犬や猫に負けず劣らず人気のペットといえば小鳥ではないでしょうか。なかでもポピュラーなのが、セキセイインコです。この記事では、彼らの生態や種類ごとの特徴、性格、飼い方などをわかりやすく解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひ最後までチェックしてください。
オウム目インコ科に分類される、オーストラリアが原産の鳥です。セキセイインコという名前は、背が黄色と青色になっていることに由来しています。
体高は20cm、体重は30gとスズメより少し大きい程度で、野生のものは黄色の顔に緑色の体、頭から背中にかけて黒の縞模様が入っている1種類しか存在しません。
ペットショップなどで見かけるさまざまな色合いのものは、人間の手によって交配されたもの。そのバリエーションは5000種類もあるといわれています。色は大きくグリーン系、ブルー系、イエロー&ブルー系、単色系に分けられていて、珍しいものではグレーなども存在。数が少ないため高額だそうです。
ちなみに原種に赤色の色素が含まれていないため、赤いのセキセイインコは存在しません。
品種は並セキセイ、高級セキセイ、大型セキセイ、巻セキセイなどに分けられています。並セキセイは野生種に近いグリーンとブルーが一般的。原種に近いため、丈夫で飼いやすいのが特徴です。
高級セキセイは、パイド、オパーリン、ハルクインなどさまざまなカラーバリエーションが存在し、現在日本で飼われているのは主にこちらに分類されているものです。
大型セキセイはイギリスで改良されたもので、体がひと回り大きいのが特徴。巻セキセイは日本で改良されたもので、羽の一部が逆立っているのが特徴になっています。
どの品種でも寿命は平均で7~8年といわれていますが、健康管理に気を付けると15年近く生きる場合もあるようです。
好奇心が強くて人になつきやすい一方で、気ままな性格をしています。
飼い主だけでなく誰とでも仲良くなる傾向があり、特に雛鳥の時から愛情たっぷりに育てられた場合は、人間に対して強い忠誠心をもつのだそう。
また他の動物にも興味を示し、積極的にコミュニケーションをとろうとします。さまざまなことに関心を向けるので、ペットにした際にも飽きずに飼うことができるでしょう。
ひとりで留守番などをしている時も、自分で遊びを見つけて過ごすことができます。
雌雄でやや性格が異なるのも特徴です。オスはかまってもらうことやイタズラが好きで、鳴くことも多いよう。一方のメスは、オスと比べると多少おとなしく、鳴き声も静かです。ひとり遊びが得意で飼い主にかまってもらえない時間が長くても気にしない傾向があります。
初心者でも飼いやすく、ペットとして大人気のセキセイインコ。動物の飼育を禁止されているマンションなどでも小鳥は許可されているところが多いのも、理由のひとつにあげられるでしょう。
基本的には雛から購入して育てる方がなつきやすいのでおすすめ。雛の場合は3000円程度、しつけをされて手乗りができる成鳥で6000~9000円ほどと、価格もお手頃です。ただし高級セキセイのなかでも2種類の美しい羽を持つことで人気のあるハルクインなどは、3万円ほどする場合もあります。
セキセイインコは生まれた時の環境と季節によって、病気のかかりやすさが大きく変わります。夏や冬に生まれた個体は病気にかかりやすいため、購入する場合は春や秋に生まれた個体を選ぶのがよさそうです。
またインコといえば、人間の言葉をモノマネするイメージがありますが、これをできるのはほとんどがオス。メスは滅多にモノマネをしないそうです。
餌は、雛の場合はあわ玉をお湯でふやかしたもの、成長の場合はカナリーシードという殻付きのものを与えます。またイカの甲を乾燥させたカトルボーンなどを齧ることで、ストレス解消にも繋がります。
一方で、チョコレートやコーヒー、アルコール類、スナック菓子、ごはん粒、ネギ、じゃがいもの芽など、セキセイインコにとっては有害なものも多いので、誤って食べてしまわないよう注意しましょう。
餌を食べなかったりうずくまったりしているのは、病気のサインです。セキセイインコはカルシウムなどが不足することで起こる卵詰まり、胃腸の消化能力が低下してしまうメガバクテリア症、ビタミンB1の不足による脚気など、さまざまな病気にかかる可能性がある繊細な鳥です。
早期に発見することが大切なので、日ごろから様子を観察し、定期的に健康診断を受けさせてあげましょう。
せっかくセキセイインコを飼うならば、やはり手乗り芸を覚えさせたい方も多いのではないでしょうか。そのためにはまず、人間の手に慣れてもらう必要があります。手が怖いものではないと認識させることが大切です。
雛の場合は警戒心が弱いため、手から直接餌を与えることでわりと簡単に慣れてもらうことができます。成鳥の場合も、少しずつ距離をつめて信頼を獲得していけば大丈夫。ただ早くても数ヶ月はかかるそうです。
強引に触れてしまうと余計に警戒されてしまうので、根気強くかわいがってあげましょう。
- 著者
- 細川博昭
- 出版日
- 2016-05-08
実はインコは、仮病を使って飼い主の気をひいたり、周りを見て空気を読んだりするなど、人間くさい行動をとる鳥です。本書では、そんな彼らの心理に科学的に迫っていきます。
インコは我々が思っている以上に感情豊かで、また飼い主のことをよく観察しているのだそう。どうしてその行動をしているのか、こちらが彼らのサインに気づけば、もっとコミュニケーションをとりやすくなり、幸せに暮らすことができるのではないでしょうか。
セキセイインコをすでにペットとして飼育をしている方も、これから迎え入れようと考えている方も、必読の一冊です。
- 著者
- ["細川 博昭", "ものゆう"]
- 出版日
- 2017-11-10
ペットとして人間に飼育される鳥。近年は医療技術の進歩や、飼い主の意識の向上により、長生きをするものも増えてきました。
高齢になると、若いころとは生活スタイルが変わるのは鳥も一緒。食べるものもかかりやすい病気も異なります。彼らの老いを理解することで、より長く一緒にいることができるのです。
本書は、愛鳥のために飼い主ができることはなんなのか、教えてくれる作品になっています。セキセイインコはもちろん、文鳥やオウムなどについても記されているので、鳥を飼育しているすべての飼い主に読んでいただきたい一冊です。
人になつきやすく、言葉を覚えたり手に乗ったりとかわいらしいセキセイインコ。いまでは「コンパニオンバード」という言葉も生まれ、犬や猫と同様に家族の一員という位置づけがされています。興味をもたれた方、飼育を考えている方はぜひご紹介した2冊をお手にとってみてください。