珍すぎるウミウシの生態を紹介!名前や種類、毒性、アメフラシとの違いなど

更新:2018.5.27 作成:2018.5.27

カラフルな見た目で人気を集めているウミウシ。意外と知られていない生態や、かわいらしい名前がついている種類、アメフラシやなまことの違いを解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介していくので、最後までチェックしてみてください。

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ウミウシの生態の特徴は?

 

貝の仲間の「後鰓(こうさい)類」と呼ばれる軟体動物の一種です。雌雄同体で、えらが心臓よりも後ろにあるのが特徴。日本を含む世界各地に分布しており、主に浅瀬の海底に生息しています。

2018年現在3000以上の種が確認されており、細かい分類は各地域ごとにバラバラ。肉食、草食など食性もそれぞれで、なかには他のウミウシを食べる種類もいるようです。

大きさは数mm程度から30cm程度のものまで存在。体色も地味なものからカラフルでおり、観賞用の生物としても人気を集めています。

名前は、触角を牛の角に見たてて「海の牛」としたことに由来しています。小笠原諸島では、触角を猫の耳に見たてて「ウミネコ」と呼ぶこともあるそうです。

ウミウシの代表的な種類を紹介!名前がかわいすぎる

 

カラフルな体色をもつため鑑賞生物としても人気を集めているウミウシ。そのなかには、かわいらしい名前が付けられているものも数多く存在します。代表的な種類を紹介していきましょう。

・アオウミウシ

香港、日本、韓国のみに分布し、日本では本州や九州付近の浅い海底に生息。体長は3~4cm、体色はキレイな青色が基調で、黄色い斑紋と赤い触覚があります。斑紋は個体差が大きく、直線状の模様や斑点模様などさまざまです。

・イチゴジャムウミウシ

西大西洋の東南アジア一帯に分布し、日本では沖縄近海に生息。体長は3~5cm、体色はその名のとおり赤く、イチゴジャムにそっくりな見た目をしています。赤い海綿動物の表面についていることが多く、保護色となって見つけにくいようです。

ちなみにイチゴミルクのような体色をしたイチゴミルクウミウシという種類も有名です。

・パンダツノウミウシ

西太平洋からインド洋に分布し、日本では沖縄近海に生息。体長は1~3cmと比較的小さめで、体色は半透明の白色です。触覚や口触手などが黒色のため、名前のとおりパンダのような見た目になっています。珍しい種類のため、ダイバーたちの間でも人気が高いようです。

・アオミノウミウシ

世界各地の熱帯、温帯に分布し、日本では南西諸島や小笠原諸島に生息。体長は2~6cm、体色は背面が銀白色、腹面は青色をしています。ヒレを広げて遊泳する姿の美しさから「ブルーエンジェル」「ブルードラゴン」とも呼ばれています。

カツオノエボシをはじめとする毒クラゲを主食としており、ヒレには毒があるため素手で触るのは危険です。

ウミウシは食用もいる?毒性はあるのか

 

一般的に食用には適さないといわれています。カラフルな体色は「警戒色」と呼ばれるもので、その奇抜な配色で自らを捕食すると危険だというアピールをしています。

見た目同様に毒や不快な成分を体内にもっている種類もいるので、食べるのは危険でしょう。

ただしウミウシの一種ともいわれるアメフラシなど、なかには食べられる種類もいるようです。たとえば隠岐の島には、ベコ料理というアメフラシの郷土料理があります。

また生物学者でもあられた昭和天皇は、研究のためにウミウシを煮付けて食されたことがあるようです。

ウミウシはペットとして飼育できる?

 

カラフルでかわいらしい見た目をしているため、ペットとして飼いたいという方も多いでしょう。しかし個人で飼育することは非常に難しく、また入念な準備も必要です。

まず海に生息する生物のため、常に海水に近い状態を保つことができる水槽を用意する必要があります。また種類ごとに主食が異なるので、それぞれにあったエサを用意しなければなりません。

食べるものは成長段階によって変わるものもあるようです。市販されていないため、海中から採取する必要があります。

一見小さくて扱いやすそうですがハードルが高いので、水族館などで鑑賞して楽しむことをおすすめします。

ウミウシ、アメフラシ、なまこの違い

 

アメフラシの特徴は、体色が地味で、大型の草食生物だということ。ただ先述したように、地域によってはアメフラシをウミウシの一種とみなすこともあるため、違いを厳密に定義することは難しいです。生物学的にはかなり近い生物であるといえるでしょう。

一方でなまこの分類は、「棘皮動物門」の「ナマコ綱」です。棘皮動物門には他にウニやヒトデなどが分類されています。

ウミウシとなまこは外観上似たような点もありますが、生物学上は分類が異なり、体内の構造もまったく異なる生物です。

撮影の仕方まで学びたい方におすすめ

著者
水谷 知世
出版日

 

作者の本職はダイビングのガイド。日々仕事をするなかで、さまざまなウミウシと出会ってきたそうです。その魅力を多くの人に伝えようと、経験をもとに本書を記しました。

海中でのキレイな写真とウミウシの生態が数多く掲載されているのが特徴。さらに上手に撮影できる方法も解説されているので、実際にダイビングをして写真を撮ってみたいと考えている方は、ぜひ本書を読んで挑戦してみてください。

日本で初めてのウミウシの写真集

著者
今本 淳
出版日
2007-07-15

作者の今本淳は、ウミウシの魅力の惹かれ、2003年に奄美大島に移住してしまったほどの筋金入り。本書はそんな彼が色とりどりの彼らを撮影した写真集です。

紹介されているのは全部で101種類。1枚の写真がページ一杯に大きく印刷されていて、背景の海の美しさも相まってどれもつい見とれてしまいます。

また奄美大島に関するコラムも興味深く、読みものとしても楽しめるでしょう。
 

独特な見た目や生態をしているウミウシは、ほかの生物にはない不思議な魅力があります。3000以上の種類が存在しているので、自分好みのものを探してみるのも面白いかもしれません。