もっとも手軽にできる有酸素運動であり、老若男女ができる運動でもある「ウォーキング」。体に負担が少ないうえ、幅広い効果が期待できます。しかし正しい方法でおこなわないと、なかなか効果を実感することができません。この記事では、これからウォーキングを始めたい方や、ダイエットの一環としてチャレンジしてみたいと考えている方のために、効果を実感できる方法をご紹介していきます。
ウォーキングをすることで、どんな効果が期待できるのでしょうか。
1:下半身の筋力アップ
平坦な道を歩いても効果はありますが、階段や坂道でおこなうことで、より下半身の筋力アップを期待することができます。特にももの前の筋肉(大腿四頭筋)、ももの後ろの筋肉(ハムストリングス)、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)、すね周りの筋肉(前脛骨筋)をバランスよく鍛えることができるでしょう。
2:脂肪燃焼でダイエット効果
ウォーキングは有酸素運動なので、体の脂肪をエネルギーとして消費し、結果として体脂肪の減少に繋がります。おおよそ1時間の運動で150~350kcalが消費できます。
3:心肺機能の向上
継続しておこなうことで持久力を向上させることができ、また心血管疾患のリスクが低下するという報告もされています。さらに血圧を下げる効果のあるタウリンやプロスタグランジンEを増加させるので、高血圧の予防、改善にも効果的です。
4:生活習慣病の改善
酸素をたっぷり体に取り込みながらおこなうため、全身の血流改善を促します。高血圧や低血圧、また冷え性などをお持ちの方にもおすすめです。
また屋外をウォーキングすれば日光を浴びることになり、体内にビタミンDを吸収することができます。これは美肌にも効果があり、またカルシウムの吸収をサポートする役目もあるので、骨の強化にも繋がるのです。アンチエイジングとしてもおすすめです。
さまざまな効果が期待できるウォーキングですが、注意点があります。しっかりと効果を出すためには、実践する時間帯や歩く距離などに気を付ける必要があるのです。
まず「時間」について。
1回のウォーキングにあてる時間は20~30分が理想だといわれています。では、どの時間帯がもっとも効果的なのでしょうか。
結論から言いますと、どの時間帯でも効果はありますが、朝昼晩でその内容に違いがあります。
まず朝におこなう場合は、脳の活性化と脂肪燃焼に効果的だといわれています。生活リズムの改善にも役立つでしょう。
昼の時間帯は、脳も体も活発な状態になっているので、運動には最適です。夏場は熱中症などに注意が必要です。
夜におこなう場合は、ストレス解消に効果的だといわれています。自律神経を調節する働きを促すことができ、結果として良質な睡眠をとることができるのです。食後1時間から就寝1時間前に実践するのが理想的です。
また頻度としては、1週間に3~4回、継続しておこなうことが大切。自分の生活リズムに組み込みやすい時間帯を見つけて、無理なくやっていきましょう。
次に「距離」について。歩くスピードによって個人差がありますが、基準としては30分で約2.5km、歩数にして約3330歩が理想だといわれています。ウォーキングをすることでダイエット効果も期待したい方は、30分~1時間で最低5kmを目標にすると脂肪燃焼に繋がります。
実は体調面だけでなく、メンタル面にも効果があることが証明されています。
うつ病・認知症の発症予防
「うつ病」「認知症」の予防としても効果があるそう。ストレスホルモンのレベルを低く保つ働きがあるため、メンタルを健康に保つには最適です。
リラックス効果
ウォーキングを続けることでセロトニンという物質が分泌され、リラックス効果を促すことができます。ランニングなどと比べて適度な運動レベルのため、自律神経のバランスも整え、身体の調子もよくなるでしょう。
また歩くことでエンドルフィンという脳内物質が分泌されます。これは体や心に適度な負荷がかかった時に出るホルモンで、幸福を感じる作用があるため、歩けば歩くほど気持ちを前向きにしてくれるのです。
さらに、屋外で日光や風を浴びながらおこなうことでストレス解消の効果があり、結果としてリラックスすることができるでしょう。
数多くの患者を治療している医師・長尾和宏のベストセラー本です。なぜウォーキングが健康によいのかを、医学的かつ科学的に証明しています。実際の治療としておこなわれているものなので、結果が出ることお墨付き。
糖尿病や高血圧、肥満など生活習慣病が増えているなか、どうすれば健康な体を保つことができるのかがわかりやすく解説されています。
- 著者
- 長尾 和宏
- 出版日
- 2015-11-20
生活習慣病の患者が増加し続けている理由のひとつに、現代人の歩く機会が減ったことが挙げられるそうです。その結果、血圧が上がり、体重も増え、負のサイクルに入っていきます。
このサイクルを断ち切るのが、ウォーキングです。スポーツジムに行く必要もなく手軽にできるので、コストも掛かりません。
著者は、大切なのは自分の体がどのように動いているのかを知ることだといいます。そのうえで、骨盤をどう動かすか、腕はどのように振ればよいのかを理論的に理解し、実践していく方法を教えてくれているのです。
自分の体を知ってからウォーキングをすることで、健康を維持していきましょう。
ウォーキングに関する基礎知識や方法などが、わかりやすくまとめられている一冊です。実践を想定して、必要な道具や歩く時間、距離、また正しい歩き方について細かく記されているのが特徴です。
これからはじめてみようと考えている方が、最初に手に取る本としておすすめでしょう。
- 著者
- 青山 剛
- 出版日
- 2016-12-15
なぜ医者はウォーキングを薦めるのでしょうか。それは糖尿病や高血圧に効果があり、筋肉を増強させることができ、結果的に寿命を延ばすことに繋がるからです。
ではどのように実践するのがよいのでしょうか。散歩との違いは何なのでしょうか。
答えはこの本の中にあります。ポイントは心拍数を上げること。ウォーキングの効果を最大限に得るために必要な知識が盛り込まれた一冊です。
著者は、「新保式ボールウォーキング」を考案した新保泰秀。どのような歩き方が正しいのか、効果的な歩き方はどのようなものなのかをわかりやすく説明しています。
ケーススタディも載っているため、よりイメージを膨らませながら読むことができるでしょう。
- 著者
- 新保 泰秀
- 出版日
- 2016-05-31
医者からウォーキングを薦められたけど、なかなか効果を実感できない人も多いのではないでしょうか。それどころか、歩いたことで膝が痛くなったり腰痛になったりと、マイナスなことばかり体験している人もいるでしょう。
それはウォーキングをすることが悪いのではなく、やり方に問題があるのです。
歩くときに足の関節はどう動いているのか、重心はどこにあるのか、普段歩いている時にはなかなか意識を向けない部分にフォーカスし、新しい視点を与えてくれる一冊です。