地球について5分でわかる!構造、誕生、自転と公転などわかりやすく解説!

更新:2021.11.14

私たちがまさにいま住んでいる星、地球。この記事では大きさや構造、大気などの概要や、誕生の歴史、自転と公転、時差の仕組みなどをわかりやすく解説していきます。最後にはより興味を深めるきっかけになるおすすめの関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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地球の基本情報。大きさや人口など

 

地球の全周を世界で初めて測定したのは、紀元前275年に生まれたギリシャのエラトステネスだといわれています。

場所によって北極星の高さが異なることなどから、古代ギリシャで紀元前4世紀頃には、地球が球形をしているという説が唱えられはじめました。その大きさは離れた場所で同じ時刻におきる太陽光の角度差から計算することができ、エラトステネスはエジプトのシエネとアレクサンドリアとの距離が約920kmであることから、全周を約4万6000kmと計算したのです。

現在は約4万kmとわかっているので、紀元前にはほぼ同じ数字が導き出されていたことになります。

また地球の形は完全な球形ではなく、北極側と南極側から潰したような楕円体になっています。これは自転をしていることで生じる遠心力によるもの。そのため赤道の周囲が約4万77kmなのに対し、北極と南極の2点を通る周囲は約4万9kmと差があるのです。

地球の質量は5.974×10の24乗kg、平均密度は5.52g/cm3と推定されています。これは水の5.5倍、鉄の0.7倍程度に相当。太陽系のなかでももっとも密度が高い惑星なのです。ちなみに1番密度が低いのは土星。こちらはもしプールに入れたとしたら、浮いてしまうくらい軽くなっています。

では地球の人口ですが、2017年6月に国連が発表した「世界人口予測2017年改定版」によると、現在の人口は76億人と推定されており、毎年約8300万人増えています。これが2030年までに86億人、2050年に98億人、そして2100年には112億人に達すると予測されているのです。

地球上の陸地面積はおよそ149億ヘクタール。2100年にはひとり当たり、およそ1.3ヘクタールという人口密度になります。これは体育館2つ分にひとりがいるような計算です。

地球はどのように誕生したのか?

 

今から約138億年前、宇宙が誕生するきっかけとなるビッグバンが起こったと考えられています。その後、宇宙は膨張を続け、46億年前に太陽が誕生。それからおよそ6000万年後の約45億4000万年前に地球が誕生しました。

その過程は以下のようなものだと考えられています。

太陽が形成された後に残ったガスや塵などが、しだいに太陽の周りを回りはじめます。これらのガスや塵同士が衝突しあうことで、「微惑星」と呼ばれる直径数kmほどの小さな惑星が生まれました。その後微惑星同士が衝突と合体をくり返し、年間数cmというゆっくりとしたスピードで成長を続けます。

小さいものは大きいものに吸収され、非常に長い時間をかけてひとつの大きな惑星へと形を変えていきました。

比較的太陽に近い場所では、鉄などの金属や岩石を多く含む岩石惑星が形成されます。これらは隕石などの衝突がおきることでさらに巨大化し、水星、金星、地球、火星へとなっていきます。

太陽系の惑星のなかでも、太陽からの距離が火星よりも遠いものは、岩石惑星ではありません。

地球の構造は?

 

地球の内部は大きく分けて、「地殻」「マントル」「核(コア)」の3層から成り立っています。

地殻は地表から地下数km~数10kmの厚さの岩石の層で、マントルは地殻から地下2900kmほどまで続く岩石の層です。

マントルの下にある核は、中心温度が約5700度にもなる超高温の球体です。構成成分の85%は鉄、10%はニッケル、残りはシリコンではないかと考えられています。

人類がもっとも深く地下を掘ったのは約12kmまで。それよりも深い部分は直接見ることすらできないので、地震が起きた際に発生する「地震波」の観測をすることで、構造を導き出しました。成分は、火山の噴火などで噴き出されてきたマグマなどを調べています。

地球の水と大気

 

大気の成分は、約78%が窒素、約20%が酸素、残りが二酸化炭素などです。太陽系の他の惑星と比べてみると、たとえば火星の大気の大部分は二酸化炭素、木星の大気の大部分は水素とヘリウムなどで、地球ほど酸素が豊富に含まれているのは非常に珍しいです。

しかし誕生したばかりの地球は、高温・高圧の水蒸気に覆われ、成分としては二酸化炭素や窒素、一酸化炭素が多かったと考えられています。

その後、星全体の温度が低下しはじめると、大気中にたまっていた大量の水蒸気が一気に雨として降り注ぎ、これが現在の海となりました。

大気のほとんどは二酸化炭素と窒素になり、そこから海に二酸化炭素が溶け込んでいったことで、大部分を窒素が占めるようになったのです。

やがて生命が誕生し、光合成をおこなう植物が育つようになると、大気中の二酸化炭素量はさらに減少し、酸素が増加していったと考えられています。

地球の自転と公転を解説!昼と夜、四季の仕組み

 

地球は「自転」と「公転」という2つの活動をしています。

自転とは、北極点と南極点を結んだ直線である地軸を中心に回転すること。1回転は0.9973日で、ほぼ1日。回転する際に太陽の光が当たる場所が「昼」で、当たらない場所が「夜」です。

一方で公転とは、ある天体が恒星や惑星の周りを回ることです。基本的には、太陽のような巨大な質量をもった恒星を中心にして、規則正しく決まった時間をかけて回ります。ただ、たとえば質量の差がほとんど無い2つの恒星が連星を形成していた場合、重心は両者の間に位置するので、「何もない点」を中心にして公転をすることになります。

地球は約365日をかけて太陽の周りを公転しています。自転軸が公転をしている面に対して23.4度傾いているので、太陽との距離が場所によって異なるのが特徴です。

もちろん太陽により近い方が暑くなります。日本でいう「夏」は北半球が暑く、日本でいう「冬」は南半球が暑くなっています。

地球上の場所によって太陽や星の見え方が違う?日本は?

 

太陽の周りを公転しているので、同じ時間に同じ場所で空を眺めたとしても、見える様子は変わっていきます。今日見た星座を同じ位置で観測できるのは、1年後ということです。

その一方で、緯度が同じ場所から同じ時間に空を見ると、その模様はほぼ同様に見えます。たとえば東京の夜10時と、その16時間後にあたるラスベガスの夜10時の夜空は、ほとんど一緒なのです。

地球上の時差の仕組み

 

地球はおよそ24時間をかけて1回転するため、360(度)÷24(時間)=15(度)を1時間に回転する角度とし、「標準時」を定めています。それぞれの地方を比べた時に起こる標準時の差を、一般的に「時差」と呼んでいるのです。

日本の標準時は、東経135度の子午線と定義され、子午線上にある兵庫県・明石市には大きな時計が設置されています。

ただ日本列島は東西にも長く、最東は南鳥島の153度58分、最西は与那国島の123度0分で、日の出や日の入りの時刻には最大2時間程度の差があります。

地球に似た惑星はあるのか

 

2014年6月、オーストラリアにあるニューサウスウェールズ大学の研究チームは、16光年離れた場所に地球と似たような物質で構成されている惑星「グリーゼ832c」を発見したと発表しました。

研究によるとグリーゼ832cは、これまでに発見された地球と似ている惑星のなかで、もっとも近い距離にある星だということです。

大気や温度、湿度がきわめて似ていて、地表には水も存在し、四季もあるのではないかと予測されています。つまり、地球外生命体が存在する可能性が高いと推測されているのです。

また2015年7月には、NASAが1400光年離れた位置に「ケプラー452b」を発見したと発表しました。この惑星は「地球のいとこ」と呼ばれ、「ハビタブルゾーン」という生命が存在するのに適した領域にあります。

さらに2016年5月、ベルギーのリエージュ大学の研究チームが、40光年離れた場所にあるみずがめ座の赤色矮星「TRAPPIST-1」を観測。さらにその周囲を地球と似たサイズの複数の惑星が回っていることもわかったのです。

なかには地球の250倍もの水が存在するかもしれない、という研究結果も得られています。

次々と新しい発見が報告され、地球外生命体が存在する可能性もさまざまな方面から指摘されています。今後の研究に期待しましょう。

水から紐解く神秘!

著者
唐戸 俊一郎
出版日
2017-03-15

 

地球物理学者の作者が手掛けた、一般向けの解説書です。水の起源・分布・循環の3つの謎を紐解くことで、 「水の惑星」と呼ばれている地球の成り立ちについて迫っていきます。

水がどのような形で存在しているかによって、その星の形成過程や内部構造がわかるそう。実は地球の内部には、海よりも膨大な量の水があるのだとか。存在が当たり前の水ですが、まだまだ知らないことがたくさんあり、それが地球の存在自体にも関わっていると考えると興味深いでしょう。

難しい数式などは使用せず、文章でしっかり説明してくれているので、この分野に知見がなくても読むことができます。

地球の内部を描いた壮大な絵本

著者
加古 里子
出版日
1975-01-20

 

地面の中がどうなっているか、普段の生活をするうえで考えることはほとんど無いでしょう。草木や動物はどのように過ごしているのでしょうか。井戸の水はどこからくるのでしょうか。はたまた地下鉄はどのように広がっているのか……。
 

身近なことから範囲を広げ、やがては地層や地殻も説明。そして最終的に地球の内部の様子を明らかにするには、宇宙の謎を解かないといけないと締めくくっています。

大人が読んでも読み応えのある内容ですが、絵本なので子どももビジュアルを通して感覚で理解することができます。地球に興味をもつきっかけになる一冊です。

いろいろな角度から見ていきましたが、これまでと違った視点で捉えることはできたでしょうか。私たちが暮らしているもっとも身近な星でありながら、日々新しい発見がされています。地球について学ぶことは、宇宙についての近いを深めることにもつながります。ご紹介した2冊をぜひ読んでいただき、興味を広げるきっかけにしていただければと思います。

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