彼は、主人公・ケンシロウの仲間です。当初は脇役に等しいキャラクターでしたが、段々と成長し、最後には主役級の活躍を果たすようになりました。今回は彼の成長に注目して、ご紹介したいと思います。本作はアプリから無料で読むこともできるので、ぜひチェックしてみてください!
彼は、ケンシロウに付き従う少年です。当初からケンシロウとともに行動しており、そんな彼の言動は、まさに悲惨な世界観を象徴するようでした。しかし本来は思いやりのある優しい性格であり、それは物語が進むに連れ顕著に表れるようになっていきます。
本作のなかでは珍しくお調子者キャラで、そういった意味でも貴重な存在といえるでしょう。
- 著者
- 原 哲夫 (著), 武論尊 (著)
- 出版日
彼は劇中で驚くような成長を見せます。詳しくは後述しますが、時間の経過があるとはいえ、第1部と第2部ではほとんど別人です。体重は不明ですが、身長は人物比で135cmほど。青年期にはケンシロウとそう変わらないほど背が伸びます。
ケンシロウとは牢獄で出会い、それから兄のように慕うほどの関係に。のちにリンも含めて3人で行動するようにもなります。
当初のバットは、方々の村に侵入しては物資をちょろまかすコソ泥でした。荒廃した世界で強かに生きる、狡賢い少年だったのです。
それが力強いケンシロウ、気丈な少女・リンと出会ったことで大きく変わります。さらには雄々しい最期を遂げる男達の姿を目の当たりにしたことが、彼の成長を決定付けました。
ただのひ弱な少年でしかなかった彼。しかし第2部では見違えるほど大きくなり、ケンシロウに劣らない逞しい美青年となりました。捻くれた性格はなりを潜め、彼はリンとともに暴力の時代に反抗するレジスタンスのリーダーとなったのです。
劇的ビフォーアフターとはまさにこのこと。
第1部での経験や、第1部と第2部の描かれていない空白期間を一緒に過ごしたことで、彼はリンに惹かれていきました。しかし彼は、彼女がケンシロウ好きなことを承知しているので、行動には移しません。
そんななか、状況が一変する事態が起こります。第2部の終盤、ある事情で彼女は記憶を失うのです。白紙になった彼女はバットを愛し、相思相愛の2人は結ばれる寸前までいきます。
ところが彼は前述したように、彼女が失ってしまった本心を知っています。彼は見様見真似で習得した秘孔を断腸の思いで突き、再び記憶喪失にさせてケンシロウの元に送り出しました。
愛した人を大切に思うからこそ、自ら手を引く。優しくも不器用なバットの純情が辛いエピソードです。
リンについては<『北斗の拳』リンに関する7の事実!美しく成長するもう1人のヒロインとは?>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
時を同じくして、ケンシロウも記憶喪失に陥ります。リンとケンシロウは導かれるようにして出会い、記憶のないままに惹かれて、連れ添うようになりました。そしてバットはただ1人、2人の幸せを願って彼らを見守ります。
しかし、ケンシロウとリンの宿命か、激動の運命はまたしても彼らを捉えるのでした。
かつてケンシロウに討伐されたボルゲという野盗が、彼に近付きつつあったのです。盲目となっても復讐を果たそうとする危険な執念。記憶がない彼らにとっては、大きな脅威でした。
その事態を察知したバットは、ケンシロウの振りをして犠牲になろうとします。ボルゲを倒せればそれでいい。そうでなくともボルゲが復讐に満足すれば、ケンシロウは助かると考えて……。
バットは瀕死の重傷を負うも、記憶の戻ったケンシロウのおかげで助かります。ケンシロウは彼を家族同然と言い切り、
「おまえは素晴らしい男だった!!」
(『北斗の拳』27巻より引用)
と彼を讃えました。
そして記憶が戻ったリンはバットの献身に打たれ、彼への愛を自覚し、そこで2人は本当の意味で結ばれたのでした。
バットについては<『北斗の拳』バットに関する7の事実!変わりすぎ⁉イケメンバットの成長!>の記事でも詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
いかがでしたか? 驚きの成長を遂げたバット。『北斗の拳』を彼の純愛物語として見るのも面白いかも知れません。