東方仗助の13の魅力!髪型にこだわる変人だけど善人!?【ジョジョ4部】

更新:2021.11.14

『ジョジョの奇妙な冒険』は時代によってがらりと設定が変わる作品です。そのシリーズの中ではちょっと変わり種の第4部、主人公である東方仗助も相当に癖があります。今回はそんな仗助にスポットを当ててみましょう。 また、本作は下のボタンのアプリから読むことができます!

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東方仗助とは?「ジョジョ」第4部・主人公の基本設定をおさらい

東北の地方都市、杜王町での奇妙な出来事を描く『ジョジョの奇妙な冒険』第4部「ダイヤモンドは砕けない」。

そこに登場する東方仗助(ひがしかたじょうすけ)は、名前を音読みすると「ジョジョ」になる、シリーズでも一風変わった主人公です。

著者
荒木 飛呂彦
出版日

1983年生まれの16歳、高校1年生です。身長185cmの長身で、体重不明ですがおそらく80kg前後でしょう。1人称は「おれ」か、時々「仗助くん」と言うことも。好物ははっきりしませんが、トニオの一件からすると結構食い意地が張っているようです。

感嘆符のように使う「グレート」が口癖。クリント・イーストウッドがモデルだった空条承太郎とは違い、仗助には特定のモチーフはありません。強いて言えば古き良きヤンキー像でしょうか。スタンドは近距離パワー型の「クレイジー・ダイヤモンド」です。

名前は音読みで「じょうじょ」となり、「ジョジョ」を連想させるよう付けられました。「助」はそのまま「助ける」ですが、「仗」には「支える」あるいは「武器」という字義があります。二重に助ける、また武力によって助けるという意味のこもった名前なのです。

テレビアニメの声優は小野友樹。実写映画は山崎賢人が演じました。

 


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リーゼント命!髪型への強すぎるこだわり!

東方仗助というキャラクターで、まず目に付くのはその髪型でしょう。物語の時代は1999年に設定されていますが、作中でも連載当時でもすでに過去の遺物と化していたリーゼントは、誰が見ても浮いています。

しかし、このリーゼントこそが仗助のアイデンティティなのです。彼の人格を形成する要素そのものと言っても過言ではありません。

もしまかり間違ってからかったり貶したりしようものなら、文字通りに目の色を変えて、発言者に制裁を加えます。仗助は見た目に反して、普段は温厚な人格者なので、周囲が見えなくなるほどリーゼントを大事にしていることがわかります。

東方仗助はどうしてモテるの?実は優しい?

やや時代遅れなヤンキーの風貌をしている仗助ですが、同じ高校の女生徒などからは大層モテています。

後述しますが彼には西欧人の血が流れており、顔立ちも整っていて彫りが深いです。髪型を除けばかなりのイケメン。

それだけでなく彼は人を惹き付けるムードメーカーです。性根が優しいので人当たりが良く、付き合いや面倒見もいいので、その性格の良さも手伝って仗助は人気者なのです。

東方仗助は強いの?戦績をまとめてみた

さすが主人公と言うべきか、作中での仗助の活躍には目を見張るものがあります。

本編に限っても18戦15勝と超が付く好成績です。他3戦は勝負なしに終わった空条承太郎との諍い、逃げ切られた最初の吉良吉影との対決、勝負かどうか微妙なトニオ・トラサルディー戦なので、実質負けなし。

勝ち星には誰かと協力してのものも含まれますが、それを抜きにしても素晴らしい勝ちっぷりばかりです。相手が厄介であるほど、機転を利かせた戦いで輝きます。

母親と父親は誰?空条承太郎との関係は?

先ほど西欧人の血筋と書きましたが、これこそが仗助が紛れもなく「ジョジョ」である証。母親は日本人の東方朋子(ともこ)。彼女が大学生時代、とある男と付き合って生まれたのが仗助です。

父親の名はジョセフ・ジョースター。第2部の主人公にして、3部主人公空条承太郎の祖父が仗助の実父なのです。実に奇妙な血縁関係ですが、仗助は承太郎の母ホリィの異母弟に当たり、つまりおよそ12歳年上の承太郎が彼の甥ということになります。

この事実は4部までジョースター家では知られていなかったことで、仗助は非嫡出子として母の朋子、そして祖父の東方良平と父親を知らずに3人で暮らししていました。

東方仗助と岸辺露伴はなぜ仲が悪いの?

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1993-11-01

 

4部は人気キャラが多いのですが、そのなかでも特に人気なのが岸部露伴です。露伴は原作者の荒木飛呂彦が自身を投影した(と言われている)スーパー漫画家。

露伴はある種の探偵役、狂言回しとしてよく登場するのですが、仗助とはすこぶる仲が悪いのです。正確に言えば、露伴が彼を一方的に嫌っています。

冷静に下調べし思考を積み重ねる露伴に対して、直情径行で勘に頼って場当たり的に動く仗助。2人はタイプが正反対。まさに水と油。

仗助が関わるとだいたい露伴が損害を被る、という点で恨みも多少はあるでしょう。

 

東方仗助を助けた謎の男を考察してみた【未回収】

4部は歴代と比べても、綺麗に大団円を迎えた名作です。

ですが、その4部に1つだけ論争の種があります。それはかつて仗助を救い、多大な影響を及ぼした「謎の男」の存在です。

仗助が子供のころ、ちょうど承太郎達がエジプトへ向かっていた時、DIOがスタンドに目覚めた影響が仗助にも出ていました。謎の高熱に冒された彼は、母に車で病院へ運ばれるのですが、運悪く積雪に足を取られて立ち往生してしまう憂き目に遭いました。

その窮地を救った少年がいたのです。彼は仗助の憧れの人となりました。

その少年がちょうど成長した仗助と同じ背格好だったので「過去に戻った彼自身では?」と推察されているのです。結局、4部の間でその伏線(?)は回収されませんでしたが、時間関係のスタンドが多いのでありそうな話に思えます。

ちなみに荒木自身はこの件を忘れており、「謎の男=仗助」説を否定しています。荒木には設定忘れの前科がありますが、いくらなんでも重要エピソードを失念するとは思えないので、この件は彼の髪型の説得力と動機付けのためのエピソードでしかないのかも知れません。

東方仗助のスタンド、クレイジー・ダイヤモンドの能力を解説!

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1995-08-01

 

仗助のクレイジー・ダイヤモンドは、作中で最強の呼び声も高いスタープラチナと同レベルのパワーとスピードを兼ね備えたパワフルなスタンドです。彼が「プッツン」した時には瞬間的にスタープラチナすら上回ります。

何より特徴的なのが、破壊した物体を(触れるだけでも可)元通りに直すという特性です。破壊と癒やしという相反する要素を持っているのです。これは応用性の高い能力で、破壊してから一部復元という使い方をすれば、即席の武器や防具に早変わり。うまく使えば移動法にもなるなど、物凄く使い勝手のよい能力です。

バラバラになった物体を瞬時に元通りにして見せるなど、復元速度も桁違い。その滅茶苦茶さを目の当たりにした承太郎が、クレイジー・ダイヤモンドと名付けました。

クレイジー・ダイヤモンドは歴代スタンドのなかでも屈指の、ただ強いだけではない、トリッキーで面白いスタンドなのです。

 

東方仗助には父親譲りの機転の良さがある?

すでにご紹介したように、仗助の父親は“あの”ジョセフ・ジョースターです。

歴戦の経験+悪知恵で、主人公らしからぬ滅茶苦茶な活躍をしたジョセフの直系だけに、仗助の機転の良さもずば抜けています。

不良っぽい素行と喋り方のせいでそうは思えませんが、彼は非常に知略戦や心理戦、駆け引きに長けた男です。

たとえばネズミのスタンド使い「虫食い」戦です。限定された時間、状況でクレバーな戦いを見せました。そしてハイウェイ・スターとの、映画『スピード』を彷彿とさせる緊迫のバイクチェイスも、難所の数々は全て機転を利かせて乗り切りました。

あるいは露伴とのチンチロリン勝負。イカサマの使い方はさすがジョセフの血統。

二枚目になりきれない、三枚目なところも含めてジョセフそっくりです。

アンジェロと「エニグマの少年」へ与えた最後が結構えぐい

破壊したものを直す、というクレイジー・ダイヤモンドの力を、承太郎は「この世の何よりも優しい」と称しました。仗助は見た目はともかく、心優しい少年なのです。

そんな彼が本気でぶち切れた戦いが2度ありました。相手は片桐安十郎ことアンジェロと、「エニグマの少年」宮本輝之輔です。

どちらもスタンドを悪用して弱者を弄ぶゲスな上、仗助の家族や友人を傷付けたのです。身内を何よりも大事に想う仗助は、更正の余地がない2人を徹底的に叩きのめし、クレイジー・ダイヤモンドの癒やしを応用して物質と同化させました。

アンジェロはアンジェロ岩に、エニグマの少年は生ける本に。2人は「物」として永久に生き続けるのです。

東方仗助vs吉良吉影 ラスボスとの激しい直接対決!

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1996-03-01

 

主人公とラスボスの対決はどうしても盛り上がるものですが、仗助対吉良は格別激しいバトルでした。

まず最終決戦の前哨戦となる、川尻早人少年と吉良の駆け引きが熱いのです。その熱を維持したまま仗助と吉良、因縁の対決に突入。

地力では仗助に分があるものの、思わぬ要素が介入して彼はピンチに陥ります。親友の虹村億泰がまず凶刃に倒れ、彼も吉良相手に絶体絶命。ボロボロに傷付いていきます。それでも諦めないのがジョジョであり、仗助という男!

ついには彼は吉良を追い詰めて、惹かれるように集まった仲間達とともに、悪を打倒しました。

 

東方仗助は最後、結局どうなった?

第4部の物語は吉良戦の決着をもって終わりました。

爽やかでいながら小賢しい仗助はその後、5部と6部でその動向は語られていません。おそらくは特段変わったこともなく、平和裏に日常を過ごしていたのでしょう。

優しく強い仗助のことですから、敬愛する祖父に倣って、警察官になって杜王町を守っているのかも? これは想像でしかありませんが、案外あり得そうです。

ネット上では彼の死亡説が一部でまことしやかに囁かれていますが、根拠となる公式の情報はない様子。また反対に、『岸部露伴、ルーヴルへ行く』や乙一作の『The book』等のスピンオフ作品には元気に登場しているので、やはり死亡説はないのではないでしょうか。

仗助のその後については、荒木飛呂彦も多大な思い入れがあるようなので、いずれ「謎の男」の正体とあわせて『岸部露伴は動かない』シリーズのようなスピンオフで語られる日が来るかも知れません。
 

東方仗助の名言ランキングベスト5!

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1995-05-01

東方仗助は優しさと穏やかさ、ユーモアと激情が同居した魅力的なキャラクターです。第4部の主人公だけに登場回数と台詞も多く、印象的な場面を多々彩りました。最後はそんな台詞から厳選してベスト5をご紹介したいと思います。

第5位:

「『鼠狩り』か……
なにか『おぞましい』感じだけれど……
承太郎さんといっしょにいると『誇らしい』気持ちになれるからな……
そこは心の救いだな……」(『ジョジョの奇妙な冒険』35巻より引用) 

序盤の強敵、音石明が「弓と矢」でスタンド使いに変えたという、恐るべきネズミを追う場面です。仗助が弱音を吐くのは珍しく、ケンカや戦闘で場慣れはしていても「狩り」という未体験の行為に不安を感じたのでしょう。そんな中、承太郎への信頼が垣間見えます。

第4位:

「おれがこの町とおふくろを守りますよ
この人の代わりに……
どんなことが起ころうと…」(『ジョジョの奇妙な冒険』29巻より引用) 

劇中で最初に敵対したアンジェロが、無関係な祖父を殺害したことへ静かに怒る仗助。この時に彼はただの少年から、警官の祖父と同じ「守る者」の道へと歩み出したのでしょう。

第3位:

「スゲーッ爽やかな気分だぜ
新しいパンツをはいたばかりの、正月元旦の朝のよーによォ~~~~~~~~ッ」(『ジョジョの奇妙な冒険』42巻より引用) 

仗助が噴上裕也に鉄拳制裁した直後の感想です。綺麗な比喩ではないのに、言いたいことがよくわかるという、仗助ならでは不思議な名言。噴上は能力の悪用もさることながら、本体に到達するまでが恐ろしく困難な道のりだっただけに、感慨もひとしおというところ。

第2位:

「正体を現したな
そんじゃあよォー『平穏』じゃねえ顔面に変えてやるぜ」(『ジョジョの奇妙な冒険』45巻より引用) 

ラスボス吉良と対面し、いよいよ切って落とされる最終決戦を予感させる言葉の応酬。「平穏さ」を信条とする吉良に対して、こう言い返すところに仗助のセンスが光ります。

第1位:

「グレートでスよ、こいつはぁ~~~っ」(『ジョジョの奇妙な冒険』29巻より引用) 

「グレート」は劇中でも多用された仗助の口癖ですが、逆境で呟かれると非常に頼もしく思えます。この時は祖父の仇、アンジェロが迫っている危機的状況で、逆に激しく闘志を燃やしました

いかがでしたか? 仗助という人間のことがおわかり頂けたでしょうか。まだ未読の方で、少しでも興味が湧いたなら、ぜひ第4部を手に取って杜王町へお越しください。

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