笑って泣けるハートフルコメディの4コマ漫画『義母と娘のブルース』。タイトル通り、義母であるあきこと娘のみゆきを中心に描かれる日常漫画です。 2018年7月10日からテレビドラマ化もされるなど注目度の高い本作品を、全2巻あらすじと魅力をご紹介します。なお、ネタバレも含みますのでご注意ください。
父親の再婚で新しい母親ができた小学生の宮本みゆきと、彼女の義母となったキャリアウーマンの岩本亜希子32歳。2人を中心にくり広げられる日常を描いた、笑いあり涙ありの4コマ漫画です。
2013年に出版された漫画ですが、2018年夏にテレビドラマ化が予定され、今再び注目されている作品です。
- 著者
- 桜沢 鈴
- 出版日
- 2011-02-14
本作の見所は、何と言っても義母・あきこと娘・みゆきが織りなす日常。
あきこは大企業で部長として働くバリバリのスーパーキャリアウーマン。仕事では誰よりも頼りになる女性です。しかし、仕事以外ではどこか人とズレているところがあり、一生懸命に母親をしようとするのにうまくいかない、そんなチグハグなところについクスっとしてしまいます。
みゆきは彼女のチグハグなところに振り回され続けます。母を失くしたみゆきが、徐々に彼女を受け入れていく過程は、つい感じ入ってしまうところがある展開です。
また、2人を見守る周りのキャラクターにもぜひ注目してみてください。みゆきの父親であり、あきこの夫でもある良一はもちろん、みゆきのクライメイトで何かと彼女のことを心配しているヒロキ、finalで登場するパン屋の店長など、一人ひとりがとても魅力的です。
ぜひそちらも注目して読んでみてください。
妻と死別してあきこと再婚した良一。実はこの2人、恋愛の末に結婚したのではありません。良一はある病気を患っていて、長く生きることができないということが分かっていたです。母もおらず、また父まで亡くしてしまったら、1人娘のみゆきは孤独な存在になってしまいます。
一方、あきこは誰も頼れる身寄りのいない天涯孤独な存在でした。仕事はバリバリこなすけれどどこか心に穴が空いているような虚しさを抱えていた彼女は、心の拠り所を求めて良一と結婚したのです。良一は自分亡き後、1人娘を託せる存在を、あきこは自分の孤独を埋める存在を、それぞれの利害が一致した2人は取引をするように結婚したのでした。
しかし、そんな2人と娘のみゆきは、3人の時間を過ごすうちにしだいに絆を深めていきます。3人の前には決して楽しいことだけが起こるわけではありませんが、だからこそ育まれていく3人の絆に思わず涙してしまうこと間違いなしです。
お互いの利害の一致のもと取引として結婚をした良一とみゆき。しかし、始まりこそ仮面夫婦だったものの、家族として過ごしているうち、2人には少しずつ本物の愛が芽生え始めていきました。
しかし、もともと良一は先が長くない体。それでもあきこは彼に心惹かれていき、彼もまたそんな彼女の気持ちに気が付きます。一方、良一はみゆきの実母、つまり前妻のことも忘れてはいませんでした。いろいろな気持ちが交錯し合いながらも2人の距離が確実に縮まっていく様子は、切なかったり微笑ましかったり、いろいろな気持ちで読むことができるでしょう。
そんな2人がどんなラストを迎えるのか、ぜひ本編で楽しんでみてください。
岩本亜希子は32歳。大企業で部長として働く彼女は、いわゆるバリバリのキャリアウーマンでしたが、ある日、ひょんなことから宮本良一と出会い、結婚することになりました。良一は亡くなった妻との間に小学生の1人娘・みゆきがおり、あきこはよい母親になるべく一生懸命努力するのですが……!?
- 著者
- 桜沢 鈴
- 出版日
- 2011-02-14
仕事一筋で仕事しか知らないバリキャリなあきこと小学生のみゆきを中心に、2人のドタバタで笑えるハートフルな日常を描いた本作。これまで仕事しか知らないような人生を送ってきた彼女は、初対面のみゆきに対して名刺を渡したり、みゆきとの会話がまるで面接のようだったりと、一生懸命なのはわかるのですがどこかズレていて、そんなズレが笑えるポイントになっています。
基本的にはそんな日常のエピソードが4コマで描かれていくのですが、あきこと良一の関係や、様々な人間模様が描かれていて、長編物語としても楽しむことができるでしょう。
本巻では、みゆきが小学生から高校生になるまでの間が描かれており、その間では、バリキャリだったあきこが専業主婦になったり、良一の身にとうとうその時が訪れたりといろいろなことがあります。笑えるだけではない、悲しくも感動的なストーリーは最後まで目を離すことができません。
小学生だったみゆきも今はもう高校生。子育てもひと段落したことから、あきこは社会復帰をすると言い出し、小さなパン屋でパートを始めました。
しかし、元不良の店長が営むそこは経営難で……!?
- 著者
- 桜沢 鈴
- 出版日
- 2012-06-14
全2巻の本作は、本巻が後編部分に当たります。
本巻では、みゆきは高校生になっており、あきこはみゆきが大きくなったので、社会復帰をすると言い出しました。専業主婦になる前は大企業でバリバリ働いていただけに、一体どんな仕事に就くのかと思ったら、何と始めたのは小さなパン屋でのパート。しかし、これが彼女にとっては大きな分岐点となります。
彼女は経営難だったパン屋の立て直しに成功し、それをきっかけに経営コンサルタントになると決めて独立したのです。いくつになってもどんな場所でも自分の力で道を切り開く彼女に、憧れの念を抱く方も多いのではないでしょうか。
一方、年頃の高校生になったみゆきの周りには恋愛話もいろいろ出てきます。何だかんだありつつも、あきこにも恋愛相談をしているみゆきの姿はとても微笑ましいですね。
本巻ではみゆきが高校生の頃から、結婚して母親になるところも描かれます。みゆきが母親になっているということはもちろんあきこはおばあちゃんです。娘と孫に囲まれたあきこは、様々な思いを抱きながら最期は……と、ここは絶対に感動できるところなので、ぜひ本編を手に取って確認してみてください。
連続ドラマ『義母と娘のブルース』の最終回の1年後を描いたスペシャルドラマが、2020年1月2日21時から放送されます。
綾瀬はるか演じるキャリアウーマン・亜希子は会社をクビになり、大阪から東京に戻りました。娘のみゆきはベーカリー麦田の店長・麦田と一緒にいて、しかも麦田の腕の中には赤ちゃんが……!?というドタバタから始まります。
どんなドラマが見られるのか、待ち遠しくなります。詳しい情報はぜひTBS「『義母と娘のブルース』2020年 謹賀新年スペシャル」の番組情報ページをご覧ください。
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いかがでしたか? 全2巻と読みやすい長さながら、物語の世界では30年の月日が流れており、キャラクターの人生への感情移入もとてもしやすくなっています。
4コマという作りも読みやすくていいですね。笑えて泣ける漫画を探している方は、ぜひ本作を手に取ってみてください。