珍しすぎるチンアナゴの生態は?種類ごとの全長や、名前の由来も解説!

更新:2018.5.18

水族館に行くと、ぬいぐるみなどのグッズも多数売られ、人気者のチンアナゴ。群れをつくり、砂から顔を出してゆらゆらと揺れている姿が印象的です。この記事では、彼らの生態や、種類ごとの全長、名前の由来などを解説していきます。もっと好きになれるおすすめの本もあわせてご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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チンアナゴっていったい何?分類、生息地などの特徴を紹介

 

熱帯から亜熱帯域のサンゴ礁付近の砂地に生息しており、日本でも伊豆や沖縄などで姿を見ることができます。

ウナギ目アナゴ科に分類され、一見すると魚には見えませんが、よく見ると体の側面に小さな胸びれがあり、背中にも透明の背びれが体を囲むようについているんです。

ほとんどの時間を、からだの大半を地中に埋めて暮らしているチンアナゴ。頭だけを出してゆらゆらと揺れている姿が印象的ですが、なぜ彼らは土の中に潜っているのでしょうか。今回は、その独特の生態とともに可愛い彼らを堪能できるおすすめの本を紹介していきます。

チンアナゴの生態は?

チンアナゴの生態は?

 

水族館などで見かけるチンアナゴを見ると、ほとんどが一ヶ所に固まり、同じ方向を見ています。これは外敵に対抗する手段を持たない彼ら生み出した、生存戦略なんです。

チンアナゴは天敵が近づいても泳いで逃げることはなく、砂の中に全身を隠すことでやりすごします。背後から敵が近づいてきた場合、1匹でいると気づくことができない場合もありますが、群れていれば誰かが潜った時点で危険が近づいていることがわかるため、固まって生活しているのです。

彼らは尻尾のみを使い、10秒ほどで全身が隠れるほどの深さの巣穴を作っています。体には5つの黒い斑点があり、この斑点部分から下は全部尻尾。筋肉で構成されているのです。斑点部分より上の上半身にすべての内臓を収め、尻尾は穴を掘るために特化したつくりになっています。

ちなみにこの斑点には肛門もあり、排せつや産卵の時に使われます。

巣穴を掘った後は、体から粘液を出して壁を固め、潜った時の衝撃などで崩れないように補強します。巣穴の直径は1匹のチンアナゴがギリギリ収まる太さで、外敵の侵入を許しません。形は垂直のものもあれば途中で曲がっているものもあり、さまざまです。普段は体の3分の2ほどを入れて暮らしています。

水流に乗ってプランクトンが流れてくるのを待っているため、食事の時も巣穴から出ることはありません。潮の流れがあるため、群れはみな同じ方向を向いているのです。

敵が近づいても隠れるだけ、餌は流れてくるのを待つだけ、となんとも消極的なイメージですが、時には群れのなかで喧嘩が起きることも。縄張りやメスをめぐって争うのですが、口を開けてお互いを威嚇しあうその姿も、なんともいえぬ可愛らしさがあり、つい微笑んでしまいます。

チンアナゴの全長は?種類ごとに紹介

 

アナゴ科のなかでも「チンアナゴ亜科」に分類される生物の特徴を、種類ごとに紹介していきましょう。

チンアナゴ

チンアナゴ属。全長は30cmほどで、巣穴を引っ越す時や産卵時など、限られた条件下で全身を見ることができます。黒ベースの体に、白いウロコのような模様が全身に入っています。黒目のまわりが黄色いのも印象的です。

ニシキアナゴ

シンジュアナゴ属。オレンジと白のストライプ柄をしていて、全長は40cm前後です。水族館などでもよく見かけ、チンアナゴとともにもっともポピュラーな種類だといえるでしょう。

テイラーズガーデンイール

チンアナゴ属。明るい黄色のベースカラーで、全身に黒い斑点模様があります。全長は40cm前後です。

ブラックガーデンイール

チンアナゴ属。全身は黒色で、エラに白い斑点模様があります。全長は50cm前後とやや大きめです。

ゼブラアナゴ

チンアナゴ属。白い体で、背面にシマウマのような黒い縞模様が入っているのが特徴。絶滅危惧種に指定されています。日本では西表島近海に生息しています。全長は30cm前後です。

ガラパゴスガーデンイール

チンアナゴ属。赤褐色の体に白い斑点があります。全長は70cmと大きめです。

ペイルガーデンイール

チンアナゴ属。薄い褐色の体に白い斑点があります。全長は60cm前後です。

シンジュアナゴ

シンジュアナゴ属。体は黒色で、側面に白い斑点が一列に続いているのが特徴です。全長は平均1mもあり、もっとも大きな種類だといえるでしょう。

アキアナゴ

シンジュアナゴ属。ベースが白く、全身に小さなオレンジ色の斑点模様があります。全長は75cm前後と大きめです。

ホワイトスポットガーデンイール

シンジュアナゴ属。薄っすらとベージュがかった白をベースに白い斑点模様。2018年現在レッドリストに載っており、絶滅が懸念されています。全長は平均70cm前後と大きめ。

ハワイアンガーデンイール

シンジュアナゴ属。白をベースにオレンジ色の斑点模様が浮かぶ、アキアナゴとよく似た外見をしています。ハワイにのみ生息する固有種で、全長は60cmとアキアナゴよりやや小さめです。


水族館では同じ水槽に展示され、体の模様以外に差はないように感じられますが、よく見るとそれぞれ顔つきが異なっています。また彼ら自身にも同種の仲間を見分ける力があるようで、水槽の中では種類ごとに固まって暮らす性質があることが確認されているのです。

チンアナゴの名前の由来。英語では? 

 

チンアナゴの名前は、正面から見た時の顔が犬の「狆(チン)」に似ていることに由来しています。

英名は「Spotted Garden Eel」。Spottedは体にある斑点模様から、Gardenは海底からチンアナゴが顔を出しているさまが庭の植物に似ていることから付けられたそうです。

ちなみにニシキアナゴは、錦糸の織物のような美しい色合いをしていることから名付けられました。

表情豊かな写真集

著者
["江口 絵理", "横塚 眞己人"]
出版日
2014-11-11

水族館で飼育されているチンアナゴとニシキアナゴの様子を紹介する写真集です。

プランクトンと間違えて糞を食べてしまった様子、餌を追ううちに近くの巣穴のチンアナゴと絡まってしまった様子、喧嘩をしている様子など、水族館に行っても運がよくないと見ることのできない貴重な瞬間をとらえています。

たくさんの写真とともに添えられている文章も秀逸で、ほとんど動いていないはずの彼らの顔が表情豊かに見えてしまい、ますます好きになってしまうこと間違いなし。大人も子どもも楽しめるでしょう。

巻末には生態を紹介するコーナーも設けられており、知識も深められる一冊です。

チンアナゴが主役の絵本

著者
ウタトエスタジオ(Utatoe Studio)
出版日
2017-11-04

動画投稿サイトで再生回数50万回以上の人気を誇る「ちんあなごのうた」をもとにした絵本です。

主人公は、2匹のチンアナゴと1匹のニシキアナゴ。遊園地に遊びに来た彼らが、迷子になってしまったウッカリカサゴの親を探すというストーリーです。要所に迷路やしりとりなど、子どもを飽きさせない工夫が施されています。

また驚くほど細かい書き込みも特徴。文字を読めないお子さんも楽しめますし、大人も見ているだけでワクワクできる、幅広い年齢の方におすすめの一冊です。
 

1という数字が、砂から顔を出している姿を連想させるということで、11月11日はチンアナゴの日なんだそうです。見た目の可愛さだけでなく、生態も興味深い彼ら。気になった方はぜひご紹介した本を読んでみてください。

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