5分でわかるプラズマ!仕組みや種類、発生条件などをわかりやすく解説!

更新:2018.6.21

実は私たちの暮らしにも大きく関わっている「プラズマ」。一体どのようなものなのでしょうか。この記事では、仕組みや種類、発生する条件などをわかりやすく解説していきます。あわせて、初心者でも読みやすい関連本も紹介するので、最後までチェックしてみてください。

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プラズマとは?どのような状態なのか、仕組みなどを簡単に紹介

 

物質には3つの状態があることが知られています。物質の三態といわれる「固体」「液体」「気体」です。たとえば、氷=固体、水=液体、水蒸気=気体ですね。

ところが、物質の温度がどんどん上がっていくと、もうひとつの状態が顔を出してきます。それが「プラズマ」と呼ばれる物質の第4の状態なのです。

物質は、いくつかの原子が組み合わさった「分子」でできています。分子同士の結びつきが強い順に、

①固体 :分子同士がしっかり結びついて、形が変わらない状態
②液体 :分子同士が結びついているが、形が変わる状態
③気体 :分子同士の結びつきがゆるく、形や密度も変わる状態
④プラズマ:気体の分子から電子が飛び出して、自由に動きまわる状態(電離した気体)

と変化していきます。温度の上昇にともなって、物質の分子および電子がもっとも自由に動き回れる状態のことをプラズマと呼ぶのです。

 

プラズマの種類は?

 

見方によっていくつかの種類に分けられます。

たとえばある単位の空間に含まれる分子のうち、どれくらいの分子が電離しているかを表す「電離度」では、大部分の分子が気体のままで、わずかな分子だけが電離している「弱電離プラズマ」と、すべての分子が電離した「完全電離プラズマ」に分けることができます。

また、存在する環境の「圧力」によって分けることも可能です。

1気圧程度のごく普通の環境で発生させた「大気圧プラズマ」と、宇宙に近い環境で発生させた「真空プラズマ」があります。

 

自然界のプラズマを紹介。炎や太陽も?

 

プラズマは、実は私たちにとって身近なものなのです。まずは自然界のものを紹介しましょう。

「雷」は電気を帯びた雲と大地の間で起こる放電現象ですが、200万~10億ボルトにもなる電圧で電子が放たれ、そのエネルギーによって放電の経路にある大気が電離し、プラズマ状態になっています。

「太陽」は、核融合によって凄まじいエネルギーが生み出され非常に高温になるため、全体がプラズマ状態です。また太陽から放射された「太陽風」もプラズマです。太陽風が地球の磁力線に沿って大気中に降り注ぐことによって生じる「オーロラ」は、プラズマのエネルギーによって大気中の酸素や窒素が発光する現象のことを指します。

また私たちの身の回りにも、人工的に発生させたプラズマを積極的に利用したものがたくさんあります。

たとえばロウソクなどの「炎」。物質が燃えることによって温度が高くなるため、燃えている物質自体が電離してプラズマ状態になっています。

「蛍光灯」は、放電によって蛍光管の中の水銀をプラズマ状態にし、そこで発生した紫外線で発光させる仕組みを利用しています。そのほかテレビや除菌をする空気清浄機など、あらゆるところで活躍しているのです。

 

プラズマが発生する条件は?

 

これまでの話題を振り返りながら、発生する条件をまとめてみましょう。

すでにお気付きのように、プラズマは圧力や温度によって発生のしやすさが変わります。例として、ある密閉された空間で発生させる場合のことを考えます。

ある空間の大気圧を1気圧程度に保ち、中に置いた2つの電極間に電圧をかけたうえで、温度を上げていくと、プラズマを発生させることができます。物質の温度が高くなることが、発生の条件です。温度が上がると、与えられるエネルギーに応じて原子が活性化し、電子が飛び出しやすくなる=電離しやすくなります。

次に、空間の気体をどんどん抜いて、真空に近づけたとしましょう。上の例と同じように中に置いた2つの電極の間に電圧をかけると、すぐに発生します。つまり、原子や電子の密度を低くすることも、発生させる条件となるのです。

このことから、真空の宇宙では、物質の99%がプラズマの状態にあると考えられています。

ほかにも、レーザーを当てて局所的に温度を上げたり、電子レンジのように物質にマイクロ波を照射して原子を活性化することで温度を上げたりすることでも発生します。

 

かわいいイラストでトコトンやさしい

著者
山崎 耕造
出版日

 

本書は、プラズマの科学的な知識、応用のしかた、新技術で切り拓く未来について書かれている一冊。わかりやすい言葉選びがされているので、ゼロから学ぶことができるでしょう。

著者の山崎耕造は、プラズマを「私たちの生活を変える魔法の手品師」と表現し、プラズマを使ったロケットによる宇宙旅行や、核融合を越える新しいエネルギー獲得手段になるなど、熱く語っています。

かわいらしいイラストも豊富なので、飽きずに読み進めることができます。ぜひ本書を読んで、未来の姿を想像してみましょう。

 

プラズマの本質を知る入門書

著者
FrancisF. Chen
出版日
1977-01-01

 

プラズマ物理学の大家、FrancisF. Chenによる著書『Introduction to Plasma Physics and Controlled Fusion』の和訳本です。

著者はプラズマの研究において60年以上の経験があり、本書には、そのなかで得られた知見が余すところなく盛り込まれています。しかも若い研究者にその本質を理解させるため、あえて難しい表現を避けているので、入門テキストとして多くの学生に読まれている名著です。

宇宙科学や天文物理学の基礎を学び直すつもりで、本書を読破してみてはいかがでしょうか。

 

専門的な知識を持たない人から、これから新しい発見に挑む研究者まで、幅広い人が興味を持てるような切り口の本を紹介しました。プラズマが将来どのようなものに活用され、未来を変えていくのか、楽しみです。

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