が薄れていきました。

そんななか、庶民の間では明治特有のファッションが生まれます。貴族など位の高い者たちは高価な洋服を着ることができましたが、なかなか手の届かない一般人も多数います。そこで彼らの間では、基本的には和服を着ながら足元だけブーツを履いたり、和服の上から洋物のコートを羽織ったりしていたのです。これぞまさに「和洋折衷」だといえるでしょう。

明治時代の食事は?

開国後、日本人は欧米人の体格のよさに驚きました。そこで西洋の食事が研究されるようになり、一気に「肉食」が流行します。それまでの日本には、魚や野菜を少量ずつ食べる「粗食」を美とする感覚が根付いていまいたが、食の西洋化が進んでいくのです。

しかし肉は安く買えるわけではありません。そこでまず普及したのが、軍隊です。国を守るために戦う兵士たちの体が大きく、屈強であるに越したことはありません。海軍の大臣が兵士たちに、洋食レストランへ行くことを命じ、欧米食に慣れるよう指示を出したという記録も残っています。

その後、庶民のあいだにも少しずつ「贅沢品」として浸透していくようになりました。

明治時代の文化を紹介

明治時代の文化は、日本古来の伝統と西洋化の波の見事なバランスで融合しているとし、現代に活躍するデザイナーやアーティストの多くが研究をしています。

当時はもちろんインターネットなど無い時代なので、芸術家たちは断片的な情報から海外の文化を想像し、自らの持つ知識と組み合わせて作品に取り入れていきました。

絵画の世界では、洋画家と呼ばれる人が誕生。線を太く、単色で平面に描いていた絵師たちとは一線を画し、複雑な色の組み合わせで立体感を表現します。

「メートル先生」と呼ばれ、東京美術学校の教授なども務めた黒田清輝の作品には、海外の壁画のようなタッチで描かれたものが数多く残されているのです。

日本人の海外文化への強い憧れと尊敬が生み出した、ノスタルジックな「明治ロマン」の誕生を、「文明開化」と呼んでいます。

明治時代へのイントロダクション

明治はとにかく変化が速かった時代です。内乱ばかりあった江戸幕府の体制が崩壊し、貿易や戦争の相手が外国となりました。知っておくべきエピソードや事件も多数あり、これらを歴史の知識のない状態でイチから学ぶのは大変です。

そこでおすすめなのがこの一冊。言わずと知れた「学習まんが」シリーズで、子供が読んでも理解できるわかりやすさで明治時代の要点を学ぶことができます。

著者
あおむら 純
出版日
1998-02-01

成績が学年ビリのギャルが慶応大学に合格した、という実話をもとに書かれ話題となった書籍『ビリギャル』。映画化され日本を席巻しましたが、その映画のワンシーンにも本書が登場します。

学び始めの初心者にとって、勉強における最高のアイテムといえるでしょう。この先どんなに難しい専門書を読むことになっても、まず本書に書かれていることが土台にあれば、深く明治時代を理解していけるはずです。

日本国家を作った人々の物語

明治は現代の日本の形をつくった最初の時代です。もし明治維新が起こらなければ、日本は外国の発展に遅れをとり、他国に支配されていたかもしれません。あるいは独裁国家のようになっていたでしょうか。

それまでの常識から脱却し、日本が世界に認められる先進国へと変わるきっかけとなった明治時代には、旧式の考え方に真っ向から戦いを挑み、リスクを恐れずに行動をした者たちがいました。そんな骨太の指導者たちの活躍をまとめた一冊です。

著者
瀧井 一博
出版日
2013-06-18

国が丸ごと大きく変わるというのは大変なことです。国家の形が変わり、文明への意識がひっくり返る……並大抵の力では実現し得ないことでしょう。

本書には、教科書に出てくるような有名人物から、それぞれの分野のプロフェッショナルまで、多彩なエピソードが盛り込まれています。国とは何なのか、国家を動かすうえで重要なことは何なのか、現代の日本に欠けている重要なことにも気づけるかもしれません。

明治時代から現代まで続く「体制」を分析

日本にとって鎖国は、国を小さくも平和にまとめる最適な手段でした。現に江戸時代は260年以上も続いた安泰の世だったわけです。

しかしペリーの黒船来航によってその均衡は破られます。開国して以降、日本は国が一体となって近代化に突き進むことを余儀なくされました。少しでも遅れを取れば、外国に侵略されてしまうかもしれないという意識もあったことでしょう。特に科学技術の分野においては、その思いが顕著だったようです。

本書は明治の近代化からの科学技術総力戦体制を解説し、さらに福島の原発事故における現代の課題に問題提起をしています。

著者
山本 義隆
出版日
2018-01-20

本書が他の歴史解説書と異なるのは、テーマがより深く掘り下げられているところでしょう。史実を淡々と並べるのではなく、「体制」というひとつのテーマに絞り、深い分析と濃い研究がなされています。

歴史上の事件のなかには、風化して忘れられるものも多数あります。しかし体制とは常に引き継がれていくものです。改善されることもあれば、改悪されることもあります。現代までつづくさまざまな体制の問題の要因を探すために、明治までタイムスリップできるような一冊です。

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