5分でわかる始祖鳥(アーケオプテリクス)の進化。鳥類なのか爬虫類なのか

更新:2018.6.21

最古の鳥類として有名な始祖鳥ですが、まだその生態の全容は謎に包まれています。この記事では、そもそも鳥類は恐竜から進化したのかを説明しつつ、始祖鳥の特徴や進化の過程、飛行について解説していきます。あわせて恐竜をもっと好きになれる本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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始祖鳥の体の特徴と歴史を解説。大きさはどれくらい?

 

始祖鳥という呼び方は、日本における俗称です。英名は「古代の翼」という意味がある「アーケオプテリクス」といいます。

1860年にドイツのバイエルン州にある遺跡からその痕跡が発見され、ジュラ紀後期(約1億4600万年前~1億4100万年前)に生存していたことがわかりました。

大きな羽と羽毛を持つと同時に、鋭い歯や鉤爪も持っており、鳥類と恐竜類の双方の特徴を有しています。

1862年にイギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンが、自身の著書『種の起源』のなかで進化の中間段階にあたる形態を持つ生物の存在を予言しており、その約2年後には完全な化石が発見されたことから、その内容に当てはまる生物だとして大きな話題となりました。

2018年現在までに、バイエルン州近郊からは11個の化石が発見されていて、体長は約50cm、その半分ほどが尾であると推測されています。また体重は500gほどで、現在のハトやカササギに近いと考えられているのです。

鳥類は恐竜から進化した?始祖鳥がカギを握る

 

鳥類が恐竜から進化したのではないかという考え方は、始祖鳥の化石が発掘された直後の1860年代後半、ダーウィンの進化論を弁護していたことでも知られるイギリスの生物学者トマス・ヘンリー・ハクスリーによって提唱されました。

しかし、この主張の最大の課題とされていたのが、始祖鳥の化石が、当時最古の羽毛を持つ恐竜の化石よりも古かったということです。

その後年月を経て、2009年に始祖鳥が生存していた時代よりも古い地層から、羽毛を持った恐竜の化石が見つかり、鳥類が恐竜から進化したという考えはゆるぎないものになりました。

ただ始祖鳥が現在の鳥類の直接の祖先であるのか、それともほかに鳥類の祖先がいたのかどうかについては、今なお議論が続いています。

始祖鳥は爬虫類の特徴ももっている

 

全身が羽毛に覆われており、前足に翼が生えているなど現在の鳥類に似た姿をしている始祖鳥。鳥類同様、一部の種を除き後ろ足の半分ほどには羽毛が生えていません。

首より上の部分に羽毛があったかどうかは分かっておらず、現在では生えていなかったのではないかという説が有力です。また翼の後方にある風切羽についても、鳥類と同じ特徴があります。

頭部の羽毛に関しては化石として残らなかっただけではないかという説も根強く、毛皮に近い状態だったのではないかという考え方もあります。

しかしその一方で、上述したように、鉤爪の生えた指、鋭い歯、胴体の半分ほどの長さがある尾に骨があるなど、爬虫類の特徴も有しているのです。

始祖鳥は空を飛べたのか?

 

始祖鳥が空を飛んでいたことは、ほぼ間違いないそう。風切羽が飛行に適した形状になっていることや、恐竜に比べて脳が発達していること、視力が優れていたこと、バランス感覚を司る内耳が鳥類に近いことなどがわかっていて、これらは始祖鳥が飛行するために進化していったとされています。

主に捕食者から逃げる際や、崖や高い木の上から移動する際に翼を使用していたのではないかと考えられていますが、羽ばたくことができたのかという点については疑問視されてきました。

骨格には恐竜の特徴を多く引き継いでいたため、翼を背面まで動かすことができなかったのではないかと考えられていたのです。

しかし2018年3月に、化石として残された骨から羽ばたく際に生じる抵抗の痕跡が見つかり、現在のキジやクジャクなどと同様に、短距離を勢いよく飛んでいたのではないかという研究結果が発表されました。

詳しい羽ばたき方はまだ完全には明らかになっておらず、議論に決着はついていませんが、それでも長年の謎が一歩進んだといえそうです。

なぜ恐竜は空を目指したのか

著者
土屋 健
出版日
2013-07-10

 

冒頭から「恐竜は絶滅していない」と述べている本書。著者の土屋健は、古生物に関する作品を多数執筆しているサイエンスライターで、本書も興味深い切り口で読者の惹きこんでいます。

かつては常識だと思われていたことが、新発見によって一挙に覆るダイナミックさにワクワクするでしょう。恐竜から鳥類への進化を巡る最新の研究成果を、わかりやすい言葉で解説してくれています。

地上の王者として君臨していた恐竜たちは、なぜ翼を得て空を目指したのでしょうか。

「鳥に形を変えた恐竜は、現在でも私たちの世界に棲んでいる。」(『そして恐竜は鳥になった: 最新研究で迫る進化の謎』より引用)

ふと空に目をやると、自由に飛び回る鳥たちの姿に、太古の恐竜の姿が重なるのではないでしょうか。

始祖鳥のちいさな奮闘を描いた漫画

著者
マツダユカ
出版日
2015-08-17

 

巨大な恐竜たちが行きかうジュラ紀末期。気候変動が起こりジュラ紀が終焉へと向かうなか、鳩ほどの大きさしかない小さな始祖鳥が奮闘する日々を描いたマンガです。

まさに弱肉強食の世界、あっさりと捕食されていくキャラクターたちの姿から、自然の厳しさを教えられるでしょう。種の存続の危機に直面しても、進化をしながら乗り越えていく命の強さを感じることもできます。

マンガなので、肩肘はらずに読めるのが特徴。作者のマツダユカの特徴でもあるシュールな世界観も癖になるので、恐竜に興味のある方はぜひ読んでみてください。

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