水族館などでよく見かけるアシカ。芸達者で頭のよいイメージがありますが、どこに住み、どんな生活をしているのでしょうか。この記事では、彼らの生態や性格、よく似ているオットセイとアザラシとの見分け方などをわかりやすく解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、最後までチェックしてみてください。
食肉目イヌ亜目鰭脚類アシカ科に分類され、カリフォルニアアシカとガラパゴスアシカ、ニホンアシカの3種が属しています。
体長は、オスが220~240cmで、メスが180~200cm程度。体重は、オスが250~300kgで、メスが80~110kg程度となっており、多くの哺乳類と同じでオスの方が身体が大きいです。
アラスカ南東部からメキシコ中央部にかけて広く分布しており、カリフォルニア湾などの暖かい海域で繁殖します。
四肢には5本の指がありますが、分厚い水掻きがついているため、魚のヒレのようになっています。尾は非常に短く、後ろ足の間から少しだけ出ているのが特徴です。
泳ぎがとても上手で、水中を時速25~30kmほどのスピードで自在に泳ぐことができます。また潜水時間は15分程と、哺乳類のなかでは非常に長く、その泳ぎの上手さを生かして魚や貝、イカなどを主食にしています。
寿命は野生下では17年ほど、飼育下では30年ほどと、比較的長生きだといえるでしょう。
群れを成して生活をし、コミュニケーションの手段としてよく鳴きます。鳴き声が大きいことから、英語では「Sea lion(海のライオン)」と呼ばれています。
3種類のアシカの特徴について、ご紹介していきます。
カリフォルニアアシカ
日本の水族館で一般的にみかける種。カリフォルニア沖合の島に生息し、固体数は年々増加傾向にあります。
頭が良く、人工物の近くにいることで天敵のホホジロザメから身を守っていると考えられています。また人間が漁に使っている網にかかった魚を食べることもあるそうです。
ガラパゴスアシカ
ガラパゴス諸島に生息し、人なつっこいのが特徴。サン・クリストバル島では、道路やベンチなどいたるところでその姿を見ることができます。
ニホンアシカ
かつて日本沿海に生息していた種。ロシアのカムチャッカ半島から九州沿岸まで幅広い地域に分布していました。縄文時代の遺跡からもその骨が発見されたことから、当時も日本近海で暮らしていたことがわかっています。
1975年に竹島で2頭の姿が見受けられたのを最後に確かな目撃情報がないため、1991年に絶滅種に認定されました。
ついややこしく感じてしまう、アシカとオットセイ、アザラシの3種。それぞれ違いを紹介していきます。
ますアシカには「耳介」という輪郭の外側に飛び出した耳たぶのようなものがありますが、アザラシにはなく、耳の部分にはただ穴が開いているだけです。またアシカは後ろ足を身体の下に立て、陸上でも歩くことができますが、アザラシは前ヒレを使って這うように移動をするか、転がるかしかできません。
またアシカは身体の表面がつるつるしている一方で、オットセイは毛深いのが特徴です。
水族館での芸達者な姿から、非常に高い知能をもっていることがうかがえるでしょう。近年の研究では、彼らは人間の言葉をただの記号として聞いているのではなく、論理的な思考をもとに理解していることも明らかになりました。
好奇心旺盛な性格をしていて、1度飼育下に置かれると、人間にも恐怖心を抱くことなく興味をもって近づいてきます。水中で鬼ごっこをするなど、遊びも大好き。
ただ野生の種は警戒心が強いものも多く、群れのなかでは見張り役を決めて行動する姿も見ることができます。
- 著者
- 鍵井 靖章
- 出版日
- 2011-06-09
メキシコのバハ・カリフォルニアにあるロスイスロテス島は、通称「アシカの島」と呼ばれています。本作は、現地に10年以上通い続けた水中写真家の鍵井靖章による写真集です。
鍵井は、2013年、2015年に「日経ナショナルジオグラフィック写真賞」を受賞するほどの実力派。海の美しさとともに、アシカのかわいさを存分に伝えてくれています。
よちよち歩きの赤ちゃんや、好奇心をむき出しにして近寄ってくる姿、群れのボスの迫力満点の威嚇など、さまざまな表情を見ることができる本作、表紙買いしても損はない一冊です。
- 著者
- 高岡 昌江
- 出版日
作者は、動物に関する書籍を多数発表している高岡昌江。本作は、ハリモグラとハリネズミ、ジュゴンとマナティ、チーターとヒョウなど、よく似ている動物たちの見分け方や、生態などを記している図鑑です。
もちろんアシカとアザラシについても、しっかりと解説されているのでご注目。明日誰かに教えたくなるようなマニアックな雑学も多く、ページをめくる手が止まりません。
動物園や水族館に出かける前に読むのもおすすめです。