小さくてコロンとした姿がかわいらしいうずら。卵を食べたことがある人も多いと思います。この記事では、彼らの生態や卵を孵化させる方法、飼育方法などをご紹介していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
キジ目キジ科ウズラ属に分類される鳥類です。生息地は、インド北東部から東南アジア、中国、韓国、モンゴル、ロシア東部、日本など。
キジ科のなかではもっとも体が小さく、体長は約20cm、翼長は約10cmで丸みを帯びています。尾は短く、嘴も黒くて短いのが特徴です。羽毛の色は赤褐色で、頭部と翼の上面には黒褐色の斑点と淡い黄色の縦斑があります。
野生のものは低地の草原や農耕地帯で暮らしていて、50羽程度の群れを形成して行動。主な餌は昆虫や木の実、種子などです。比較的地面の上を歩いていることが多く、自分の大きさの数倍もある高さを跳び越える脚力を持っています。
鳴き声はヒヨコのような「ピヨピヨ」というかわいらしいもの。ただ何かに警戒している際は「ピョイピョイ」や「クルルルル」と明らかに違う鳴き方をします。
見た目が丸々としていてあまり空を飛んでいるイメージが無いですが、実は長距離を飛ぶことができる渡り鳥です。冬になると暖かい地域に南下する習性があります。
北海道や青森で繁殖した個体は、冬には関東地方や東海地方、四国地方などの太平洋側で越冬することが知られているのです。また朝鮮半島で繁殖した個体は、日本海を越えて九州にやってくることもあります。
ただ翼が小さいこともあり、長距離飛行はあまり得意ではないよう。渡りをする際は、数百のうずらが翼を休めるために所かまわず降下して、休んでは飛ぶことをくり返し、遠くまで移動をします。
一般的にスーパーで売られているうずらの卵には、まれに有精卵のものが含まれていることがあるため、いくつかのポイントを押さえれば孵化する可能性があるようです。
まず温度は38~39.5度、湿度は50~70%に保ちます。さらに14日間、4時間に1回卵を90度に転がす必要があります。
この作業を人力でこなすのはかなり大変なため、卵をセットするだけでよい自動孵化器を利用するのがおすすめ。ペットショップなどで購入することができます。
ちなみに有精卵が含まれている確率は、10~20個に1個程度。あたためている途中で有精卵かどうかを判別する「検卵」をする必要があります。あたためはじめてから10日ほど経った後、卵にライトを当てると有精卵であれば雛の血管部分がくっきりと見えるのです。
ただ家庭で孵化させるのであれば、その後きちんと育てられる環境を整えてからにしましょう。
日本の歴史を見てみると、うずらは古くからペットとして飼育をされていたことがわかっています。臆病で警戒心の強い性格をしていますが、雛の時から育てれば、きちんとなついてくれるそうです。成鳥の場合は2000円程度で購入できます。
飼育をする際はゲージを用意しましょう。雛の場合は温度調節をしやすいように水槽で、大きくなってからはウサギなど小動物用のものがおすすめです。ジャンプをすることが多いので、天井部分に緩衝材を入れたり、やわらかい布などに変えたりするのがよいでしょう。
床には新聞紙やおがくずなどを敷き、フンをしたら定期的に取り換えて清潔にしてください。また寒さに弱いので、部屋の温度を暖かく保つ必要があります。
餌はペットショップで売られている専門のものを与えてください。うずらのメスは、オスがいなくても卵を産み続ける性質があるため、特にカルシウムを多めに摂取する必要があります。
寿命は平均で2年程度。インコやカナリアなど他のペットとして飼われている鳥よりは短めです。ただ飼育下で10年ほど生きた例もあるようです。
- 著者
- かつやかおり
- 出版日
- 2011-02-10
本作の登場人物は「ぼく」と「おかあさん」とうずらの「うーちゃん」。幼稚園生のぼくが生き物と接することで成長していく姿が描かれた絵本です。
物語はほのぼのと進むかと思いきや、いきなりうーちゃんの身に衝撃的な出来事が起こります。それでも小さな体でたくましく生きていく姿に心打たれるでしょう。
ぼくは言葉の通じないうーちゃんへ無邪気に話しかけ、うーちゃんが産んだ卵を食べ、そして小さな命を大切にします。著者のかつやかおりは、自身も子どもと一緒にうずらを飼育したことがあるそうで、その経験が存分にいかされた内容だといえるでしょう。
イラストが赤一色で描かれているのも印象的。力強い生命力を感じさせてくれます。
- 著者
- きもと ももこ
- 出版日
- 1994-02-25
オレンジ色のうずらちゃんと黄色のひよこちゃんのお話。小さな2羽はかくれんぼをするのですが、彼らの方法は物陰に隠れるのではなく、花の模様に紛れたり木の実になりすましたりと、自らの体を使ったもの。遊び心に溢れていて、どこにいるのか探しながら読むことができます。
イラストが色鮮やかなのも魅力的。小さな2羽の目線で見る花や雨の様子を楽しめるのも、絵本ならではでしょう。
就学前の小さなお子さんと一緒に読みたい一冊です。