漫画『ドラゴンボール』の亀仙人の11の事実!戦闘力、ライバル、名言など

更新:2021.11.23

本作に登場する準レギュラーキャラクター。物語の最初期から登場する彼は、孫悟空を導いて成長させるという重要な役割を担っていました。後に戦闘要員ではなくなるものの、精神的支柱の1つであることに変わりありません。 今回はそんな彼について掘り下げてみたいと思います。

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漫画『ドラゴンボール』の亀仙人とは?

 

亀仙人、またの名を武天老師(むてんろうし)。世界最高の武術の達人にして、本作の主人公である孫悟空の師匠でもあります。

物語には1巻から登場しますが、悟空が正式に師事するのは少し時間が経ってから。初登場時には劇中のキーアイテム、ドラゴンボール集めに関わる人物として登場しました。悟空の乗る筋斗雲は元はといえば彼の持ちの物でした。

年齢は初登場時で319歳。エイジ430年生まれ、本人に言わせれば毎日が誕生日だとか。血液型はO型で、身長165cm、体重44kg。「仙人」と呼ばれているものの、普段は実年齢以外にそれを感じさせる要素はありません。


悟空について詳しく知りたい方は<漫画『ドラゴンボール』の主人公・孫悟空の11の事実!戦闘力や本名など>をご覧ください。

著者
鳥山 明
出版日
1991-11-01

 

名高い評判に反して、見た目はただの老人です。とはいえ枯れているかといえばそうではなく、己の本能に忠実でまだまだ現役。トレードマークは禿頭やサングラス、豊かな白いヒゲ、そして常に背負っている亀の甲羅です。大きな瘤付きの杖も携帯しますが、なくても特に不便な様子は見られません。

中国風の服装だけでなく、南国風のアロハシャツを着ることもあり、高齢を感じさせないファンキーな人物。

好色の権化でもあり、有り体にいえば作中で1番のスケベ老人。若くてむっちりした女性に目がなく、テレビや雑誌を見る時もその関係ばかりです。悟空と出会ってからはブルマとよく接するようになり、ものの弾みでお触りに至る場面もしばしば。

アニメや映画版ではその部分がより顕著になって、いわゆるラッキースケベ要員にもなっています。

またそういったスケベの印象ばかり強いのですが、家にはたばこが置かれている描写があって、意外にも喫煙者です。

いつもは南海の孤島にある、通称「カメハウス」で人語を話すウミガメと気ままな隠居生活を送っていますが、いざ戦いが始まれば雰囲気は一変します。

世界最高の誉れは未だ健在であり、本気を出せば往年の姿を取り戻し、やせ衰えた肉体がたちまちムキムキのマッチョに大変身。序盤は名実ともに最強クラスでした。作品も中盤を過ぎると活躍の場面は皆無になりましたが、近年のアニメや映画では久方ぶりに前線で戦うシーンが挿入されたことが話題に。

何かと「あの世」と「この世」の関わりが深い本作では、その橋渡しとなる占いババが重要な位置を占めることがあるのですが、実は亀仙人と彼女は実の兄弟です。姉と弟の関係にあります。

アニメの声優は初代が宮内幸平。宮内が逝去してからは何人か代役を務めましたが、現在は佐藤正治がレギュラーで務めています。

 

エアロビを食い入るように見るエロ仙人!

 

彼と切っても切れない要素といえば、やはりエロでしょう。齢300歳を越えて、なお旺盛。痩せても枯れても現役。もちろん性欲的な意味で。

エロにかける情熱は凄まじく、1人暮らし(ウミガメと同居ですが)の気ままさもあって、誰彼はばかることなく、昼間からエロ目線でエアロビ番組に夢中な様子は印象的です。悟空やクリリン、その他誰かがいても構わず見ていますが。

それでいて亀仙人の健全なところは、直球のエロは基本的に視聴しないところでしょう。テレビは多少のお色気はあっても地上波の番組ですし、雑誌も水着グラビアレベル。日本の中高生並みに健全です。もしくはフェチズムかも知れません。

時折、ラッキースケベでブルマの胸を拝んだ時などは、堪えきれずに鼻血を噴出。直に見るのは高齢者に刺激が強すぎるのかも知れません。

 

亀仙人の本気の活躍!強すぎる!

初期『ドラゴンボール』における彼の戦闘力は、作中最強クラス。本気を出せば筋骨隆々さながらのスーパーじじいとなって、読者の度肝を抜いたのです。なんと悟空すら上回る強さを誇りました。

これぞ世界最強、武天老師といわれる所以。では一体、彼は何者なのでしょうか。

彼は若い頃、武の頂点といわれた武神「武泰斗(むたいと)」の直弟子だったのです。武泰斗はかつて地球で大暴れしたピッコロ大魔王と戦い、そして封印した大人物でした。その弟子だからこそ、ピッコロを封印出来る魔封波を知っていたわけです。

亀仙人は不老不死!? 物語の矛盾

 

彼は初登場時、不死鳥の力で不老不死となった、と語りました。300歳を越えても未だ現役なところを見ると、その言葉が本当のことであっても不思議はありません。

ところが実際には、復活したピッコロ大魔王との対決で死亡しました。不老不死が本当であれば、死ぬことなどないはずなのにも関わらずです。

そもそも不老不死の「不老」とは老いないということ。彼が老人の姿という段階で矛盾があります(不老不死となった時点から老いないと解釈することも出来ますが)。

実は不老不死とは彼のついた嘘。本当は不老不死ではなかったのです。

 

亀仙人の弟子・牛魔王とは?

 

彼は武術の最高峰だけあって、その教えを受けた者が何人か登場します。悟空やクリリン以前にも、そんな人々はいました。たとえば悟空の育ての親、孫悟飯も彼の弟子の1人で、何を隠そう1番弟子でした。

また初期に立ち塞がる敵として登場し、後に悟空の妻となるチチの父親、牛魔王もそうでした。彼は亀仙人の2番弟子に当たります。

牛魔王は裏社会や武道家にも名の知れた大男ですが、亀仙流の基本的な技術は習得したものの、気功の才能はなかったらしく奥義(かめはめ波)修得には至っていません。

 

亀仙人の教えとは?悟空とクリリンの修行から考察!

 

彼は普段のだらしない言動から、ちゃらんぽらんな老人か、さもなくはただのスケベじじいと思われがち。

しかし、そこはさすが武の極みに至った達人。本当は素晴らしい、いい師匠なのです。彼には悟空を始め、幾人もの実力者を育て挙げた、優秀な教育者としての一面があります。

 

著者
鳥山 明
出版日
1987-07-01

 

劇中で彼が課した修行の大半は、亀の甲羅を背負った基礎トレーニングでした。基礎の反復練習こそ学習の真髄。しかも2人同時におこなわせることで競争力も高め、段階を踏んでハードなものに移行していきました。気合いといった曖昧なものに頼らず、その時点での限界値を地道に引き出していったのです。

さらには休むことも修行、と休養の大切さまで説きました。適度なトレーニングとほどほどの休養こそが、真に強さを作ると示すのです。

これこそまさに理想の指導者像。パワーインフレに弾き出され、強さは弟子に追い抜かれても、彼がいつまでも尊敬される理由がここにあります。

 

亀仙人は弱い?レッドリボン軍に悪戦苦闘!?

著者
鳥山 明
出版日
1987-03-01

 

ここまで彼を持ち上げてきましたが、劇中の活躍の方はどうだったでしょうか。

指導者としてはともかく、序盤のレッドリボン軍との戦いでの戦果はいまいち。カメハウスを急襲された際は、ランチと2人がかりで撃退したものの……続くブルー将軍相手ではいいところがありませんでした。

世界最強の武闘家にも関わらず、彼はブルー将軍が忍び寄ったことに気付きもせず、そのことをに冷や汗をかいたのです。

おそらくは長らく実践から遠ざかったことで、体が鈍っていたのでしょう。

 

亀仙人の技とは?かめはめ波がかっこいい!

 

さすが武神だけあって、彼は多くの技を習得しています。

通常の体術としては残像拳や、酔った振りで相手を惑わす酔拳。気とは少し違う力(?)で放つ萬國驚天掌(ばんこくびっくりしょう)や、催眠術なども駆使します。

武泰斗から受け継ついだ魔物封じの奥の手、魔封波も特徴的。

そして忘れてはならないのが、本作の代名詞ともいえる必殺技、かめはめ波です。彼が50年に渉る修行で身に着けたまさしく奥義。フルパワーのかめはめ波は、天空の月を破壊する威力がありました。

これらの技が、彼を地球人最強の座に着かせていたのです。

 

亀仙人のライバル・鶴仙人と天下一武闘会で再会!

 

彼には、武泰斗に師事した時代に兄弟弟子がいました。その名を鶴仙人といいます。

ところが鶴仙人は武泰斗の死後、正義で振るう武道に疑問を抱いて離反。以後2人は、決して相容れないライバル関係となりました。

物語で描かれた第22回天下一武道会で、彼らは運命的に再会します。亀仙人側はジャッキー・チュンに変装し、悟空、クリリンが出場。一方鶴仙人の側は、非道も辞さない天津飯とチャオズが参加。1回戦で天津飯の才能を感じた亀仙人は、一喝して彼を正しい道へと引き戻しました。

鶴と亀は、まさに水と油。本質が相容れず、忌み嫌い合っています。亀仙人が鶴仙流由来の武空術を使用せず空を飛べないのも、この辺りに理由があるのでしょう。

 

亀仙人、ピッコロ大魔王編で無念の死……ネタバレ解説

著者
鳥山 明
出版日

 

恐怖のピッコロ大魔王、復活。

かつて師、武泰斗がそうしたように、彼は命懸けで魔封波による封印を試みました。武泰斗は封印に成功して落命しましたが、彼は残念ながら封じ込めに失敗したうえで、命を落としてしまいます。

その後ピッコロ大魔王は、悟空によって打倒されました。地球には再び平和が戻り、亀仙人もドラゴンボールによって無事生き返ったのです。

 

亀仙人の名言ランでキングベスト5!実は強くてかっこいい!

著者
鳥山 明
出版日
1991-11-01

 

彼といえば、言わずと知れた作中最高齢キャラクター。亀の甲より年の功とはよくいったもので、経験を積み重ねた人物らしく、要所要所でためになることを言っているのが亀仙人という人です。普段はとてもそうは思えませんが。

実践したい名言から、思わず首をかしげる迷言まで、ベスト5をご紹介しましょう。

第5位:

「優勝したもんねー――――っ!!!」
(『ドラゴンボール』5巻より引用)

彼は第21回天下一武道会において、弟子達に紛れてジャッキー・チュンとして参加しました。決勝戦では悟空と激戦をくり広げてお互いダウン。悟空より一足先に復活したジャッキー・チュン(亀仙人)は、大人げなくもダブルピースで勝利宣言しました。

第4位:

「最終回じゃないぞよ。もうちょっとだけ続くんじゃ」
(『ドラゴンボール』17巻より引用)

第23回天下一武道会、決勝戦の悟空対ピッコロの決着が着いた後の台詞です。宿命のライバルと完全決着し、悟空は嫁となったチチを連れて筋斗雲で飛び去っていきました。最終回かと思わせる展開で、彼は最後のコマでこう言ったのです。「第4の壁」を越えたメタ発言といえます。結局はご存知のとおり、ちょっとどころかずいぶん長く続いてしまいました。

第3位:

「よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休む。
これが亀仙流の修行じゃ」
(『ドラゴンボール』3巻より引用)

悟空とクリリンを弟子に迎え、彼は2人へ厳しい修行を課しましたが、単につらい訓練に没頭するのではなく、合間合間に一息入れることが描かれました。当該シーンでは3人揃ってハンモックに揺られています。肉体を酷使するだけが修行ではなく、学んだ(鍛えた)ことを定着させるためには、休息も重要な要素なのです。

第2位:

「武道は勝つためにはげむものではない。
おのれに負けぬためじゃ。
そのためにこれまで習得した基本を生かし、自分で考えて自分で拳法を学べ」
(『ドラゴンボール』3巻より引用)

天下一武道会に焦点を据える悟空とクリリンに、彼はこう語って聞かせました。強さとはともすれば暴力に繋がりますが、それを戒める言葉でもあります。武道とは己を高めるためのもの、というストイックな訓戒です。

第1位:

「ぱふぱふ!!」
(『ドラゴンボール』1巻より引用)

齢300歳を越えてなお、性欲旺盛――もとい本能に忠実な亀仙人。バニースーツ姿のブルマに誘惑され、思う存分「ぱふぱふ」を堪能しました。まさにエロじじいの面目躍如です。まあ、その時のブルマは本人ではなく、ウーロンが変身したものでしたが。

 

いかがでしたか?亀仙人がただのエロじじいではなく、いかに尊敬すべき人柄を持った人物か、おわかり頂けたかと思います。

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